2010年03月

2010年03月31日

春よ来い!

2b70deee.png本日の東京は寒いというほどではないにしても、それでも気温は15度に届かず。一昨日の明け方はなんと1度まで気温が下がった。おかげで桜の開花宣言から10日近く経つのに桜は散っていない。でも春らしい暖かさを感じないので通り道で桜を見ても、いつものような幸せ感がわいてこないのが残念。とにかく東京は寒い日が続いている。


早く暖かくなってもらわなければ困るのである、
私の場合。
なぜかというとーーー


実は去年のゴールデンウイークを過ぎた頃から、こっそりダイエットを始めた。当時さかんにコマーシャルが流れていた、芸人の友近も痩せたというダイエットドリンク。飲みに行かなければ夜は基本的にそれ、休日は昼にそれという作戦。もっともそのダイエットドリンクだけじゃもの足らないので、ヨーグルトと、フルーツかドライフルーツ、それとチーズ程度は一緒に食べていいこととした。守れないルールは作らないのが私のルールである。 


ダイエットドリンクだけにすればもっと効き目はあったかもしれないが、それでも年末までにはベルトの穴1つ半くらいまでは痩せた。もっとも私のベルトは長いので(^^ゞ穴1つ半くらいじゃ見た目はあまり変わらない。それでも、もうこれ以上は太らないという手応えはあった。今は太りすぎているから、ちょっと体重を落としてからジョギングを本格的に再開しようとも考えていた。


そのつもりだったんだけれどーーー


ダイエットドリンクというのはプロテイン(タンパク質成分)粉末を水に溶かして作る。つまり冷たい。ヨーグルトももちろん冷たい。1月までは平気だったが、2月にになってから寒さが身に応えるようになり、寒い中を家に帰って冷たいものを飲んだり食べたりする気がおこらずーーーついつい。最初は罪悪感があったものの3回目くらいからはダイエットドリンクのことなど頭の片隅にもなくなり。


というわけでこの2ヶ月間には3回くらいしかダイエットドリンクしていない。ベルトの穴1つ半痩せるのに半年かかったのに、元に戻るには2ヶ月もあれば充分なようである。


だから、とにかく早く暖かくなってもらわなければ困るのである。

wassho at 19:01|PermalinkComments(0) 生活、日常 

2010年03月29日

人口ボーナス

e36c0a49.jpgあまり聞き慣れない言葉である。
名付け親は国連で、下に書いたような定義らしい。





その前に

 ●生産年齢人口
  働いて稼ぐ人口。15歳から64歳までの人口。

 ●従属人口
  上の逆で、働いている人に養われる人口。
  0歳から14歳までと、65歳以上の人口の合計。

それで人口ボーナスの定義とは、
「生産年齢人口÷従属人口」の値が2以上、つまり働いている人が養われている人の2倍以上いる人口構成のこと。この状態の時は労働力が豊富で、経済成長が加速するとされている。年齢の区切り方に多少の疑問はあるが、まあそれは何となく納得できる。


この人口ボーナスとなる人口構成は、国の発展につれて社会が多産多死→多産少死→少産少死へと移っていく過程であらわれるとされる。具体的な計算方法はわからないが、多産多死とは長生きしない社会だから子供の占める比率が高く、その後長生きできる社会になり出生率もさがると、子供の比率が下がり働き手の多い社会になるというようなイメージか。


人口ボーナスは国の経済成長率を予測したり説明する指標らしい。日本が先ほどの値で2以上、つまりボーナスを受け取っていたのは1950年から1987年の37年間で、つまり高度成長の時期とも重なる。


人口ボーナスのおもしろいところは、核を打ち合う世界大戦争でも起こって文明が逆戻りしない限り、多産多死→多産少死→少産少死の流れが変わることはないから、近代以降で、ある国が人口ボーナスを受け取ることができる期間はある一時期だけという点である。日本は少子高齢化社会になったから、もうボーナスは出ないよ(残念)


冒頭のいつもは写真のところをクリックすると各国の一覧表になっている。ただしネットで拾ってきた数字だから、信憑性は多少劣る。公的あるいは信頼できる機関から発表された数字というのは、数分検索した程度では見つからなかった。


