2004年11月

2004年11月30日

パレートの法則

イタリアのパレート(経済学者)が所得統計を分析して発見した法則。世の中の2割のリッチマンが全体の8割の所得を得ているというのがオリジナル(だったと思う)。そろそろ20世紀になろうかという頃の話。


そこから転じて、顧客の中の上得意客2割が売上の8割を占めているとか、不良品の8割は2割の原因に集中するとか応用されている。品質管理分野への応用のほうが早かったと記憶する。マーケティングでパレートの法則が脚光を浴びだしたのは、ここ10年くらいだ(たぶん)。


品質管理は知らないが、マーケティングでの応用は結構いい加減。きちんと検証もせずに、品揃えのうち2割が−−−などと平気でいわれることも多い。さらに法則は一人歩きして「仕事の成果の8割は、費やした時間の2割にあたる重要な努力に左右される」などとパレート「道」にまで昇華している。


この法則は、直感的にそうなんだろうなと思わせる力を持っているし、シンプルで応用が利くので一人歩きするもの理解できる。日本人が好きなタイプの定理かも知れない。マーケティングや経営に、もちろん有効だが、事実関係は検証してから使ってね。


話は変わるがブログを見てくれた友人知人からのメールで多かったのは「意外とまじめな内容で驚いた」。ウ〜ン、本人は普段からまじめなつもりなのに。しかし謙虚に受け止めよう。


そこでパレートの法則の応用編を。
「人は20%のところで他人から判断される」(^^ゞ


それをさらに応用して本日は“ブランドイメージは、ブランドの20%の要素で形成される”の下書きでした。

wassho at 12:21|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月29日

音楽、聴いてる?

音楽CDが売れていない。ピークだった1998年が4924億円、2003年が3336億円と68%に減少している。ケータイなどへの支出に食われた〜CD-Rなどへのコピーが増えた〜中古ショップの影響−−−などいろいろ原因としてあげられている。


それらは一理ある。しかし一理でしかない。CDが売れなくなったのは、いい音楽が少なくなった、商品力が落ちたという単純な構図だ。もう少し正確に書くと、いい音楽はたくさん作られているが、それを消費者に届ける努力を怠ってきた。売れ筋集中、ブランドに頼ったマーケティングばかりしてきたからだ。

音楽業界の皆さん、他人のせいにするのはやめましょう(^_^)


尊敬する音楽プロデューサー今野多久郎氏によるBARKSという音楽サイトがある。今野氏は「平成イカすバンド天国」の審査委員長だったといえばご存じの方も多いはず。BARKSでは週2回、ミュージシャンをゲストに招いたトーク番組をインターネットラジオで放送している。過去335回分の放送リストが http://www.barks.jp/bow/ 今でもすべて聴ける。

270回あたりから聴き始めたが、それ以前のゲストで知っていたのは大江千里と立川談志(なぜに?)だけだった。私は若い頃はたくさんレコードやCDを買ったが、今は流行ものはFMでいいや−−−という「元音楽好き」の典型例である。J−WAVEなんかはよく聴いているから、それなりに音楽シーンを知っているつもりだったので、知らない名前ばかりなのはちょっとショックだった。しかし実は、このリストに載っているのは、世間的には無名なミュージシャンがほとんど。


ところが聴いてみると、とても実力のあるミュージシャン達だということがわかる。バラエティにも富んでいて面白い。いかに普段、FM局によって絞り込まれた曲ばかり聴かされてきたか痛感した。またmuse-free(http://www.muse-free.com/)というサイトでは、もっと無名あるいはアマチュア・ミュージシャンの音楽が聴ける。当たりはずれは多少あるが、ここでも充分に愉しめる音楽が聴ける。


しかし、いい商品でも知らなければ買いようがない。


BARKSに出演しているような、
 ・FMやTVではめったに聴くことができず
 ・商業実績も低いが、実力はあるミュージシャンの音楽を中心とした
 ・多チャンネル(多ジャンル)のインターネットラジオ。

私が欲しいのはこんな音楽環境だ。「FMは同じような曲ばかり流していて最近はつまらない」という人は多い。ニーズは確信している。もちろんダウンロード販売も行う。またインターネットを活かしてアジアを視野に入れたマーケティングを展開する。


メジャーな音楽シーンを東証1部とするなら、マザーズのような育成市場を作るイメージ。本日は“陰りの見える音楽マーケットこそビジネスチャンスが一杯。孫さん、堀江さん、三木谷さんどうよ”の下書きでした。続きを読む

wassho at 10:49|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月28日

メインバンク メーンバンク

日曜日なのでマーケティング以外の話しで。


待ち時間の「ほう」しばらくかかりますが「よろしかったですか?」


こんな言い回しが若い人を中心に増えている。断定を避けたいとか、面と向かったコミュニケーションができない〜その社会的背景は−−−とか、いろいろいわれている。日本語の乱れを指摘する人は多い。


私はあまり気にならない。言葉なんて変化していくもの。1000年前の日本語は今とはかなり違う。乱れかも知れないが、変化してしまったものは仕方がない。「ムカツク」という言い方には、その語感の強さに最初は戸惑ったけれどもう馴れた。「全然いい」と全然の後に肯定語を持ってくるのは、昔はギャグっぽいおもしろ言葉だったはずだが、今は私もビジネスの場で普通に使っている。でも「すごいイイ」は「すごくイイ」といって欲しいなあ。「いイイ」と3回続くと胸がつかえる気がするから。


さて私が気に入らないのはこんな言葉だ。
・センタ
・プリンタ
・ファストフード
・メーンバンク

NTTで商品の取り扱いについて答えてくれるのは「取り扱い相談センタ」だ。センターと書け!センターと パンチ( -_-)=○( )゜o゚)

こういう使い方はパソコン、IT関連の企業に多い。上2つは「4文字以上の単語の最後が長音なら、それを取る」というルールに基づいている。長い外来語が増えて困った新聞社が、1文字でもニュースを紙面に詰め込むために始めた説や、パソコンのメモリがまだ貧弱だった頃に、少しでも演算の負担を軽くするために考えられた説などを聞いたことがあるが、よく知らない。(あ〜あ、メモリなんて洗脳されちゃった)

