2010年10月

2010年10月25日

銀座パワーの源

銀座のオフィスの近くを歩いていたら、外人(白人男性)がタバコの自動販売機を前にボタンを何度も押したり、自販機を軽くたたいたりして悪戦苦闘していた。お存知のようにタバコの自販機はしばらく前からタスポというカードがなければ買えない。自販機にはその注意書きが書いてあるはずだけれど、彼は日本語が読めないのだろう。そのあたりの事情は瞬時に察知できたが、英語でお節介を焼くのも面倒なので素通りした(^^ゞ


さて
日本はこれから観光に力を入れていくそうである。先日も尖閣諸島問題で中国からの旅行が大量のキャンセルを食らったとかがニュースになっていた。どんな観光産業を目指すのか、政府や霞ヶ関にそんな力量があるのか、ただでさえ物価が高い国だし、円はたぶん安くならないしーーーー疑問はいろいろあるとしても、まあ1つの方向性としてはありかなとは思う。


ところで
銀座では中国人の観光客は多くても、欧米人の観光客はそれほどではない。六本木や原宿のほうがたぶん欧米人観光客比率は高い。

それはたぶん
銀座は高級ショッピング街で世界の一流店が揃っているが、よく考えれば(よく考えなくても)、そのほとんどは欧米のブランドだから、欧米人がわざわざ買い物に来る必然性がない。低価格のカジュアルファッションの店も増えているが、ユニクロを除けばそれらもすべて欧米ブランドである。


銀座は一等地で、銀座に出店することはステイタスである。しかしその銀座パワーの源が「欧米の舶来品」なことは何となく情けないような、これじゃいけないような。

wassho at 16:44|PermalinkComments(0) 社会、政治、経済 

2010年10月13日

牛鍋丼を食べてデフレの今日的メカニズムを考える

吉野家で牛「鍋」丼を食べた。
時々勃発する牛丼値下げ合戦で、現在、吉野家が目玉としている商品。
280円。ちなみに普通の牛丼は380円。
牛丼は肉とタマネギだけだが、牛鍋丼はそれにシラタキと小さな豆腐が加わっている。ただしその分肉の量が少なめのように思える。味付けは甘めだった。


実はあまり牛丼は食べない。年に2〜3回といったところ。吉野家の昔のキャッチフレーズに「早い、安い、旨い」というのがあった。でも旨いと思ったことはない。安さも旨さとを天秤に掛けると、それほど魅力を感じない。私にとっての魅力は早いくらい。食事というよりはエサをかき込んでいる気がする。


ところで、今は折しも牛丼値下げ合戦の真っ最中。
安いことはいいことなのに、デフレ、デフレと悪者扱いもされる。牛丼やユニクロあたりはデフレの象徴として語られることも多い。


さてデフレ。
世間一般の解釈としてはモノの値段が下がること。逆に言えばお金の価値が上がることでもあるし、ネットで少し検索すればいろいろ解説が見つかるから、いろいろ勉強してみて。


デフレは経済学の範疇で私の専門外ではあるが、どのページを見てもモノと貨幣の相対的な力関係や供給バランスのような論点からしか書かれていない。これがどうも気にくわない。そういうメカニズムも働いているに違いないけれど、企業が価格を下げる一番の動機は他社との競争に勝つことだったり、マーケットを広げるためだ。それは経済学でいうところのデフレとは関係ない。(と、言い切れるところが経済学音痴の強みである)


談合のある公共事業の工事費は下がらないが、入札を厳しくすれば価格は下がる。いろいろなモノが安くなっているのに、あまり競争のない農産物はそれほど下がっていないはず。日本たばこが独占しているタバコなんて大幅値上げである(怒)


一般に競争が激しいほど価格は下がるし、品質は逆に上がる。勝者になればの話となるが高い価格の時より企業は儲かる。


こういう競争の結果による低価格化と、いわゆるモノと貨幣の力関係が引き起こすデフレとはたぶん違うんじゃないかと思っている。経済学は結構昔に確立された理論を引きずっているから、今のような超競争社会、しかも国際的な競争社会を組み込んでいないような気がする。

経済学の理論そのものは別にどうでもいいけれど、でもデフレ、デフレという論調に押され、競争社会を無視した経済学をベースに経済対策や政策が打ち出されていく。それじゃ、いつまでたってもよくならんわなーーーと何となく思っている。


