2020年01月
2020年01月28日
浜離宮庭園でロウバイと菜の花 その３
梅林を抜けて進むと園内マップで「お花畑」と記されているところに出る。そこには菜の花が。そしてその手前に早咲きの梅が開花していた。
キレイなピンク色。
梅の花の前に立つとホーホケキョと心の中で鳴いてしまう。
前世はホトトギスかも(^^ゞ
桜と菜の花のツーショットはよく見るが梅は珍しいかも。
そして菜の花ドーン！
菜の花ってカメラの向きを少し変えただけで、葉や茎の緑が花の黄色と同化してしまうのがいつも不思議。どういう現象が起きているのだろう？
梅が咲くと「春ですなあ」となるけれど、それは風流的心理における春。菜の花の黄色を見ると皮膚感覚的に春を感じる。実際の春はまだ先だけど。
「お花畑」の隣の「花木園」にあったロウバイ。
丸いソシンロウバイと違ってロウバイは花びらが細くて、また下を向いて花が咲く。
もうかなり痛んだ花がほとんどだったのが残念。
ロウバイは青空が必須という私の主張をわかってもらえるかな。
立ち去ろうとした時、後ろの巨木の下の方にもロウバイが咲いているのに気がついた。こんな大きな木もあるのか？ どうして一番下の枝にしか花がない？ なにかとナゾ
ナゾついでにロウバイの隣にあった綿のような実がなっていた木。
少し調べたが正体を特定できず。
大手門出入り口近くにあるのが「三百年の松」。
松好きなのはブログに何度か書いてきた。松は葉の生え方と光の当たり具合によって、こういう風に乱反射の光？を感じられるのもその魅力のひとつ。
それにしても御年300歳とは思えない生命力みなぎるお姿。
私も目指そう300歳！
晴天の日を待っているうちにロウバイの最盛期を逃してしまったのは残念。それでもロウバイと菜の花でイエロースプリングを満喫できた。
あっ！ロウバイは冬の花だ(^^ゞ
おしまい
＜後日追記＞
ロウバイの隣にあった綿のような実がなっていた木は「スイフヨウ（酔芙蓉）」
キレイなピンク色。
梅の花の前に立つとホーホケキョと心の中で鳴いてしまう。
前世はホトトギスかも(^^ゞ
桜と菜の花のツーショットはよく見るが梅は珍しいかも。
そして菜の花ドーン！
菜の花ってカメラの向きを少し変えただけで、葉や茎の緑が花の黄色と同化してしまうのがいつも不思議。どういう現象が起きているのだろう？
梅が咲くと「春ですなあ」となるけれど、それは風流的心理における春。菜の花の黄色を見ると皮膚感覚的に春を感じる。実際の春はまだ先だけど。
「お花畑」の隣の「花木園」にあったロウバイ。
丸いソシンロウバイと違ってロウバイは花びらが細くて、また下を向いて花が咲く。
もうかなり痛んだ花がほとんどだったのが残念。
ロウバイは青空が必須という私の主張をわかってもらえるかな。
立ち去ろうとした時、後ろの巨木の下の方にもロウバイが咲いているのに気がついた。こんな大きな木もあるのか？ どうして一番下の枝にしか花がない？ なにかとナゾ
ナゾついでにロウバイの隣にあった綿のような実がなっていた木。
少し調べたが正体を特定できず。
大手門出入り口近くにあるのが「三百年の松」。
松好きなのはブログに何度か書いてきた。松は葉の生え方と光の当たり具合によって、こういう風に乱反射の光？を感じられるのもその魅力のひとつ。
それにしても御年300歳とは思えない生命力みなぎるお姿。
私も目指そう300歳！
晴天の日を待っているうちにロウバイの最盛期を逃してしまったのは残念。それでもロウバイと菜の花でイエロースプリングを満喫できた。
あっ！ロウバイは冬の花だ(^^ゞ
おしまい
＜後日追記＞
ロウバイの隣にあった綿のような実がなっていた木は「スイフヨウ（酔芙蓉）」
2020年01月27日
浜離宮庭園でロウバイと菜の花 その２
海手お伝い橋を渡って、しばらく歩いたところに土塁のようなものが。
ははーん、これは裏側に回ってあの小窓からバードウォッチングをするためのものだなと思ったのだがーーー
裏側へ向かうと、水路が引かれていて小窓の所に立てない。
？？？と思って、表側に戻ると解説パネルがあった。
囮のアヒルを使ってこの水路まで水鳥をおびき寄せ、脅かして空に舞い上がったところを、鷹に襲わせるという鷹狩りの施設だということ。ヒキョウなやり方だ(^^ゞ 鷹狩りってもっと自然の中でやるものだと思っていた。
さらに進んで現在位置はマップの左下あたり。
灯台跡とあったが、
それはこの敷石のことらしい(/o＼)
左側の堤防の向こうは隅田川が東京湾に接する河口。
築地大橋。ブリッジでまたいでいるところが隅田川。
築地大橋の手前に築地市場があった。それが豊洲に移転したのは誰でも知っているけれど、その豊洲がどこかをわかっている人は意外と少ない。
それでは社会科のお勉強。
豊洲は築地から沖合に３キロほどの埋め立て地にある。ちなみに豊洲から南西に向かうとお台場。地図に書き込むのは忘れたが、クリックして拡大すれば読めると思う。
浜離宮庭園には水上バスの発着場がある。
浅草と浜離宮、それとお台場周辺を結ぶ航路。
浅草までは700円。
しかしである。発着場は庭園の中にあるので、ここから乗船するには別途に入園料300円が必要となる。また浅草から浜離宮への運賃は庭園の入場料込みで設定されている。有料の庭園の中に発着場を設置するなんて、ちょっとやり方がエゲツナイ。まあ浜離宮に来るために利用する人がほとんどなんだろうけど。
水上バスの発着場から大手門の出入り口方向へは梅林になっている。
残念ながらまだ早かった。
梅林の隣に大きなサザンカの木。
サザンカはどこにでも咲いている花。しかし、あまり太陽をサンサンと浴びているイメージがないから、こんなにキレイなピンクだったのかと再認識。写真だけ眺めていると南国植物みたいだ。天気のいい日に来てよかった。
ーーー続く
ははーん、これは裏側に回ってあの小窓からバードウォッチングをするためのものだなと思ったのだがーーー
裏側へ向かうと、水路が引かれていて小窓の所に立てない。
？？？と思って、表側に戻ると解説パネルがあった。
囮のアヒルを使ってこの水路まで水鳥をおびき寄せ、脅かして空に舞い上がったところを、鷹に襲わせるという鷹狩りの施設だということ。ヒキョウなやり方だ(^^ゞ 鷹狩りってもっと自然の中でやるものだと思っていた。
さらに進んで現在位置はマップの左下あたり。
灯台跡とあったが、
それはこの敷石のことらしい(/o＼)
左側の堤防の向こうは隅田川が東京湾に接する河口。
築地大橋。ブリッジでまたいでいるところが隅田川。
築地大橋の手前に築地市場があった。それが豊洲に移転したのは誰でも知っているけれど、その豊洲がどこかをわかっている人は意外と少ない。
それでは社会科のお勉強。
豊洲は築地から沖合に３キロほどの埋め立て地にある。ちなみに豊洲から南西に向かうとお台場。地図に書き込むのは忘れたが、クリックして拡大すれば読めると思う。
浜離宮庭園には水上バスの発着場がある。
浅草と浜離宮、それとお台場周辺を結ぶ航路。
浅草までは700円。
しかしである。発着場は庭園の中にあるので、ここから乗船するには別途に入園料300円が必要となる。また浅草から浜離宮への運賃は庭園の入場料込みで設定されている。有料の庭園の中に発着場を設置するなんて、ちょっとやり方がエゲツナイ。まあ浜離宮に来るために利用する人がほとんどなんだろうけど。
水上バスの発着場から大手門の出入り口方向へは梅林になっている。
残念ながらまだ早かった。
梅林の隣に大きなサザンカの木。
サザンカはどこにでも咲いている花。しかし、あまり太陽をサンサンと浴びているイメージがないから、こんなにキレイなピンクだったのかと再認識。写真だけ眺めていると南国植物みたいだ。天気のいい日に来てよかった。
ーーー続く
2020年01月26日
浜離宮庭園でロウバイと菜の花
ロウバイを見たいな・匂いを嗅ぎたいなと思い、最近よく訪れている港区の芝から近い浜離宮庭園に行くことにする。しかしなかなか天候に恵まれず。どんな景色だって青空の下で見るに超したことはないが、ロウバイの場合はそれが必須条件。曇り空だと魅力半減どころか1/10程度になってしまう花なのである。それでようやく天候とスケジュールの都合がついたのが1月20日。
浜離宮庭園は築地の西隣にある。地図で「都営大江戸線」と書かれていて地面が灰色で塗られているところが築地市場のあった場所。
築地側からの航空写真。広さは約25ヘクタール。
江戸時代初期の1654年に甲府藩が海を埋め立てて屋敷と庭園を造ったのが始まり。その後、将軍家の所有となり明治になって宮内省管轄に。幕末には延遼館（えんりょうかん）という石造りの西洋建築が建てられ、明治16年に鹿鳴館が完成するまで、そこが外国人をもてなす迎賓館だったとのこと。意外とここは歴史の舞台になっていたようだ。戦後に東京都の庭園となり公開された。
都営大江戸線の築地市場駅から10分ほどで大手門橋に到着。
ここを徳川家が所有していた時代の名称は浜御殿。しかし大手門橋ということは城扱いだったのだろうか？ 少し調べたけれどわからず。（大手門とは城の正門につける名前）
大手門橋が架かっているのは築地川。かつては中央区を巡る運河だったようだが、現在残っているのはここから見えている750メートルほどがすべて。先にあるのは隅田川が東京湾に注いでいる河口。
橋を渡って入り口に。入園料は300円。
これによると甲府藩が屋敷を建てる前は、徳川家の鷹狩りのためのプライベートビーチだったみたいだ。もっとも甲府藩は徳川家の血筋なので一族でこの場所をやりとりしていたということ。
ロウバイの場所を確認していなかったが、歩いて行けばわかるだろうと散策開始。
マップ右下の大手門出入り口から入り、だいたい反時計回りに進んだ。
かつては延遼館のあったエリア。季節的には芝生の色がさえないが広々としたいい空間。海沿いだからか松がメインで私好み。
どこを歩いても汐留のタワービル群が目に入るのは仕方なし。
サザンカとツバキは見分けが難しい。サザンカの花は平らでツバキは立体的というのが１つの区別だが、どちらともいえない場合もある。でも花の散り方はまったく異なり、花びらがバラバラならサザンカ、花ごと落ちていたらツバキ。