数字を見ると中国の天下はあと30年続くことがわかる。中国はやがて世界一の経済大国になるだろうが、インドは2030年代にその中国を抜くかもしれないという予測もできる(人口も2030年代にインドは中国より多くなるといわれている)。アメリカはヤバそうである。韓国は2010年代では2.67と最も大きな値となっている。日本が最近エレクトロニクスでもクルマでも韓国に負けつつあるのは、こんなところに原因があるのかもしれない。


人口ボーナスが、どれだけ経済を説明できるのかは専門外なので知らない。働く人口が多くても、付加価値の高い=儲かる仕事をしなければ経済力には結びつかないという疑問がとりあえず浮かぶ。ただ逆もまた真なりで、日本はよほど高付加価値な路線に舵を切らないとアジアの中流国になってしまう。日本の物づくりの技術力は素晴らしいんだと言う、というか言い聞かせている評論家や政治家は多いけれど、50年先に通用する技術なんてない。


子供手当法案が成立しても、貧困で子供を育てられない状態の家庭が多数いるわけでもないのだから、少額を均等にばらまいたところで「国力」の増加には結びつかない。出生を増やしたり、子供がいても働きやすい社会にするには、もっとまとまって使うべき方策が他にあるように思える。


ところで人口ボーナスは、年齢で生産人口と従属人口を分けて、それを割っただけの単純な指数である。しかし数字になると説得力がある、重みがあるように思えるのが、数字のおもしろいところであり怖いところでもある。

だいたい「2」という値にどれだけの根拠があるのか理解しないで、この数字は読み取れないはずなのに、数字にしたもの勝ちで、後は数字が一人歩きする。数字が一人歩きすると、人々は意味を理解することを省略して数字を追う。実はそんなテクニックは、コンサルティングの現場で私もよく使う(^^ゞ 

wassho at 10:39|PermalinkComments(0) マーケティング、ビジネス | 社会、政治、経済

2010年03月24日

自殺と交通事故

昨日、帰宅するときに電車に乗ろうとすると「人身事故があり途中の駅までしか運行していない」というアナウンスがあった。その途中の駅はそれほど大きくはなくてタクシー乗り場もなく、以前同じような状況の時に困った経験があるので、1つ手前の駅で降りた。そこはJRともつながっている大きな駅。我ながら的確な判断だとほくそ笑んで改札口に向かうと、こちらは全国ニュースでも流れたからご存じとは思うけれど、昨日はJRで架線事故があって山手線や埼京線など、その駅を走っている電車が一斉にストップ。

つまり私の降りた大きな駅は大混乱のまっただ中(/o\) タクシー乗り場も長蛇の列で、仕方ないから駅から数分離れたところまで歩いてタクシーを拾った。JRと私鉄が同時に止まるなんてやれやれである。次に同時に止まったら、さらに一つ前の駅で降りなければ。


日本の鉄道の運行は正確で、1分遅れただけでお詫びのアナウンスがあるのは世界中で日本だけだなどとよく言われる。しかしこれも過去の神話になりつつある。最近はしょっちゅう遅れたり止まったりしている。そしてそれは残念ながら人身事故=ほとんどの場合自殺が原因のことが多い(気がする)。そんなに電車であちこち移動しているわけでもないのに「人身事故により〜」というアナウンスを聞いたり電光掲示板を見たりすることが多々ある。実は本日も昼過ぎに、約束していた来客がなかなか来ないなあと思っていたら、地下鉄の三越前駅で「人身事故」があり電車が止まっているという連絡が入った。


なんかやたら飛び込んでいる印象を持ってしまうけれど、厚生労働省の統計によれば、自殺に占める飛び込みの割合はは3〜4%とそれほど多くない。圧倒的に多いのは首つりである。話は変わるが、昔から自殺する人はどうやって首をつっているのか不思議だった。よくドラマで天井からぶら下がっているシーンを見るが、ほとんどの家はロープを通してぶら下がれるような都合のいい場所はないはずである。(踏み台を置いて、蹴飛ばすスペースもいる) しかし、とある方が自殺されたとき家族に聞くと、階段の手すりにロープを通し階段に横たわる形で亡くなっていたとのことだった。別に上からぶら下がらなくても人間は死ねるらしい。そういえばX JAPANのメンバーが自殺したときもドアノブにタオルを巻き付けてーーーという低い位置だった。


日本は年間3万人を超える自殺大国でもある。3万人を超えるといわれても多いのか少ないのかピンとこないが、このページで人口10万人あたりの国際比較をみると世界第6位となっている。ウ〜ン、こんなところで上位入賞しなくてもいいのに。


