2007年03月

2007年03月30日

道徳と倫理

3月は明日も続くけれど、本日は年度末、月末、週末の3拍子揃っためずらしい日。早いものですね、まだお正月の記憶も鮮明なのに。
修正:書いてから気がついた。年度末と月末は毎年揃うか(^^ゞ


ニュースによると道徳が正式教科になるらしい。正式教科と正式でない教科の違いってよく知らないが、道徳教育に力を入れましょうということなのだろう。


論理的に考えれば、道徳教育のウエイトを高めることは悪いことではない。でも何となく、この手の論議にイヤなものを感じるのは、昔の国粋主義、全体主義、儒教的な価値観などを復活させようという魂胆が透けて見えるから。ニュースにある教育再生会議の面々がそういう魂胆を持っているかどうかは別として、他のそういう魂胆を持っている連中が、この国には少なからず残っている。もしかしたら数は少ないかも知れないが、パワーはそれなりに持った連中である。少し前に話題となった「国を愛する」ということも、純粋に考えれば当たり前のことだけれど、そういう魂胆を感じるから、警戒心が先に立つ人が多いのだと思う。


国を愛することが国家が決めることなのかどうかを別にすれば、素直に「私は国を愛しています」という人を増やしたければ、そういった疑念あるいは誤解の解決が先だ。


さて、道徳について。


何で読んだか忘れたが印象深く覚えている言葉。

「良心は道徳と倫理に分かれる。社会や人に対して罪や恥を感じるのが道徳。神のまなざしの前に罪を感じるのが倫理」

正確ではないがこんな内容。たぶん、日本人に倫理観というものが理解できないのは宗教が希薄だからーーーとかのテーマだったと思う。わかったようなわからないような論理だけれど、何となくわかったような気になるのがスゴイ(^^ゞ

wassho at 18:22|PermalinkComments(0) ノンジャンル 

2007年03月27日

都知事選〜候補者の選び方

引っ越してからは初めての選挙。自宅から駅へ行く途中の小学校が投票所らしく、候補者のポスターを貼る看板がたてられている。20人分くらいのポスター枠がある。看板が立てられたのは公示前、つまり立候補の届け出前だから、もっとたくさんの人が立候補したらどうするんだろう?


今回の選挙は盛り上がりに欠ける。メインの候補者が実質的には石原と浅野の2名だけでバラエティに欠けるし、意味不明な理由で立候補している候補者も雰囲気をしらけさせる。青島が博覧会(だったっけ?)中止を訴えたときの知事選のような「華やかさ」は候補者にも政策にもみられそうにない。


「この人に入れたい!」という候補者がいれば投票は楽である。しかし不幸なことに、そういうケースはほとんどない。


だから投票は難しい。


モノを買うときは、性能やデザインや価格などを比較するけれど、基本姿勢は「よりいいモノを買おう」である。選ぶという行為で、脳はそういう思考をするように設計されていると思う。欲しいモノが高くて買えない!という悔しいことはあるとしても、基本的にポジティブな行為。


しかし、投票では往々にして「どっちが、より悪くないか」という判断を迫られる。後ろ向きで夢も希望もない(/o\) 
参政意識とかいろいろあるが、選挙に行かない人は、そういう判断行為が面倒なのだと私は分析している(誰だって面倒であるが)。


しかし「どっちが、より悪くないか」という判断をしなければいけないことは人生で多々ある。大事な局面ほど、そういうケースが多い気がするのは、私の人生がうまくいっていないからか?


というわけで本日は “いざというときに備えた頭の鍛錬だと思って候補者選びに悩みましょう” の下書きでした。


あなたの1票が政治を変えるかどうかは別として、投票すると1つだけいいことがある。株を始めたら買った株(会社)のことが気になるのと同じで、投票した候補者のことは気になる。投票するまでは見過ごしていたような小さなニュースや情報も目にとまるようになる。まあ、そうやって政治や議員に対する目も肥えてくる。それも一種の知的レベルの向上である。

wassho at 17:32|PermalinkComments(0) 社会、政治、経済 

2007年03月26日

ご近所づきあい

能登半島で大地震。
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。


さて、大地震。日本で地震のない地域はないから、明日は我が身かもしれない。地震の巣の上に日本列島があるのだから、こればかりは仕方がない。それさえなければ、そんなに悪い国じゃないと思っているのだが。