だからこれはサザンカ。
サザンカから少し離れたところでロウバイ発見！
こういう角度で見ると実にツマラナイのだが、
青空を背景にすると「映える」。
それにしてもここ１〜２年で「映える」は「はえる」じゃなく「ばえる」が正しい日本語になったみたい(^^ゞ
これはソシンロウバイ（素心蝋梅）という品種。ロウバイは全部で５品種あるらしいが私はこのソシンロウバイと、何も言葉のつかないロウバイの２つしか見たことがない。ソシンロウバイのほうが花が丸くて可愛い。
毎度書いているが、ロウバイは梅とは関係なくクスノキの仲間。花びらが蝋細工のように見えるからロウバイと呼ばれる。しかし触ってみると普通に花びらの感触。香りは超濃厚で一度クンクンすると病みつきになる。
晴天の日を待っているうちにピークが過ぎたらしく、痛んだ花が多かったのが残念。盛りを過ぎると花びらに黒い筋が入るのは初めて知った。
まだツボミもあったけれど。
サザンカとのツーショットのつもりが、サザンカがちょっと遠かった(^^ゞ
実は浜離宮庭園にはこのソシンロウバイと別の場所にあるロウバイが、それぞれ１本ずつしか植えられていない。けっこう人気のある花なんだからもっとたくさん植えればいいのに。
庭園内をブラブラ。
少し茂みになっているところで体内の緑欠乏症を癒やす。
潮入の池に出る。つまりこの池の水は海から引いた海水。
松の御茶屋。江戸時代に将軍家が使っていたものを復元した建物。
鴨は海水でも平気なのか？
３メートルほどの高台になっている場所があって、
名前が御亭山と書いて「おちんやま」。
？？と思って調べると「亭」には表外読み（常用漢字表にない読み方）として音読みで「ちん」、訓読みで「あずまや」があった。昔はここに潮入の池を眺める東屋（あずまや）でも建っていたのかも知れない。
「おちんやま」の上から。わずか３メートルほどなのに見晴らしはグンとよくなった。
先を進む。
ここは春になったら桜が見事なんだろうな。そういうのを想像するのも庭園歩きの楽しみ。けっこう達人の域に入ってきた(^^ゞ
潮入の池の横堀部分。
二股に分かれた松。
こういう無理矢理っぽいのはあまり好きじゃない。
海手お伝い橋。
横堀部分は海に近いから海手と名前がついているのだと思う。お伝い橋とはそういう用語があるのかと思ったが、ネットで検索すると浜離宮庭園のものしかヒットしないから、この庭園独自の名前のようだ。
海手お伝い橋の途中からは東京タワーがよく見える。
なぜか溶岩風の石がゴロゴロ。
ーーー続く
浜離宮庭園は築地の西隣にある。地図で「都営大江戸線」と書かれていて地面が灰色で塗られているところが築地市場のあった場所。
築地側からの航空写真。広さは約25ヘクタール。
江戸時代初期の1654年に甲府藩が海を埋め立てて屋敷と庭園を造ったのが始まり。その後、将軍家の所有となり明治になって宮内省管轄に。幕末には延遼館（えんりょうかん）という石造りの西洋建築が建てられ、明治16年に鹿鳴館が完成するまで、そこが外国人をもてなす迎賓館だったとのこと。意外とここは歴史の舞台になっていたようだ。戦後に東京都の庭園となり公開された。
都営大江戸線の築地市場駅から10分ほどで大手門橋に到着。
ここを徳川家が所有していた時代の名称は浜御殿。しかし大手門橋ということは城扱いだったのだろうか？ 少し調べたけれどわからず。（大手門とは城の正門につける名前）
大手門橋が架かっているのは築地川。かつては中央区を巡る運河だったようだが、現在残っているのはここから見えている750メートルほどがすべて。先にあるのは隅田川が東京湾に注いでいる河口。
橋を渡って入り口に。入園料は300円。
これによると甲府藩が屋敷を建てる前は、徳川家の鷹狩りのためのプライベートビーチだったみたいだ。もっとも甲府藩は徳川家の血筋なので一族でこの場所をやりとりしていたということ。
ロウバイの場所を確認していなかったが、歩いて行けばわかるだろうと散策開始。
マップ右下の大手門出入り口から入り、だいたい反時計回りに進んだ。
かつては延遼館のあったエリア。季節的には芝生の色がさえないが広々としたいい空間。海沿いだからか松がメインで私好み。
どこを歩いても汐留のタワービル群が目に入るのは仕方なし。
サザンカとツバキは見分けが難しい。サザンカの花は平らでツバキは立体的というのが１つの区別だが、どちらともいえない場合もある。でも花の散り方はまったく異なり、花びらがバラバラならサザンカ、花ごと落ちていたらツバキ。
だからこれはサザンカ。
サザンカから少し離れたところでロウバイ発見！
こういう角度で見ると実にツマラナイのだが、
青空を背景にすると「映える」。
それにしてもここ１〜２年で「映える」は「はえる」じゃなく「ばえる」が正しい日本語になったみたい(^^ゞ
これはソシンロウバイ（素心蝋梅）という品種。ロウバイは全部で５品種あるらしいが私はこのソシンロウバイと、何も言葉のつかないロウバイの２つしか見たことがない。ソシンロウバイのほうが花が丸くて可愛い。
毎度書いているが、ロウバイは梅とは関係なくクスノキの仲間。花びらが蝋細工のように見えるからロウバイと呼ばれる。しかし触ってみると普通に花びらの感触。香りは超濃厚で一度クンクンすると病みつきになる。
晴天の日を待っているうちにピークが過ぎたらしく、痛んだ花が多かったのが残念。盛りを過ぎると花びらに黒い筋が入るのは初めて知った。
まだツボミもあったけれど。
サザンカとのツーショットのつもりが、サザンカがちょっと遠かった(^^ゞ
実は浜離宮庭園にはこのソシンロウバイと別の場所にあるロウバイが、それぞれ１本ずつしか植えられていない。けっこう人気のある花なんだからもっとたくさん植えればいいのに。
庭園内をブラブラ。
少し茂みになっているところで体内の緑欠乏症を癒やす。
潮入の池に出る。つまりこの池の水は海から引いた海水。
松の御茶屋。江戸時代に将軍家が使っていたものを復元した建物。
鴨は海水でも平気なのか？
３メートルほどの高台になっている場所があって、
名前が御亭山と書いて「おちんやま」。
？？と思って調べると「亭」には表外読み（常用漢字表にない読み方）として音読みで「ちん」、訓読みで「あずまや」があった。昔はここに潮入の池を眺める東屋（あずまや）でも建っていたのかも知れない。
「おちんやま」の上から。わずか３メートルほどなのに見晴らしはグンとよくなった。
先を進む。
ここは春になったら桜が見事なんだろうな。そういうのを想像するのも庭園歩きの楽しみ。けっこう達人の域に入ってきた(^^ゞ
潮入の池の横堀部分。
二股に分かれた松。
こういう無理矢理っぽいのはあまり好きじゃない。
海手お伝い橋。
横堀部分は海に近いから海手と名前がついているのだと思う。お伝い橋とはそういう用語があるのかと思ったが、ネットで検索すると浜離宮庭園のものしかヒットしないから、この庭園独自の名前のようだ。
海手お伝い橋の途中からは東京タワーがよく見える。
なぜか溶岩風の石がゴロゴロ。
ーーー続く
2020年01月22日
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年 その６
ヨーゼフ・イスラエルス（オランダ）
「カトウェイクの孤児の少女たち」 1866年
ビハリ・シャーンドル（ハンガリー）
「ポーチにて（ポーチでの針仕事の集い）」 1890年
どちらも針仕事を描いた作品。イスラエルスの作品では孤児たちが黙々と。これで生活資金を得るための作業なのかも知れない。右にいる少女は踏み台に足を乗せているから、まだかなり幼いようだ。
一方でシャーンドル作品では近所の奥さんたちが集まってという雰囲気。どうせ針仕事をするならおしゃべりでもしながらだろうか。真ん中にいる男性のポジションがよくわからないが、女性たちの表情から察するに彼の話はあまり面白くなさそうだ(^^ゞ テーブルのように見えているのは足踏み式のミシンかな。
話はそれるが、日本でポーチといえば「玄関前の屋根のついたスペース」という定義。玄関ポーチと説明付きの単語にもなっている。でもここは家の裏側だろう。何となくキッチンの隣という感じがする。そして家にこんな場所があると何かと楽しそう。
さてこの絵を紹介したのは、針仕事という同じテーマを描いても随分と違う印象になること。当たり前といえば当たり前であるが、２つ続けて見たから何となくその違いが面白かった。
そしてこういう趣味ではなく家事としての針仕事というのは、もう見ることはないだろうなと思ったから。正確にいうなら、昔から他人の針仕事なんて実際に見る機会は滅多にないから、絵や映画やドラマで針仕事シーンが描かれなくなったということであるが。すでにダイヤル式の電話機のかけ方がわからない世代がいる。将来はこういう絵を見て意味不明の生活風俗と考えられるのかもと想像したり。
ここからは「世紀末ー神話、寓話、象徴主義」というコーナーから。
レオ・プッツ（イタリア）
「牧歌」 1890年頃
マネとモネを足してルノワールも少し混ぜたらこうなるかも。
ある意味、お買い得？
リップル＝ローナイ・ヨージェフ（ハンガリー）
「白い水玉のドレスの女性」 1889年
会場を巡っていて、この絵が遠くに見えた時はクリムトの作品も展示されているのかと思った。前回に紹介したムンカーチ・ミハーイの門下生だったらしいが、師匠とはずいぶんと画風が異なる。
ジュール・ジョセフ・ルフェーブル（フランス）
「オンディーヌ」 1881年
ルフェーブルは以前の展覧会で作品を見た時に少し調べたことがある。ほとんど女性像ばかりを描いている画家。そして彼の描くヌードはプロポーション抜群。だから大好き(^^ゞ ボディばかりに目がいくが、よく見るとメッチャ長い髪の毛。
オンディーヌとは水を司る精霊。なぜか魂がない設定で人間の男性と結婚すると魂を得られることになっている。森でこんな精霊に出会ったら魂のゲットに絶対協力するな。しかしオンディーヌには夫が不倫したら夫を殺さなければならないという掟もあるw(ﾟoﾟ)w
アルノルト・ベックリン（スイス）
「村の鍛冶屋を訪れるケンタウロス」 1888年
