2009年10月22日

デジャヴの反対

   【デジャヴ】  フランス語 deja-vu
           日本語では既視感(きしかん)
           どこかで見たような気がすること



東京モータショーが開幕された。

報道されているように、今回のモーターショーは規模的に「淋しい」内容になっている。海外主要自動車メーカーは、揃ってすべて不参加。ざっと検索したところ「海外からはロータスなど3社のみ」とあった。ロータスみたいなマイナーなメーカーが、その代表としてあげられているのだから、後の2社はどこなんだろう? 

東京モーターショーはドイツのフランクフルト、米国のデトロイトモーターショーと並んで、世界3大モーターショーと呼ばれてきた。しかし日本車しか出展されていないのなら、とても世界的なモーターショーとはいえない。


出展企業113社、出展車両261台、展示面積2万1000平方メートルは、それぞれ前回の2007年に較べて約半分らしい。入場者数も前回の143万人から100万人に減る予定(ただし開催期間も15日間から11日間に縮小している/もっとも100万人は公称予測値で主催者側はインフルエンザの消毒液を80万人分しか用意していないとの噂もある)。 昨日はプレスデイ(一般公開に先立ち、報道陣だけに事前公開される)の模様をニュースで見たが、なんかガラ〜ンとした感じだった。まあ外車のほとんどないモーターショーなんて、一般のマスコミならネタにならないだろう。



こんなにガタガタになったのは、長年まともな展示の努力をせず、コンパニオンを揃えることしかやってこなかったからーーーではなく(^^ゞ いわゆるリーマンショックを契機とした世界的な不況の影響である。つまり海外の主要自動車メーカーは、東京モーターショーに出展する経費を切り詰めた。


ところがである。
同じリーマンショック後の今年4月に開催された上海モーターショーには、世界の主要自動車メーカーがすべて参加し、出展企業は1500社に達している。(ただし出展企業数はキーホルダーのメーカーが出展しても1社とカウントされるから単純な比較はできない)

リーマンショックは去年の9月だから、時期的に出展を取り消したくても取り消せなかった可能性もある。それでもマスコミがいう「海外の自動車メーカーは日本より中国を優先した」という論評は外れていないだろう。


考えるまでもなく、人口は中国の13億人に対して日本は1億人。中国が豊かになれば、どっちの商売に力を入れた方が儲かるかはサルでもわかる。為替相場とか物価水準とかを考慮して計算すると、現在、日本人と同程度の生活水準にある中国人は約1億人といわれる。そして15年以内に、それが2億人に達するともいわれている。日本の自動車メーカーだって、東京モーターショーに参加せず、それで浮くお金を上海モーターショーにつぎ込みたかったかも知れない。

注)ただし中国人と日本人の生活水準を比較した、この手の話はよく聞くけれど、
  はっきりした統計的な根拠は見たことがない。


かつて世界のナンバーワン自動車メーカーだったGMを、アメリカはいったん倒産させる形で再建することを決断した。日本政府は、まともな経営のできないJALをダラダラと税金をつぎ込みながら、問題解決の先送りをする模様である。一事が万事。こんな事では、対中国だけでなく、世界の中での日本の地盤沈下は続くだろう。


   海外からの参加のない東京モーターショー。
   これと似たような光景を、これからいろいろ見そうな気がする。 

   だから、デジャヴの反対。


ついでに、長年の疑問はまだ解決していません。

wassho at 15:36│Comments(0) 社会、政治、経済 | マーケティング、ビジネス

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