阪神大震災の時に強く思ったんだけれど、あの時いちばん被害を受けた地域は神戸の下町である。地域コミュニティがあり、ご近所顔なじみだから「誰それが見あたらない」となれば捜索する場所もおおよそ見当がつく。避難所でもご近所同士励まし合える。家族でも助け合える。


東京じゃ、そうはいかないだろうなあというのが当時の実感。


1人暮らし世帯が占める割合の地域比較を確認していないが、おそらく東京はダントツに高い。そして1人暮らし世帯が地域コミュニティに参加している割合、平たくいえばご近所づきあい率はとても低い。つまり東京は見ず知らずの人が集まって暮らしている街である。(ちょっと言い切りすぎか)


そうしたいと特別に思っているわけではないけれど、私もご近所づきあいはない。私の周りでは、それが普通の暮らしかただ。(小さい子供の多いマンションなどではまた別だろうが)


ご近所づきあいのない社会は、よく考えれば異常と思う。しかし、よく考えなければ気づかないくらい当たり前にもなっている。たぶん、これからも変わらない気がする。


とりあえず、もし被災してもシブトク生き残ろうと思う。

wassho at 17:33|PermalinkComments(0) ノンジャンル 

2007年03月22日

不気味の谷

ロボット工学用語。
まったく知らなかったが、何日か前の日経産業新聞のコラムで知る。
その記事もリンクしたいけれど、あの新聞はセコくてネットでは何も読めないので。


簡単に説明すると、ロボットがロボットらしい(機械っぽい)うちは親近感がわくが、どんどん人間ぽくなってくると、あるレベルを超えたところで気味が悪くなる。(理論では、さらに人間ぽくなると、また親近感がわくらしい)


とりあえず、 このページ見て。



確かに右から3つめの少女型ロボットは気味が悪い。
実験風景の下の写真は、たぶん本物の人間だろうが、あれがもしロボットとしても(つまり、見分けがつかないくらい精巧ならば)気味悪さはない。
つまり少女型ロボットは、中途半端にそっくりなところが不気味。


ページの下の方にあるのが、不気味の谷のグラフ。縦軸が好感度、横軸が人間にどれだけ似ているかを示している。あるレベルを超えると好感度が下がりマイナスとなる。グラフに書くと谷のように凹んでいる。


この理論はロボットの見かけと動作についてのものだが、ほかないもいろいろと当てはまりそうだ。


1)人と仲良くなるのはいいことだが、限度を超えて、あまり一方的に
  なつかれるとうっとうしくなる。

2)あるいは、丁寧な人は助かるけれど、あまりクソ丁寧だとーーー。

3)自分のことをよく理解してくれたり、誕生日を覚えてくれたりするとウレシイが、
  あまり何でも知っているとストーカーかと疑う。

4)値段が安いのは魅力的でも、あまりやすいと不安になってくる。
 (これについては各種の計測手法が開発されている)

5)何事も自分で判断し、決定し、行動したいけれど、ずっとそれじゃ疲れるので、自分に都合のよい状況が続く限り世の中に流されていたい。


ンッ? 5)は、ちょっと違うか(^^ゞ


とにかく本日は “人の気持ちとか世の中とかは、グラフにして一直線じゃない場合もあることを再確認” の下書きでした。マーケティングにも応用の利く理論だと思う。

wassho at 15:41|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2007年03月19日

すし警察

年間500万円ほどミネラルウオーターを愛飲する松岡農相が、海外のどこかで「日本食とはかけ離れた日本食」を食べ、コレじゃ日本文化がおかしくなる、正しい日本食を出すレストランを日本政府が認定しよう!ーーーといいだしたらしいのが 「海外日本食優良店調査・支援事業」。この記事は昨年末のものだが、先週も何か進捗があったらしく、テレビで報道を見た。


実にアホクサい政策。
こんなことに2億7600万円も使う農水省の気が知れない。
大臣を機嫌良くさせておけば、ほかの仕事がはかどるから、3億円くらいミネラルウオーター的支出ということか。


インド政府がこういうことをすればカレーライスは不合格料理になるし、煮た豚肉を叉焼(ちゃーしゅー)といってラーメンにのせていることで中国政府とも一戦交えなければならない。


