2009年08月25日

その他の政党あれこれ2

この話の続き。



【国民新党】7名(解散前議席数)

郵政民営化に反対するグループが、小泉・竹中ラインに追い詰められ、わびを入れるのもメンツが許さず、自民党から離党してできた政党。表向きの顔は綿貫民輔だが、取り仕切っているのは亀井静香だろう。その兄の亀井郁夫と、血縁ではないけれど同じ名字の亀井久興と、その長女の亀井亜紀子らが幹部に名を連ね、役員名簿を見るとまるで同族経営のようである。


この政党が名前を「国民」「新党」に決めたときは驚いた。「国民」が郵政改革を支持したからこそ、小泉首相は前回の総選挙で圧勝した。この党のメンバーの顔ぶれ(顔つき?)に「新しさ」を期待することは難しい。いっそ「特定の人のための旧体質党」にすればわかりやすかったのに。


郵政改革への怨念で成り立っている党なので、郵政改革反対とか小泉・竹中の構造改革反対とかがまず口をついて出てくる。しかし、じゃ具体的にどうしたいとかの話は聞こえてこない。ホームページやマニフェストには書いてあるのかもしれないが、こんな小党のことをわざわざ調べる人はほとんどいない。そのあたりのことがわかっていない。


長く権力の中枢にいたし、亀井静香は元警察官僚。基本的に上から目線、おい!こら!体質が染みついている。そういえば、自分たちが徹夜でまとめた経済対策がマスコミに取り上げられなかったので、取り上げなかったマスコミ数社を記者会見から閉め出すということもやった。この連中ならやりそうなことである。なぜ、それを非難されたのかも理解できなかっただろう。


郵政民営化反対だから、一定の集票力を持つ特定郵便局長の組織がバックアップしている。メンバーも強者(つわもの)揃いだから選挙は強いはず。自民や民主が、有力対立候補を立てていなければ、そこそこの人数は当選するかもしれない。

ただし、もう国民は郵政民営化などには関心がない。決着がついて済んだことである。また小泉・竹中ラインの郵政民営化と構造改革を嫌う政治家は多いけれど、国民はおおむね支持している。政治家が嫌うのは公共事業削減などで、自分の支持者層が減ったからである。国民新党が典型であるが、そのことをわかる気もない政党は、いくつかの議席を個人の力量で獲得できても、勢力を伸ばすことはない。


さて、もしアドバイスするとしたら、上から目線体質を改めること(無理だろうけど)。それと社民党の時も書いたように、小党は国政全般を語らずテーマを絞った方がいい。構造改革路線が間違っているとは考えないけれど、現実的にうまくいっていない面もある。郵政民営化のような漠然とした大テーマではなく、もっと身近で具体的な訴求に絞り込めば、改革の反作用で、昔の方がよかったと考える人を取り込めるかもしれない。あるいは、もっと「右」に走ってもおもしろい。亀井静香の強面(こわおもて)ならきっと似合う(^^ゞ


ところで2年前の参議院選挙で、ペルーのフジモリ元大統領を候補者として担ぎ出したのはなんだったんだろう。ナゾ




【みんなの党】(4名?)

中身はよく知らないけれどネーミングのセンスは悪くない。
公明党は別格として(^^ゞ、自民党は特定の利害関係を持つ支持者層に支えられた政党のイメージがある。民主党も一皮むけば、その元自民党と、労組に支えられた元社会党が牛耳っているから似たようなもの。いってみれば「玄人の政治」。そんなズブズブの政治じゃなくって、一般市民に政治を取り戻そうという意欲が感じられる。


しかし、なんかベタすぎる印象も。
イタリアの実業家であったベルスコーニが、大統領選に出馬する際に結成した新党の名前が「Forza Italia フォルツァ・イタリア」。直訳すれば「がんばれイタリア」。日本語とは言葉の響き方が異なるとはいえ断然カッコイイ。日本の政党の名前も、もう少し工夫できないか。ナントカ新党っていうのは、もう飽きたし。


さて、玄人から一般市民へ政治を取り戻そうという心意気はいいとして、問題は、一般市民=選挙に熱心でない支持者に訴求して、どれだけの得票を継続的に見込めるか。選挙で選ぶ限り、政治において国民とは投票所に行く人と同義である。最大多数の国民の利益を目指す(平たくいえば一般市民をターゲットとする)政治家にとって、これは最大のジレンマになる。この党にとって、常に心がけなければいけないのはネット投票の実現であろう。※投票行動の敷居が下がれば、一般市民の投票率はアップする。


もっとも、みんなの党を立ち上げた渡辺喜美は、この党を自民党や民主党に並ぶ政党に育てることまでは考えていないと思われる。あと数回の総選挙の間に政界は分裂・再編・新規参入を繰り返すだろうから、そのために用意した戦略的組織の側面が強い。


それはいいとして、
できたら、早く多くのメンバーを揃えようとして、レベルの低い人間を迎え入れたり、パッとしない政党と提携をしたりしないほうがいい。(一般市民という言葉と矛盾しそうだが)トヨタに対するBMWというか、ある種の知的ステイタス性の高さをブランドイメージとして持つべきである。本当はトヨタやGMじゃ満足できないけれど、他の選択肢があまりにないので仕方なくーーーつまり、大衆迎合に走らざるを得ない大政党に満足できない層は必ず存在している。だいたい大政党やマスコミが意識する昔ながらの「大衆」がどれだけいるかも怪しい。大政党というより既存政党というべきか。


それで、
約30名の公明党の実績から考えると、たぶん20名の勢力で与党と連立を組めば、年に1つくらいは政策をごり押しできる。そして8年か12年間がんばればチャンスが巡ってくるかも。


ーーー続くかも

wassho at 23:35│Comments(0) 社会、政治、経済 

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