絵を見て美しいと思ったり、その他いろいろと印象を受けて感情が起伏する。まあそのために足を運ぶのだ。しかし今回、そこそこ長い展覧会歴の中で初めてプッと笑った！
ギリシャ神話に登場するケンタウルスは上半身が人間で下半身が馬という種族。神様ではないのだけれど、それでも天上界にいる存在。どちらかというと勇者あるいは暴れ者のキャラである。それが鍛冶屋にやって来て「ちょっと蹄（ひづめ）の調子が悪いから治してくれないか」と頼んでいるのがこの絵。蹄の保護に被せるのが蹄鉄で、それを作るのが鍛冶屋ね。
真面目に描いたのか、それとも笑いを取りにいったのか？
展覧会はもう少し現代の作品まで続く。しかしあまり印象に残らなかったので割愛。それでもバラエティに富んだ構成で、このブログもずいぶんと長くなった。
ハンガリーの絵画って？というのがこの展覧会に興味を持ったきっかけ。そのハンガリー画家の作品は展覧会後半の「19世紀・20世紀初頭」の区画に多かった。だから割と最近の画家であること、それとハンガリーだってヨーロッパの一部だから、見たこともないような画風の絵が並んでいるわけではもちろんなかった。
それでもかなり長い歴史スパンで、ほとんどが初めて見る画家の作品を眺められたのは楽しかった。レアものを手にする喜びみたいなもの。総合的には最後のケンタウロスに全部持っていかれた感もあるが(^^ゞ、それでもムンカーチ・ミハーイはかなり印象に残っている。
ところでこの展覧会は人気がないのか、ほとんどガラガラだった。訪れたのは1月10日の昼過ぎで平日ではあるが、それにしても国立新美術館で初めて経験する人の少なさ。わかる人にしかわからない表現で恐縮だが、ここはポーラ美術館かと思うくらい。やはり客寄せパンダとなる作品か画家がいない展覧会は厳しいのかな。おかげで何度も各コーナーを回って、じっくり眺められたが。
しかし、こういうタイプの展覧会がこれから開かれなくと寂しいから、たまたまでもこのブログを読んだ人は、どこに住んでいようと必ずこの展覧会に行きましょう！ ちなみに3月16日までやっています。
おしまい
「カトウェイクの孤児の少女たち」 1866年
ビハリ・シャーンドル（ハンガリー）
「ポーチにて（ポーチでの針仕事の集い）」 1890年
どちらも針仕事を描いた作品。イスラエルスの作品では孤児たちが黙々と。これで生活資金を得るための作業なのかも知れない。右にいる少女は踏み台に足を乗せているから、まだかなり幼いようだ。
一方でシャーンドル作品では近所の奥さんたちが集まってという雰囲気。どうせ針仕事をするならおしゃべりでもしながらだろうか。真ん中にいる男性のポジションがよくわからないが、女性たちの表情から察するに彼の話はあまり面白くなさそうだ(^^ゞ テーブルのように見えているのは足踏み式のミシンかな。
話はそれるが、日本でポーチといえば「玄関前の屋根のついたスペース」という定義。玄関ポーチと説明付きの単語にもなっている。でもここは家の裏側だろう。何となくキッチンの隣という感じがする。そして家にこんな場所があると何かと楽しそう。
さてこの絵を紹介したのは、針仕事という同じテーマを描いても随分と違う印象になること。当たり前といえば当たり前であるが、２つ続けて見たから何となくその違いが面白かった。
そしてこういう趣味ではなく家事としての針仕事というのは、もう見ることはないだろうなと思ったから。正確にいうなら、昔から他人の針仕事なんて実際に見る機会は滅多にないから、絵や映画やドラマで針仕事シーンが描かれなくなったということであるが。すでにダイヤル式の電話機のかけ方がわからない世代がいる。将来はこういう絵を見て意味不明の生活風俗と考えられるのかもと想像したり。
ここからは「世紀末ー神話、寓話、象徴主義」というコーナーから。
レオ・プッツ（イタリア）
「牧歌」 1890年頃
マネとモネを足してルノワールも少し混ぜたらこうなるかも。
ある意味、お買い得？
リップル＝ローナイ・ヨージェフ（ハンガリー）
「白い水玉のドレスの女性」 1889年
会場を巡っていて、この絵が遠くに見えた時はクリムトの作品も展示されているのかと思った。前回に紹介したムンカーチ・ミハーイの門下生だったらしいが、師匠とはずいぶんと画風が異なる。
ジュール・ジョセフ・ルフェーブル（フランス）
「オンディーヌ」 1881年
ルフェーブルは以前の展覧会で作品を見た時に少し調べたことがある。ほとんど女性像ばかりを描いている画家。そして彼の描くヌードはプロポーション抜群。だから大好き(^^ゞ ボディばかりに目がいくが、よく見るとメッチャ長い髪の毛。
オンディーヌとは水を司る精霊。なぜか魂がない設定で人間の男性と結婚すると魂を得られることになっている。森でこんな精霊に出会ったら魂のゲットに絶対協力するな。しかしオンディーヌには夫が不倫したら夫を殺さなければならないという掟もあるw(ﾟoﾟ)w
アルノルト・ベックリン（スイス）
「村の鍛冶屋を訪れるケンタウロス」 1888年
絵を見て美しいと思ったり、その他いろいろと印象を受けて感情が起伏する。まあそのために足を運ぶのだ。しかし今回、そこそこ長い展覧会歴の中で初めてプッと笑った！
ギリシャ神話に登場するケンタウルスは上半身が人間で下半身が馬という種族。神様ではないのだけれど、それでも天上界にいる存在。どちらかというと勇者あるいは暴れ者のキャラである。それが鍛冶屋にやって来て「ちょっと蹄（ひづめ）の調子が悪いから治してくれないか」と頼んでいるのがこの絵。蹄の保護に被せるのが蹄鉄で、それを作るのが鍛冶屋ね。
真面目に描いたのか、それとも笑いを取りにいったのか？
展覧会はもう少し現代の作品まで続く。しかしあまり印象に残らなかったので割愛。それでもバラエティに富んだ構成で、このブログもずいぶんと長くなった。
ハンガリーの絵画って？というのがこの展覧会に興味を持ったきっかけ。そのハンガリー画家の作品は展覧会後半の「19世紀・20世紀初頭」の区画に多かった。だから割と最近の画家であること、それとハンガリーだってヨーロッパの一部だから、見たこともないような画風の絵が並んでいるわけではもちろんなかった。
それでもかなり長い歴史スパンで、ほとんどが初めて見る画家の作品を眺められたのは楽しかった。レアものを手にする喜びみたいなもの。総合的には最後のケンタウロスに全部持っていかれた感もあるが(^^ゞ、それでもムンカーチ・ミハーイはかなり印象に残っている。
ところでこの展覧会は人気がないのか、ほとんどガラガラだった。訪れたのは1月10日の昼過ぎで平日ではあるが、それにしても国立新美術館で初めて経験する人の少なさ。わかる人にしかわからない表現で恐縮だが、ここはポーラ美術館かと思うくらい。やはり客寄せパンダとなる作品か画家がいない展覧会は厳しいのかな。おかげで何度も各コーナーを回って、じっくり眺められたが。
しかし、こういうタイプの展覧会がこれから開かれなくと寂しいから、たまたまでもこのブログを読んだ人は、どこに住んでいようと必ずこの展覧会に行きましょう！ ちなみに3月16日までやっています。
おしまい
2020年01月21日
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年 その５
この展覧会で唯一６点もの作品が展示されていたのはハンガリー人のムンカーチ・ミハーイ。この画家を知ることができたのは大きな収穫。好みかと問われると微妙なところもあるのだけれど、その力量はヒシヒシと感じた。
ムンカーチ・ミハーイは日本に黒船が来航する10年ほど前の1844年生まれ。26歳の頃にドイツで絵を学んでいたが、パリのサロン（コンクール）に出品した作品が金賞となり一躍にして人気画家となる。
翌年の1871年頃にルクセンブルグのド・マルシュ男爵の支援でパリに進出。しかし1872年に男爵が亡くなってしまう。彼は1年間の喪に服した後、1874年に男爵の若き未亡人セシル・パピエと結婚。何ともうらやましい逆玉！ サスペンスドラマなら男爵の死に疑問が投げかけられるところ(^^ゞ
セレブとなったムンカーチはパリの豪邸に居を移し、そこのアトリエで制作したのがサロン画といわれる絵画。この場合のサロンとはコンクールではなくパーティーなどを開く広間のこと。つまりセレブたちが主人公の室内風景画である。
「パリの室内（本を読む女性）」 1877年
「本を読む女性」 1880年代初頭
どちらも本を読む女性がモデルになっているのは、おバカなパーリーピーポーじゃ絵にならないから、知的な雰囲気を演出したかったのかも知れない。印象派の第１回展覧会が1874年なので、ムンカーチもパリでそのトレンドに接していたはず。しかしその影響は見られない。ややラフなタッチではあるが、写実的でクラシック寄りといえる。優雅なテーマで描いているのになぜか力強さが溢れている。
ムンカーチのサロン画は30点ほどが制作され大ヒットとなったようである。ネットで他の作品も確認してみるとどれも似たような作品だった。注文制作だから、こういう絵のニーズが当時のセレブたちにあったということだろう。どれもいい感じだったとはいえ、展覧会で10点展示されたら飽きるかも。
「村の英雄のための習作（テーブルに寄りかかる二人の若者）」 1874年
これはハンガリーの酒場が舞台。若者は農民で何となく厳しい雰囲気が漂う。これから人でも殺しに行くのか(^^ゞ スカートのように見えるのは農作業用のエプロンなのかな。それを酒場でも着ける？どうして汚れの目立つ白？とか思ってしまうが、絵としてはいいアクセントになっている。
「ほこりっぽい道 II」 1874年以降
風俗画とはまったくタッチが異なるムンカーチの風景画。ここまで変わる画家も珍しいのでは。光の捉え方を意識しているのは明白で、その意味では印象派的でもある。しかしどちらかといえばターナー後期の雰囲気に似ている。この路線でももっと描いて欲しかった。
「フランツ・リストの肖像」 1886年
ムンカーチが雰囲気の演出に長けているだけでなく、画家としての力量がトップクラスだったことがわかる肖像画。彼の６作品の中で意外とこれが一番気に入った。
