2010年10月10日

シャガール展

655d2925.jpg
上野にある東京芸術大学でシャガールの展示会を見てきた。展示会のタイトルは「ポンピドー・センター所蔵作品展:シャガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い〜交錯する夢と前衛〜」。ロシアのアバンギャルドっていわれてもよくわからないけれど。


大学で展示会を開いているといっても、別に講堂や教室で見るわけじゃない。この大学には付属の立派な美術館が併設されていて一般に公開されている。学校に図書館がつきもののように、この大学は芸大だからね。ちなみに東京藝術大学と難しい漢字を使うのが大学の正式名称。


20代の中頃に、たまたま気に入って買ったポスターがあって、しばらくしてからそれがシャガールの絵だということを知った。当時シャガールについては何となく名前を知っていた程度。ヘエ〜これがシャガールなんだと思った。気に入って買ったポスターがシャガールだったということは、当然シャガールは私の好みということである。それからは何かとよくシャガールの絵を見た。画集も買ったし美術館で見たこともある。


シャガールの絵は、どこかちょっと幻想的である。何が描いてあるのか、というか何を表現したのかよくわからないが、何となくホワーッとした気分になってくる。20世紀を代表する巨匠にこんなことを言っちゃいけないが、ヘタウマ系の画風が心を和ませる(^^ゞ


だったんだけれど、
しばらくしてから私はシャガールがあまり好きではなくなってしまった。


理由その1)
シャガールの絵には馬とニワトリがよく出てくる。馬はかわいく描かれている。しかしニワトリがちょっと気持ち悪い。


理由その2)
パット見は幻想的であるが、よく見ると首をはねられていたりする不気味な絵も多い。


理由その3)
これは話が長くなる。

小学校の中頃くらいにイラストやイラストレーターという言葉を知った。イラストという言葉がその頃から一般的になってきたのか、子供だったからイラストという言葉をそのときに初めて知ったのかはよくわからない。


イラストって何? ふつうの絵や挿絵や漫画とどう違うの?
私はイラストという、この新しいジャンルに少し戸惑った。
思えば、私も多感な年頃だったのである(^^ゞ


英語に翻訳するなら挿絵や解説図がイラストである。
しかし(たぶん)日本では、芸術に対するポピュラーアートとしてイラストを位置づけることもある(ポピュラーアートというのも意味不明であるが)。いわゆるイラストレーターが、いわゆる「ふつうの絵」を描き、それがイラストと呼ばれることもある。外来語は定義が拡大されて意味が曖昧になることが多い。


小学生の私が、そんな風に難しく考えていた訳じゃないけれど、とにかくイラストは私にとってよく理解できないものだった。しかし中学生になって私はある発見をする。

    イラスト:輪郭線がある。
    普通の絵:輪郭線はない。


この発見が間違いだったことにはしばらくしてから気がついた。普通の絵にも輪郭線が描かれているものはいっぱいある。しかし三つ子じゃなくて13歳の魂100まで。それ以来、何となく輪郭線のある絵は手抜きのような印象を受けてしまう。


輪郭線のあることが気になる絵と気にならない絵がある。シャガールは輪郭線を多用する画家だが、元々ヘタウマ系だからあまり気にならない。というかシャガールの絵は輪郭線なしには成り立たない。

しかしシャガールの絵が不気味だと思い始めた頃、その輪郭線がやたら鼻につきだした。人は恋に落ちると相手の何気ない仕草がとても愛しく思えても、恋が冷めるとその同じ仕草を見るだけでムカツク(^^ゞ まあ、そんな感じ。


ーーーーー続く

wassho at 18:08│Comments(0) 美術展 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