2010年02月01日
JALあれこれ3

当事者能力というのはもともと法律用語であるが、「国鉄には当事者能力がない」といわれていた文脈では「自分たちのことを、自分たちで対応し解決する能力」という意味合いにとらえて間違いはなかろう。
一連のJALの騒動・報道を見る限り、すでにこの会社には当事者能力はなさそうである。もっとも当事者能力がないから倒産するわけであるが、どう倒産するかも自分たちで決められなかった。というか公的資金(税金)を投入し、企業再生支援機構その他官民を挙げて再建に取り組むことになっているが、JAL自身に再建しようという強い意識があるように感じられない。
もともと国策会社としてスタートしたからJALの「親方日の丸」体質は濃い。もっとも彼らの認識はある意味正しく、私はJALはこぢんまりと再スタートさせ、ANAにJALが果たしていた役割の必要な部分を任せればいいと思っている。しかし、なぜか政府は全力でJALを救済しようとしているのだから。
ところでJRもNTTも郵政も分割という手法が用いられたのにJAL再建でそういうプランが聞こえてこないのはなぜなんだろう?
JAL東日本
JAL西日本
JALアメリカ大陸
JALアジア、オセアニア
JALヨーロッパ、ロシア
くらいに分割すればいいのにと思っている。
あっ、中東とアフリカが抜けてた(^^ゞ
分割するのは、社員が隅々まで目の届く小さな会社にして、当事者能力、少なくとも当事者意識を養うことが第1の目的。当事者意識が欠落している企業は、どういじったって変化しないことは職業柄よく知っている。
そして5社の再建に当たっては、倒産しない程度のカネしか渡さない。後は自分たちでがんばってもらう。もちろん路線や運賃やサービス内容には十分なフリーハンドを与える。会社をファンドに売りたければそれもよし。そうそう、社長も自分たちで選ばせる(^^ゞ それが最低限の当事者能力である。
何年か後に、一番優秀な会社に政府が投資または融資し、優秀な順に残りの3社を吸収合併させることにしておく。もちろん吸収された会社の社員は不遇なサラリーマン生活がまっている。つまり競争原理を働かせる。1社が3社を吸収するのだから1社あまる。その会社は見捨てる。全員助かることが約束されているのなら「親方日の丸」と変わりない。もちろん人をやる気にさせるにはムチだけじゃなくてアメも必要。とりあえず一番優秀にになった会社の社員には年金3倍増しでどう?
補足
ここの記事に、利用客にバースデイ割引の?カードを配る社員が5人並んでいる姿が映っている。この記事では機長が手書きのカードを配っている。後ろには横断幕を持つ社員の姿が。JALはカードを配るのが好きなのか? 涙ぐんだ機長の気持ちには同情するけれど、焼け石に水とはこういうことをいう。もっとまじめにマーケティングを考えようね。
ーーーー気が向いたら続くかも
wassho at 18:29│Comments(0)│
│社会、政治、経済