2012年01月08日

出版社に貸本復活のお願い

読書年末年始にかけて5冊ほど本を読んだ。
20代30代の頃は乱読だった読書量も最近は減る一方。
まあ、いわゆる活字離れ。


10年ほど前に自宅にあった大量の蔵書を、ごく一部を除いてブックオフに売り払った。その後に買った本の何冊かは手元にあるけれど、ほとんどは誰かにあげるか、いちいちブックオフに売りに行くのも面倒なので雑誌と一緒に捨てている。二度と読むこともない本を自宅に貯めておいても部屋が狭くなるだけで何のメリットもないと思うからである。


CDによってレコードがなくなったように、紙でできた本が短期間で消えるとは思わない。しかし、いずれ電子書籍が紙の本と同じくらいのポジションを得る日が来る。スマホやiPadのようなタブレット端末の普及で、その日も近いかも知れない。アメリカでは、もともとは本のネット販売から始まったアマゾンがかなり積極的に仕掛けているらしい。


それで出版社には是非、電子書籍版「貸本」のサービスをお願いしたい。

例を映画に取ると、
アップルのiTuneストアでは、映画をダウンロードして買うこともできるしレンタルすることもできる。買った場合、パソコンに保存した映画のファイルは自分のものだからいつでも見ることができる。価格はだいたい2000円くらい。

レンタルの場合はダウンロードするファイルに細工がしてあって、ダウンロードした日から30日間がレンタル期間で、その期間内で最初にファイルを再生したときから48時間以内は自由に再生できる。つまり実質的には48時間のレンタル。2000円で購入できる映画だとレンタル費用は400円くらい。

私が本でやって欲しいのもこれと同じ仕組み。映画のDVDを買えば3500円くらいで本より高いし、本のほうが価格に占める材料費や運送費の割合が高いはずだから、同じ利益比率を当てはめれば電子書籍のレンタル価格は150円くらいか。

ただし映画と違って48時間で読み切るのはきついから、もう少しファイルを読める時間のバリエーション別料金が必要かも知れない。あるいは延長料金制とか。


まあいずれにせよ、一度しか読まないものを所有するのはお金と資源の無駄である。日本の出版業界はブックオフはつぶれて欲しいと願い(ただし講談社や集英社はブックオフに出資している)、電子書籍時代も一日でも遅くやってきて欲しいと考えているらしいが、とっととそんな後進性とは縁を切って、新しいテクノロジーを活用して消費者ニーズに応えて欲しい。

この業界は日本経済の善し悪しに関係なくずっと出版不況である。電車の中で多くの人が見つめている携帯やスマホの画面、あそこにしか出版不況脱出のマーケットはないと思うよ。本は買うもののではなくレンタルが基本との発想の転換を是非に。




ついでに
パピレスというサイトでは電子書籍のレンタルをやっているが漫画中心で、それ以外のジャンルは充実していない。ブラウザーで読めるけれど、横書きになって読みにくい。eBookJapanというところでは無料のアプリケーションをインストールすれば縦書きで読める。ここも漫画中心で、また購入だけでレンタルはない。


ついでのついでに
夏目漱石とか芥川龍之介とか、著作権が切れた古典の小説は青空文庫というサイトで無料で読める。専用ソフトでは縦書きで読めるが2100円する。ただし専用ソフトの開発が2007年で停まっていてiPhoneやiPad用はないし、マックなら10.5、ウインドウズもXP対応までである。青空文庫はおそらく本好きのボランティア団体の運営で、サイトの作り方やデザインも素人の手になるようで、わかりにくいし地味でつまらない。

wassho at 18:15│Comments(0) ノンジャンル 

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