注)経済学はイロハのイの斜め線くらいしか知らないので、
  鵜呑みにしないでください。

wassho at 20:41|PermalinkComments(0) 社会、政治、経済 

2010年10月11日

シャガール展(続き)

3232a3cd.jpg上野は気分転換したいとき、遠足気分を味わいたいときにはもってこいの場所である。駅の周りには昭和の中頃を思わせるレトロな建物がいくつか残っている。そして上野公園。上野公園に遠足にきたことはないのに、なぜかこの公園の入り口に立つと遠足にきたような錯覚におそわれる。


上野公園には上野動物園や国立の美術館や博物館、公園の隣になるが寛永寺などが広い敷地の中に点在している。いわゆる広場だけの公園ではなく、何となく文化的ムード漂うエリアである。ブラブラ散歩するだけでちょっと知的になった気分にひたれる。


都心で働いているなら30分から1時間で上野まで来られるはず。それで1時間ほど散歩する。美術館や博物館にフラッと入ってもいい。そして帰る。まあ仕事は2〜3時間サボることになるけれど、こういう場所をいくつか知っているとストレスに押しつぶされることはない。もちろん休日に来たっていい。


さてシャガール。
前回に書いたように、今はそれほど好きな画家でもないが、ちょっと懐かしくなって出かけてみた。


初期の作品や、舞台セットやその衣装のデザイン画なども展示されていた。いわゆるシャガールらしい幻想的な絵は7〜8点くらい。堪能できたかというと、もうちょっと数がほしかったというのが正直な気持ち。まあでも腹八分目位なのがいいのかもしれない。


しかしまあ、見れば見るほどヘンチクリンな絵である。昨日のブログに貼り付けたのは今回のポスターにもなっている「日曜日」という作品。私の好きなシャガールの「ホワ〜っと」感はあるけれど、何の絵なのかはさっぱりわからない。そういう理屈はこねずに、画風に浸るというのがシャガールの正しい楽しみ方のような気がする。

なおシャガールの幻想的ヘタウマ絵シリーズ(勝手にネーミングした)には、幸せ感を感じるものと、やや不気味なものの2種類ある。今回は、不気味系(グロテスクではまったくないが)の作品のほうが多かった。


シャガール以外の画家の作品も多数展示されていた、しかし仕事をさぼって見に来ていたので、チラ見した程度で、そそくさとオフィスに戻った。


おしまい

wassho at 21:11|PermalinkComments(0) 美術展 

2010年10月10日

シャガール展

655d2925.jpg
上野にある東京芸術大学でシャガールの展示会を見てきた。展示会のタイトルは「ポンピドー・センター所蔵作品展:シャガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い〜交錯する夢と前衛〜」。ロシアのアバンギャルドっていわれてもよくわからないけれど。


大学で展示会を開いているといっても、別に講堂や教室で見るわけじゃない。この大学には付属の立派な美術館が併設されていて一般に公開されている。学校に図書館がつきもののように、この大学は芸大だからね。ちなみに東京藝術大学と難しい漢字を使うのが大学の正式名称。


20代の中頃に、たまたま気に入って買ったポスターがあって、しばらくしてからそれがシャガールの絵だということを知った。当時シャガールについては何となく名前を知っていた程度。ヘエ〜これがシャガールなんだと思った。気に入って買ったポスターがシャガールだったということは、当然シャガールは私の好みということである。それからは何かとよくシャガールの絵を見た。画集も買ったし美術館で見たこともある。


シャガールの絵は、どこかちょっと幻想的である。何が描いてあるのか、というか何を表現したのかよくわからないが、何となくホワーッとした気分になってくる。20世紀を代表する巨匠にこんなことを言っちゃいけないが、ヘタウマ系の画風が心を和ませる(^^ゞ


だったんだけれど、
しばらくしてから私はシャガールがあまり好きではなくなってしまった。


理由その1)
シャガールの絵には馬とニワトリがよく出てくる。馬はかわいく描かれている。しかしニワトリがちょっと気持ち悪い。


理由その2)
パット見は幻想的であるが、よく見ると首をはねられていたりする不気味な絵も多い。


理由その3)
これは話が長くなる。

小学校の中頃くらいにイラストやイラストレーターという言葉を知った。イラストという言葉がその頃から一般的になってきたのか、子供だったからイラストという言葉をそのときに初めて知ったのかはよくわからない。


