2010年04月20日
エントリーシートとお祈りメール
エントリーシートとは就活用語である。
就活(しゅうかつ)というのは、もうかなり一般的になってきているが就職活動の略。まあ何でも省略して短くするのが日本語の習わし。単語を短くして省略するようになった最初は、パンティーストッキングのパンストからという説があるけれど、本当かどうかはよくわからない。最近流行の婚活なんて言葉は、もともと結婚活動という言葉がないから、就活をもじった派生語?である。日本語は自由自在なり。
いきなり話がそれた。
昔の就職活動では履歴書からスタートしたが、今の就活はエントリーシートの提出が最初のステップとなる。氏名や住所、学歴などの履歴書的な項目と、いくつかの自由筆記項目がある。その文章の出来不出来で、次のステップに進めるかが決まる。ついでにいうと今はウエッブでエントリーシートを提出する。
自由筆記項目のテーマは
●あなたの学業への取り組みと成果について記入してください。
●学業以外の学生生活で成し遂げた実績や経験を教えてください。
●10年後に弊社でどのように活躍していたいですか。
●人から信頼されるには何が必要ですか、
あなたはそのためにどのようにしていますか。
●物事にチャレンジするには何が必要ですか。
なぜそう思うのかご自身の経験を踏まえて説明してください。
みたいな感じ。
昔から志望動機を書けというのはあったが、それをもうちょっとひねったようなもの。もっとも私が知っているエントリーシートは、ごく限られた企業のものだけだから、他にもっとユニークなものがあるかもしれない。
アルバイトに来ている大学生の就活がどうもうまくいっていないようなので、先日相談に乗る。実は私、今まで就職試験で落ちまくっている学生にアドバイスして、二桁に上る人数を一流企業に合格させた実績を持つ隠れた就活キングでもある。日頃こき使っているので、多少は恩返しをしないと。
特に必殺のアドバイスがあるわけじゃない。しかし面接する側は大量のエントリーシートを見て「落とす作業」をするわけだから、どちらかといえば内容の濃さ・立派さよりインパクト重視で、この人に会ってみたいと思わせるように書くことを教える。ぶっちゃけていえば、人が書かないようなことを書いて目立ったら勝ち。でも学生はこれが苦手なのである。受験勉強は詰め込みだし、大学でも「お勉強」はしていたとしても、自分の頭で考える訓練は絶対的に不足している。
●あなたの学業への取り組みと成果について記入してください。
たいていの学生は、いかに自分がまじめに勉強してきたかをここで書く。はっきり言って読み始めて3行目から眠たくなる文章がほとんど。だからたとえば金融志望の経済学部の学生には「我が国は5年以内に国債入札未達の状態に陥る。これが私がゼミの研究で立てた仮説です」などという書き出しで始めさせる。※国債入札未達といわれてもピンとこないかもしれないけれど、これは政府が発行する国債が売れ残って借金ができなる超一大事で、金融関係者ならギョッとするテーマである。
その仮説については上に書いた文章だけで、他には一切説明しない。エントリーシートの問いはそれを求めていないし、へたに書いたらでっち上げだということがばれる。後はもともと学生が書いた自分がいかにまじめに勉強してきたかの文章をアレンジしてはめ込む。まじめに勉強した結論がこれだと訴えることで文章にリアリティが出る。
もちろん面接に呼ばれたら仮説について質問される可能性は高い。だからインパクトはあっても、本人にとってすれば突拍子もない仮説を書くことを学生はためらう。しかしエントリーシートで落ちたら1センチも前に進めない。だから「大丈夫。人間三日間必死で考えれば、どんなこともそれらしい理論にまとめられる。私は25年間それでメシを食ってる」といって励ます(^^ゞ
●人から信頼されるには何が必要ですか、あなたはそのためにどのようにしていますか。
ここでも学生の書く文章は似たり寄ったりで、誠実さのアピール合戦になる。それはしかたない面もあるが、こういう時は人生の経験がものをいう。まず「通常の状況で人から信頼を得るのは難しいことではありません」などと一発かまさせる。信頼が問題となるのは何か困ったことが発生した場合だからである。そちらに話を絞り込むだけでひと味違ってくる。先日のアドバイスでは何が起ころうとも絶対に逃げないことを結論とした。実際、私はそれだけで世間様からかろうじて信頼を得ている。
ところでエントリーシートやその後の筆記試験、面接の結果は、今はメールでその知らせがくる。落ちた場合
この度は、弊社求人にご応募いただき誠にありがとうございました。
慎重に検討いたしました結果、誠に残念ながら貴殿のご希望に添いかねる
結果となりました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます。
などと最後に「お祈り申し上げます」という文面になる。
それで不合格通知のことをお祈りメールという。
「あの会社どうだった?」
「祈られた(涙)」
などと学生は会話しているらしい。
就活(しゅうかつ)というのは、もうかなり一般的になってきているが就職活動の略。まあ何でも省略して短くするのが日本語の習わし。単語を短くして省略するようになった最初は、パンティーストッキングのパンストからという説があるけれど、本当かどうかはよくわからない。最近流行の婚活なんて言葉は、もともと結婚活動という言葉がないから、就活をもじった派生語?である。日本語は自由自在なり。
いきなり話がそれた。
昔の就職活動では履歴書からスタートしたが、今の就活はエントリーシートの提出が最初のステップとなる。氏名や住所、学歴などの履歴書的な項目と、いくつかの自由筆記項目がある。その文章の出来不出来で、次のステップに進めるかが決まる。ついでにいうと今はウエッブでエントリーシートを提出する。
自由筆記項目のテーマは
