2007年07月19日

地震報道

数日前、新潟で大きな地震があった。
被災された方にはお見舞い申し上げる。そしてこの国に住む限り、明日は我が身ーーーでもあると改めて思う。


例によってテレビでは現地の報道を繰り返していたが、それらを見ながら、テレビを見ていても状況の把握はできないなと考えていた。


基本的にテレビは「絵になる」場面を撮る。そうでなければ視聴者の関心を引けないから。つまりテレビを通じて我々は大きく壊れた家とか、激しい土砂崩れとか、人であふれかえっている避難所ばかりを見せられる。


それらは個別の現実ではあるけれど、全体の状況じゃない。阪神大震災の時は関西が全滅したかと思ったが、神戸周辺でも普通に暮らしている家はいくらでもあった。


地震報道の時にいつも思うのは、報道各社は死傷者数や倒壊家屋数といった個別の現実を、あえて書けば、あおり立てるけれど、しかし例えば震度5か6以上の地域は何平方キロメートルなのか、そこに住んでいる人口は何人で家や建物は何軒あるのかを伝えない。だから今回の死者が10名といわれても、個別にはお気の毒ではあるが、それが多いのか少ないのかの判断すらできない。


マーケティングリサーチをやっているとよくわかるが、個別と全体を併せ見て初めて真実が見えてくる。被災者が多数いる中で、こんな話を今するのは不謹慎な気もするが、報道各社には冷静な状況伝達もお願いしたい。

wassho at 20:03│Comments(0) 社会、政治、経済 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