しかし、この予算はおそらく取り消されない。
ならば、その有効利用を考えよう。


松岡大臣が何を食べたか知らないが、海外ではちょっと変わった日本料理があるのも事実。アメリカのカリフォルニアロールが有名だけれど、昔韓国でも「これが今、韓国で流行っている日本料理」と何か不思議なものを食べさせられた(何だったかは忘れた)


私は、それらの料理を否定する気は全くない。料理に限らず文化はクロスオーバーして発達していくものと思っているから。


だから、その2億7600万円で、日本ではお目にかかれない日本料理をどんどん発掘し、それらを広く公開して欲しい。できれば日本料理の調理人には試食会でも開いて。それらを逆輸入するか、さらなる発展をさせるかは我が国の調理人の腕と感性しだいだけれど、21世紀の日本食が生まれるかも知れない。


皆さんも時々いうでしょ「何かかわったもの食べたいなあ」って。

wassho at 16:51|PermalinkComments(2) ノンジャンル 

2007年03月14日

鈴木ヒロミツ氏

お亡くなりになった。
享年60歳。


昔、彼には一度だけ会ったことがある。
ある結婚パーティーで新郎の友人としてきていた。

名高達朗もいて、たまたま私と鈴木ヒロミツと名高達朗が並んで座っていたのだけれど、出席していた女性の多くが二枚目俳優の名高達朗と一緒に写真を撮りたいとやってくるので、そのたびに私と彼は「お互いブサイクは辛いなあ〜」といいながら撮影が終わるまで席を立って待たされたのだった(^^ゞ 

気さくないい人だった。私のことをプロ野球選手の誰かに似ているといってくれたが、野球にはあまり詳しくないので、その選手を知らなかったし、今となってはそれが誰だかも忘れた。社交辞令ではなく本当に私は「たどりついたらいつも雨降り」が好きだったので、そんな話をするととても喜んでくれた。

謹んでお悔やみを申し上げる。

wassho at 22:11|PermalinkComments(2) 社会、政治、経済 

2007年03月13日

100メートルは全力で

世界水泳が近いということで、テレビでよく水泳関連の番組がある。


前にもチラッと書いたように中学の時は水泳部所属。当時は、市内で常にトップクラスの強いチームだった。まあ、練習もきつかった。


入部していつ頃だったか忘れたが最初のタイム計測。1年生にとっては初めて全力で泳ぐという体験。100メーターのタイムを計るんだけれど、最初から飛ばしては体力が続かないから「50メーターまでは様子見で、2ターン目でピッチを上げて、最後の25メーターを必死で泳ごう」などと作戦を立てながらスタート。


それで泳ぎ終えると、顧問の先生から「コラッ!wassho、最初ゆっくり泳いだだろ」とどなられる(>_<) 「100メータなんてのは最初から最後まで全力で泳げ! それくらいできなければ辞めろ、このボケ!!」


ヒェ〜ご無体な!と思いつつも、2回目の計測では最初から全力で泳ぐ。絶対途中でバテて泳げなくなると思ったけれど、しかしバテながらも意外とすんなり泳ぎ切れ、もちろんタイムもよかった。


本日は “全力でチャレンジもしないで、低めのレベル設定で楽して、そのくせ思ったとおりにいかないとか成果が上がらないとかブーたれてることってない?” の下書きでした。


ところで200メートルになると、さすがに最初から最後まで全力というわけにはいかない。ペース配分も大事だし、試合となればほかの選手との微妙な駆け引きもある。ハイ、私は200メートルのほうが成績がよかったです(^^ゞ

wassho at 15:16|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2007年03月08日

テレビ会議

受付嬢に続いて、これも体験してみないとピンとこない話だけどーーー。


先日、某クライアントを訪問すると、いつもの会議室ではない部屋に案内された。入ってみると、そこにはテレビ会議のシステムが。そして離れた場所にいる技術開発のスタッフと一緒にミーティングという段取り。


かなり以前にもテレビ会議に参加したことがある。その当時は画像がカクカクとコマ送り的な感じがして何となく落ち着かなかったけれど、最近のシステムはまったく問題なし。音声は微妙に遅れても、テレビの衛星中継ほどはズレない。数週間前に一緒に仕事をした技術開発スタッフの顔を見ながら話ができるのは、何となく懐かしく親近感も沸くし、もちろんミーティングの中身も充実したものになった。

遠方にいるクライアントとのやりとりは、どうしてもメールが中心になるが、顔を見ながらのコミュニケーションはやはり密度が濃いと実感する。素直に「コレ欲しい」と思った。


テレビ会議システムがどれほど普及しているのかは知らないが、あまり話題は聞かない。そういえば携帯でもテレビ電話ができるが、かかってきたこともないし、使っているという人は私の周りではたぶんいない。NTTのフレッツ光だったと思うが、草薙剛がインターネットテレビ電話をしているコマーシャルもあったけれど、あれって普及しているの?