最初のエントリーでハンガリーは国名と首都名くらいしか思い浮かばないと書いたが、リストのことはもちろん知っている。ただ何となくウィーンのイメージでハンガリー人だとは思っていなかった。もっともクラシック音楽好き以外の世間一般では、リストは誰でも知っている作曲家とはいえないかも知れない。
ムンカーチとリストは親交があり、ムンカーチのサロンに彼も出入りしていたようである。この絵が描かれたのはリストの亡くなる数ヶ月前。ちなみに若い頃のリストはイケメン・ピアニストとして絶大な人気を示しており、彼のコンサートでは御婦人方からのオヒネリが絶えなかったそうである。
若い頃のリスト（この展覧会とは無関係な作品）
髪型は生涯変わっていないみたいね
ーーーまだ続く
ムンカーチ・ミハーイは日本に黒船が来航する10年ほど前の1844年生まれ。26歳の頃にドイツで絵を学んでいたが、パリのサロン（コンクール）に出品した作品が金賞となり一躍にして人気画家となる。
翌年の1871年頃にルクセンブルグのド・マルシュ男爵の支援でパリに進出。しかし1872年に男爵が亡くなってしまう。彼は1年間の喪に服した後、1874年に男爵の若き未亡人セシル・パピエと結婚。何ともうらやましい逆玉！ サスペンスドラマなら男爵の死に疑問が投げかけられるところ(^^ゞ
セレブとなったムンカーチはパリの豪邸に居を移し、そこのアトリエで制作したのがサロン画といわれる絵画。この場合のサロンとはコンクールではなくパーティーなどを開く広間のこと。つまりセレブたちが主人公の室内風景画である。
「パリの室内（本を読む女性）」 1877年
「本を読む女性」 1880年代初頭
どちらも本を読む女性がモデルになっているのは、おバカなパーリーピーポーじゃ絵にならないから、知的な雰囲気を演出したかったのかも知れない。印象派の第１回展覧会が1874年なので、ムンカーチもパリでそのトレンドに接していたはず。しかしその影響は見られない。ややラフなタッチではあるが、写実的でクラシック寄りといえる。優雅なテーマで描いているのになぜか力強さが溢れている。
ムンカーチのサロン画は30点ほどが制作され大ヒットとなったようである。ネットで他の作品も確認してみるとどれも似たような作品だった。注文制作だから、こういう絵のニーズが当時のセレブたちにあったということだろう。どれもいい感じだったとはいえ、展覧会で10点展示されたら飽きるかも。
「村の英雄のための習作（テーブルに寄りかかる二人の若者）」 1874年
これはハンガリーの酒場が舞台。若者は農民で何となく厳しい雰囲気が漂う。これから人でも殺しに行くのか(^^ゞ スカートのように見えるのは農作業用のエプロンなのかな。それを酒場でも着ける？どうして汚れの目立つ白？とか思ってしまうが、絵としてはいいアクセントになっている。
「ほこりっぽい道 II」 1874年以降
風俗画とはまったくタッチが異なるムンカーチの風景画。ここまで変わる画家も珍しいのでは。光の捉え方を意識しているのは明白で、その意味では印象派的でもある。しかしどちらかといえばターナー後期の雰囲気に似ている。この路線でももっと描いて欲しかった。
「フランツ・リストの肖像」 1886年
ムンカーチが雰囲気の演出に長けているだけでなく、画家としての力量がトップクラスだったことがわかる肖像画。彼の６作品の中で意外とこれが一番気に入った。
最初のエントリーでハンガリーは国名と首都名くらいしか思い浮かばないと書いたが、リストのことはもちろん知っている。ただ何となくウィーンのイメージでハンガリー人だとは思っていなかった。もっともクラシック音楽好き以外の世間一般では、リストは誰でも知っている作曲家とはいえないかも知れない。
ムンカーチとリストは親交があり、ムンカーチのサロンに彼も出入りしていたようである。この絵が描かれたのはリストの亡くなる数ヶ月前。ちなみに若い頃のリストはイケメン・ピアニストとして絶大な人気を示しており、彼のコンサートでは御婦人方からのオヒネリが絶えなかったそうである。
若い頃のリスト（この展覧会とは無関係な作品）
髪型は生涯変わっていないみたいね
ーーーまだ続く
2020年01月19日
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年 その４
「ビーダーマイヤー」の次は「レアリスムー風俗画と肖像画」というコーナー。その中でとってもとっても気になったのがこれ。
ギュスターヴ・ドレ（フランス）
「白いショールをまとった若い女性」 1870年頃
多少は写真に関心のある人なら誰でも「逆光！」というんじゃないかな。どう見たって女性が影になっている。だったら逆光の状態で写生した？ しかしそれはあり得ない。人間の目は都合よくできていて、カメラなら逆光で暗くなる場合でも、脳内で補正して普通の明るさとして感じるから。日常生活で逆光で人の顔が暗いなんて感じないでしょ。
ではどうしてこんなに「逆光」風に描いたのか。もっともこの当時のカメラはまだフィルムではなくガラス板に感光剤を塗っていた時代。もちろん撮影は専門のカメラマンがベストな条件の下でおこなっていた。だからギュスターヴ・ドレは逆光になった写真を見たことさえなかったはず。つまり逆光なんて発想はなかった。そもそも女性を暗く描きたいなら、こんな屋外のシーンは選ばないだろう。
だから、この絵はとってもナゾ。他にも不思議な点はあって、まず右腕は半袖に手袋なのに、左腕は長袖である。この時代にそんなアバンギャルドな服ってある？ それに画像が小さくてわかりづらいが、左手が逆光のせいでもあるのだが、まるで老婆かミイラのように不気味に描かれている。
あまりに気になるので、とりあえず逆光を補正してあげた(^^ゞ
アルフレッド・ステヴァンス（ベルギー）
「緑の服の婦人（女性とハープ）」 1870年頃
アルフレッド・ステヴァンスはいい感じの女性画をたくさん描いているのに、この展覧会では１点だけで、しかもあまりパッとしない作品だったのが残念。それほど有名じゃないけれど、きちんとプロモーションすれば日本で人気の出る画家だと思っている。
ベンツール・ジュラ（ハンガリー）
「森の中で本を読む女性」 1874年
シニェイ・メルシェ・パール（ハンガリー）
「紫のドレスの婦人」 1874年
チケットやポスターにも使われている展覧会の目玉作品。紫がメインカラーの絵は珍しい。そのドレスが画像では少し重く見えるが、実際はもっと鮮やかな印象がある。草むらの緑や黄色い花が紫を引き立てているし、顔のあたりを雲で白くしたのも上手い。
この絵はハンガリーのモナリザと呼ばれているらしい。しかし
オランダのモナリザ→フェルメール：真珠の耳飾りの少女
ロシアのモナリザ→イワン・クラムスコイ：忘れえぬ女
と較べれば、ちょっとそのタイトルは盛りすぎじゃないかと思う。
ロツ・カーロイ（ハンガリー）
「春ーリッピヒ・イロナの肖像」 1894年
「紫のドレスの婦人」よりこちらのほうが魅力的に思えた。そういう場合、絵としての好みなのか、それとも描かれている女性が好みなのか自分自身でも判断の難しいところ(^^ゞ
ーーー続く
ギュスターヴ・ドレ（フランス）
「白いショールをまとった若い女性」 1870年頃
多少は写真に関心のある人なら誰でも「逆光！」というんじゃないかな。どう見たって女性が影になっている。だったら逆光の状態で写生した？ しかしそれはあり得ない。人間の目は都合よくできていて、カメラなら逆光で暗くなる場合でも、脳内で補正して普通の明るさとして感じるから。日常生活で逆光で人の顔が暗いなんて感じないでしょ。
ではどうしてこんなに「逆光」風に描いたのか。もっともこの当時のカメラはまだフィルムではなくガラス板に感光剤を塗っていた時代。もちろん撮影は専門のカメラマンがベストな条件の下でおこなっていた。だからギュスターヴ・ドレは逆光になった写真を見たことさえなかったはず。つまり逆光なんて発想はなかった。そもそも女性を暗く描きたいなら、こんな屋外のシーンは選ばないだろう。
だから、この絵はとってもナゾ。他にも不思議な点はあって、まず右腕は半袖に手袋なのに、左腕は長袖である。この時代にそんなアバンギャルドな服ってある？ それに画像が小さくてわかりづらいが、左手が逆光のせいでもあるのだが、まるで老婆かミイラのように不気味に描かれている。
あまりに気になるので、とりあえず逆光を補正してあげた(^^ゞ
アルフレッド・ステヴァンス（ベルギー）
「緑の服の婦人（女性とハープ）」 1870年頃
アルフレッド・ステヴァンスはいい感じの女性画をたくさん描いているのに、この展覧会では１点だけで、しかもあまりパッとしない作品だったのが残念。それほど有名じゃないけれど、きちんとプロモーションすれば日本で人気の出る画家だと思っている。
ベンツール・ジュラ（ハンガリー）
「森の中で本を読む女性」 1874年
シニェイ・メルシェ・パール（ハンガリー）
「紫のドレスの婦人」 1874年
チケットやポスターにも使われている展覧会の目玉作品。紫がメインカラーの絵は珍しい。そのドレスが画像では少し重く見えるが、実際はもっと鮮やかな印象がある。草むらの緑や黄色い花が紫を引き立てているし、顔のあたりを雲で白くしたのも上手い。
この絵はハンガリーのモナリザと呼ばれているらしい。しかし
オランダのモナリザ→フェルメール：真珠の耳飾りの少女
ロシアのモナリザ→イワン・クラムスコイ：忘れえぬ女
と較べれば、ちょっとそのタイトルは盛りすぎじゃないかと思う。
ロツ・カーロイ（ハンガリー）
「春ーリッピヒ・イロナの肖像」 1894年
「紫のドレスの婦人」よりこちらのほうが魅力的に思えた。そういう場合、絵としての好みなのか、それとも描かれている女性が好みなのか自分自身でも判断の難しいところ(^^ゞ
ーーー続く
2020年01月18日
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年 その３
ここからは展覧会構成の後半である「19世紀・20世紀初頭」で掲示されていた作品。
その最初のコーナーは「ビーダーマイヤー」。ビーダーマイヤーはゴシックやアール・ヌーボーと同じように、その時代に起こった絵画に限らず幅広い分野でのムーブメントや様式を示す言葉。しかしビーダーマイヤーの場合は特徴を捉えにくい。
