2012年06月07日
宇宙大作戦 長年の謎
宇宙大作戦とはアメリカのテレビドラマシリーズ。カーク船長率いるUSSエンタープライズ号が宇宙のあちこちで、様々な事件に遭遇したり新たな発見をするSF物語。後に映画化もされて、その頃から邦題の宇宙大作戦よりスタートレックという英文の呼び方のほうが一般的になった。トレック(trek)は旅行の意味だが、遠くや困難な場所に出かけるニュアンスがある。
私が初めてテレビで見たのは高校生の頃。その時すでに何度目かの再放送だったように思う。深夜に放送していたので、もっと子供の頃は知らなかったのだろう。でーーー私はいたく気に入り、当時はそんな言葉遣いはなかったが、どっぷりと「ハマった」。
いつかこのブログで高校3年生の6月に大学受験までに勉強できる残り時間を計算し、そのあまりの少なさに慌てて取り憑かれたように受験勉強を始めた話を書いた。その時も宇宙大作戦を観る1時間は、食事や睡眠時間と同じように、生きていく上で必要な時間としてその残り時間から除外して計算したくらいである。
宇宙大作戦の何にハマったかというとSFらしい未来的なハイテク装置や兵器もよかったけれど、なによりも毎回、人間の本質を描くような文学性があったから。怪獣が出てきて退治するだけの日本のSFドラマとはずいぶん違った。本当は「こんな素晴らしいストーリーがあった」と紹介したいところであるものの、あまりに昔のことなので、細かな内容はもうすっかり忘れてしまっている。
宇宙大作戦はその後に何度も再放送され、その度に熱心に観ていたので(まだビデオで録画する時代ではなかった)、たぶん全話見たと思う。その後の6本の映画ももちろんすべて観た。
宇宙大作戦には主役のカーク船長以外にも何名かのレギュラーメンバー(エンタープライズ号の乗組員)が登場する。一番有名なのは、ほぼ主役同格のバルカン星人で副長のスポック。熱血漢のカークに「船長、それは非論理的です」とクールに言い放つスポックは、たぶん私の人格形成にも多大な影響を与えた(^^ゞ
脇役のメンバーにチャーリーという機関主任がいた。設定はスコットランド人の天才的エンジニアで憎めないキャラクター。ところで宇宙大作戦は23世紀が舞台なので、エンタープライズ号のコンピューターはすべて人間が話しかければ答えてくれる。
何作目かの映画でエンタープライズ号はタイムマシン的に1986年の地球に戻ってくる。チャーリーはその現代の地球でパソコンに「コンピューター!」といつものように呼びかけてもウンともスンとも返事がなく、「あっ、ここは昔の世界だと忘れていた。きっとこれがこの時代ではマイクと呼ばれていた音声入力装置だ」と得意げにマウスを握って話しかける。このシーンは映画館でも爆笑の渦。その後、彼は超人的なスピードでキーボードを叩くのだが、その映画で使われていたパソコンがマックだったの印象的だった。マッキントッシュ・プラスという機種で、私が初めて使ったマックでもある。
さて、このチャーリー。テレビの宇宙大作戦ではチャーリーなのに、映画版ではスコットという名前なのである。演じている俳優は同じ。テレビと映画で配役の設定も変わっていない。ナンデ名前が変わるの? 昔のテレビの時に翻訳を間違えたのかとも思ったが、チャーリーとスコットじゃ間違えようもないーーーそれが長年の謎だった。
ところが先々週CNNで”「スター・トレック」俳優の遺灰、宇宙へ”と書かれた記事を見つけた。亡くなっていたことも知らなかったが、何とあの役名は「チャーリー・スコット機関主任」だったのね!
まずは合掌
でも宇宙大作戦で活躍したあなたが
宇宙葬されるなんて本当のハッピーエンドだと思う。
長年の謎とは書きはしたものの、もちろん真剣に悩んでいたわけではない。最初の映画が公開された時、つまりチャーリーじゃなくてスコットに名前が変わった時、まだインターネットはなかった。それでも調べようと思えば調べられただろう。今ならネットの検索で一発である。
今は何でもネットで簡単に調べられて便利で、私もよく検索するけれど、すぐ答えを知ってしまうのではなく、しばらく悩んだり自分で考えたりしないと脳が退化しないかと心配になることもある。また「なんでチャーリーがスコットになった?」と疑問に思ったりするのは、大げさに言えば私の宇宙大作戦の楽しみ方のひとつだったような気もする。
というわけで、私が少々このブログでおかしなことを書いても、
ネットで調べて「間違っている!」なんて言わないで(^^ゞ
wassho at 09:44│Comments(0)│
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