ファストも、その長音削除の変形か。メーンはよくわからない。メインから字数は減っていないのだ。英語の発音がメーンでもない。どういう法則か謎。この2つは新聞やニュースでよく使われだした。


「よろしかったですか」は気にならないが、この1文字短縮に私がなぜムカツクのか、自分でもよくわからない。自然に使われ出したのではなくて、誰かがセコイ発想で決めたことだからかも知れない。マケティングなんていわれませんように。

wassho at 13:41|PermalinkComments(0) 社会、政治、経済 

2004年11月27日

年賀状と企業理念

コンビニの店頭や印刷屋からのDMで「年賀状印刷 受付開始」と知り、まだ知っていないことにしようと思う季節になってきた(^^ゞ


こんな文章が年賀状には印刷されている。
 「本年も相変わらずご交誼の程ひとえにお願い申し上げます」
 「旧年中は格別のご厚情を賜り有り難く御礼申し上げます」
 「本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます」


質問1
この手の挨拶文、もらった年賀状で、誰がどれを書いていたか覚えていますか?

質問2
旧年中は格別のご厚情を賜り有り難く御礼申し上げます−−−といわれて「いえいえ、こちらこそありがとうございました」という気持ちになったことがありますか?


いいたいことはおわかりだろう。これらは何も伝えていない、コミュニケーションになっていない。文面をすべて読むこともないはずだ。


年賀状に目くじらを立てるつもりはない。これらの文章は干支とか富士山と同じような定番のデザインだと思えばいい。年賀状そのものも、何を伝えあったかではなく、交わしたこと自体が価値を持っている。


しかし、企業のコミュニケーションでも年賀状のようなようなものは多い。広告もそうだが、圧倒的に多いのは企業理念だとか企業メッセージの類だ。あなたは会社の企業理念を覚えていますか? 企業理念が仕事、あるいは経営での大局的な判断基準になっていますか? 企業理念を読んで、よしがんばろうと思った、あるいはこの会社はいい会社だと思ったことはありますか?


企業理念は80年代のCIブームの頃から、コンサルティング会社や広告代理店がビジネスとして取り組み始め、多くの企業で書き換えられた。最初はよかった。あまりに古い価値観に基づく企業理念を見直すことは、経営の見直しにもつながった。しかし概念は常に肥大化する。だんだんと企業理念は体系化される運命に。ある大企業の企業理念体系は上から「ミッション」「ビジョン」「価値観」「行動規範」で構成されている。それぞれがいくつかの内容をもつので、大項目だけで15の内容が並んでいる。こうなると作文ゲームである。


そこに書かれていることはすべて正しい。そのとおり経営されるべきと納得さえする。しかし年賀状なのである。文章こそ今風になってはいるものの、正しすぎて何も感じない。企業理念を議論する難しさはここにある。「正しいことを」「伝わるように」書くのが正解なのだが、往々にしてこの両立は難しい。私は企業理念は人に影響を与え続けてナンボだと考えている。

それにこの企業の理念は、日本中のほとんどの企業でも採用できる内容。企業理念の「お約束化」も最近の傾向だ。上位概念だから似てくるのは仕方ないという議論もある。しかし、お約束の企業理念を掲げる企業は、概して製品・サービスもありきたりだ。


本日は“企業理念も企業戦略なのを、お忘れなく?”の下書きでした。続きを読む

wassho at 22:07|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月26日

ニュートンがリンゴで閃くことができたのは

少し前、皆さんも目にしたことのあるはずの、テレビや新聞で繰り広げられたキャンペーンのキャッチコピーを考えたのは、大手広告代理店「営業」部長N氏である。コピーライターが作ったものにどうしても納得できなかった彼は、職務権限で自分の案に差し替えた。有力広告代理店が勢揃いしたコンペで、クライアントの圧倒的支持を得て、それは採用された。


N氏はクリエイティブな才能のある人物ではない。センスや感性については、どこにでもいる中年のオヤジだ。しかしたまに、こういった離れ業をやってのける。彼は偶然できたと謙遜するが、これには理由がある。


友人が扱っている商品の企画アイデアを毎日、3ヶ月間メールで送ったことがある。仕事ではないから、お笑い企画も多かったが、2割くらいは検討に値するアイデアであったと思う。アイデア出しに苦労した覚えはない。ほとんど時間を使わないで、1日に2〜3個は楽に考えついた。


頭の中に1つ回路ができるのだと、昔から思っている。人間は脳細胞のうち、ごく一部しか使っていないそうである。うまく表現できないが、普段使っていない脳のどこかに問題意識をうまくインプットできると、見聞きすることがその問題意識にそって勝手に「情報処理」される。その回路が作用して、普段なら見落としてしまうことにも気がつく。ニュートンがリンゴが落ちるのを見て万有引力の法則を思いついた話しは、私にはよく理解できる。


N営業部長は、その仕事熱心さによって頭の中に1つ回路ができたと私は思っている。だから才能もないのに(失礼)キャッチコピーを考えついた。彼には、回路を持っていない自分の担当以外の、例えばクルマや化粧品のコピーは書けないはずだ。私については仕事柄、何となくそういう回路を開く術を体得してきたように思う。実際にはアイデアを出す作業は短期間でこなさなければならないケースが多く、あまり役には立っていないが(^^ゞ


では、この頭の中に回路を作る方法を提案しよう。続きを読む

wassho at 22:21|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月25日

女性から反感を買うマーケティング仮説

経験上、この話をすると1/3の女性からは反感を買う。
マーケティングの仮説なんだけれど−−−。


さあ、始めますか(^^ゞ 
20年少し前、あるカリスマ・ファッションモデル(女性)が髪の襟足を刈り上げた。当時は、かなり衝撃的だった。ファッション業界、ファッションの好きな人で刈り上げる女性が徐々にあらわれた。彼女たちはウツクしくない人が多かった。