その理由は様々あるのだが、それほど詳しくもないので説明は省略。西洋美術を理解するのにぜひ知っておかなければならないというほど重要なスタイルでもない（と思っている）。
フェリーチェ・スキアヴォーニ（イタリア）
「お茶を入れる召使い」 19世紀中頃
描かれている女性の可愛らしさに足が止まった(^^ゞ 日本人的にはタイトルを読まないと、彼女が召し使いだとはすぐにはわからなかったが。部屋の雰囲気から、そんなに富豪の家でもなさそうだ。それでも召使いがこんな優雅な服を着ているエレガントな時代。
次にエプロンの裾を鍋つかみ代わりにしているポーズに目がいく。エプロンにそういう使い方もあるのかと思っているうちに、彼女の服に興味がわいてきた。ウエストがすごく絞られているのは、まだそういう時代なのだろうとして、胸までを覆っている白い部分に肩紐がない。エプロンの下にはスカートをはいているのが見える。ということはピンクの肩や腕の部分と白いエプロンが一体化したエプロンスーツのような服なんだろうか？
彼女の後ろにあるのは黒板なのか、あるいはイーゼルに立てかけられているから下地を黒く塗ったキャンパスだろうか。何となく部屋が書斎ぽいから黒板かな。召使いを際立たせるテクニックとして無地の背景が欲しかったのだろう。しかしスキアヴォーニには想像もできないはずだが、現代の感覚ではスクリーンから召使いが抜け出してきたようにも見えて面白い。
バラバーシュ・ミクローシュ（ハンガリー）
「伝書鳩」 1843年
ようやくハンガリー人の画家登場。もっとも彼以前にハンガリー画家の作品は展示されていたから、正確にいうなら私の気を引いた１人目のハンガリー画家。なおハンガリー人の名前表記は苗字・名前の順番になる。
鳩が不自然に片方の翼だけを広げてて、なぜか女性はカタチチ見えそう。こういう場合はそれぞれが暗示しているメッセージがある。日本人なら鶴や亀が描かれていたらメデタイと感じるようなもの。つまり、いくら眺めてもその約束事を知らないと絵は読み解けない。
というわけで画家のメッセージは不明なものの、それを抜きにしても、良く描き込まれた美しい絵だったのでブログに載せてみた。
ボルショシュ・ヨージェフ（ハンガリー）
「レバノンの太守（ジチ・エドムント伯爵の肖像）」 1843年
カルロス・ゴーンで話題のレバノンがテーマの作品登場！
この絵はターバンや上着の布の描写が超絶技巧で見事だった。多分光沢のある素材のほうがリアルに描きやすいのだと思うが、それにしてもどうやって描いた、どれだけ時間がかかったのかと思う仕上がり。
ところで太守というのはイスラム圏での君主・スルタンを示す言葉。それでこれはジチ・エドムント伯爵（ハンガリー人？）という人物が、レバノンの王様コスプレをしている肖像画なのであるが、身につけているのはトルコの衣装である。
もっともオスマン帝国は最盛期に東ヨーロッパから現在のアラブ諸国までを統治していたし、当時のレバノンはまだその支配下にあった。だからレバノン太守がトルコ衣装であってもおかしくないのかも。何となくアラビアンナイト風でもあるが、その物語の舞台であるペルシャはオスマン帝国の隣だし、占領されていた時代もあるから両者は似通っているのだろう。
マルコー・カーロイ（父） （ハンガリー）
「漁師たち」 1851年
マルコー・カーロイはハンガリーで最初の風景画家らしい。夕日の描き方が美しく、上手さでは文句のつけるところはない風景だが、どうも「漁師」という感じがしない。あっ、ハンガリーに海はないのか！
このコーナーに展示されていたのは７点。１つを除いて細密に描き込まれていた。しかしそれ以外に共通点はない。それにビーダーマイヤー様式のインテリアや食器はシンプルで装飾性も控えめなのが特徴。どちらかというと濃いめ画風の、これらの作品ともマッチしない。ビーダーマイヤー期の絵画というのは、その時期に描かれたというだけで、ビーダーマイヤーの中身とはあまり関係ないのではというのが今のところの感想。７点見ただけでわかった気になってもいけないが。
ーーー続く
その最初のコーナーは「ビーダーマイヤー」。ビーダーマイヤーはゴシックやアール・ヌーボーと同じように、その時代に起こった絵画に限らず幅広い分野でのムーブメントや様式を示す言葉。しかしビーダーマイヤーの場合は特徴を捉えにくい。
その理由は様々あるのだが、それほど詳しくもないので説明は省略。西洋美術を理解するのにぜひ知っておかなければならないというほど重要なスタイルでもない（と思っている）。
フェリーチェ・スキアヴォーニ（イタリア）
「お茶を入れる召使い」 19世紀中頃
描かれている女性の可愛らしさに足が止まった(^^ゞ 日本人的にはタイトルを読まないと、彼女が召し使いだとはすぐにはわからなかったが。部屋の雰囲気から、そんなに富豪の家でもなさそうだ。それでも召使いがこんな優雅な服を着ているエレガントな時代。
次にエプロンの裾を鍋つかみ代わりにしているポーズに目がいく。エプロンにそういう使い方もあるのかと思っているうちに、彼女の服に興味がわいてきた。ウエストがすごく絞られているのは、まだそういう時代なのだろうとして、胸までを覆っている白い部分に肩紐がない。エプロンの下にはスカートをはいているのが見える。ということはピンクの肩や腕の部分と白いエプロンが一体化したエプロンスーツのような服なんだろうか？
彼女の後ろにあるのは黒板なのか、あるいはイーゼルに立てかけられているから下地を黒く塗ったキャンパスだろうか。何となく部屋が書斎ぽいから黒板かな。召使いを際立たせるテクニックとして無地の背景が欲しかったのだろう。しかしスキアヴォーニには想像もできないはずだが、現代の感覚ではスクリーンから召使いが抜け出してきたようにも見えて面白い。
バラバーシュ・ミクローシュ（ハンガリー）
「伝書鳩」 1843年
ようやくハンガリー人の画家登場。もっとも彼以前にハンガリー画家の作品は展示されていたから、正確にいうなら私の気を引いた１人目のハンガリー画家。なおハンガリー人の名前表記は苗字・名前の順番になる。
鳩が不自然に片方の翼だけを広げてて、なぜか女性はカタチチ見えそう。こういう場合はそれぞれが暗示しているメッセージがある。日本人なら鶴や亀が描かれていたらメデタイと感じるようなもの。つまり、いくら眺めてもその約束事を知らないと絵は読み解けない。
というわけで画家のメッセージは不明なものの、それを抜きにしても、良く描き込まれた美しい絵だったのでブログに載せてみた。
ボルショシュ・ヨージェフ（ハンガリー）
「レバノンの太守（ジチ・エドムント伯爵の肖像）」 1843年
カルロス・ゴーンで話題のレバノンがテーマの作品登場！
この絵はターバンや上着の布の描写が超絶技巧で見事だった。多分光沢のある素材のほうがリアルに描きやすいのだと思うが、それにしてもどうやって描いた、どれだけ時間がかかったのかと思う仕上がり。
ところで太守というのはイスラム圏での君主・スルタンを示す言葉。それでこれはジチ・エドムント伯爵（ハンガリー人？）という人物が、レバノンの王様コスプレをしている肖像画なのであるが、身につけているのはトルコの衣装である。
もっともオスマン帝国は最盛期に東ヨーロッパから現在のアラブ諸国までを統治していたし、当時のレバノンはまだその支配下にあった。だからレバノン太守がトルコ衣装であってもおかしくないのかも。何となくアラビアンナイト風でもあるが、その物語の舞台であるペルシャはオスマン帝国の隣だし、占領されていた時代もあるから両者は似通っているのだろう。
マルコー・カーロイ（父） （ハンガリー）
「漁師たち」 1851年
マルコー・カーロイはハンガリーで最初の風景画家らしい。夕日の描き方が美しく、上手さでは文句のつけるところはない風景だが、どうも「漁師」という感じがしない。あっ、ハンガリーに海はないのか！
このコーナーに展示されていたのは７点。１つを除いて細密に描き込まれていた。しかしそれ以外に共通点はない。それにビーダーマイヤー様式のインテリアや食器はシンプルで装飾性も控えめなのが特徴。どちらかというと濃いめ画風の、これらの作品ともマッチしない。ビーダーマイヤー期の絵画というのは、その時期に描かれたというだけで、ビーダーマイヤーの中身とはあまり関係ないのではというのが今のところの感想。７点見ただけでわかった気になってもいけないが。
ーーー続く
2020年01月16日
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年 その２
目についた作品をピックアップ。いつもと違って画家の後ろに国名を入れたのはハンガリーの画家はどんな作風かをわかりやすくするために。
最初はキリスト教をテーマにした絵が続く。
ベルナルディーノ・ルイーニ（イタリア）
「聖母子と聖エリサベト、洗礼者ヨハネ」 1520-1525年頃
ベルナルディーノ・ルイーニはダ・ヴィンチと仕事をし、またラファエロとも何らかの関わりがあったらしい。なんてうらやましい画家ライフなんざましょ。そういえばこの絵のマリアはダ・ヴィンチの描く女性像に似ている。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ（イタリア）
「聖母子と聖パウロ」 1540年頃
ティツィアーノはルネサンスの巨匠の１人と数えられ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの３大巨匠よりレベルが高いと評価する向きもある。しかしその割には人気が今ひとつのようにも思う。腕は確かでもオリジナリティに欠けるからかな。それと苗字ではなく名前で呼ばれるのはどうして？
ジローラモ・シチョランテ・ダ・セルモネータに帰属（イタリア）
「聖家族」 1544年頃
この画家は日本のウキペディアにはページがなく英語版でもわずかな情報しか載っていなかった。それはそうと赤ちゃんイエスがじっとマリアの目を見つめているのに、マリアは視線が定まっていないというか、うつろな目つきに描かれているのが妙に気になった(画像をクリックして拡大するとよくわかる）。まあこの母子なら幼児虐待の心配はないが。