もう一つ比較するならば交通事故(自動車事故)で死亡するのは年間5千人くらいである。過去には1万人を超えていた時代もあったが、この15年以上は毎年下がっている。原因は様々あるがクルマの安全性が向上したことは大きな要因である。自動車メーカーは安全性向上に巨額の研究開発をして製品化し、消費者はその費用を含めた価格でクルマを買っている。つまり金をかけたから事故は減り死亡する人は少なくなった。この20年間に国全体で自動車の安全に支払ったお金は途方もない金額になっているはず。自殺対策に金をかけたら、正比例して自殺者が減るという理屈は直ちには成り立たないとしても、5千人と3万人である。もう少し国の政策として考えてもいい気がする。


自殺のことばかりを書いていると気が滅入るので違う話題に。



電車が止まったときに、各鉄道会社のホームページを見れば、運行状況を知ることができる。本日も来客予定の人から地下鉄が止まっていると連絡があったとき、東京メトロ(東京の地下鉄会社)のホームページで確認することができた。しかし東京にはいくつもの路線が走っている。どこかまとめてみられるところはないのかと思って探すとありました、便利なページが。東京だけじゃなく全国の情報がわかる。


しかしこのページを上から下までズーッとスクロールして気づいたんだけれど、関東エリア・東海エリア・近畿エリア・九州エリア以外は、つまり四国や東北や北海道とかには私鉄ってないの? そんなことないよね?



ついでに自分の住んでいる地域が都会か田舎かを確認する方法。
電車に乗るときに発着時刻など気にせずに駅に行けるなら都会、発着時刻に合わせて駅に行くなら田舎(^^ゞ 

wassho at 19:05|PermalinkComments(0) 生活、日常 

2010年03月16日

radiko

1b57f8f5.jpgたいぶ以前にそのニュースを聞いたときは「ふ〜ん、そう」と思い、そのニュースを読み終えて15秒後にはすっかり忘れていたけれど、昨日「サービス初日からトラブル」というニュースを見つけたので思い出した。


radikoというのはラジオ局の放送が、ネットを通じてパソコンでも聴けるサービス。特別なソフトは必要なくブラウザーで聴ける。もちろん無料。8月末までは実証実験という扱いで運営されている。今のところ登録も不要。


高い建物が建ったりでラジオを受信できないエリアというのは増えている→ラジオを聞く人が減ると広告媒体としての価値が下がる→つまりラジオ局というのはCMを1本あるいは何秒でいくらというふうに、その放送時間を売っているわけで、ラジオを聞く人が少なくなればその値段は下がる→売り上げが減る→だったら電波が届かなくて減った分をネットでカバーしようーーーというのがだいたいのストーリーだと思われる。ちなみに仕切っているのは電通。


参加しているのは
<関東地区(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)>

TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI 、InterFM、TOKYO FM、J-WAVE

<関西地区(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)>
朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKA


AM、FM、短波と波の種類はバラエティに富んでいるが、放送局の数は多いとはいえない。また放送免許の関係か、先ほど書いた電波が届かないところをカバーするという建前が理由なのか、世界中につながっているインターネットなのに、関東地区の7局のネットラジオを聴けるのは関東地区(上に書いた一都三県)からネットでアクセスした人だけ。関西地区も同様。海外はもちろん栃木県や岡山県からはアクセスできない仕組みになっている。何とも閉鎖的な試みである。


聴いてみた。
私が聴いた時間にはもうトラブルは収まっていたのか普通に聴けた。おもしろいのは音質。短波はまだ聴いていないが、AMもFMも音質そのものは同じである。ただしAMはモノラル、FMはステレオなので音楽が流れているときは圧倒的な差が出る。(関西では朝日と毎日のAMはステレオで流すらしい)もっとも比較実験のつもりで、滅多に使わないヘッドフォンを引っ張り出して聴いたので差は歴然としていたが、パソコンについているスピーカーによっては差は感じられないかもしれない。


音楽を楽しめるという点ではradikoでもFMの方が優位ではあるが、音質そのものはAMもFMも同じだから、AMのほうがネットラジオの恩恵をより受ける。またAMはガーッとかピーッとか鳴ったり、聴いているうちにだんだん周波数がずれたりする。radikoで聴けばそれはない。その意味では短波放送であるラジオNIKKEI(昔のラジオたんぱ)にはメリット大である。


