2006年10月04日

1票の格差

格差社会とかいろいろ話題になっているけれど、今回は選挙の話。

最高裁は本日、議員1人当たりの有権者数の格差が最大5.13倍だった2004年7月参院選の定数配分を「合憲」とする判決をくだした。


5倍である5倍! 常識的にはアンビリバボーな判断。人口の多い選挙区の投票は5分の1の価値しかないことになる。


理想は格差がないこと。多少の誤差は認めるとしても私の感覚では格差1.05が限界。これは基本的人権なのである。最高裁は「国会の裁量権」とか訳のわからぬ理屈を言い、また自分のアホさに多少は気づいているのか「この状態が続けば違憲の判断もあり得る」と言い訳しているが、基本的人権を守ろうとしない裁判所は仕事をしていないに等しい。缶コーヒーのコマーシャルをもじれば、この国は駐車違反に厳しけれど基本的人権には適当である。


定数を是正するには人口の多い地方の議員数は多く、少ない地方の議員数は少なくという作業が必要。それで人口の少ない地方が抵抗する。できるだけもめないように、当たり障りなく消極的な是正しかしないから格差5倍という結果になっている。こんな言い方は好みじゃないけれど、田舎が都会の5倍の権利を与えられているから、ときどきおかしな政策が行われるんだと思う。


定数を是正するのは国会である。つまり国会議員。つまり自分で自分の首を切る仕事をしなければならない。そんな作業が進むわけもない。無理なことはさっさとあきらめるのが私の信条だから(^^ゞ、別の方法を考えなくてはならない。実はそんなに難しいことじゃない。


<方法その1>
徹底的な定数是正を行う。

ただし、それによって選挙的に不利益をこうむる議員は、本人が望む限り終身議員の地位を与える。
大きな価値のためには、少々のおかしなことには目をつぶる発想。寿命を考えると平均的には終身議員でいられるのは20年くらいか。今のやり方じゃ20年経っても格差はほとんど減らないはず。


<方法その2>
定数是正は、今のような建前的なもので構わない。波風が立たぬようゆっくりやればいい。

ただし議員の国会での投票は、今のように平等に1人1票ではなく、選挙区の有権者数とする。つまり議員の票の重さに有権者数を反映させる。これなら仮に定数是正をまったく行わなくても、有権者の票の格差はゼロになる。参議院のようなボタン投票なら集計も一瞬である。まあ投票前の票読みは難しくなるかな(^^ゞ


本日はアホは承知で発想のトレーニングでした。日頃から関心範囲を広げて遊んでおけば、仕事の肥やしになることもまれにはあります。

wassho at 17:02│Comments(0) 社会、政治、経済 

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