●あなたの学業への取り組みと成果について記入してください。
●学業以外の学生生活で成し遂げた実績や経験を教えてください。
●10年後に弊社でどのように活躍していたいですか。
●人から信頼されるには何が必要ですか、
あなたはそのためにどのようにしていますか。
●物事にチャレンジするには何が必要ですか。
なぜそう思うのかご自身の経験を踏まえて説明してください。
みたいな感じ。
昔から志望動機を書けというのはあったが、それをもうちょっとひねったようなもの。もっとも私が知っているエントリーシートは、ごく限られた企業のものだけだから、他にもっとユニークなものがあるかもしれない。
アルバイトに来ている大学生の就活がどうもうまくいっていないようなので、先日相談に乗る。実は私、今まで就職試験で落ちまくっている学生にアドバイスして、二桁に上る人数を一流企業に合格させた実績を持つ隠れた就活キングでもある。日頃こき使っているので、多少は恩返しをしないと。
特に必殺のアドバイスがあるわけじゃない。しかし面接する側は大量のエントリーシートを見て「落とす作業」をするわけだから、どちらかといえば内容の濃さ・立派さよりインパクト重視で、この人に会ってみたいと思わせるように書くことを教える。ぶっちゃけていえば、人が書かないようなことを書いて目立ったら勝ち。でも学生はこれが苦手なのである。受験勉強は詰め込みだし、大学でも「お勉強」はしていたとしても、自分の頭で考える訓練は絶対的に不足している。
●あなたの学業への取り組みと成果について記入してください。
たいていの学生は、いかに自分がまじめに勉強してきたかをここで書く。はっきり言って読み始めて3行目から眠たくなる文章がほとんど。だからたとえば金融志望の経済学部の学生には「我が国は5年以内に国債入札未達の状態に陥る。これが私がゼミの研究で立てた仮説です」などという書き出しで始めさせる。※国債入札未達といわれてもピンとこないかもしれないけれど、これは政府が発行する国債が売れ残って借金ができなる超一大事で、金融関係者ならギョッとするテーマである。
その仮説については上に書いた文章だけで、他には一切説明しない。エントリーシートの問いはそれを求めていないし、へたに書いたらでっち上げだということがばれる。後はもともと学生が書いた自分がいかにまじめに勉強してきたかの文章をアレンジしてはめ込む。まじめに勉強した結論がこれだと訴えることで文章にリアリティが出る。
もちろん面接に呼ばれたら仮説について質問される可能性は高い。だからインパクトはあっても、本人にとってすれば突拍子もない仮説を書くことを学生はためらう。しかしエントリーシートで落ちたら1センチも前に進めない。だから「大丈夫。人間三日間必死で考えれば、どんなこともそれらしい理論にまとめられる。私は25年間それでメシを食ってる」といって励ます(^^ゞ
●人から信頼されるには何が必要ですか、あなたはそのためにどのようにしていますか。
ここでも学生の書く文章は似たり寄ったりで、誠実さのアピール合戦になる。それはしかたない面もあるが、こういう時は人生の経験がものをいう。まず「通常の状況で人から信頼を得るのは難しいことではありません」などと一発かまさせる。信頼が問題となるのは何か困ったことが発生した場合だからである。そちらに話を絞り込むだけでひと味違ってくる。先日のアドバイスでは何が起ころうとも絶対に逃げないことを結論とした。実際、私はそれだけで世間様からかろうじて信頼を得ている。
ところでエントリーシートやその後の筆記試験、面接の結果は、今はメールでその知らせがくる。落ちた場合
この度は、弊社求人にご応募いただき誠にありがとうございました。
慎重に検討いたしました結果、誠に残念ながら貴殿のご希望に添いかねる
結果となりました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます。
などと最後に「お祈り申し上げます」という文面になる。
それで不合格通知のことをお祈りメールという。
「あの会社どうだった?」
「祈られた(涙)」
などと学生は会話しているらしい。
wassho at 19:12│Comments(3)│
│社会、政治、経済
この記事へのコメント
1. Posted by こはら 2011年02月04日 05:25

就職活動中の大学生です。
お祈りって何だ?!と思って検索で辿り着いた次第です。
エントリーシートの書き方もよく考えなければならないですね(>_<)
といっても未だに志望を
絞り込めていない自分は焦らないとまずい時期に来ています…(T_T)
2. Posted by 晴れ時々マーケティング 2011年02月04日 15:49
こはらさんへ
どんな仕事をしたいかは、
なかなかわからないですよね。
ギャンブルだと思って絞り込むのもいいかもしれません。
大丈夫!社会人になった後も軌道修正はいくらでもできるし、
それに人生はギャンブルの連続ですよ。
素晴らしい企業に就職が決まることを
「お祈り」申し上げます(^^ゞ
どんな仕事をしたいかは、
なかなかわからないですよね。
ギャンブルだと思って絞り込むのもいいかもしれません。
大丈夫!社会人になった後も軌道修正はいくらでもできるし、
それに人生はギャンブルの連続ですよ。
素晴らしい企業に就職が決まることを
「お祈り」申し上げます(^^ゞ
3. Posted by こはら 2011年02月10日 00:45
返信ありがとうございます♪
少し気持ちが楽になりました^^;
お祈りされると少し怖い気もしますが、^^;
いろいろ迷いながら動いてみようと思います。
どうもありがとうございました♪♪m(._.)m
少し気持ちが楽になりました^^;
お祈りされると少し怖い気もしますが、^^;
いろいろ迷いながら動いてみようと思います。
どうもありがとうございました♪♪m(._.)m