2010年07月14日

良識の府とか憲政の常道とか

参議院の話になると必ず「参議院は良識の府なんだから」とバカの一つ覚えのようにいう人が出てくる。昨日もテレビで誰かが言っていた。百歩譲って参議院が良識の府だとしたら、対する衆議院はなんだ? 悪の巣窟か(^^ゞ


参院が良識の府といわれるようになった由縁は、

  戦後の最初の選挙で政党に属する当選者が各党合計で129名、無所属の
  当選者が108名となった。(最大政党の2倍以上)
  その無所属の議員が92名集まって緑風会という会派を作った。
  その会派が政党の制約にとらわれず自由闊達な議論を国会で行おうという
  趣旨をもっていた。


ということらしい。しかし

  具体的にどんな成果を残したかはよくわからない。
  次の選挙では立候補58名中9名しか当選しなかった。
  その次の選挙では35名中16名。
  その後も当選者は数名のみ。


つまり、終戦直後の3年ほど、ちょっと高い理想を上げて盛り上がったというに過ぎない。緑風会の実績を詳しく調べてはいないけれど、3年で何か大きな事を成し遂げたとは考えにくい。少なくともネットで検索して、すぐヒットするような歴史的な業績はない。


「参議院は良識の府なんだから」という人の、おそらく95%以上は、上に書いたレベルの歴史情報すら持ち合わせていない。ただ、どこからか聞いた参議院は良識の府というキャッチフレーズをバカの一つ覚えのように繰り返しているだけである。そんな思考停止の人の発言に間違っても乗っかっちゃいけない。


ちなみに緑風会は、最初は「中正会」という名前だったらしい。参院が良識の府という伝説が広まった理由の9割くらいは緑風会というネーミングが効いていると私は思っている。何となく爽やかで希望が持てるネーミング。中正会じゃ夢もヘッタクレもない。ネーミングひとつで歴史に名を残せる事例である。



また国会で何か揉め事が起きて、与党がやんちゃなことをすると、野党議員やマスコミ・評論家から「憲政の常道に反する」と、これまたバカの一つ覚えのようにいう人が出てくる。

私の知る限り憲政に常道なんてあったためしがない。また、そういう人に限って普段は「政治の世界では一寸先は闇だよ」などと、知ったかぶってうそぶいている。どっちにしたって思考停止に変わりはない。もっとも今回は「直近の民意が示されたのだから管首相は退陣せよ」という憲政の常道を匂わせながらの創作論理も盛んだけれど(^^ゞ


まあとにかく、それっぽいキャッチフレーズには気をつけましょう。だから私は、高齢化社会で社会負担がますます増えるとか、消費税を上げないと財政が破綻するなんて話は、これっぽっちも信じちゃいない。

wassho at 21:26│Comments(0) 社会、政治、経済 

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