私が持っているパソコンのディスプレイの上には小さなレンズがついていてカメラになっている。マイクもどこかについていて音声も拾えるはず。こういうハードとインターネットを利用して「各人がデスクにいながらテレビ会議を行えるシステム」ってあるのかな? もちろん性能は優秀で、暗号化か何かで会議の内容が外部には漏れず、かつ安価で、何よりも操作が超簡単なのが条件。


クライアントのほとんどは、それほど遠くない場所にあるにしても、それでも出かけるには時間がかかる。大きな会社では会議室まで行って帰ったり、会議室を予約したり、会議室を片付けたりする時間もチリと積もれば山となるはずである。社内でテレビ会議をすれば、会議室の数も減らせて、オフィスも広くなる。社外への移動が減れば二酸化炭素排出量も減るとは、ちょっとこじつけっぽいけれど、テレビ会議はいいことずくめの気がする。


本日はちょっと長いけれど、“メールは連絡には便利でも議論するには向いていない。というか、そんな議論のメールを書くには時間がかかりすぎる。かといって、人が集まるのには労力がかかる。私の仕事は議論が大事なんだけれど、気がつけばメール・コミュニケーションの弊害で昔と較べて議論が少なくなっている気がする。私のイメージするようなお気楽なテレビ会議システムが普及すれば、メールの弱点を補うツールになるかな?” と多少は自戒の念を込めての下書きでした。

wassho at 19:15|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2007年03月06日

受付嬢になる

調査にはいろいろな区分がある。

アンケートに答えてもらうものは、あとでどの回答に何%の数字がついたかを集計する。これらは量を定める調査なので定量調査という。アンケートで○や×をつけたり番号を選んだりするのではなくて、インタビューで様々な意見を聞くのは定性調査。これらは回答の性質が違う。


別の区分としては同じアンケートでも、郵送したりインターネットで自宅でアンケートに答えてもらう調査と、会場に来て商品サンプルを見たりしながら回答する調査がある。これらは回答する場所が違う。会場での調査は会場テストというが、最近は業界用語的にCLT(セントラル・ロケーション・テスト)と呼ばれることが多い。


会場テストの場合は、アンケートに答えに来た人に、手順を説明したり、謝礼を渡したりする受付係が必要になる。通常は女性スタッフや、女性のアルバイトに受付を頼むのだが、先日、どうしても人員の都合がつかず、早番の受付と遅番の受付の途中に空いた1時間半ほどのあいだに私が受付をやることになった。今まで、いろんな仕事をしたけれど、男子この歳になってなんと「受付嬢」デビューである(^_^)


受付の仕事内容は理解したが、やってみて初めてわかったのは、


1)受付嬢は孤独である。

来場者に応対しているとき以外は、基本的にすることがない。暇つぶしに携帯でメールでもーーーというわけにもいかない。


2)受付嬢は退屈である。

調査会場はそれなりの広さなのだが、受付は当たり前だけれど、部屋の入り口にある。受付の机に座ると、会場のごく一部しか見ないで時間を過ごすことがわかった。


3)来場者とのちょっとしたコミュニケーションが楽しい。

来場者に対しては基本的に事前に定められた説明をするだけであるが、その短い受け答えにも愛想のいい来場者とと無愛想な来場者の差は出る。孤独で退屈な仕事だけに、たわいのない短い会話でも楽しいものである。


何事も体験してみないとわからないことがあるものである。皆さんも、本物の受付嬢をナンパするときに私の体験を参考にして下さい(^^ゞ

wassho at 16:51|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2007年03月05日

ペコちゃん

朝のテレビ番組で、神楽坂にある不二家のお店の「ペコちゃん焼き」という、どら焼きのようなお菓子が明日から販売再開されると取り上げられていた。そのお店にはいろいろと激励の声が届いているようである。


