2012年03月19日
カフェ・ナポレターナ (ナポリ式コーヒーメーカー)
たぶんほとんどの人が目にしたことがないと思われる、このヤカンが逆さまになったような珍妙な物体の正体は、ナポレターナという珈琲を淹れる器具である。地震対策で珈琲をどうしようかと、あれこれ検索しているときに見つけた。
分解するとこんな感じ。
中に入っている右のコショウ入れのようなものは、さらにこういう仕組みになっている。これがコーヒーフィルターになる。写真で床に接しているほうに「底」はなくパイプを切った形。
フィルターにコーヒー粉を乗せメッシュのカバーをつける。
2枚目の写真の真ん中は、ただのカップなのにボイラーと大げさな名前がついている。ボイラーに水を入れフィルターをセットして(沈めて)、ヤカンの注ぎ口がついているほう(サーバーという)を逆さまにしてボイラーにかぶせる。
そのまま火にかけ、お湯が沸いたら(←注ぎ口から湯気が出るのが合図)ボイラーが上、サーバーが下になるように上下をひっくり返す。ボイラーのお湯が徐々にフィルターを通ってサーバーに落ちていく仕掛け。詳しくは販売店のホームページで。
ナポレターナのキモは、ボイラーに開けられた小さな穴にある。ボイラーとサーバーは密着しているが、この穴から空気が入ってボイラーからお湯が落ちる。小さな穴だから少しずつしか空気が入らず、ゆっくりとコーヒーが抽出される。シンプルだがなかなかのアイデア。ちなみにボイラーからサーバーにお湯が落ちる時間は2分半から3分。
肝心のコーヒーの味には大変満足している。
ナポレターナで淹れると濃いめのコーヒーになる。ペーパードリップとエスプレッソの中間くらい。(コーヒー豆はペーパードリップ用の焙煎。私はあまり深煎りの豆は好まない)そして味も深め。味が濃いのはドリップと較べてお湯の温度が高いので苦みが多く出るからだろうか。味が深いコクがある、あるいはドリップと較べてやや複雑な感じがするのは、たぶんコーヒーオイルの影響。
コーヒー豆にはわずかにオイル成分が含まれていて味や香りに影響を与えるといわれている。ドリップの場合オイル成分はペーパーに遮られてあまりサーバーに落ちない。ナポレターナはオイルを遮るものがないのでオイルがタップリ抽出されたコーヒーになるというわけ。ただしオイルといっても別にコーヒーの表面に油がギラギラ浮いているわけではない。私の場合はクリームを入れるのでまったく目立たない。
いくつか気がついた点を。
1)
このナポレターナは薄いアルミ製。かなり華奢な造りで強度は低い。力をこめて握ったら変形しそう。いずれデコボコになる気がする。それはそれで使い込んだいい感じになりそうだが、ボイラーとサーバーの密閉度合いが緩くなると困る。
2)
ひっくり返すときに、少しお湯がこぼれる。
熱湯だから、ちょっとビビる。
だからデコボコになって密閉が緩くなるとマズイのである。
3)
わずかではあるものの、コーヒーカップにコーヒー粉が混じる。
私は平気だが、これがイヤな人には向かない。
ナポレターナのフィルターキャップの穴は1ミリ程度。豆も粗めに挽くし、抽出時にさらに膨張するから写真で見たイメージよりは粉は落ちてこない。落ちてくくるのは微粉と呼ばれる、豆を挽くときにできてしまう細かな粉末(ココアパウダーくらいの細かさ)。カップの底半分くらいに薄く残る。
4)
ペーパーいらずで経済的とはいえ、コーヒーカスを捨てるのはちょっと面倒。ゴミ箱に向けて振ったくらいでは、濡れたコーヒー粉は全部落ちない。結局洗い流すことになる。シンクのパイプが詰まったりはしないと思うけれど。
文章で説明すると手間が掛かる印象を受けるかも知れない。しかし沸かしてひっくり返すだけだからパーパードリップよりトータルの時間は変わらない。ちょっと濃いめの珈琲が好きならお勧め。
ただし強度を考えると、同じお店で売っているステラ・ナポレターナの方がステンレス製だからいいと思う。ボイラーとサーバーのハンドルが重なっているので、ひっくり返すのもやりやすそう。やや価格が高いし、容量もカフェ・ナポレターナと較べると少なめなのが難点。
ざっと調べた限り、今日本で買えるのは上の2つと、アレッシーの90018という製品のみ。アレッシーのデザインは派手だが、持ち手のところはよく考えられている。ただしホームページを見ても容量が不明。そして6万6150円!
今後、お湯が沸いたらいったん火を止めてコーヒー豆の「蒸らし」の時間を長くしてみたり、少しお湯の温度を低めでひっくり返すなど、いろいろ実験してみたいと思っている。コーヒー豆の分量も試行錯誤中。しかし基本的にナポレターレはテクニック不要である。
だから家電メーカーにお願い。
ナポレターナ方式の全自動コーヒーメーカー作って!