とあるロックバンド。そのコアなファンの女性は黒ずくめのコスチュームに、死に神のような怖いメイクをしていた。彼女たちはウツクしくない人が多かった。

昔は普通の洋服だったが、いつのまにかフリルやリボン満載の超少女趣味の服ばかりになったブランドがある。それを着ているのはウツクしくない人が多い。


美人度合いのヒエラルキーの中で、女性は「世間」で、自分がどこにポジショニングされるかを「正確に」把握しているというのが仮説1である。15段階以上のヒエラルキーのような気がする。男性は? せいぜい5段階か。それに、たいてい自分自身の評価は1階級特進している。


下位ヒエラルキーの女性の一部には、そのポジショニングに我慢できない人がいる。その人たちが刈り上げたり、怖いメークをしたりして、そのヒエラルキーから脱出を図るのだというのが仮説2である。超少女趣味のブランドも、もはや普通のファッションとはいえない。


ふ〜、書きながら緊張してきた(^^ゞ 
さて、下位メーカーが上位メーカーと同じことをしても勝ち目はない。下位メーカーも、そんなことはわかっているが特色を出せているところは少ない。ハイアールという中国製の白物家電が鳴り物入りで日本に参入したが、あまり売れていない。特色がなくヒエラルキーの下位にいるからだ。一方デザイン性に優れた輸入家電と呼ばれる商品が、ブランド力や信頼性に関係なく売れ行きを伸ばしている。それらは日本の家電ヒエラルキーの外にいる。

デジカメでは下位メーカーになるエプソンの製品はさっぱり話題にもならないが、「R-D1」という機種は別格。昔のライカを思わせる徹底的にアナログ感覚にこだわったデジカメがマニアに評価されている。( http://www.i-love-epson.co.jp/products/rd1/rd11.htm) このカメラ、オートフォーカスもなければ、デジカメなのに1枚撮影する毎に「巻き上げ」が必要なのだ! R-D1はヒエラルキーの外に出た。今後、新たなヒエラルキーを作り上げられるかに注目である。


特色を出すとか、同じ土俵に乗らないというのは、企業自身が思っているより、かなり大胆なことをしなければ世間には通じない。本日は“下位メーカよ、刈り上げよ、フリフリせよ”の下書きでした。続きを読む

wassho at 12:14|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月24日

裏原 vs 原宿・青山

本日はいい天気。渋谷でランチをしてから、次の打ち合わせまでに空きができたので、原宿方面へ歩く。明治通りの一本東側を昔はキャットストリートといった。今もそう呼ばれてるのかな? ここを歩くのは好きだ。デパートやファッションビルの中を歩くと「買って〜」という声が聞こえてくる気がするが、ここで聞こえるのは「私たちファッションが好き〜」という声だ。お昼時だったので、通りにある小さな公園で近くのお店の店員らしき人たちが集まってお弁当を食べていた。そんな雰囲気もいい。


表参道に突き当たり、それを渡ると「裏原」と呼ばれるエリアになる。10年くらい前から原宿の裏通りに店が集まり始め、ファッション好きというかファッション・オタクの若い男性に支持されて、今や原宿でもっともファッションが売れる集積エリアとなった。最近は女性向けの店も多い。


実は、このエリアに詳くはない。視察兼散歩といった感じで年に1〜2回のぞく程度。裏原ファッションにも興味はない。というより似合わない、というよりサイズが合わない(^^ゞ しかし私はなぜか裏原に惹かれるものを感じるのだ。


それは、私が普段手がけている“マーケティング”とは少し違う次元で、裏原が動いているから。顧客ニーズに合わせてなんて発想はない。「創りたい服を作る、売りたい服だけを仕入れて売る、気に入ったら買ってね」といった感じか。といってもアンダーグラウンド的な閉鎖感はない。むしろ仲間になろうよというオープンさを感じる。その街の雰囲気にも惹かれて若者が押し寄せる。

なのに成長志向や競争志向がない。全国展開しているブランドもあるが、直営店ではなく仲間的な感覚の店への卸販売が中心。裏原でそこそこ儲かっていればいいと考えているところが多いようだ。人気商品はすぐ売り切れるが、供給量を増やそうともしない。マーケティング的に品薄感をあおっているのではなく「並べたいだけ作っている」。結構パクリ商品も多いのだが、それがあの狭いエリアで共存している大らかさもある。


裏原に精通している訳ではないので、私の見方は表面的かも知れない。しかし、かって原宿や青山で生まれたDCブランドが強烈な上昇志向を持っていたのと較べると、明らかに違う「ぬるーい」感覚でビジネスが成り立っているのが面白い。裏原の成功が偶然の幸運か、マーケティングとして学ぶべきビジネスモデルか、目下思案中である。


本日は“戦略、戦術−−−戦うだけがすべてじゃないよ”の下書きでした。続きを読む

wassho at 20:24|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月23日

ソース or 醤油

休日だし軽めのネタで。でも下書きは2本。

・目玉焼き
・卵焼き
・天ぷら

これらにソースか醤油のどちらをかけるとしたら、あなたはどっち。かけないとか、塩とかはなし。どちらかをかけなければいけない。

私の選択は
・目玉焼き→ソース
・卵焼き→醤油
・天ぷら→これは少し悩む。暖かければ醤油、冷めていたらソース。

私と違う選択をした人は、エ〜、こいつ信じらん!と、今思っているでしょう。私だって、目玉焼きに醤油をかける人の気が知れない! 他の食べ物もリストアップして、周りの人に尋ねて欲しい。きっと人間不信に陥るはず(^^ゞ


他人の行動や感性には、絶対に理解できないことってあるのだ。そして、マーケティングのレベルでは、それはそのまま受け止めた方がいい。ヘタに深読みしても無駄だし、自分の経験に無理やり照らし合わせて理解したつもりになってはいけない。あまりぴったりの例えではないが、クラブ(ホステスのいる店じゃないよ)に集まる若者の行動を社会学的に深く考察してもマーケティングにはあまり役に立たない。「私らの若い頃のディスコですよね」という人は、半分あっているが半分はずれている。こういう判断を繰り返すと大きな間違いにつながる。


ちょっと話が重くなってしまったかな。 本日は“マーケッターよ、汝の理解の限界を知れ”の下書きでした。続きを読む

wassho at 17:40|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月22日

質問はありますか?

