2006年08月24日

コンビニで商品が育たない

引っ越してから、駅を降りたところにあるスーパーが夜の12時までやっているのでコンビニに行く機会がグッと減った。でもまあ駅から自宅まで順番にローソン、ampm、セブンイレブン、ミニストップと一通り揃っているので、ときどき店をのぞいては社会勉強している。何たってコンビニは世の中を映す鏡でもある。


ご存じとは思うがコンビニではレジで精算する時のデータ(つまり何がいつ売れたか)を細かく分析していて、売れない商品は即座に追放される。1説によれば3年間売られ続けられる商品は3%に過ぎないという。見方を変えれば97%の商品が撤退を余儀なくされているという厳しい状況。


コンビニ商品というのは、そうそうたる企業が開発し周到なマーケティングを練って投入してくる。それでも、ちょっと大げさにいえば97%が失敗するのである。世の中って厳しいねと思うか、自分はしょっちゅう失敗しているけれど97%に較べれば全然たいしたことないと思うかは皆さん次第で。


売れないものは棚に並べないというコンビニの考え方は間違ってはいない。しかしマーケティング・トータルで見れば弊害も大きい。結論を言えば、商品を「育てる」ということができなくなっているのだ。


以前、こんなことがあった。

期待の某新商品ブランド。1年以上マーケティング準備に費やし、満を持して投入。しかしコンビニでの売り上げが伸びない。

ということで私にお声がかかる。最初から呼んでいてくれたら、こんなことにはならなかったのにね(^_^)と思いつつ訪問。そこで聞いた商品部長の言葉は今でも忘れない。

「wasshoさん、内容もコンセプトもデザインも全部変えても構わない。何とかしてくれ!」。エ〜、それって改良じゃなくって新商品開発じゃん。ギャラの額が一桁違うけど(^^ゞ


さて新商品を投入する。初日からドカンとは売れない。徐々に売れていく。その途中に宣伝を工夫したり、商品を改良したりして、うまくいけばヒット商品になる。それが商品を育てるということ。その途中をコンビニはなかなか認めてくれないのだ。完璧な商品開発なんてのはあり得ないので、開発と「育てる」ことは同じ程度重要なのに、今はそこが欠落したマーケティングになってしまっている場合が多い。


ところで何とかしてくれと私が呼ばれたのは、発売からどの程度立った頃かわかります? 秘密厳守な職業なので書かないけれど、ビックリするくらいスグ!


育てられないから棚から追放され、しかたなく新たに商品を開発してライバルの棚を奪う。でもその新商品も育てられないから棚からーーーーそんなことの繰り返し。切磋琢磨と言えなくもないがロスも大きい。最初からドカンと売れるように話題性を狙った(でも中身がたいしたことがない)商品企画が多くなる。


本日は子供の頃よく言われた “「人間、辛抱が大事」なのに、堪え性のない世の中になってきたね” の下書きでした。解決のヒントなくゴメンm(_ _)m


追伸
ご存じかも知れないが、コンビニではレジを打つ最初に、客の性別と年齢を打ち込む。たいてい男女別に10代刻みのボタンがある。自分がいくつに見られているかをチェックしてみたら?

wassho at 16:53│Comments(0) マーケティング、ビジネス 

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