2006年08月08日
アメリカンな企業経営スタイルを行政にも
王子製紙と北越製紙のニュースが連日報道されている。王子製紙が北越製紙を傘下におさめようと敵対的買収を仕掛け、北越製紙はそれに対抗して三菱商事当てに増資を行い、また日本製紙も北越製紙の株をマーケットで買い増しーーー云々。
ニュースでも解説されているので知っている人も多いとは思うが、この「敵対的買収」というのは日本とアメリカではニュアンスが違う。
「御社を買収したい」という申し出に対して「はい、どうぞ」と答えるのが敵対的でない買収。「イヤだ」というのにマーケットで株を買ったりTOBしたり、その他の方法で株を集めて大株主になる(買収する)のが敵対的買収。つまり「イヤだ」と断れば敵対的買収になる。
それで、この「イヤだ」というのが誰かが問題。日本の場合は経営陣、アメリカでは取締役会。他の国は知りません。
日本の場合は経営陣と取締役は基本的に兼務。アメリカの場合、資本と経営は分離しているので、取締役会というのはまさに経営陣を取り締まるために存在する。だから買収の申し出に対し、社長が「イヤだ」といっても、取締役会が「はい、どうぞ」といえば友好的な買収になる。
取締役会は経営陣や会社ではなく株主の利益を代表するので、仮に今1000円の会社の株が、この経営陣に任せておいたら1100円くらいまでは上がるかなあと考えていた時に、1200円で買収したいという申し出があれば「はい、どうぞ」という。買収したい側も経営者ではなく取締役会に「御社を買収したい」と申し出る。社長は蚊帳の外という場合も多い。そんなに単純じゃないにしても、基本的な仕組みはそう。
株主がいる。彼らが取締役を選び、取締役会が経営者を選ぶのがアメリカ式。日本の場合も法律的にはそうだが、実際には経営者が取締役を選ぶ。身内同士で取り締まり合うのは難しい。株主も株主総会で自社製品のおみやげなんかをもらって喜んでいる程度の意識。
一長一短あるが、チェック機能が働きやすいのはやはりアメリカ式だと思う。
話はがらっと変わるけれど政治について。
ソコソコ有望な政治家がいたとする。国民のために一生懸命働いてくれそうな気がする。何回か当選を重ね大臣になる。とたんに国民ではなく、その省庁のために働き出し省益代表となりガッカリさせられる。そんなケースはいっぱいあった気がする。
大臣は社長だから、社長が会社(省庁)のために働くのは、考えてみれば当たり前。思うに社長は官僚のトップに任せて、大臣や副大臣などは彼らのアメリカ的な取締役であった方がいい。業界知識のない素人に社長は無理なのだ(だから官僚のいいなりになる)。しかし専門知識がなくても取締役なら大局的な判断感覚で任は果たせる。取締役会がしっかりしていれば社長(官僚)は暴走できない。それで株主総会が国会。(ただし、これには国会は立法府なので、自分で作った法律を自分でチェックするというロジックの矛盾もあるけれど)
本日は “何事もチェック機能が大切。性善説性悪説にかかわらず、見つかったら叱られるという気持ちを持たなければいけないし、そう仕向ける仕組みが必要。私が立派な大人に育たなかったのは、回りに叱ってくれる人が少なかったからかも? あなたもたぶん心当たりあるでしょ” の下書きでした。
ニュースでも解説されているので知っている人も多いとは思うが、この「敵対的買収」というのは日本とアメリカではニュアンスが違う。
「御社を買収したい」という申し出に対して「はい、どうぞ」と答えるのが敵対的でない買収。「イヤだ」というのにマーケットで株を買ったりTOBしたり、その他の方法で株を集めて大株主になる(買収する)のが敵対的買収。つまり「イヤだ」と断れば敵対的買収になる。
それで、この「イヤだ」というのが誰かが問題。日本の場合は経営陣、アメリカでは取締役会。他の国は知りません。
日本の場合は経営陣と取締役は基本的に兼務。アメリカの場合、資本と経営は分離しているので、取締役会というのはまさに経営陣を取り締まるために存在する。だから買収の申し出に対し、社長が「イヤだ」といっても、取締役会が「はい、どうぞ」といえば友好的な買収になる。
取締役会は経営陣や会社ではなく株主の利益を代表するので、仮に今1000円の会社の株が、この経営陣に任せておいたら1100円くらいまでは上がるかなあと考えていた時に、1200円で買収したいという申し出があれば「はい、どうぞ」という。買収したい側も経営者ではなく取締役会に「御社を買収したい」と申し出る。社長は蚊帳の外という場合も多い。そんなに単純じゃないにしても、基本的な仕組みはそう。
株主がいる。彼らが取締役を選び、取締役会が経営者を選ぶのがアメリカ式。日本の場合も法律的にはそうだが、実際には経営者が取締役を選ぶ。身内同士で取り締まり合うのは難しい。株主も株主総会で自社製品のおみやげなんかをもらって喜んでいる程度の意識。
一長一短あるが、チェック機能が働きやすいのはやはりアメリカ式だと思う。
話はがらっと変わるけれど政治について。
ソコソコ有望な政治家がいたとする。国民のために一生懸命働いてくれそうな気がする。何回か当選を重ね大臣になる。とたんに国民ではなく、その省庁のために働き出し省益代表となりガッカリさせられる。そんなケースはいっぱいあった気がする。
大臣は社長だから、社長が会社(省庁)のために働くのは、考えてみれば当たり前。思うに社長は官僚のトップに任せて、大臣や副大臣などは彼らのアメリカ的な取締役であった方がいい。業界知識のない素人に社長は無理なのだ(だから官僚のいいなりになる)。しかし専門知識がなくても取締役なら大局的な判断感覚で任は果たせる。取締役会がしっかりしていれば社長(官僚)は暴走できない。それで株主総会が国会。(ただし、これには国会は立法府なので、自分で作った法律を自分でチェックするというロジックの矛盾もあるけれど)
本日は “何事もチェック機能が大切。性善説性悪説にかかわらず、見つかったら叱られるという気持ちを持たなければいけないし、そう仕向ける仕組みが必要。私が立派な大人に育たなかったのは、回りに叱ってくれる人が少なかったからかも? あなたもたぶん心当たりあるでしょ” の下書きでした。
wassho at 17:23│Comments(0)│
│社会、政治、経済