分解するとこんな感じ。
中に入っている右のコショウ入れのようなものは、さらにこういう仕組みになっている。これがコーヒーフィルターになる。写真で床に接しているほうに「底」はなくパイプを切った形。
フィルターにコーヒー粉を乗せメッシュのカバーをつける。
2枚目の写真の真ん中は、ただのカップなのにボイラーと大げさな名前がついている。ボイラーに水を入れフィルターをセットして(沈めて)、ヤカンの注ぎ口がついているほう(サーバーという)を逆さまにしてボイラーにかぶせる。
そのまま火にかけ、お湯が沸いたら(←注ぎ口から湯気が出るのが合図)ボイラーが上、サーバーが下になるように上下をひっくり返す。ボイラーのお湯が徐々にフィルターを通ってサーバーに落ちていく仕掛け。詳しくは販売店のホームページで。
ナポレターナのキモは、ボイラーに開けられた小さな穴にある。ボイラーとサーバーは密着しているが、この穴から空気が入ってボイラーからお湯が落ちる。小さな穴だから少しずつしか空気が入らず、ゆっくりとコーヒーが抽出される。シンプルだがなかなかのアイデア。ちなみにボイラーからサーバーにお湯が落ちる時間は2分半から3分。
肝心のコーヒーの味には大変満足している。
ナポレターナで淹れると濃いめのコーヒーになる。ペーパードリップとエスプレッソの中間くらい。(コーヒー豆はペーパードリップ用の焙煎。私はあまり深煎りの豆は好まない)そして味も深め。味が濃いのはドリップと較べてお湯の温度が高いので苦みが多く出るからだろうか。味が深いコクがある、あるいはドリップと較べてやや複雑な感じがするのは、たぶんコーヒーオイルの影響。
コーヒー豆にはわずかにオイル成分が含まれていて味や香りに影響を与えるといわれている。ドリップの場合オイル成分はペーパーに遮られてあまりサーバーに落ちない。ナポレターナはオイルを遮るものがないのでオイルがタップリ抽出されたコーヒーになるというわけ。ただしオイルといっても別にコーヒーの表面に油がギラギラ浮いているわけではない。私の場合はクリームを入れるのでまったく目立たない。
いくつか気がついた点を。
1)
このナポレターナは薄いアルミ製。かなり華奢な造りで強度は低い。力をこめて握ったら変形しそう。いずれデコボコになる気がする。それはそれで使い込んだいい感じになりそうだが、ボイラーとサーバーの密閉度合いが緩くなると困る。
2)
ひっくり返すときに、少しお湯がこぼれる。
熱湯だから、ちょっとビビる。
だからデコボコになって密閉が緩くなるとマズイのである。
3)
わずかではあるものの、コーヒーカップにコーヒー粉が混じる。
私は平気だが、これがイヤな人には向かない。
ナポレターナのフィルターキャップの穴は1ミリ程度。豆も粗めに挽くし、抽出時にさらに膨張するから写真で見たイメージよりは粉は落ちてこない。落ちてくくるのは微粉と呼ばれる、豆を挽くときにできてしまう細かな粉末(ココアパウダーくらいの細かさ)。カップの底半分くらいに薄く残る。
4)
ペーパーいらずで経済的とはいえ、コーヒーカスを捨てるのはちょっと面倒。ゴミ箱に向けて振ったくらいでは、濡れたコーヒー粉は全部落ちない。結局洗い流すことになる。シンクのパイプが詰まったりはしないと思うけれど。
文章で説明すると手間が掛かる印象を受けるかも知れない。しかし沸かしてひっくり返すだけだからパーパードリップよりトータルの時間は変わらない。ちょっと濃いめの珈琲が好きならお勧め。
ただし強度を考えると、同じお店で売っているステラ・ナポレターナの方がステンレス製だからいいと思う。ボイラーとサーバーのハンドルが重なっているので、ひっくり返すのもやりやすそう。やや価格が高いし、容量もカフェ・ナポレターナと較べると少なめなのが難点。
ざっと調べた限り、今日本で買えるのは上の2つと、アレッシーの90018という製品のみ。アレッシーのデザインは派手だが、持ち手のところはよく考えられている。ただしホームページを見ても容量が不明。そして6万6150円!
今後、お湯が沸いたらいったん火を止めてコーヒー豆の「蒸らし」の時間を長くしてみたり、少しお湯の温度を低めでひっくり返すなど、いろいろ実験してみたいと思っている。コーヒー豆の分量も試行錯誤中。しかし基本的にナポレターレはテクニック不要である。
だから家電メーカーにお願い。
ナポレターナ方式の全自動コーヒーメーカー作って!
wassho at 08:54│Comments(0)│
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