コンサルタントの仕事にプレゼンテーションはつきものだ。規模の大きいプロジェクトでは何十名の人たちに向かって提案したり報告したりする。プレゼンテーションでは、こちらが一通り話し終わってから質疑応答にはいるのが一般的。こちらから問いかける時もあるし、クライアント側の司会者が仕切ることもある。


この質疑応答で盛り下がることは、ままある。そのプロジェクトを担当してきた人たちではなく、社内報告会として初対面の人たちにプレゼンテーションする場合は、質問が一切でないこともある。質問が出ない=プレゼンテーション内容に納得したと思って安心してはいけない。経験上、質疑応答で盛り上がらなかったプロジェクトほど、次の仕事につながる確率が低い(>_<)


質問が出ない1つの理由は、日本人特有の照れや気恥ずかしさによる。大勢の人の中で自ら進んで発言を求めるのは勇気が要る。これには、こちらから指名したり、クライアントの担当者に最初に質問してもらうように「仕込んだり」して対応するしかない。


2つ目の理由が今日の本題。結論から書こう。質問は?ではなく「わからないところはありましたか?」と話し始めなければならない。質問とは本来、わからないことを尋ねること。しかし、かしこまったプレゼンテーションの場などでは、自分の意見も述べなければいけないという心理が働く。意見を述べるにはプレゼンテーションの内容を理解し、咀嚼し、自分の考えと照らし合わせて−−−という作業が必要だ。プレゼンテーションをする側の努力でできるのは理解しやすい内容や伝え方をするところまで。短縮して書けば「よくわかっていなければ質問できない」のだ。


ちょっとした言葉の違いだが「わからないところは?」と尋ねることによって発言者が感じるプレッシャーはずいぶん低くなる。単純な質疑をやり取りするうちに、出席者の脳が活性化してくる。意見交換ができるのは、それからである。


本日は“プレゼンテーションのテクニック質疑応答編”の下書きでした。

wassho at 23:17|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月21日

グーグルしてみた

インターネットで便利だなあと実感するのが調べものをする時。昨日のブログでマークIIのユーザー平均年齢は58歳と書いた。60歳前後という記憶があったので、そう書いてもよかったが、念のためグーグルで「マークII 平均年齢」と検索してみた。幸運にも一番最初に目指す資料が表示された。


検索サイトでAND検索するには(つまり、マークIIと平均年齢の両方の単語が載っているサイトを探すには)、両方の単語の間にスペースを入れる。意外と知らない人が多い。他にもいろいろとテクニックがある。どの検索サイトにも説明ページがあるが、面倒だという人にはここがお勧め。 http://www.noogle.jp/  11月9日に“プラットフォーム”のブログを書いたが、ここはグーグルをプラットフォームに利用しているサービスである。


実はマークIIのユーザー平均年齢を調べた時、このブログも検索サイトに載っているのかなあ?なんてフト思いついた。私のブログタイトルから、とりあえず珍しそうな単語である「アゲドウフ」をグーグルしてみた。

♪ジャカジャン!  上から4つ目に表示された!


単純に感激した。このブログを始めてまだ2週間なのに、トラックバックはひとつもらったけれど、どこにもリンクは張っていないのに。

一人で興奮していたが、よく見ると全体で21件しかページがなかった。まあいいかと思いながら、件数が多いだろう“ハイネケン”で少し期待しつつ検索。
なかった(/o\)  全25.600件。5ページまで見たが載っていなかった。ちなみに私はグーグルを1ページ30件表示できるように設定してある。やっぱりなあと思ったが、試しにブログタイトルそのままの“ハイネケンのビール”で再トライ。わっ!9件目に載っている。もうとまらなくなった(^^ゞ


では全ブログ・タイトルのグーグル検索結果を。

●“コンセプトは下書きです”堂々の1位2位独占! リストアップされたのは2件だけだったけど(^^ゞ 「コンセプト」だけでは、もちろんなし。

●“プラットフォーム”5ページまでに見あたらず。

●“ハイネケンのビール”9位。

●“日経ビジネスの広告調査”「日経ビジネス 広告調査」で36位(全14.600件)。各単語では5ページまでに見あたらず。

●“囲い込まれている”35位(全2.660件)。

●“いらっしゃいませ←→笑顔”「いらっしゃいませ 笑顔」で48位(全57.100件)。これってスゴクナイ? 各単語では5ページまでに見あたらず。

●“楽天に期待するのは都市おこし”「楽天」ではもちろん5ページまでに見あたらず。「都市おこし」では4位。ただし全16件。

●“ネスレじゃなくてネコレ”「ネコレ」で5位(全698件)。でも、なぜかfinal windという知らないブログの下位ページ扱いになっている。そのサイトに行ってみたが私のブログとリンクしている形跡はなし。「ネスレ」では5ページまでに見あたらず。

●“女性自身と週刊女性”「女性自身 週刊女性」でも5ページまでに見あたらず。

●“アゲドウフ”4位。

●“カー・オブ・ザ・イヤー”5ページまでに見あたらず。

●“プラネタリウム”5ページまでに見あたらず。

●“セダン復権”5ページまでに見あたらず。



13タイトル中8件でヒットした。“コンセプトは下書きです”“ハイネケンのビール”のような文章的検索単語は一般に使わないが、それでも6件。普通のホームページで日記サイトを開いていたら、おそらく1件もヒットしなかったと思う。「ブログおそるべし」である。
ブログが検索エンジンにかかりやすいとはWebマーケティングの世界ではよくいわれている。しかしSEO(Search Engine Optimization:検索サイトの上位に表示されるようホームページを工夫すること)対策として自社のホームページに取り込んでいる企業は、まだまだ少数派だ。なおかつブログのマーケティングツールとしての活用は、まさに始まったばかり。


インターネットでは出遅れちゃった企業の皆さん。一発形勢逆転のチャンス到来ですぞ!続きを読む

wassho at 20:20|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月20日

セダン復権?

