2009年06月11日

月表作りのすすめ

昨日のブログを書きながら、昔たまにやった、ちょっと変わったマーケティング分析手法を思い出した。


それは年表作り(実際には月単位で書いていくので月表)。

競合企業の新商品の発売日と内容、広告表現や展開期間、様々な販売政策、売れ行き、その他役立ちそうな材料を集めて年表形式にまとめていくのである。時には開発担当者の名前など人事情報が加えられることもあった。そのときどきのニュースや社会的な話題ももちろん記入する。


やってみればわかるが(けっこうたいへんだけれど)、年表にまとめる、つまり『時系列で情報を整理』すると、相手の手の内が読めてくるし次のマーケティング展開の予想もつく。競合企業ごとに固有の癖があることもわかる。おもしろいことに自社について同じような年表を作ると、クライアント自身が気づいていないような行動パターンが読み取れることもあった。


また私がこの世界に入った頃、海外には「IBMウォッチャー」と呼ばれる人たちがいた。当時コンピューター業界ではIBMが圧倒的なガリバーだったので、その動向を情報収集し、整理・分析したレポートを競合他社に売る専門的な仕事が成立していたのである。


日本の企業は消費者のリサーチや情報収集には熱心でも、競合企業の分析は片手間でやっているところが多い。専任のウォッチャー職を社内に配置しろとはいわないけれど、もう少し力を入れた方がいい。業界にもよるが、例えば年表に定価と実売価格(値引き額)を入れて時系列で眺めると、時には見ず知らずの競合企業の担当者に同情を覚えるくらい(^^ゞ役に立つ情報が得られることもある。


本日は “消費者しか見ないのは、ある意味、内向きな視点。孫子曰く、敵を知り己を知らば百戦危うからずも、たまには思い出しましょう” の下書きでした。

wassho at 16:25│Comments(0) マーケティング、ビジネス 

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