2010年05月27日
安全保障って?
タイトルは変えたけれど一応前回の続き。
安全保障をネットの大辞林で引くと、
外部からの侵略に対して国家の安全を保障すること。
ネット百科事典のWikipediaでは
ある集団が生存や独立などの価値ある何かを、その価値の保全を
脅かす何らかの脅威から、何かの手段を以って守ることである。
なんのこっちゃ?
抽象的にいえば上に書いたようなことだろうが、日本の場合、安全保障とは、具体的にはシーレーンの確保である。シーレーンとは船で運ぶ海上輸送ルートのこと。資源小国である日本は資源を輸入に頼っている。資源とは石油などのエネルギー資源であり、材料となる様々な資源であり、また食糧資源である。これが途絶えれば日本は干上がってしまう。
人類はずっと戦争している。宗教戦争を別とすれば、昔は領土的野心や覇権確立がその動機だったと思う。日本の戦国時代なんかを考えるとわかりやすい。それがだんだんと資源を巡る争いに変わってくる。第二次世界大戦で日本と米英が衝突したのも中国と東南アジアの権益についてであり、つまりは資源争奪戦である。
注1:私のうろ覚えの世界史です。正確には自分で勉強してください。
逆に言えば、今日において他国が日本を単に占領したいがために攻めてくることは考えられない。そんなことをしても経済的に勘定が合わないし、国際関係的には致命的なマイナスである。
注2:戦術的に国土が部分的に攻撃されることは充分ある。
注3:今、朝鮮半島がヒートアップしかかっているが、あれは内戦
みたいなものだから、この議論とは別である。
注4:世の中の歯車が狂って、核ミサイルをバンバン撃ち合うような
事態になれば、もちろん話は別である。そうなりゃ皆オダブツ
だから、それに備えても仕方がない。
さて
どんな資源をどこから、どれだけ輸入しているか把握していないが、少なくとも石油はその多くを中東から輸入している。つまり西から船で運ばれてくる。だから日本は西に対して警戒と備えが必要になる。
注5:東はアメリカ大陸までずっと海で、戦争や紛争を起こせる国がない。
注6:南も同じ。北は重要なシーレーンでない。
日本はその安全保障を米軍に依存する体制である。西に伸びるシーレーン防衛をアメリカに任せるとして、西方面に睨みのきく拠点を国内で探せば、地理的な必然として沖縄ということになる。在日米軍は日本防衛のためだけに存在しているわけじゃなとしても、現時点でアメリカとの補完関係以外に現実的な選択肢はない。
在日米軍の基地は面積比でいうと75%くらいが沖縄にある。そのことが沖縄の過大な負担だとか、本土が沖縄に基地を押しつけているというような議論になっている。また第2次世界大戦で地上戦があったのは沖縄だけだったのも「沖縄が可愛そう、沖縄に申し訳ない」という論調をにつながっている。
注7:75%というのは米軍専用の基地で測った場合。
米軍と自衛隊が共同で利用している基地の面積も加えると1位の北海道が34.1%を占め、沖縄は23.5%で2位となる。これを持って75%という数字は世論誘導のためのでっち上げだという意見もある。でも狭い沖縄に多くの基地があることには変わりない。県の面積の約1割が米軍基地である。
シーレーンの防衛は日本が近代化して以降、昔も今も重要で、その重要性は今の方が高いし、今後はもっと高まる。さっき書き忘れたが、戦争にはイデオロギーによる戦争というのもあった(宗教戦争に近いかな)。少し前まで、自衛隊はソ連の侵攻に備えて北海道を重点的に守っていたけれど、今はその必要性は薄れた。一方西のシーレーンはアジアが豊かになるにつれて、紛争が起こる可能性が高まる。金持ちになると戦争したがる。残念ながら人間はそういうふうにできている。
長くなったので整理すると
島国の資源小国の日本にとって安全保障とはシーレーンの防衛である。
日米同盟を結び、シーレーン防衛はアメリカに依存している。
シーレーンは西に延びており、その拠点は地理的必然として沖縄になる。
米軍基地の75%が沖縄に集中している。
さて、どうする・どうなる?