クルマのネタが続くが。理由は、18日にカー・オブ・ザ・イヤーのブログを書きながら思いついたので忘れないうちにと。


今年のカー・オブ・ザ・イヤー(本家・分家)は2台ともセダンだった。他にもクラウン、マークXなど大物車種の発売も相次いだ。ここ数年、セダンの新車が発表されれると「セダンの復権か?」などという文脈で語られることが多い。まあマスコミが深く考えて、この言葉を使っているとは思わないが、「セダンの復権を果たしたい」とインタビューで答えた自動車メーカー社長もいる。


前から少し不思議だったのである。セダンの復権とはミニバン(オデッセイとか)やSUV(ハリヤーとか)に押されて縮小したセダンマーケットの再拡大を意味する。ちなみに、今や乗用車の25%はミニバンである。

じゃ、メーカーはミニバンが売れちゃイヤなのか?

クルマのプロジェクトをしたときに、メーカーの人と雑談で、そんな話をしたこともあるが、ちょっとじっくり考えてみた。


今、一番売れているのはコンパクトカーといわれるジャンル。サイズが小さいのでスペース効率では分の悪いセダンが、このクラスで復権することはあり得ない。ハッチバックやミニ・ミニバンのようなクルマが今後も主流だろう。

ミニバンのキーワードは“子育て”だ。チャイルドシートの使いやすさに始まり、じっとしていない子供と一緒にドライブするにはミニバンの広さは代え難い。家族旅行やアウトドアレジャーをもっとも楽しんでいるのも、このライフステージ。ミニバンの優位は動くまい。

セダンを買っているのは年配層。先日マークIIがモデルチェンジしたがユーザーの平均年齢は58歳。中央値で見ればもっと高いだろう。


さて。他にもいろいろと考慮すべき背景はある。いろいろなストーリーを推測したが長くなるし、仕事で得た情報からは書けないので、ひとつだけ書こう。


子育てはやがて終わる。家族一緒に行動する機会が多いのは中学生くらいまでだ。ミニバンブームを引き起こしたのは先々代のオデッセイだから、10年近く立っている。つまり今後、広いミニバンを必要としなくなったユーザーが続々と増えてくる。そして、その人たちががコンパクトカーに流れては困るのである。価格も安いし利益率も低い。なにとぞ引き続き高い価格のクルマをお買い求めいただきたいという、メーカーとしての本心が、セダンの復権を目指すマーケティングに反映されてると考えるのは「わたしだけ?」(だいたひかる風に)


本日は“敵は本能寺にあり”の下書きでした。続きを読む

wassho at 20:10|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月19日

プラネタリウム

池袋サンシャインシティにあるプラネタリウムが好評だという。実は、このプラネタリウムは昨年、経営不振によって閉鎖された施設。その少し前に渋谷の五島プラネタリウムも閉鎖され、東京の2大プラネタリウムがなくなると新聞などでも報じられた。存続を願う会なども作られたという。


そこでプラネタリウム(星を投影する機械)メーカーである、コニカ・ミノルタ・プラネタリウムが、その運営を引き受け、今年3月に新たに“スターライトドーム満天”としてリニューアルオープンした次第。旧サンシャインシティ・プラネタリウム時代の年間来場者は約20万人。スターライトドーム満天は年間30万人を超えるペースでの来場が続いているという。50%の伸び率である。


プラネタリウムというと、小学校の時に連れて行ってもらった、学校の課外授業でいったという人が多いのではないだろうか。つまり子供の見るもの。しかしスターライトドーム満天では8割近くが大人の来場者なのである。子供に付き添ってきた親の人数は差し引かなければならないが、カップルや若い女性のグループが目立つという。


その理由は、児童向けの学習プログラムではなく、天体アドベンチャーやストーリー性を重視したプログラム、それにヒーリング・プログラム(香りの演出もあるらしい)などを中心に運営しているから。つまり大人をターゲットとしたマーケティングを展開している。


マーケティングに行き詰まったら、商品やサービス内容ばかりをいじるよりも、マーケティング要素の何かを変える発想も大切だ。

・ターゲット層
・販路
・価格帯
・広告媒体

あたりが代表的だが、スターライトドーム満天のように「学習からエンタテイメントへ」といったスタンス変更もおもしろい。総菜店が人気なのは、バラ売り・量り売りといった「販売単位」がスーパーやコンビニとは違うから。ユニクロは女性重視にターゲット層を変えて息を吹き返し、次は一番安いから同一価格なら品質世界一(ちょっとわかりづらいが)へシフトしようとしている。


本日は“いろいろ打つ手はあるものだよマーケティング”の下書きでした。

wassho at 23:50|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月18日

カー・オブ・ザ・イヤー

カー・オブ・ザ・イヤーに日産フーガが選ばれたという記事を読んだ。あれ?確かホンダのレジェンドが−−−と思って、思い出した。そうカー・オブ・ザ・イヤーって、いろんなところが主催しているのだ。一応本家はレジェンドを選んだ「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。フーガを選んだのはそこから分裂した「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」。この2つがメジャーだが他にもいろいろある。グーグルで“カーオブザイヤー”と検索するとトップに「日本自動車殿堂」という団体の紹介記事がトップに表示された。そこが選んだ今年のカー・オブ・ザ・イヤーはクラウンだ。


カー・オブ・ザ・イヤーが発表されると新聞にも必ず記事になる。世間でカー・オブ・ザ・イヤーなる賞があることを知っている人は少なくない。しかし規模と比較してこれほど世の中に影響を与えない賞も珍しい。カー・オブ・ザ・イヤー受賞をクルマ選びの基準にする人はまずいまい。去年のカー・オブ・ザ・イヤーを覚えていたら業界関係者か、よほどのクルママニアだ。


直木賞芥川賞、アカデミー賞などは作品のセールスに直結する。また受賞した作家や俳優、監督などは、その後光にあやかり、しばらくは食いっぱぐれない。カー・オブ・ザ・イヤーは、運良く商談中に受賞したら、セールスマンの最後の一押しになる程度か。


