2005年11月07日

M<M<M<M(4)

ちょっと間隔が開いたけれど10月28日の続き。


企業にとって一番大事な要素が、マネーの時代からマーケティングの時代に移って、でもマーケティングもずいぶんと発達したので、そこでは決定的な差がつかなくなってきたというのが前回までの趣旨。そして3番目のMがマネジメント。

何をやるかより、どうやるか、どれだけ上手にやるかの時代。


あらゆる産業で上位企業と中位企業のやっていることや商品内容にそんなに差はない。特に新興産業では顕著で、例えば数年前にITベンチャーが渋谷ビットバレーなんて浮かれていた頃は、みんながビルの一室を借りた零細企業。やろうとしていたこともみんなほぼ同じ。そして現在、マネジメント(ここでは経営陣の力量)に秀でたベンチャーは急成長して六本木ヒルズにオフィスを構え、そうでなかった企業は(たぶん)今でも細々と仕事をしているか倒産している。


なぜマネジメントで差が出るのか。それはマーケティングと較べて奥の深さとややこしさ、対象領域の広さは桁違いだから、合理的な方法論はまだまだ未開拓。加えてマネジメントは汎用職とみなされている場合が多いから、専門的な訓練や本人の勉強も不足なのが拍車を掛ける。素人にデザイナーをさせようとはしないのに「そこそこ優秀な人物」なら人事異動で、突然マネジメント役が回ってくる。とりあえずのマネジメントがこなせているうちは、もっと上位の課題があることに気がつかないーーー。


個人レベルに置き換えれば、仕事の取り組み方。メールという道具を使うようになったことをのぞいて、10年前20年前と仕事のやり方がどれだけ進化したか。転職していなければ90%の人はほとんど進化していない、5%の人はまったく進化していないというのが私の実感。


マーケティングと較べれば自己裁量の余地が大きいはずであるが、あり方とか、やり方とかを変えるのは実はなかなかできない。

(続く) 

wassho at 17:57│Comments(0) マーケティング、ビジネス 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