イェルク・ブロイ（父） （ドイツ）
十字架昇架 1524年
ジョルジョ・ヴァザーリ（イタリア）
「カナの婚礼」 1566年
十字架昇架は見ての通りキリストが処刑される場面。カナの婚礼（婚宴ということも多い）はキリストが水をワインにするという奇跡を描いたもの。聖書にはいろいろなエピソードが紹介されている。キリスト教徒じゃなくても絵を趣味にするうちにそこそこ詳しくなった。いっぽうで仏教の場合、仏典は「教え」中心なので絵にはなりにくい。だから仏教美術というと仏像仏画がほとんどでツマラナイのは残念なところ。別に仏教徒でもないけど。
ここまでは1550年前後の作品。日本でいうなら戦国時代の後半。その次はそれから約100年後の1650年前後の作品。だいたい徳川家光あたりの江戸時代初期。その頃はレンブラントやフェルメールがいたオランダ絵画の黄金期。
当然その頃の展覧会は多いので自然と当時のオランダ絵画に慣れ親しんで、パッと見て「これはあの頃のオランダの」とわかるようになった。身体で覚えた感覚なので具体的にどんな特徴があるのかうまく説明できないが。もっとも「りんごがこぼれた籠」も、まさにオランダ！と思ったらスペインの画家だったので自信喪失(^^ゞ
ヤン・ミーンス・モレナール（オランダ）
「聖ペテロの否認」 1633年
ヤン・ステーン（オランダ）
「田舎の結婚式」 1656-1660年頃
アブラハム・ファン・ベイエレン（オランダ）
「果物、魚介、高価な食器のある静物」 1654年
ペドロ・ヌニェス・ヴィラヴィセンシオ（スペイン）
「りんごがこぼれた籠」 17世紀後半
この頃の風景画で特に関心を持ったものはなかったが１点だけ紹介しておく。
フィリップ・ペーター・ロース（通称ローザ・ダ・ティヴォリ）＆
アレッサンドロ・マニャスコの共作 (イタリア)
「羊飼いと漁師のいる岩窟」 1704-1705年
最初はなかなかダイナミックでコントラストの効いた風景が気に入って眺めていたが、ふと羊飼いがこんな所に羊を連れてくるか？とツッコミを誘われた作品。
なかなかハンガリーの画家が登場しない。
ーーー続く。
最初はキリスト教をテーマにした絵が続く。
ベルナルディーノ・ルイーニ（イタリア）
「聖母子と聖エリサベト、洗礼者ヨハネ」 1520-1525年頃
ベルナルディーノ・ルイーニはダ・ヴィンチと仕事をし、またラファエロとも何らかの関わりがあったらしい。なんてうらやましい画家ライフなんざましょ。そういえばこの絵のマリアはダ・ヴィンチの描く女性像に似ている。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ（イタリア）
「聖母子と聖パウロ」 1540年頃
ティツィアーノはルネサンスの巨匠の１人と数えられ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの３大巨匠よりレベルが高いと評価する向きもある。しかしその割には人気が今ひとつのようにも思う。腕は確かでもオリジナリティに欠けるからかな。それと苗字ではなく名前で呼ばれるのはどうして？
ジローラモ・シチョランテ・ダ・セルモネータに帰属（イタリア）
「聖家族」 1544年頃
この画家は日本のウキペディアにはページがなく英語版でもわずかな情報しか載っていなかった。それはそうと赤ちゃんイエスがじっとマリアの目を見つめているのに、マリアは視線が定まっていないというか、うつろな目つきに描かれているのが妙に気になった(画像をクリックして拡大するとよくわかる）。まあこの母子なら幼児虐待の心配はないが。
イェルク・ブロイ（父） （ドイツ）
十字架昇架 1524年
ジョルジョ・ヴァザーリ（イタリア）
「カナの婚礼」 1566年
十字架昇架は見ての通りキリストが処刑される場面。カナの婚礼（婚宴ということも多い）はキリストが水をワインにするという奇跡を描いたもの。聖書にはいろいろなエピソードが紹介されている。キリスト教徒じゃなくても絵を趣味にするうちにそこそこ詳しくなった。いっぽうで仏教の場合、仏典は「教え」中心なので絵にはなりにくい。だから仏教美術というと仏像仏画がほとんどでツマラナイのは残念なところ。別に仏教徒でもないけど。
ここまでは1550年前後の作品。日本でいうなら戦国時代の後半。その次はそれから約100年後の1650年前後の作品。だいたい徳川家光あたりの江戸時代初期。その頃はレンブラントやフェルメールがいたオランダ絵画の黄金期。
当然その頃の展覧会は多いので自然と当時のオランダ絵画に慣れ親しんで、パッと見て「これはあの頃のオランダの」とわかるようになった。身体で覚えた感覚なので具体的にどんな特徴があるのかうまく説明できないが。もっとも「りんごがこぼれた籠」も、まさにオランダ！と思ったらスペインの画家だったので自信喪失(^^ゞ
ヤン・ミーンス・モレナール（オランダ）
「聖ペテロの否認」 1633年
ヤン・ステーン（オランダ）
「田舎の結婚式」 1656-1660年頃
アブラハム・ファン・ベイエレン（オランダ）
「果物、魚介、高価な食器のある静物」 1654年
ペドロ・ヌニェス・ヴィラヴィセンシオ（スペイン）
「りんごがこぼれた籠」 17世紀後半
この頃の風景画で特に関心を持ったものはなかったが１点だけ紹介しておく。
フィリップ・ペーター・ロース（通称ローザ・ダ・ティヴォリ）＆
アレッサンドロ・マニャスコの共作 (イタリア)
「羊飼いと漁師のいる岩窟」 1704-1705年
最初はなかなかダイナミックでコントラストの効いた風景が気に入って眺めていたが、ふと羊飼いがこんな所に羊を連れてくるか？とツッコミを誘われた作品。
なかなかハンガリーの画家が登場しない。
ーーー続く。
2020年01月15日
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年
本当は昨年の年末に行こうと思っていたこの展覧会。しかし国立新美術館は12月24日から1月7日まで15日間も年末年始休館があったので訪れたのは先週になった。それにしても、さすがに官営企業の働き方改革は充実している。
毎度おなじみのガラスの建物。
iPhoneしか持っていなかったが、天気がよかったので下からあおってみる。
建物内部からはこんな感じね。
さて展覧会の名称は
日本・ハンガリー外交関係開設150周年記念
ブダペスト国立西洋美術館 & ハンガリー・ナショナル・ギャラリー所蔵
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年
メインタイトルも長いが、サブタイトルもそれに負けずに長い(^^ゞ
この展覧会に興味を持ったのはハンガリーがテーマだから。東ヨーロッパの国で、その首都がブダペストだとは子供の頃から覚えているが、ではどんな国と訪ねられたらほとんど何も答えられない。どんなものを作っているのか、どんな料理があるのか、観光名所は、ハンガリー出身の有名人は等々ーーー結局、知っているのは国名と首都名だと改めて気づく。
というわけでハンガリーの画家なんて知っているはずもなく。しかし昨年のロシア展では初めて知る画家の作品を見られて楽しかったし、ウィーン展ではハンス・マカルトという私のツボにはまる画家を発見できた。そんな出会いがハンガリー美術にあるかなと期待して。
もっともタイトルに「ヨーロッパとハンガリーの美術400年」とあるようにハンガリーの作品だけを集めた展覧会じゃない。ハプスブルク家時代に手広くコレクションしたものを持ってきたのかな。企画構成はかなり細分化されてて、大きくは「ルネサンスから18世紀まで」「19世紀・20世紀初頭」という２つの時代区分。それぞれに個別のテーマが設けられている。とはいっても、これでヨーロッパ美術を俯瞰できるわけでもない。紹介される機会が少ないのだから、もっとディープにハンガリーを掘り下げる企画にして欲しかった気もする。
�機Д襯優汽鵐垢�ら18世紀まで
1. ドイツとネーデルランドの絵画
2. イタリア絵画
聖母子
聖書の主題
ヴェネツィア共和国の絵画
3. 黄金時代のオランダ絵画
4. スペイン絵画ー黄金時代からゴヤまで
5. ネーデルラントとイタリアの静物画
6. 17-18世紀のヨーロッパの都市と風景
7. 17-18世紀のハンガリー王国の絵画芸術
8. 彫刻
�供�19世紀・20世紀初頭
1. ビーダーマイヤー
2. レアリスム―風俗画と肖像画
3. 戸外制作の絵画
4. 自然主義
5. 世紀末―神話、寓意、象徴主義
6. ポスト印象派
7. 20世紀初頭の美術―表現主義、構成主義、アール・デコ
まだ作品を１枚も紹介していないので、ハンガリーの位置確認でも。
ーーー続く
2020年01月07日
お正月のクリスマス・カクタス
クリスマスの頃に咲くからクリスマス・カクタスなのに、
今年は室内に取り込むのが遅れてお正月に咲いた。撮影は１月５日。
昨年の６月にはハマキムシに食い荒らされ、夏になってもヒョロヒョロした状態で心配だったが、何とか例年通りに咲いてくれた。まあそれは、あまりたくさん咲かないということなんだけれど(^^ゞ
少しでも満開感が出るようにアングルを工夫してみる。
クリスマス・カクタスは花が下を向くので撮りにくい。
下からあおって撮ったり、
空中に浮いているように狙ってみたり、
トリミングを工夫したり。
こいつは雌しべの先端がズングリしている。
こういう形になったのは初めて。
ハマキムシのダメージがあって、昨年はできなかった挿し芽を春には行うつもり。ただし、その株が花を咲かせるのは早くて３年後。ガーデニングをやっていると気が長くなります。
今年は室内に取り込むのが遅れてお正月に咲いた。撮影は１月５日。
昨年の６月にはハマキムシに食い荒らされ、夏になってもヒョロヒョロした状態で心配だったが、何とか例年通りに咲いてくれた。まあそれは、あまりたくさん咲かないということなんだけれど(^^ゞ
少しでも満開感が出るようにアングルを工夫してみる。
クリスマス・カクタスは花が下を向くので撮りにくい。