イラストって何? ふつうの絵や挿絵や漫画とどう違うの?
私はイラストという、この新しいジャンルに少し戸惑った。
思えば、私も多感な年頃だったのである(^^ゞ


英語に翻訳するなら挿絵や解説図がイラストである。
しかし(たぶん)日本では、芸術に対するポピュラーアートとしてイラストを位置づけることもある(ポピュラーアートというのも意味不明であるが)。いわゆるイラストレーターが、いわゆる「ふつうの絵」を描き、それがイラストと呼ばれることもある。外来語は定義が拡大されて意味が曖昧になることが多い。


小学生の私が、そんな風に難しく考えていた訳じゃないけれど、とにかくイラストは私にとってよく理解できないものだった。しかし中学生になって私はある発見をする。

    イラスト:輪郭線がある。
    普通の絵:輪郭線はない。


この発見が間違いだったことにはしばらくしてから気がついた。普通の絵にも輪郭線が描かれているものはいっぱいある。しかし三つ子じゃなくて13歳の魂100まで。それ以来、何となく輪郭線のある絵は手抜きのような印象を受けてしまう。


輪郭線のあることが気になる絵と気にならない絵がある。シャガールは輪郭線を多用する画家だが、元々ヘタウマ系だからあまり気にならない。というかシャガールの絵は輪郭線なしには成り立たない。

しかしシャガールの絵が不気味だと思い始めた頃、その輪郭線がやたら鼻につきだした。人は恋に落ちると相手の何気ない仕草がとても愛しく思えても、恋が冷めるとその同じ仕草を見るだけでムカツク(^^ゞ まあ、そんな感じ。


ーーーーー続く

wassho at 18:08|PermalinkComments(0) 美術展 

2010年10月03日

10月ですね

01218a5a.jpg猛暑の後、残暑・初秋はなく、いきなり秋真っ只中といった趣の東京である。たぶん全国的に同じような感じかと。

もう3日になってしまったけれど10月である。
毎年、10月を迎えると軽く焦る。
今年も残りあと3ヶ月、今年は何か意義のあることをしただろうかと。YESと答えられたためしはない。
来年も再来年も、たぶん一生焦り続ける予感が。
だいたい「意義のあること」という問い自体がよく考えれば意味不明だ。


写真は我が家の玄関。
そう、10月といえば理不尽なたばこの大幅値上げである。
さすがに今回は買いだめた。
本日現在、玄関に28カートン。これとは別にオフィスに13カートンある。

今回の値上げを機に禁煙する人も多いだろう。私も心の中に2割くらいはそんな気持ちもあった。でも何となく値上げで禁煙というのも悔しい気がするので、この買いだめ分が無くなってから考えることに(^^ゞ

28+13=41カートン
41×300円×10箱=12万3千円。

値上げ後の410円で計算すると16万8100円。
4万5100円得したと思うべきか、たばこ自体が無駄な出費と思うべきか。
もちろん後者であることは重々承知している。


写真の左にチラッと移っているのはマックのSE30というパソコン。
私が初めて買ったパソコンである。もう電源すら入らないが何となく記念に取ってある。買ったのは30歳くらいの時。単体で60万円、メモリーやハードディスク増設で80万円以上した記憶がある。当時パソコンというのは高価な商品だった。ちなみにメモリーは8メガでハードディスクは80メガだったと思う。ギガではなくメガですぞ!(1000メガ=1ギガ)


たばこの前に4つ並んでいるのは野球の硬式ボールである。
これは大学生の時、雑誌のポパイで見て物欲を刺激され、その10年後くらいにロサンゼルスに行ったときに偶然みつけて買ってきた。ボールの革に色がついている以外は普通の硬式ボールと同じで正式な試合でも使えるらしいが、もちろんキャッチボールすらしたことがない。日本では見たこことがないがアメリカでは今でも売ってるのかな。


ボールを飾ってあるアクリルの箱の中に入っているのはタイで買ってきたお香。
玄関に入ったとき少し香っていればいいかなっと思って。
しかし2〜3週間で香りはしなくなった(>_<)


書き始めて気がついたけれど、玄関の写真1枚で意外と語れるね。

wassho at 16:40|PermalinkComments(0) 生活、日常