もったいないなと思うのである。必ず新聞が取り上げるほどの権威を持ちながら、世の中に影響を与えないことを続けるのは。
本家カー・オブ・ザ・イヤーが始まったのは1980年。そろそろ日本車の性能が欧州車に追いついてきた頃だ。その時代、このクルマが年間でもっとも優秀ですと選ぶことは、バイヤーズガイドにもなっただろうし、メーカーの励みにもなったと思う。あれから四半世紀、クルマは格段に進化し、今や“総合的優秀性”に情報価値はない。


カー・オブ・ザ・イヤーが選ぶ今年の「エコ・ランキングトップ5」。あるいは安全性でもリサイクル性の配慮度でもバリアフリー度合いでも何でもいい。今の時点で、価値のある情報を提供すればと思う。もっと大げさにいえば、メーカとは少し違う見地、見識から、メーカを競わせるような指標を示せれば、カー・オブ・ザ・イヤーの社会的存在感は高まる。



本日はちょっと強引だけど“時代に合わせて、立ち位置変えないと。カー・オブ・ザ・イヤーに学ぶ時代遅れの教訓”の下書きでした。続きを読む

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2004年11月17日

アゲドウフ

書評を読んで気になっていた本を買った。「魔法の発音カタカナ英語(講談社)」である。まだほとんど読んでいないのだが、カタカナをうまく使えば正しい英語の発音ができるし、脳生理学的見地から、それ以外に日本人が正しい発音を習得できる方法はないという内容である。

×ホスピタル  ○ハスペロウ
×アニマル   ○エネモウ
×ハウアーユー ○ハオユ
×サンキュー  ○テンキュ


著者は脳学者で、自分の英語が海外で通じなかった経験から、この習得法を編み出したとのこと。英語に関心がない人でも、脳生理学との絡みを説明した12〜30ページの序論は立ち読みする価値はある。ここを読んで、私は幽霊など存在しない派だったが、考えが変わった。(この話は、また別の機会に)


私は別に英語が得意ではないが、何事もスタイルから入る性分からか、それっぽく聞こえる英語の発音方法を見つけると独りで喜んでいる(^^ゞ いくつかの得意技を披露すると

・ワンセンテンスを息継ぎをしないで話すと、それっぽく聞こえる。

・舌を出せといわれるLなどの発音は口角(唇の両端)を上げると、それっぽく聞こえる。

・Vのある単語はブではなくヴと発音すると、それっぽく聞こえる。

・どう読めばよいかわからないような長く複雑な単語は、子音だけを読めば、たいてい合っている。


ま、そんな訳でこの本は私好みなのだが、おもしろいと思うのは、カタカナ英語はダメだといわれてきたのを「それはカタカナの使い方が悪いから」「日本人には英語そのものは無理」という逆転かつ逆切れの発想。なおかつそれが、理論に裏付けられ、本人の実践的研究がなされているのが素晴らしい。


マーケティング・セオリーはあまたあるが、もともとロジカルに組み立てられたものだから、基本的にはどれも大体正しい。しかし現実に応用できるかどうかは別問題。ウチは遅れてるなあとか、ダメだなあと嘆く前に「そんなことできるか!」と逆切れしてみると、以外と自社の強みが見えてくるかも知れない。

本日は“逆切れマーケティングの勧め”の下書きでした。続きを読む

wassho at 21:43|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス | ノンジャンル

2004年11月16日

女性自身と週刊女性

その変化に気づいたのは、先週の火曜日だ。女性自身と週刊女性の新聞広告(見出し広告)はたいていの場合、

「結婚25年目:百恵さん(45)夫・友和(52)と水いらず海外感謝旅行 」

などとご丁寧にも、ほとんどの人物の年齢が記されていて、つねづね「日本的というか、何というか」と思っていた。しかし先週の週刊女性の広告には、年齢が記されていなかったのだ。それっきり忘れていたが、本日また新聞広告を見て思い出した次第。(先々週がどうだったかは、記憶にない。)


ちょっと興味を持って発行元の主婦と生活社のホームページを見たが、それらしき情報はなかった。ミステリーなのは、その週刊女性の案内ページでは、しっかり「ヨン様(32)写真集 最新ショットと全貌が明らかに」と年齢が記されていたし、表紙写真をみても人名にはしっかり年齢が付いている。


なぜ、広告に年齢を載せるのを止めたのか? 
電話して尋ねようと思ったが、もう夜も遅いし(^^ゞ


相手の年齢を気にする人は多い。年齢差によって相手との「間合い」を測り自分のポジションを確認したいという心理か。ポジションが不安定なら気持ちも不安になる。外国のことはよく知らないが「和を尊ぶ」あるいは「自己の確立していない人が多い」日本人は年齢に敏感だと思う。女性誌ほどではないが、新聞記事でも多くの人名は年齢つきで書かれている。それは消費者ニーズなのだ。


ビジネスで年功序列は薄れつつあるが、人を測る物差しとしての年齢軸は健在だ。マーケティングリサーチで一時もてはやされたライフスタイル分析などが、今ひとつ定着しなかったのは、年齢軸でマーケットを把握したいという心理が勝っていたのも大きな原因だと考えている。

本日は“マーケティング・セグメントの背景序論”の下書きでした。続きを読む

wassho at 22:19|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月15日

ネスレじゃなくてネコレ

ネコレという会社の記事を読んだ。正確にはヤマト運輸の子会社ドリームクリエイトが提供するサービスである。http://www.dreamcreate.jp/


大雑把に言えば通販会社なのだが、自社の通販カタログではなく、JJでもCLASSYでも、本屋で売っている雑誌で欲しい商品を見つけたら、そのショッピングを代行し、配達してくれるサービスである。ユーザーは配達料込みで、購入金額に応じて約4割から1割のコミッションを支払う。画期的なサービスである。特に地方都市に住んでいる人には魅力的だろう。


実は、このアイデアは結構古くからあった。検討していた企業もあったし、限られた金持ち相手に同じようなことをしている個人業者も知っている。


しかし企業レベルで手がけたところはなかった(私の知る限り)。それはオペレーションの煩雑さと、さまざまなリスク管理を考えると、検討する前にゲンナリしてくるからだろう。そのあたりをどう解決したのかはわからないが、アイデアを実現させたのはさすがヤマト運輸である。ぜひ成功して欲しい。ちなみにドリームクリエイトはヤマト運輸の社内ベンチャー制度の成果。そういったマネジメントもチャレンジを後押ししたに違いない。