不二家の事件が、どんなものだったかは、私の生活には特に関係なかったので、正確には覚えていない。賞味期限切れの材料を使ったーーーだったと思うが、健康被害があったのかどうかーーーは忘れた。


食品の衛生に関わる事件で、おそらくは後世にまで名を残すのは雪印事件である。こっちは食中毒患者がでたと記憶している。


さて不二家と雪印。会社の規模が違うから社会に与えた影響も一律には比較できないが、雪印の時は、あんな会社つぶしてしまえと怒った人も多かったけれど、不二家の場合はそれほどでもない。現在の状況を残念に思っている人も多い。不二家の社長は「私は寝ていないんだ!」とはいわなかったし、ケーキなどは対面販売でお店に馴染みがあるからとか、そもそも雪印事件以降、日本人が不祥事慣れしたーーーとか、理由はいろいろと挙げられる。


しかし、やっぱり最大の違いはペコちゃんの存在である。
不二家がこんなことになってペコちゃんがかわいそうなのである。


キャラクーの存在が、いかに人々に影響を与えるか、私の仕事分野的にちょっと下世話な表現をすれば、愛されるまでに確立したキャラクターがどれだけ巨大な企業資産かを痛感する。不祥事対策専門のコンサルティング会社のプロフェッショナルな対応策(もちろん巨額な報酬と引き替えに)も、ペコちゃんの笑顔ほどの効果はあるまい。


分野は違っても、私もプロフェッショナルな対応を考える仕事である。マーケティングがうまくいく=つまり、売れるものは、人々が欲しているものという自負もある。しかし本日は “でも、人に愛されるものを作る仕事っていいなあ〜と、つくずく思うね” の下書きでした。図工の成績はよかったからイラストレーターになればよかった。

wassho at 15:22|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス 

2007年03月02日

壁に耳あり

とある喫茶店で。


私の隣に座った2人の女性。どうやら1人はデザイナーらしい。自分がデザインした紙面があるのだが、デザインではなく編集内容に不満があるらしい


もう1人の女性の手には、ちょっとは名の知れたタウン誌というかフリーペーパーが。どうやら巻頭を飾っているのはグルメ特集。私もよく知っている有名レストランがズラリと並んでいる。

デザイナー女性
「企画が遅れに遅れて、徹夜で仕事させられたのよ」
「でも、こんな企画で、このレストランへ行きたいと思う?」
「ヤバイよ、この企画」

相手の女性も同じ会社の人らしいが、どうやら制作や営業とは関係ない部署の人のようだ。


デザイナー女性が大きな声で喋るし、いくつもの有名なレストランの実名が出てくるので、私も含めて周囲10名ほどのお客の耳はダンボ状態(^^ゞ


それで、とうとう彼女が言い放つ。

「コレじゃ予約が入らなくてヤバイから、〇〇ちゃん、問い合わせでいいから、片っ端から電話しておいてよね。あの〜▢▢(フリーペーパーの名前)を見たんですけれど〜といって」


ご存じの方も多いと思うが、フリーペーパーに限らず雑誌などで取り上げられるお店や商品は、記事のように見えても、実はお店や企業がお金を払って載せている場合も多い。レストランもお客が来ると思うから、そのフリーペーパーにお金を払ったのである。デザイナー女性の作戦は、予約が入らなくても、問い合わせの電話があれば、とりあえずフリーペーパに載せたら反響があったということで、レストランからクレームがつかないようにしたいらしい。


まったく、あの業界的にはよくある話なんだけれど、
やっぱり喫茶店の中で大声で話しちゃいけないよねえ(^^ゞ


私の業界では、企業の新製品やマーケティング戦略を取り扱うから、当然口が堅いことを求められる。最近はNDA(ノン・ディスクロージャー・アグリーメント)と呼ばれるようになった機密保持契約を求められることも多い。

私のクライアントは、私があちこちのクライアント(そのクライアントの同業他社も含めて)と仕事をしているのを知っている。それでも依頼があるのは、私が事例として話す他社での経験が多少は役に立ち、そして決して肝心なことは喋らないということを信頼してくれているからだと思う。


でもやっぱり、あのフリーペーパーやレストランの名前をここに書きたい(^^ゞ

wassho at 19:33|PermalinkComments(0) ノンジャンル