2009年10月26日

ゴーストオーダー

  ゴースト:幽霊
  オーダー:注文


マーケティング分野で、内容はよく知られているのに言葉としては一般的ではない。グーグルで検索しても3件しかヒットしなかった。しかも、その3件とも見当違いなページ。(普通に検索すれば、ゴーストとオーダーのいずれかの言葉が含まれていたらヒットするので96500件もヒットするけれど。“ゴーストオーダー”という一括りの言葉で検索するときは、フレーズ検索というオプションを使う)


あなたがお店を経営していたとする。突然ヒットし始めた商品が出てきたので、それを10個発注する。しかし品薄なので5個しか入荷しない。そこで考える。「20個発注すれば10個入荷するだろう。残りは後でキャンセルすればいい」と。しかし20個発注したときには、ますます品薄で2個しか入荷しない。それで、さらに100個の追加発注をするーーーーというようなメカニズムで需要とは関係なく発注だけが膨れあがっていく。

メーカーは、そのゴーストオーダーを見極めずに発注されたままに生産すると、後で大量のキャンセルを抱えることになる。昔、「たまごっち」の大量在庫でバンダイが傾いたのも、このゴーストオーダーが大きな要因。



さて、本日は久しぶりに朝から酒井法子報道。今日の初公判の傍聴券を得るために6615人が裁判所に並んだそうだ。傍聴席は20名なので競争率は330倍。これは競争率ではオウム真理教の松本智津夫裁判を抜き新記録らしい。(松本智津夫裁判は48席に対し1万2292人が並んで競争率256倍。ちなみに並んだ人数では、こちらが1位で酒井法子裁判が歴代2位。ドーデモエエケド)


どんな人が裁判を傍聴するのか。


  この事件の関係者
  酒井法子の関係者、利害関係のある人
  酒井法子のファン
  裁判の傍聴を趣味とする人(意外と多い)
  この事件に関心があるというか野次馬な人
  並んでいるところも報道されるので、それを狙っている人
  人が並んでいたら、つい自分も並ぶ人(^^ゞ



でも、圧倒的に多いのは報道機関だろう。
何百人単位でバイトを雇い並ばせる。裁判所では一般傍聴席とは別に報道機関用に記者席が与えられる(こともある)。今回の裁判では、もちろん記者席が用意されるとは思うが、これだけ関心が高いというか視聴率が取れる裁判となると、記者席だけでは足らないのだろう。テレビ局も各番組ごとに取材するし、地方紙もやってくる。雑誌社には原則として記者席は割り当てられない。


今、ネットを検索すれば

    傍聴席の競争率は330倍!
    

という見出しが躍っている。それは紛れもなくマスコミが自作自演しているゴーストオーダーでもある。裁判は公開が原則なんだから、中継カメラを入れられるようにすべきだと思う。ときどき裁判風景としてニュースで「似顔絵」が用意される。しかし似顔絵の表情はとっても恣意的に描かれている気がするし、裁判での質問の受け答えもマスコミが自分たちで組み立てたストーリーに沿った部分だけしか報道されない。

プライバシー保護の問題もあるから、裁判映像をどのように公開するかの課題はあるとしても、より多くの目と耳で裁判を傍聴すれば冤罪の防止にもなるはず。

※酒井法子裁判を見たいのではありません、念のため(^^ゞ

wassho at 20:06│Comments(0) 社会、政治、経済 

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