下からあおって撮ったり、
空中に浮いているように狙ってみたり、
トリミングを工夫したり。
こいつは雌しべの先端がズングリしている。
こういう形になったのは初めて。
ハマキムシのダメージがあって、昨年はできなかった挿し芽を春には行うつもり。ただし、その株が花を咲かせるのは早くて３年後。ガーデニングをやっていると気が長くなります。
2020年01月06日
カルロス・ゴーンに学ぶ執念の力
６日前の大晦日、日本列島に衝撃が走ったカルロス・ゴーンの海外逃亡。現在レバノンにいることは確実なようだが、それ以外の真相は未だ闇の中。外交特権を持つものが手引きした、PMC（Private Military Company）と呼ばれる民間軍事会社が関与した、大型楽器ケースに隠れて脱出したなどが報じられているものの、いずれも憶測の域を出ない。
さて、事の善悪は (／_')／コッチニオイトイテ
今回の件はカルロス・ゴーンの知力、人脈、資金力があってこそ実現可能だったことは間違いない。しかしその３要素を兼ね備えていたとしても、誰もが同じようにできることじゃない。強く感じるのは彼の意志の強さ。それこそが不可能を可能にしたと思う。
単に逃げたいというより、（色々と議論はあるが）日本の前近代的な司法制度に対して手段を問わず立ち向かってやるという、ある種の正義感や反発心が強力な原動力になっていたのかもしれない。いずれにせよ超絶困難な課題の実行には、絶対に成し遂げるぞという執念が不可欠だったはず。
一方で世の中には「諦めが肝心」という言葉もある。逆もまた真なりで、それを否定はしない。しかし途中で諦めたら何も成し遂げられないのは当然の帰結。私はすぐ諦めるタイプではないつもりだが、人一倍熱しやすく冷めやすいから、過去を振り返って執念が足りないことが多かったかなあと反省。
これからは執念深く生きていきます。
覚悟して下さい(^^ゞ
それにしても事実は小説よりも奇なりというか、今回はまるで映画のような展開である。飛行機が離陸した後、渾身のガッツポーズを決める彼の姿が目に浮かぶ(^^ゞ まだこれから先はあるだろうが、一件落着したらドキュメンタリー映画に仕上げて欲しいな。
最後に、こんなことができる日本人あるいは日本の経営者はいるのだろうか？
そこにいろいろと思うところもある事件である。
さて、事の善悪は (／_')／コッチニオイトイテ
今回の件はカルロス・ゴーンの知力、人脈、資金力があってこそ実現可能だったことは間違いない。しかしその３要素を兼ね備えていたとしても、誰もが同じようにできることじゃない。強く感じるのは彼の意志の強さ。それこそが不可能を可能にしたと思う。
単に逃げたいというより、（色々と議論はあるが）日本の前近代的な司法制度に対して手段を問わず立ち向かってやるという、ある種の正義感や反発心が強力な原動力になっていたのかもしれない。いずれにせよ超絶困難な課題の実行には、絶対に成し遂げるぞという執念が不可欠だったはず。
一方で世の中には「諦めが肝心」という言葉もある。逆もまた真なりで、それを否定はしない。しかし途中で諦めたら何も成し遂げられないのは当然の帰結。私はすぐ諦めるタイプではないつもりだが、人一倍熱しやすく冷めやすいから、過去を振り返って執念が足りないことが多かったかなあと反省。
これからは執念深く生きていきます。
覚悟して下さい(^^ゞ
それにしても事実は小説よりも奇なりというか、今回はまるで映画のような展開である。飛行機が離陸した後、渾身のガッツポーズを決める彼の姿が目に浮かぶ(^^ゞ まだこれから先はあるだろうが、一件落着したらドキュメンタリー映画に仕上げて欲しいな。
最後に、こんなことができる日本人あるいは日本の経営者はいるのだろうか？
そこにいろいろと思うところもある事件である。
2020年01月03日
教会とお寺と神社に初詣のハシゴ その３ 碑文谷八幡宮
碑文谷八幡宮の参道入り口。
この神社はお祭りや桜のシーズンに何度か訪れている。円融寺からは５分とかからない距離。それにしても都合よくキリスト教、仏教、神道が近くに集まっていたものだ。
参道を少し進むと行列で動かなくなった。
ここが境内への入り口。
中に入っても延々と続く参拝待ちの列。
行列に並ぶのは諦めて別の入り口から境内に入った。だから社殿ではなく少し離れた位置から心の中で「マンマンチャン・アン」。これは関西弁で子供が使うお参り言葉。
幼い頃は祖母が近くの神社によく連れて行ってくれて「はい、マンマンチャン・アンしなさい」と言われてお参りしていた。ずっとずっと後になって祖母も他界してから「マンマン」は南無阿弥陀仏＝ナンマイダ〜の幼児語で、つまりそれは仏教用語だと知る(^^ゞ
碑文谷八幡宮を裏側から出ると道路を挟んで「すずめのお宿緑地公園」がある。江戸時代中期から昭和の初めまで目黒区は竹林が多くタケノコの名産地だったらしい。スズメが竹林を好むのかはよくわからないが。
雑木林と広場と竹林のある約0.7ヘクタールの公園。
竹林が普通の公園とは違う特徴で、少し風情を感じることができる。なお現在の目黒区に竹林が多いということはまったくない。
♫サザンカ、サザンカ咲いた道〜
サザンカとツバキは品種的にも近く見た目はとても似ている。これは花が平べったいから、また時期的にもサザンカだと思う。自信はあまりない。
元旦の昼過ぎに思いついたキリスト教、仏教、神道の３宗教初詣。所要時間は２時間半ほどで、おせち料理の腹ごなしにはちょうどいい散歩だった。
碑文谷八幡宮は立ち寄った程度だったが、サレジオ教会では久しぶりに教会に中に入ることができたし、円融寺は自宅からすぐ近くに、古刹の雰囲気を漂わせるお寺があることを発見できたのが大きな収穫。それになんたって、３宗教をハシゴで初詣なんてした人はそうはいないだろうという無駄に誇らしげな気持ち(^^ゞ
きっとトリプルご加護で今年はいい年になるに違いない。
最後になってしまったけれど、新年あけましておめでとうございます。
この神社はお祭りや桜のシーズンに何度か訪れている。円融寺からは５分とかからない距離。それにしても都合よくキリスト教、仏教、神道が近くに集まっていたものだ。
参道を少し進むと行列で動かなくなった。
ここが境内への入り口。
中に入っても延々と続く参拝待ちの列。
行列に並ぶのは諦めて別の入り口から境内に入った。だから社殿ではなく少し離れた位置から心の中で「マンマンチャン・アン」。これは関西弁で子供が使うお参り言葉。
幼い頃は祖母が近くの神社によく連れて行ってくれて「はい、マンマンチャン・アンしなさい」と言われてお参りしていた。ずっとずっと後になって祖母も他界してから「マンマン」は南無阿弥陀仏＝ナンマイダ〜の幼児語で、つまりそれは仏教用語だと知る(^^ゞ
碑文谷八幡宮を裏側から出ると道路を挟んで「すずめのお宿緑地公園」がある。江戸時代中期から昭和の初めまで目黒区は竹林が多くタケノコの名産地だったらしい。スズメが竹林を好むのかはよくわからないが。
雑木林と広場と竹林のある約0.7ヘクタールの公園。
竹林が普通の公園とは違う特徴で、少し風情を感じることができる。なお現在の目黒区に竹林が多いということはまったくない。
♫サザンカ、サザンカ咲いた道〜
サザンカとツバキは品種的にも近く見た目はとても似ている。これは花が平べったいから、また時期的にもサザンカだと思う。自信はあまりない。
元旦の昼過ぎに思いついたキリスト教、仏教、神道の３宗教初詣。所要時間は２時間半ほどで、おせち料理の腹ごなしにはちょうどいい散歩だった。
碑文谷八幡宮は立ち寄った程度だったが、サレジオ教会では久しぶりに教会に中に入ることができたし、円融寺は自宅からすぐ近くに、古刹の雰囲気を漂わせるお寺があることを発見できたのが大きな収穫。それになんたって、３宗教をハシゴで初詣なんてした人はそうはいないだろうという無駄に誇らしげな気持ち(^^ゞ
きっとトリプルご加護で今年はいい年になるに違いない。
最後になってしまったけれど、新年あけましておめでとうございます。
2020年01月02日
教会とお寺と神社に初詣のハシゴ その２ 円融寺
キリスト教の次は仏教。サレジオ教会から徒歩５分程度の場所にある円融寺というお寺。ここを訪れるのは初めてだし、この日まで存在すら知らなかった。
いい感じの雰囲気な山門に到着。
円融寺は平安時代の853年に創建された古刹。当時の東京ってどんな風景でどんな暮らしがあったのだろう。その頃は京都が圧倒的中心なので、受験勉強程度の歴史知識ではイメージすら難しい。
五色幕が掛けられた鐘楼（しょうろう）。５つの色には仏教的にそれぞれ意味があるのだが、とりあえず華やかな感じが素敵。おそらくいつも掛けられているのではなく、正月飾りのようなものだと思う。
鐘は江戸時代初期の1643年に鋳造されたもの。指ではじいてみると小さくいい音がした。
仁王門ーーーなんだけれど、金剛力士像が収められているところはガラスで覆われていて、この時は直射日光を反射して中がまったく見えなかった。
仁王門にワラジを奉納するのは、金剛力士の健脚にあやかる意味と聞いたことがある。でも初めて見たかな。
仁王門を抜けると釈迦堂が見えてくる。
その前にちょっと脇にそれて境内を探検。
女性ぽいからたぶん観音像。
けっこう印象的だったけれど、なぜか円融寺のホームページには案内がなかった。
この釈迦堂は室町時代初期の建立（こんりゅう）で、東京では二番目に古い木造建築とされている。ただし屋根は昭和になってから銅葺きに改装されている。火災対策らしい。
ちょっと不可解な立て看板。
まず釈迦堂は本堂じゃない。そしてどうしてHITACHIの文字がある？ ナゾ
ピンボケになってしまった釈迦仏像(/o＼)
釈迦堂の奥にあるのが阿弥陀堂。
1975年（昭和50年）に建てられたものでこちらが本堂。
阿弥陀如来像。
ちなみに仏教的には釈迦より阿弥陀のほうがエラい。
阿弥陀堂の少し高いところから釈迦堂を眺める。
円融寺を後にして、次は神社へ。
ーーー続く
いい感じの雰囲気な山門に到着。
円融寺は平安時代の853年に創建された古刹。当時の東京ってどんな風景でどんな暮らしがあったのだろう。その頃は京都が圧倒的中心なので、受験勉強程度の歴史知識ではイメージすら難しい。