結論ぽいことを書けば、ラジオを聴く習慣のある人が、アクセス可能な地域に住んでいて、上に書いた放送局が好みで、パソコンにそこそこまともなスピーカーがついているなら利用価値はある。また普段ラジオは聴かないしラジオなんて持っていないけれど、たまに気分転換というならもちろん最適である。もしラジオを買おうと思っているなら、そのお金で外部スピーカーを買ってradikoで聴いた方が満足できる可能性は高い。


まだ実証実験期間中だし、今後radikoがどう発展していくのか不明だが、今のところその程度である。いまいちテンションが上がらないのは、聴くことのできる放送局が少ないというかエリア限定だからである。一度に聴ける放送は1局だけでも、1000局から選べるのと7局だけというのでやっぱり魅力に差がある。できたら全国に200局以上あるといわれる地方のコミュニティ放送なんかを聴いてみたい。まあ設立の趣旨が違うので、radikoでその期待はかなえられない気はする。



ついでに
ネットラジオ(電波も持っている放送局がネットでも流すラジオじゃなくて、ネット専門の放送局。日本ではあまり盛り上がっていないが)を聴くなら、iTunesというソフトが便利。Macに付属しているソフトだが、ウインドウズ版もアップルのホームページから無料でダウンロードできる。

もともとiPodに詰め込む音楽を整理するソフトであるが、ネットラジオも聴ける。それでiTunesに最初から登録されているネットラジオ局の数は全世界から1万局以上! 音楽別にネットラジオ局のジャンル分けがされているから聴きたい音楽を探しやすい。70年代や80年代のヒット局専門なんて放送局も数多くある。たまに変わった音楽を聴きたいときには重宝する。

wassho at 22:29|PermalinkComments(0) 音楽、オーディオ 

2010年03月15日

グルジアの偽ニュースを比較する

3c76512c.jpgグルジアで「戦争が始まりロシア軍が攻めてくる」という偽のニュースが、偽という断りが不充分なまま放送され、パニックが起きたとの報道があった。昔アメリカで火星人が襲来したというラジオドラマを聞いて、それを真(ま)に受けたという有名な事件があったがそれを彷彿させる。(ここここ参照)


火星人襲来の方は、真に受けた人には気の毒だが、真に受ける方が悪い気がする(^^ゞ もっとも当時、真に受けた人も今では楽しい思い出になっているはずだ。しかしグルジアは2年前にロシアと戦闘状態になったばかりだから、ちょっとシャレとしては成立しにくい。報道にあるように国内の政争も絡んでの出来事かもしれない。


こういう情報が錯綜しそうな事件の時は、
マスコミ各社のニュースを見較べるとおもしろい。

  朝日新聞
  読売新聞
  ロイター


放送した局
  朝日新聞:政府系テレビ局「イメージ」
  読売新聞:主要民放テレビ局
  ロイター:親政権のテレビ局

朝日新聞とロイターは同じことを言っているのだが、ニュアンスはロイターの方がよくでている。読売新聞の表現だと、いくつものテレビ局が放送したようにもとらえられる。もっとも読売新聞は2段落目で“政権寄りの「イメディテレビ」”と特定して解説しているが。



放送した時間
  朝日新聞:夜8時のニュース番組
  読売新聞:13日夜
  ロイター:夜のゴールデンタイム

各社同じ情報内容。しかしゴールデンタイムと書いたロイターの記事が、影響のある時間帯の番組だったとイメージしやすい。



偽ニュースだという断り
  朝日新聞:番組の最後
  読売新聞:番組の冒頭と最後
  ロイター:断りがあったとは書かれていない。

放送局と時間についてはロイターの記事がよくできているのに、ここでは重要な情報が欠落している。



短い記事だけれど、記者あるいはライターの分析力や視点、表現の個性がわかる。朝日と読売は現地に記者を飛ばしていないはずだから、どこかの通信社の記事を引用しているはず。それで偽ニュースの断りの情報内容が異なっているから、別々の通信社の記事を使ったと推測もできる。(モスクワ特派員の記事だから電話取材くらいはしているかもしれない)


複数の新聞を読めと情報の達人たちはよく言う。しかし金もかかるし暇もないし、そんな酔狂なことはしていられない。日本の新聞は記者クラブの発表をベースに書かれているから、どこも似たり寄ったりという事情もある。

