2007年03月02日

壁に耳あり

とある喫茶店で。


私の隣に座った2人の女性。どうやら1人はデザイナーらしい。自分がデザインした紙面があるのだが、デザインではなく編集内容に不満があるらしい


もう1人の女性の手には、ちょっとは名の知れたタウン誌というかフリーペーパーが。どうやら巻頭を飾っているのはグルメ特集。私もよく知っている有名レストランがズラリと並んでいる。

デザイナー女性
「企画が遅れに遅れて、徹夜で仕事させられたのよ」
「でも、こんな企画で、このレストランへ行きたいと思う?」
「ヤバイよ、この企画」

相手の女性も同じ会社の人らしいが、どうやら制作や営業とは関係ない部署の人のようだ。


デザイナー女性が大きな声で喋るし、いくつもの有名なレストランの実名が出てくるので、私も含めて周囲10名ほどのお客の耳はダンボ状態(^^ゞ


それで、とうとう彼女が言い放つ。

「コレじゃ予約が入らなくてヤバイから、〇〇ちゃん、問い合わせでいいから、片っ端から電話しておいてよね。あの〜▢▢(フリーペーパーの名前)を見たんですけれど〜といって」


ご存じの方も多いと思うが、フリーペーパーに限らず雑誌などで取り上げられるお店や商品は、記事のように見えても、実はお店や企業がお金を払って載せている場合も多い。レストランもお客が来ると思うから、そのフリーペーパーにお金を払ったのである。デザイナー女性の作戦は、予約が入らなくても、問い合わせの電話があれば、とりあえずフリーペーパに載せたら反響があったということで、レストランからクレームがつかないようにしたいらしい。


まったく、あの業界的にはよくある話なんだけれど、
やっぱり喫茶店の中で大声で話しちゃいけないよねえ(^^ゞ


私の業界では、企業の新製品やマーケティング戦略を取り扱うから、当然口が堅いことを求められる。最近はNDA(ノン・ディスクロージャー・アグリーメント)と呼ばれるようになった機密保持契約を求められることも多い。

私のクライアントは、私があちこちのクライアント(そのクライアントの同業他社も含めて)と仕事をしているのを知っている。それでも依頼があるのは、私が事例として話す他社での経験が多少は役に立ち、そして決して肝心なことは喋らないということを信頼してくれているからだと思う。


でもやっぱり、あのフリーペーパーやレストランの名前をここに書きたい(^^ゞ

wassho at 19:33│Comments(0) ノンジャンル 

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