2009年10月16日
薬事法改正と早めにパブロン
薬事法が改正され6月から薬の売られ方が変わった。関心のある人、ない人で温度差の激しい話題だが、とりあえず簡単なおさらいは
このページで。
薬事法の変遷は、なかなか興味深い。
昔、薬はいわゆる街の個人経営の薬局で売られていた。やがてマツキヨなどのドラッグストアが台頭してくる。そういえば、まだドラッグストアなんて言葉もなかった子供の頃、「目標1327店!」とCMを流しているチェーン店の薬局があったが、どうもまだ
目標達成していないようで(^^ゞ
ドラッグストアが台頭してきた頃、薬事法は既存の個人経営の薬局を守る形で改正される。いつの世も行政は、新しいことやベンチャー(当時のドラッグストア)をつぶすことが好きである。これについて詳しい記事が載っているサイトがあったのだが、アドレスをなくしてしまった、ゴメン。
しかし行政の嫌がらせにもかかわらず、広い売り場、安売り、化粧品や日用品など品揃えが豊富ーーーなドラッグストアに個人経営の薬局がかなうはずもなく、現在はドラッグストア全盛なのはご存じの通り。少々田舎でも駅前には必ず1軒はある。私の地元の駅前では、なんと5軒が競い合っている。
しかし、おごれる平家も久しからず。今度はインターネット通販での薬の販売が台頭してきた。そこで、この何十年間の業績拡大で売り上げも伸ばし、政治家にもたっぷり献金してきたドラッグストア業界は、おかげで行政にも顔が利くようになり、薬のインターネット通販をつぶしにかかる。それが今回の薬事法改正の背景である。
海千山千のドラッグストア業界に対して、ベンチャーであるネット通販の経営者たちは、まだまだ若く(裏側の)経験が足りない。あれよあれよという間に堀を埋められた感は否めない。
ドラッグストア側の錦の御旗は「使い方を間違うと命に関わる薬は対面販売が必要」。それが建前であることは、たぶん皆さんもよくご存じ。
実は先日、股間に「腫れ物」ができて何膏薬をドラッグストアに買いに行った。私はなぜか股間やお尻に「腫れ物」ができる。高校生くらいの時は、よくできて、化膿したときにバイクに乗ると、「腫れ物」がつぶれてパンツが血まみれになった(/o\) 薬を塗らないと我慢できなくなるくらい腫れたのは実に久しぶりで、コッソリ私もまだ若いと喜んだりして(^^ゞ
駅前のマツキヨじゃなくて、一番信頼できそうなドラッグストアに行き、ベテランそうで、白衣も凛々しく、ひょっとしたら薬剤師かも?と思われる賢そうな顔をしたオバサンがいるレジに行き、「実は、かくかくしかじか」と相談する。オバサンはカウンターの下の方をゴソゴソして3つの軟膏薬を出してくれた。「こんな商品がありますけれど」。
実は「腫れ物」ができているとき、化膿しているかどうかは重要な診断ポイントである。薬剤師風のオバサンは、それを質問はしてくれなかった。私は「薬事法も改正されたことだし、薬局は義務があるのだがら、それぞれの薬について詳しく説明して欲しい!」などと野暮なことはいわずに、一番効きそうなデザインを直感で選んだ。
そうそう、薬剤師風のオバサンは最後に一声かけてくれた。「ポイントカードはお持ちですか?」 ま、対面販売なんて、この程度のものである。
さて、風邪薬のコマーシャルの季節である。
それで、どうもこのCMが気にかかる。
TVでご存じかもしれないけれど、この
パブロンのページに行き「2009年 笑顔とパブロン篇」をご覧いただきたい。
このパブロンは「第2類医薬品」である。つまりネットでは販売が禁止され、店頭で薬剤師または登録販売員と対面しないと買えない薬である。しかしCMをどう見ても、このパブロンを風邪を引いた娘に、実際に処方しているのは竹下景子が扮する母親である。
対面販売なんて、この程度のものーーーと大正製薬は教えてくれているのだろうか。ひょっとして販路が減れば売り上げも減るので、実は薬事法改正に反対だったりして(^^ゞ
6月の薬事法改正は、もちろん自民党政権の政策である。政権も交代したことだし、安全性はもちろん確保しつつ、トータルなGDPにつながる薬事法の再改正を望みたい。
wassho at 11:43│Comments(0)│
│社会、政治、経済