2009年10月14日

霞ヶ関改革その1

大阪府職員の給与が引き下げられるらしい。
ふ〜ん、ご愁傷様。
民間と同じ水準になるよう連動させるというのは、わかったようなわからないような理屈だけれど、まあ何か比較するものがないと、決めにくいということなのかもしれない。


さて
鳩山政権の霞が関改革は、まだ始まったばかりだから論評しないとして、個別的な改革じゃなくてシステム的な見地からのアイデアを一つ。ここでいうシステムとは「その仕組みにしておけば、勝手にそうなる(ことを目指す)」という意味である。たとえば不法駐車や飲酒運転はなかなか無くならないが、チマチマと取り締まりを強化するより、違反したら財産没収とか国外追放という刑罰にすれば激減する。まあ極論をいえばそういう意味である。


霞が関と仕事をした経験はあまり豊富ではないものの、概してみんな優秀だし、仕事熱心である。(関係ないけれど若い官僚にはおしゃれというか、今っぽいヘアスタイルやスーツの着こなしをしている連中も多い) そんな官僚がたくさん集まっているはずの霞が関が、なぜ組織となるといろいろマヌケなことをやらかすのか、それはそれで興味深いテーマであるものの、長くなるのでいずれそのうち。


民間と公務員の最大の違いは、民間は金を稼ぐのが仕事だが、公務員は金を使うのが仕事という点である。金を稼ぐには、どんな仕事でも何かしかの創意工夫が必要だが、使う(だけなら)目の前の業務をこなすだけでいい。そして人間は楽するように設計されている。

また、よくいわれるように公務員には倒産やリストラの心配がない。だから、全体を考えないで狭い視野で仕事をするとか、効率を気にしないとか、現状維持優先でより良いものに変えていこうとしないとか、国民目線とずれているーーーなどの弊害は、このシステムの持つ「人間性」に根ざした必然的な欠陥から生じている。



いろいろ理屈を書くと長くなるので、結論を。


    国家公務員は国の、
    地方公務員は、それぞれの自治体の
    GDPと給料を連動させる。


のが、いいと思っている。

※どう連動させるのかとか、どのくらい連動させるかとか、連動させる対象は誰かなど、テクニカルな観点には目をつむってください。もちろん国会議員をはじめすべての議員は特別職の公務員なので対象に含まれる。外していいのは裁判官くらいかな。



よく国益という、意味不明な言葉が飛び交うが、それは結局GDP(平たくいえば日本全体の稼ぎ総額)に帰結する(はずだ)。また「公務員は全体の奉仕者」などというわけのわからない言葉もある。それは「みんなが、あるいは全体として、より稼げるように世話をする」と解釈すべきである。


もっとも、理屈を正しく書くと、たとえば100億円をアホな公共事業に使おうが、素晴らしい政策に使おうが、国または自治体の支出はどこかの稼ぎになるから、GDPへの寄与度合いは短期的には同じである。また借金してばらまいてもGDPは押し上げられる。そういう意味では、公務員の業績評価指標として、どのようにGDPを適用するかの検討課題は、もちろんいっぱいある。

しかしそれをさておいても、
公務員が「稼ぐ・金額」という最も分かりやすく、かつ人間の本性を一番刺激する判断基準で仕事をする、あるいは評価されるのはシステムとして理にかなっていると考えている。ちなみに公務員がもっとも燃える仕事は、金そのものの予算獲得である(^^ゞ


勘違いしないで欲しいのは、これは拝金主義ではない。たとえば金を稼がなくなった高齢者は殺してしまえというような思想ではない。高齢者福祉には金がかかる。だからこそ、しっかり稼がなくてはいけないという考えであり、官民のベクトルをそれにそろえるためのアイデアである。経済成長戦略が何かと話題だけれど、要は稼ぐということである。

もうひとつ、ありがちな意見に答えておく。「じゃ、犯人を追いかけている刑事もGDPを考えて仕事するのか?」 もちろんそんな必要はない。しかし警察は交通行政の一角を担っている。どうすれば渋滞しない道路になるかとか、クルマで買い物しやすい街になるかとかを実現していけば、それはGDPに貢献する。

つまり警察は今までは安全を考えていればよかったが、経済のことも考えるということ。もちろん仕事は増えるけれど、行政のあちこちでそれを実行していかなければと考えている。ついでに書くとGDPが下がれば刑事の給料も下がる。それは会社の業績が下がれば、金を稼ぐのとは無関係な経理や総務の社員の給料が下がったらリストラされるのと同じである。




あ〜しんど。
掘ったら稼げる資源国がうらやましいね(^^ゞ

wassho at 15:31│Comments(0) 社会、政治、経済 

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