2009年04月15日
カルマン (ギア)

まあとにかく、そんなことをしていた時に残念なニュースを見つけてしまった。カルマンといってもほとんどの人は「?」だろうけれど、カルマンギアといえば数%の人は「あのクルマの?」と思い出すかもしれない。
多少説明すると、カルマンギアとは昔「カブトムシ」と呼ばれたフォルクスワーゲン・ビートルというクルマをベースにした派生車。イタリアのギアという会社が外観をデザインして、そのボディをドイツのカルマン社が製造して、ビートルの車体にドッキングさせたクルマ。つまりフォルクスワーゲンは自社の特別仕様車に、下請け会社の名前をつけていたことになる。それも2社とは太っ腹!
「カルマン」が破産のニュース記事にあるように、ベルトーネやピニンファリーナなどの有名どころがどんどん倒産している。それらはカロッツェリアとかコーチビルダーといわれる業態で、主に特別仕様車の架装(ボディの組み立て)を請け負う会社。元をたどれば馬車を作っていた会社で、自動車が発明され馬車が売れなくなったときに、そのボディ製造能力を転用して生き残った会社である。カルマンは架装だけだったと記憶するが、ベルトーネやピニンファリーナはデザインでも有名 (というか、デザイン会社が架装会社を吸収合併して大きくなった会社)。
さて
今の経済危機がもちろん影響しているだろうが、カロッツェリアが傾いた一番の原因は、彼らが自動車メーカーから架装を請け負うのは、クーペとかオープンカーとかスポーティーなクルマが多かったからである。つまり昔はリッチになったら高級スポーティーカーを買ったけれど、今は高級SUVを買う。(SUVとは、こんなクルマね) 当然自動車メーカーはスポーティーなクルマの開発や生産を縮小する。だからカロッツェリアが軒並み倒産するというのは、時代の流れやクルマへの価値観の変遷を象徴するニュースでもある。
ところで
この前、久しぶりに自動車雑誌を立ち読みしたら「若者が買える価格のスポーティーカー」を某社と某社が開発しているそうだ。
正気ですか?
高級オーディオじゃなくて、iPodみたいなクルマを開発してくれたら、
私も何色かまとめて買うよ(^^ゞ