ーーー続く(続かないこともよくあります)
安全保障をネットの大辞林で引くと、
外部からの侵略に対して国家の安全を保障すること。
ネット百科事典のWikipediaでは
ある集団が生存や独立などの価値ある何かを、その価値の保全を
脅かす何らかの脅威から、何かの手段を以って守ることである。
なんのこっちゃ?
抽象的にいえば上に書いたようなことだろうが、日本の場合、安全保障とは、具体的にはシーレーンの確保である。シーレーンとは船で運ぶ海上輸送ルートのこと。資源小国である日本は資源を輸入に頼っている。資源とは石油などのエネルギー資源であり、材料となる様々な資源であり、また食糧資源である。これが途絶えれば日本は干上がってしまう。
人類はずっと戦争している。宗教戦争を別とすれば、昔は領土的野心や覇権確立がその動機だったと思う。日本の戦国時代なんかを考えるとわかりやすい。それがだんだんと資源を巡る争いに変わってくる。第二次世界大戦で日本と米英が衝突したのも中国と東南アジアの権益についてであり、つまりは資源争奪戦である。
注1:私のうろ覚えの世界史です。正確には自分で勉強してください。
逆に言えば、今日において他国が日本を単に占領したいがために攻めてくることは考えられない。そんなことをしても経済的に勘定が合わないし、国際関係的には致命的なマイナスである。
注2:戦術的に国土が部分的に攻撃されることは充分ある。
注3:今、朝鮮半島がヒートアップしかかっているが、あれは内戦
みたいなものだから、この議論とは別である。
注4:世の中の歯車が狂って、核ミサイルをバンバン撃ち合うような
事態になれば、もちろん話は別である。そうなりゃ皆オダブツ
だから、それに備えても仕方がない。
さて
どんな資源をどこから、どれだけ輸入しているか把握していないが、少なくとも石油はその多くを中東から輸入している。つまり西から船で運ばれてくる。だから日本は西に対して警戒と備えが必要になる。
注5:東はアメリカ大陸までずっと海で、戦争や紛争を起こせる国がない。
注6:南も同じ。北は重要なシーレーンでない。
日本はその安全保障を米軍に依存する体制である。西に伸びるシーレーン防衛をアメリカに任せるとして、西方面に睨みのきく拠点を国内で探せば、地理的な必然として沖縄ということになる。在日米軍は日本防衛のためだけに存在しているわけじゃなとしても、現時点でアメリカとの補完関係以外に現実的な選択肢はない。
在日米軍の基地は面積比でいうと75%くらいが沖縄にある。そのことが沖縄の過大な負担だとか、本土が沖縄に基地を押しつけているというような議論になっている。また第2次世界大戦で地上戦があったのは沖縄だけだったのも「沖縄が可愛そう、沖縄に申し訳ない」という論調をにつながっている。
注7:75%というのは米軍専用の基地で測った場合。
米軍と自衛隊が共同で利用している基地の面積も加えると1位の北海道が34.1%を占め、沖縄は23.5%で2位となる。これを持って75%という数字は世論誘導のためのでっち上げだという意見もある。でも狭い沖縄に多くの基地があることには変わりない。県の面積の約1割が米軍基地である。
シーレーンの防衛は日本が近代化して以降、昔も今も重要で、その重要性は今の方が高いし、今後はもっと高まる。さっき書き忘れたが、戦争にはイデオロギーによる戦争というのもあった(宗教戦争に近いかな)。少し前まで、自衛隊はソ連の侵攻に備えて北海道を重点的に守っていたけれど、今はその必要性は薄れた。一方西のシーレーンはアジアが豊かになるにつれて、紛争が起こる可能性が高まる。金持ちになると戦争したがる。残念ながら人間はそういうふうにできている。
長くなったので整理すると
島国の資源小国の日本にとって安全保障とはシーレーンの防衛である。
日米同盟を結び、シーレーン防衛はアメリカに依存している。
シーレーンは西に延びており、その拠点は地理的必然として沖縄になる。
米軍基地の75%が沖縄に集中している。
さて、どうする・どうなる?
ーーー続く(続かないこともよくあります)
wassho at 23:44│Comments(0)│
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