五色幕が掛けられた鐘楼（しょうろう）。５つの色には仏教的にそれぞれ意味があるのだが、とりあえず華やかな感じが素敵。おそらくいつも掛けられているのではなく、正月飾りのようなものだと思う。
鐘は江戸時代初期の1643年に鋳造されたもの。指ではじいてみると小さくいい音がした。
仁王門ーーーなんだけれど、金剛力士像が収められているところはガラスで覆われていて、この時は直射日光を反射して中がまったく見えなかった。
仁王門にワラジを奉納するのは、金剛力士の健脚にあやかる意味と聞いたことがある。でも初めて見たかな。
仁王門を抜けると釈迦堂が見えてくる。
その前にちょっと脇にそれて境内を探検。
女性ぽいからたぶん観音像。
けっこう印象的だったけれど、なぜか円融寺のホームページには案内がなかった。
この釈迦堂は室町時代初期の建立（こんりゅう）で、東京では二番目に古い木造建築とされている。ただし屋根は昭和になってから銅葺きに改装されている。火災対策らしい。
ちょっと不可解な立て看板。
まず釈迦堂は本堂じゃない。そしてどうしてHITACHIの文字がある？ ナゾ
ピンボケになってしまった釈迦仏像(/o＼)
釈迦堂の奥にあるのが阿弥陀堂。
1975年（昭和50年）に建てられたものでこちらが本堂。
阿弥陀如来像。
ちなみに仏教的には釈迦より阿弥陀のほうがエラい。
阿弥陀堂の少し高いところから釈迦堂を眺める。
円融寺を後にして、次は神社へ。
ーーー続く
2020年01月01日
教会とお寺と神社に初詣のハシゴ その１ サレジオ教会
歳を取るほど月日が経つのを早く感じることについて「ジャネーの法則」というものを以前に紹介した。
その定義は「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」というチンプンカンプンなものだが、簡単に説明すると、
３歳児にとっての１年は人生の1/3を占めるのに対して
50歳の人にとってはたった２％でしかないから
というのがその理由。（表現の都合で０歳児の時期は無視した）
それは周年的にやってくるイベントについても、同じようなことが当てはまると思う。年に１度のお正月といっても年齢の数だけ体験してきたわけで、幼い頃のような特別な気持ちやワクワク感を持てないのは仕方ないところ。誕生日なんて、もう何の感慨もなくなってしまったから５年に１回くらいでイイヤと思ったり(^^ゞ
でもイベントには参加すべき、つまりお正月ならお正月らしいことをすべきだと考えている。それは気持ちを新たにするとか、おめでたいことだからという世間一般的な理由ではなく、暮らしのリズム感として意味があるから。海上自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べる。それは海しか見えず変化の乏しい航海勤務中に曜日の感覚を失わないため。それと似たようなもの。平凡な毎日ならメリハリというのは自分でつけなければならないのだ。
今年は諸事情あって年末年始の予定を入れられなかった。それで迎えた本日の元旦。何もすることがない(/o＼) 近くの神社に初詣というのが定番だが、それじゃ当たり前すぎてつまらない。それで考えたのが教会とお寺と神社、つまりキリスト教と仏教と神道で初詣をハシゴすること。我ながらバカバカしくて楽しいアイデアを思いついた。
最初に訪れたのは自宅から徒歩10分少々のサレジオ教会。松田聖子や三浦カズがここで結婚式をしたことでそれなりに有名。通りには教会の名前がついている。
ちなみにサレジオ教会の正式名称はカトリック碑文谷教会。サレジオ会が運営しているのでサレジオ教会と呼ばれている。サレジオ会は修道会という信者組織。日本で一番有名な修道会はフランシスコ・ザビエルのイエズス会かな。
教会の前は何度も通っているが中に入るのは初めて。かなり広くて荘厳な感じ。（デジカメでは明るく写っているが実際はもっと暗い）ちなみに内部を自由に見学できるのは正月の3日間だけ。もちろんミサに参加するなら誰でもその時は入れる。
「江戸のサンタ・マリア」と呼ばれる絵画。かなり小さいサイズだし教会内は暗いし、また少し離れた位置から見学するようになっているので、実際にはあまりよく見えなかった。
この絵がこの教会のご本尊のようなもの。なおサンタ・マリア＝聖母マリアね。
「江戸のサンタ・マリア」が掲げられている壁の前に置かれていた、たぶんキリスト生誕を表現したもの。こういうのもジオラマというのかな。
しばらくベンチに座って神と対話ーーーウソ(^^ゞ教会の雰囲気を楽しむ。
ところでベンチの下に見慣れないものが。足を置くフットレスト？ でもクッションを巻いてあるので何か違うような気がする。
教会の人がいたので尋ねてみると、これは「ひざまずいて祈りを捧げる」ためのもので「ひざまずき台」という名前。足を置かなくてよかった(^^ゞ
その人によると「ひざまずき台については長年バチカンともめているが（バチカンはひざまずくなと言っているらしい）、東京ではひざまずくことになっている」とのこと。キリスト教も内部で色々あるみたいだ。
それで「よかったらひざまずいてみて下さい」といわれたのでやってみると、メチャ祈っている雰囲気が出る。教会に行く機会があれば是非ひざまずくことをお勧めする。ただしキリスト教でもプロテスタントはひざまずかない。他にも両者はいろいろ違いがあって意外と知らないもの。
【カトリック】 【プロテスタント】
十字を切る 十字は切らない
十字架にキリストが 十字架だけ
はりつけられている
集会はミサ 集会は礼拝
神父 牧師
ステンドグラスは離れて眺めているといい雰囲気だったが、
近づいてみると案外チャッチイ絵柄だった。
教会の隣には幼稚園が併設されている。
お正月だからこのグランドも開放しているのかな。凧揚げをしている親子もいた。
教会の次はお寺に向かった。
ーーー続く
その定義は「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する」というチンプンカンプンなものだが、簡単に説明すると、
３歳児にとっての１年は人生の1/3を占めるのに対して
50歳の人にとってはたった２％でしかないから
というのがその理由。（表現の都合で０歳児の時期は無視した）
それは周年的にやってくるイベントについても、同じようなことが当てはまると思う。年に１度のお正月といっても年齢の数だけ体験してきたわけで、幼い頃のような特別な気持ちやワクワク感を持てないのは仕方ないところ。誕生日なんて、もう何の感慨もなくなってしまったから５年に１回くらいでイイヤと思ったり(^^ゞ
でもイベントには参加すべき、つまりお正月ならお正月らしいことをすべきだと考えている。それは気持ちを新たにするとか、おめでたいことだからという世間一般的な理由ではなく、暮らしのリズム感として意味があるから。海上自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べる。それは海しか見えず変化の乏しい航海勤務中に曜日の感覚を失わないため。それと似たようなもの。平凡な毎日ならメリハリというのは自分でつけなければならないのだ。
今年は諸事情あって年末年始の予定を入れられなかった。それで迎えた本日の元旦。何もすることがない(/o＼) 近くの神社に初詣というのが定番だが、それじゃ当たり前すぎてつまらない。それで考えたのが教会とお寺と神社、つまりキリスト教と仏教と神道で初詣をハシゴすること。我ながらバカバカしくて楽しいアイデアを思いついた。
最初に訪れたのは自宅から徒歩10分少々のサレジオ教会。松田聖子や三浦カズがここで結婚式をしたことでそれなりに有名。通りには教会の名前がついている。
ちなみにサレジオ教会の正式名称はカトリック碑文谷教会。サレジオ会が運営しているのでサレジオ教会と呼ばれている。サレジオ会は修道会という信者組織。日本で一番有名な修道会はフランシスコ・ザビエルのイエズス会かな。
教会の前は何度も通っているが中に入るのは初めて。かなり広くて荘厳な感じ。（デジカメでは明るく写っているが実際はもっと暗い）ちなみに内部を自由に見学できるのは正月の3日間だけ。もちろんミサに参加するなら誰でもその時は入れる。
「江戸のサンタ・マリア」と呼ばれる絵画。かなり小さいサイズだし教会内は暗いし、また少し離れた位置から見学するようになっているので、実際にはあまりよく見えなかった。
この絵がこの教会のご本尊のようなもの。なおサンタ・マリア＝聖母マリアね。
「江戸のサンタ・マリア」が掲げられている壁の前に置かれていた、たぶんキリスト生誕を表現したもの。こういうのもジオラマというのかな。
しばらくベンチに座って神と対話ーーーウソ(^^ゞ教会の雰囲気を楽しむ。
ところでベンチの下に見慣れないものが。足を置くフットレスト？ でもクッションを巻いてあるので何か違うような気がする。
教会の人がいたので尋ねてみると、これは「ひざまずいて祈りを捧げる」ためのもので「ひざまずき台」という名前。足を置かなくてよかった(^^ゞ
その人によると「ひざまずき台については長年バチカンともめているが（バチカンはひざまずくなと言っているらしい）、東京ではひざまずくことになっている」とのこと。キリスト教も内部で色々あるみたいだ。
それで「よかったらひざまずいてみて下さい」といわれたのでやってみると、メチャ祈っている雰囲気が出る。教会に行く機会があれば是非ひざまずくことをお勧めする。ただしキリスト教でもプロテスタントはひざまずかない。他にも両者はいろいろ違いがあって意外と知らないもの。
【カトリック】 【プロテスタント】
十字を切る 十字は切らない
十字架にキリストが 十字架だけ
はりつけられている
集会はミサ 集会は礼拝
神父 牧師
ステンドグラスは離れて眺めているといい雰囲気だったが、
近づいてみると案外チャッチイ絵柄だった。
教会の隣には幼稚園が併設されている。
お正月だからこのグランドも開放しているのかな。凧揚げをしている親子もいた。
教会の次はお寺に向かった。
ーーー続く