しかし今は便利なネット時代。少なくとも金はかからない。気になった記事があればマスコミ各社の記事を比較して見ることをおすすめする。海外のマスコミの日本語サイトもたくさんあるから覗いてみると、たまには発見もある。何年か続けていると多少はインテリになれるかも。




【おまけ】

グルジア大統領の名前
  朝日新聞:サアカシュビリ大統領
  読売新聞:サアカシビリ大統領
  ロイター:サーカシビリ大統領


表記がバラバラで、グルジアは日本にとって縁遠い国だということがわかる。
写真はグルジア国旗。ほとんど初めて見るが可愛いね。



追伸:リンク先が消えたときのために、
   「続きを読む」の先に記事をコピーしておきます。続きを読む

wassho at 18:37|PermalinkComments(0) 社会、政治、経済 

2010年03月11日

アクセルとブレーキ(前振り)

ほとんどの自転車の前輪ブレーキは、ゴムパッドでホイールの縁(へり)を挟み込むような仕組みになっている。ペダルを握るとワイヤーが引っ張られてゴムパッドが動く。小学校3年生以上なら観察すれば誰でもわかる仕組みである。


自動車のブレーキも大昔はこれと同じ仕組みだった。しかし自動車は自転車より重く高速で走るので、より大きなブレーキで強く挟み込まなければいけない。つまり力がいる。だからワイヤーで引っ張っているのではなく、油圧で作動させている。油圧のことを説明すると長くなるので省略するけれど、ブレーキを踏むというのは油圧ポンプを踏み込んでいると考えていい。いっぱい踏めば多くの油が押し込まれてブレーキは強くかかる。少ししか踏まなければその逆である。ブレーキの手応え(足応え)は油圧ポンプで油を押し込むときの抵抗である。


最近のブレーキはもっと複雑である。

  ブレーキを踏む
   ↓
  踏み込んだ量や踏み込むスピードをセンサーが計測する
   ↓
  センサーの情報はコンピューターに送られ、
  現在の走行状況(スピードとか)と照らし合わせて、
  どの程度のブレーキ量が必要かを計算する
   ↓
  その計算に基づき油圧ポンプをモーターで動かし、ブレーキに油圧を送る
   ↓
  ブレーキが作動する


つまりブレーキペダルは、ブレーキに油圧を介して足の力を伝えているのではなく、単なる押し込み調整式のスイッチに過ぎない。もっともブレーキの手応え(足応え)は以前と変わらないのは、人間の感覚を損なわないために、別の油圧を使ってブレーキペダルに「偽の抵抗感」を作り出しているからである。機能だけを考えればブレーキペダルは羽のように軽くてもかまわない。


アクセルも同様に今ではスイッチになっている。以前はアクセルペダルを踏むと、それにつながっているワイヤーが引っ張られて、そのワイヤーの先にあるキャブレター(ガソリンをエンジンに吹き込む装置)の弁が開く仕組みだった。アクセルを踏む右足とエンジンはワイヤーで具体的につながっていた。電子制御のアクセルはブレーキと同じように、アクセルペダルの動きをセンサーが計測し、コンピューターが計算して、ガソリンを送る弁をモーターで開け閉めしている。アクセルもブレーキと同様に、以前と手応え(足応え)が変わらないのは「偽の抵抗感」を与えられているからである。

ついでに書くとブレーキの「偽の抵抗感」は複雑な仕組みだけれど、アクセルのそれはバネなどを利用した簡単な仕掛け。トヨタのアクセルペダルのリコールは、バネをきちんと動くように取り付けなかったから、バネの力が逆向きに働いてアクセルが開きクルマが暴走したというもの。


ゲームセンターで画面を見ながら運転するレーシングカーも、アクセルやブレーキの動きをセンサーが読み取ってコンピューターに送っている。ゲームセンターではコンピューターが画面の映像や効果音をコントロールしている。本物のクルマでコンピューターがコントロールしているのはエンジンやブレーキだが、操作の仕組みとしては本物もゲームセンターも変わらない。


踏み込んだペダルは、エンジンやブレーキを操作しているのではなく、ドライバーの意志をコンピューターに伝えているに過ぎないのが今のクルマ。それを判断して実際にどう操作するかを決めるのは、クルマに積まれている制御用のコンピューターである。自分の運転でクルマを走らせていると思っていても、運転というのはけっこうバーチャルな行為なのである。


続くーーーーーー続かないこともよくあります(^^ゞ

wassho at 21:24|PermalinkComments(0) ノンジャンル 

2010年03月08日

日本の企業はたるんでる?