11月9日に書いたプラットフォーム論でいえば、これは雑誌というプラットフォームの新しい利用法だ。雑誌を商品ニュースを伝えるメディアとしてだけでなく、カタログとしての価値を自社の機能によって生み出す。
おもしろいな。しばらくプラットフォーム探しで頭の体操でもしてみようか。続きを読む

wassho at 10:01|PermalinkComments(1) マーケティング、ビジネス 

2004年11月14日

楽天に期待するのは都市おこし

ブログを始めて1週間たった。あちこちのプログを訪れ、トラックバックを遡っては、さらにいろいろと読ませてもらった。


意外だったのは、例のパリーグ問題の投稿が予想以上に多かったこと。プログを書いている人には、主役が楽天/ライブドアとなじみがある存在だし、構造問題、世代問題、エスタブリッシュメントvsノンエスタブリッシュメント等いろいろと論評しやすいテーマであるということか。でも、どこかでライブドア派だった女性が「楽天に決定と聞いて涙が溢れた−−−」と書いていたのには、ちょっとヒイた。たった数ヶ月の降って湧いたような問題で、そこまで入れ込めるの?と思ったのが正直な気持ち。それとも、私の心がひからびているのか?


金融系経済人?の木村剛氏のプログに面白い記事が出ていた。(http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2004/11/blog_of_the_wee_3.html#more)
(トラックバックさせてもらった)


ところで有名人ブログなるものをいくつか見たが、この「週間!木村剛」は異色の充実ぶりである。金融系の難しいテーマが多いが、かみ砕いて掲載されているし、常連読者?のプログ記事を引用するなど、プログ=日記ではなくて立派にメディアの様相を成している。(だから、つい記事と書いてしまった)また木村氏がお笑い芸人に詳しいらしいのも楽しい発見であった。


で、前述の記事だが、楽天の投資額マイナス収入は1年換算で36億円の赤字。パブリシティ効果は「楽天イーグルス」と叫ぶのに2秒というような計算も含めて15〜6億円−−−だから元を取るのにまだ20億円足りないというような趣旨。(なお執筆は木村氏ではない)


しかし私は、その15〜6億円のパブリシティがもたらす「効果」に注目すべきだと思う。単に知名度が上がるだけか、10倍いや1000倍以上のリターンを得ることができるかは、ひとえに楽天あるいは三木谷氏の手腕にかかっている。楽天市場の取り扱い高には既に効果が出ているらしいし、もう楽天社員は日本中どこでも名刺を出せば、少なくとも門前払いは喰らうまい。


イーグルスを強いチームにとか、プロ野球をもっと面白くというのはもちろんだが、私が楽天に期待するのは「スポーツを軸とした都市おこし」だ。大都市集中ではなく充実した地方都市の集合体が日本の足腰を強くする。それには政治・行政というフレームワークだけでなくビジネスというコンテンツが必要なのだ。


で、具体的には、もちろんノーアイデア(^^ゞ
球団経営から徐々に地域経済への関与を深め、スポーツ関連のベンチャー企業の誘致、育成〜〜シリコンバレーならぬスポーツバレーのようなストーリーが成立すれば、夢があっていいなと考えた次第。開業当時、ECコンサルタントのほとんどが疑問視した「ネットモール」なる業態を、ゼロから成功させた楽天だけに期待したいのである。


本日は“地方都市おこし”の下書きでした。続きを読む

wassho at 18:28|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月13日

いらっしゃいませ←→笑顔

近くの公園でジョギングしていたら足の指が突然痛み出したので、散歩に切り替えて、ついでにブックオフへ。


2冊ほどいい本を買えたのはラッキーだったが、いつも閉口するのは店員の「いらっしゃいませ、こんにちわー」の叫び。もちろん私を歓迎してくれたのではなく、黙々と本を整理しながら定期的に叫ぶ。私が真横にいても本棚に向かって叫ぶ。誰かが叫んだら、店員が順番に叫ぶマニュアルがあるのだろうな、きっと。


物販店、飲食店にかかわらず「いらっしゃいませ」の挨拶は礼儀、美徳となっている。ただし、それは挨拶としてコミュニケーションになっていればの話だと思う。

また店舗や従業員の活気を出すために「いらっしゃいませ」は効果的とされている。デパートやスーパーの朝礼で「いらっしゃいませ」を唱和する光景はテレビでもお馴染みだ。それを否定しないが、機械的に発せられる「いらっしゃいませ」は、程度問題ではあるが、やはり私には雑音にしか聞こえない。まあ、1日に何百回も「いらっしゃいませ」しなければならない店員の気持ちもわからなくはないが−−−。


ブックオフなどは雑然として店舗という心構えがあるので、まだいいのだが、時々我慢できなくなるのは飲食店。安い店だけでなく、高級な寿司屋でも時々びっくりするくらい元気な板サンがいる。「いらっしゃいませ」は注文を取りに来た時だけにしようよ、飲食業界の皆さん。


本日は“飲食店への提案”の下書きでした。続きを読む

wassho at 22:11|PermalinkComments(1) マーケティング、ビジネス 

2004年11月12日

囲い込まれている?

