2010年11月01日

内需拡大はいいとして

前回から何となく間が空いてしまったというか、
最近あんまりブログを書いていないというかm(_ _)m




(前回ら微妙に続き)
観光に力を入れようというのは、いわゆる内需拡大の一環でもある。

さて、この内需拡大。
私の子供の頃から、ということはずっと昔から、何か経済的にゴチャゴチャある時に決まって叫ばれてきたような気がする。何度も課題とされているということは何度挑戦してもできなかったということでもある。


内需と外需(貿易)を足して全体だから、内需拡大ということは外需減少となる。日本は資源のほとんどを輸入しているから、輸入だけして製品を輸出しなければ赤字になってしまう。

それに少子化なので、現在1億3千万人ほどいる人口は40年後に9000万人になる。しかもその1/4は65歳以上がしめる高齢化社会。つまり日本のマーケット自体が縮小するから内需拡大しても、掛け算すれば成長できない可能性のほうが高い。


というわけで定期的に課題としてあげられる内需拡大だけれど、それって本気? それでやっていけるの? と、いつもコッソリ思っている。


もっとも、たとえば観光産業は、別に(地下)資源を必要としないし、外国からの観光客が来るということは何かを輸出して稼ぐということと同じ事だから、内需拡大の優等生的産業なのかもしれない。

しかし観光でこの国は食っていけるのか〜という素朴な疑問はある。調べてみると意外なことに観光産業がGDPに占める割合は約1.9%で自動車の半分くらいある。ただし海外からの観光客に限ればGDP比0.3%。世界平均は1.5%位らしい。


この0.3%をとりあえず倍に増やしてーーーとか皮算用しているのかな? GDPは経済全体を見るにはわかりやすいが、細かなブレイクを考えると疑問もある。観光バスは観光だろうけれど、JRに乗っている人を観光客とそうでない客に分けるのは不可能だ。観光地のレストランは観光GDPに入るの?じゃ銀座のレストランで観光客が食べた分は?こういうのは波及効果ということで片付けられるのかな。

同じような事は内需と外需にもいえて、どちらもGDPの統計に出てくるが、例えばトヨタがカローラをアメリカに輸出すれば外需だけれど、トヨタにそのカローラの部品を納めているメーカーの仕事は内需でカウントされるはず。


ちょっと話がそれた。

内需拡大にはもちろん反対しない。
何にせよ拡大=成長するのはいいことである。
でも何となく、その言葉に内向きな姿勢を感じるのは私だけかな?

外需を拡大するには、世界中のあらゆる相手と競争しなければならない。
その競争で日本は今ジリジリと負け始めている。
日本車が韓国車より優れていると信じているのは日本人くらいである。
サムソンの名前をよくニュースで聞くからテレビも同じ事がいえる。
韓国の後には中国が来るだろうし、他にもいろいろ手強い国はある。
それと円高もあって海外生産はこれから減ることはないだろう。


外需拡大=貿易黒字をため込めば他国から一人勝ちはずるいと批判される。
その理屈はわかるけれど、じゃそれを改めましょうという馬鹿正直な物わかりの良さで、この国のレベルを保てるかは大いに疑問。日本を含めた一握りの先進国と多数の途上国という構図は徐々に終わろうとしている。

貿易問題で多少波風が立とうと、必死で外需を獲りに行かないといけない気がする。私は精神論は嫌いな人間だが、ガッツというか気合いというか、そういうものが減りすぎているように感じる昨今。

wassho at 19:10│Comments(0) 社会、政治、経済 

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