トヨタの社長がアメリカや中国に謝罪旅行をしてきたのはご存じの通り。アメリカの世論の本当のところは、日本のマスコミを通じた情報だけではよくわからない感じがする。見られるはずもないけれど、トヨタがアメリカ世論をどう分析しているかはとても興味がある。


同時期に日本ではプリウスのリコールもあった。リコールの原因となったプリウスのブレーキはハイブリッドカー特有のシステムで、説明するのが面倒なくらい複雑である。だから説明しない(^^ゞ マスコミの中には、問題の本質を理解しないで報道しているところもあったような気がする。まあトヨタっていうのはこんな会社でもあるから、日頃の鬱憤を晴らすためにトヨタ叩きに走ったマスコミもあったに違いない。


話は変わるが、富士通の前社長が「私は辞任していない」と取り消しを求めているとか、会社側は辞任の理由を病気によるものから、前社長があやしい会社と付き合いがあったからと変更し、それについて東証が「(上場企業なのに)虚偽の発表があった」と調査に入ったとかーーー。日本を代表する企業としては、ちょっと常識では考えられない展開になっている。


話は戻って、トヨタのリコールは一部で報道されているように「エンジンの電子制御に問題がある」のでないとすれば、フロアマットの寸法とかエンジンペダルの取り付けとか些細なことが原因である。クルマは何万点もの部品でできている。設計ミスは避けられないものではあるが、それを放ったらかしにしておくからリコールで、しかも議会に呼びつけられるという失態となる。


トヨタの一連の報道で感じたのは「たるんでるなあ」という印象である。JALは長年たるみきった経営の末に倒産した。日本経済は何かと厳しい環境にあるけれど、外部との競争に負けているというより、たるんで内部から崩れている面も多分にあると思ったしだい。富士通の事件はトヨタのリコールと性格が全然違っても、同じく内部崩壊である。


ところで政府はトヨタの件で、特に動きは見せていない。JALが倒産して(会社が無くなって)も、日本経済にとっては切り傷程度だが、トヨタに万一のことがあれば片脚を失う一大事である。GMやフォードの社長を日本の国会に呼べば米国政府はもっと機敏に動くような気がする。日本政府も「たるんでるなあ」である。


もっとも私がこんなことを書かなくても、子供の頃「コラッ、たるんでるぞ!」とよく叱られていた経験からいうと、たるんでいるときは、本人が一番よく自覚しているはず(^^ゞ

ブログの更新が遅いのも、ハイたるんでいるからですm(_ _)m

wassho at 20:50|PermalinkComments(0) 社会、政治、経済 

2010年03月01日

本日、韓国は祝日です

先週末、付き合いのある中国の調査会社が韓国で調査をしたいというので、韓国の調査会社を紹介した。紹介したといっても連絡先を教えただけであるが。


先ほど中国の調査会社より電話。
「メールしても返事がないし、電話しても誰もでないし、教えてもらった電話番号だけじゃなくホームページに載っていた番号に電話しても誰もでないけれどーーー」。言外に、まともな会社なのか?というニュアンスが感じられる。


もちろんまともな会社である。私のオフィスよりよっぽどまともな会社である。おかしいなあと思って念のために調べると、本日の韓国は祝日だとわかった。


ちなみに海外の現地時間やカレンダーを調べるときは、JALのホームページを利用している。(たぶん)JALが乗り入れている国しか載っていないが、私がふだん仕事をしている範囲では事足りている。滅多に使わないが地図をすぐ見られるのも便利。


JALのページでソウルのカレンダーを表示させると、本日は赤い日付で書かれている。その日付にマウスを合わせると「独立運動記念日:日本植民地だった韓国で独立運動が起こった日」とあった。


日本の終戦記念日が韓国では独立記念日になっていたのは知っていた。しかし独立運動を開始した日も祝日になっていたとはーーー。ウ〜ン複雑な気持ちになる。1年に2回反日感情を揺すぶられる日があるわけか。そりゃマウンドに旗も立つ


中国の調査会社に電話する。「海外と仕事をするなら、その国の祝日くらい調べろよ。今日は日本に対するレジスタンスを始めたメデタイ日だぞ」。相手の中国人は笑っていたけれど、中国人にこんな説明をするのも、これまた複雑な心境であった。

wassho at 18:29|PermalinkComments(0) 生活、日常