本日伺ったクライアントの担当者は、やたら「顧客を囲い込む」を連発する方だった。それはちょっと?なのだが、オリエンに熱意があふれ出ている。私もがんばらねば。


さて、マーケティング流行語としては、一時ほどの勢いはないものの、顧客囲い込みはマーケティングにおいて重要なテーマであることには変わりない。しかし私はこの言葉が生理的に好きになれない。マーケティングで必須の、生活者視点で考える、行動するという精神が感じられないからかも知れない。


私の好き嫌いはさておいて、顧客囲い込みで「勘違いしてるなあ〜」と思うことは2点ある。

まずは、顧客囲い込みは運用面でのマーケティング手法だと言うこと。顧客囲い込み「が」成功している企業のほとんどは、もともと商品や店舗の実力の高い企業だ。本来の企業力が低いのに顧客囲い込み「で」伸びた企業はない。顧客「を」囲い込むにはどうすればと考える前に、顧客「に」囲い込まれるのはどうすればと、まず考えるべきなのだ。


次は顧客囲い込みというキーワードが一人歩きしたからだろうか。顧客囲い込みは、既存顧客が離れていくのをいかに食い止めるかのマーケティング手法なのだが、新規顧客を獲得するとか「取り込む」と勘違いしている人は結構多い。私の手元には一流企業の手による「この○○○顧客囲い込み施策を新規事業の目玉とする」とか「これによって新規顧客5%増を目指す」などと書かれた企画書が存在する。


本日は“囲うか、囲われるか、それが問題だ”の下書きでした。続きを読む

wassho at 01:37|PermalinkComments(1) マーケティング、ビジネス 

2004年11月11日

日経ビジネスの広告調査

少し前になるが、いつもと違う封筒に入った日経ビジネスが届いた。
開封すると広告印象度の調査依頼で、これが結構興味深かった。


送られてきた1〜2週間くらい(だったと思う)前の日経ビジネスを再度見ながら、そのすべての広告につき「当時を思い出しながら」調査票に、よく読んだ/チラッと見た程度/記憶にないの三択で記入するのである。(選択肢の文言は、私の曖昧な記憶です)


やってみた。ウ〜ン、ほとんどの広告が「記憶になかった」。私のような読者ばかりなら出稿クライアントは激怒するだろうなあと思うくらい見事に「記憶になかった」。自己分析すると、記憶があるのは、もともと関心のあった商品や分野の広告。職業柄、ほとんどの広告は「チラッと見た程度」しているはずなのに、関心のない広告は1〜2週間で記憶からまったく消えるのだ。いや、次の日に記憶に残っていたかも怪しいぞ。


広告にもいろいろ関わってきたものとしては改めて考えさせられた。
広告ターゲット特性、選択媒体、表現手法その他の組み合わせを最適化しないと、広告は広告たり得ないのだ。考えてみれば当たり前のはずだが、そこまで綿密にプランニングされている広告計画はごく少数。広告のプレゼンテーションでは絵空事のサクセスストーリーがものを言う場合が多いことを白状しておこう。


本日は、考えただけでも気が遠くなる“広告最適化手法”の下書きでした。続きを読む

wassho at 21:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月10日

ハイネケンのビール

近くのスーパーでは時々ビールの安売りをしている。ハイネケンが安い時は買うことが多い。特に好きな訳でもないのだが、普段とは違う味のビールを飲みたいから買う。


あまり自信はないが、私の舌には、はっきり普段と違うビールの味がする。そしていつも思うのは、どうして日本の大手ビールメーカのビールや発泡酒は、そろいも揃って同じような味しかしないのかということ。


毎年あるいはシーズン毎に新製品が出てくる。その企画開発の中で、新製品として、あるいは競合商品に対しての「差別化」は重要テーマに違いない。大手ビールメーカーには優秀な人材も多いはずだ。彼らが企画、開発に膨大な労力とコストをかけて新製品は生まれてくる。その後の製造や広告、営業努力のことを考えると−−−メーカーが真剣に、全力で取り組んでいるのを疑いはしない。


で、棚に並んでいるのは、同時に飲み比べでもしないと味の違いのわからないビールや発泡酒なのである。なにか滑稽に思えてくるのは私だけか?


今回は“ここが変だよ日本のマーケティング:ビール編”の下書きでした。続きを読む

wassho at 13:47|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月09日

プラットフォーム

昨日、ちょっと目を引いたのは「iPodで読むバイブルがひそかな人気に」という記事。iPodで聖書が読めたり朗読が聴けたりするソフトをインストールするサービスのようだ。
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20075615,00.htm


で、本題はプラットフォーム(駅のことじゃないよ)。この概念というか切り口は、前から少し気になっていた。
ある仕組みが大きくなると、それを土台として活用する仕組みが生まれ、その仕組みがまた土台となって別の仕組みが−−−。


通信網や電話線の上にインターネットが生まれ、ウエッブができ、いろんなビジネスの土台になっている。大手ポータルサイトは、今やそれ自体がプラットフォームだ。販売店網や物流、ちょっと乱暴だがブランドや顧客層だってプラットフォームといえなくはない。


たいていのビジネスは、例えばi-modeが携帯電話網とインターネットの合わせ技のように複数のプラットフォームに乗っている。ネット通販も宅配便があってこそ成り立つ。


今の事業が基盤としているプラットフォームに課題はないか、最大限活用しているか。新しい有望プラットフォームは何か。もしプラットフォームを支配しているなら他に合わせ技のできるプラットフォームはないか−−−等々は、マーケティング分析の視点になりそうだ。
そして製品やサービスをプラットフォームにまで高められる可能性があるかは、一度は検討しておきたい戦略テーマである。


個人的には“企業再生”というプラットフォームに興味津々なのだが。


ということで、第1回目は“プラットフォーム・マーケティング”の下書きでした。続きを読む

wassho at 12:18|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2004年11月08日

コンセプトは下書きです

ブログを開設してみました。
ほとんど説明書は読んでいないけど、IDを取得したり何やらかんやら、ここまでの手続きは順調のよう。

ブログについて“新しいコミュニケーションツール”として話題になっているようだし、一部にはとても熱くなっている人がいるみたいだけれど、私としては半信半疑。

でもブログは気軽かな?
とりあえずは文章を書くだけで始められるし、配信する責任のようなものを感じることもない。

マーケティングの仕事を始めて気がついたら20年。「ホームページないの?」とか「メールマガジン出せば?」とか、いろいろ勧められたけど、面倒というか、やり出すと凝り性の自分がわかっているだけに(^^ゞ


今のところ、このブログをビジネスの宣伝ツールにするつもりはないし、暇にまかせてマーケティングやビジネスについて私自身の頭の整理のために使ってみようと思う。

wassho at 22:33|PermalinkComments(1) 生活、日常