2012年06月09日
レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想 展
そのうち行こう行こうとグズグズしているうちに、気がつけば会期終了1日前。混んでるだろうな〜入場するまでに並ぶんだろうなあ〜。しかも朝からずっと雨。クジケかけたが何とか見に行ってきた。実は特別に見たい絵があったわけではない。でも、これを逃せばたぶん一生見られない光景が、この展覧会にはあったから。
話は変わるが、昨年は心が滅んでいて?満開になるまで気がつかなかった駅に行く途中のアジサイ。今年は咲き始めから眺めている。ところで実家のアジサイのまわりでよくカタツムリを見かけたせいか、私の意識の中でアジサイとカタツムリはセットの存在である。皿に載ったエスカルゴを別にすれば、もう長い間見ていない。不審者に間違われない程度にアジサイのある植え込みの中を探してみたが、残念ながらカタツムリはいなかった。絶滅危惧種?
展覧会は渋谷の東急文化村でおこなわれている。東急百貨店本店に隣接している施設で渋谷駅から行くには109の右側、つまり道玄坂を上がっていけばいい。でもわざと左側の道を進み途中で右折する。そのあたりは円山町。昔の花街で今はラブホテルやクラブ(音楽のほうね)が密集しているエリア。どこか裏渋谷的なイメージがあって何となく好き。
到着したのは2時頃。特に並ぶこともなく入ることができた。
でも会場内はかなり人が多かった。
ところでアジサイを見ればカタツムリが連想ゲームのように思う浮かぶのだが、私は昔からダ・ヴィンチとミケランジェロ、どっちがどっちだったかどうも混乱する。どちらもイタリアのルネサンス期(14〜16世紀)の巨匠で、ダ・ヴィンチが絵画寄り、ミケランジェロが彫刻や建築寄りである。しかし両者の名前の語感はまったく違っても、日本語の語感とはかけ離れているという点で一致しているからだろうか? でも数年前ダ・ヴィンチ・コードという映画があって、あれはダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が大きく取り上げているから、それでようやくダ・ヴィンチ=ダ・ヴィンチ・コード=絵のほうの巨匠という区別がぱっと思い出せるようになった。
●「ほつれ髪の女」レオナルド・ダ・ヴィンチ
展示会のポスターにもなっている今回のメイン。30センチ四方くらいの小さな作品。よく描けていると思うが、別に「フ〜ン」というのが正直な感想。
ダ・ヴィンチは誰でも知っている有名画家だが、彼自身が描いて残っている作品は10数点と少ないらしい。だからこの展示会も、ダ・ヴィンチが下絵を描いて弟子が仕上げたとか、ダ・ヴィンチが構想して他の画家が描いたというようなものが多い。ルネサンス期はそういう工房システムで制作されていた時代でもある
●「衣紋の習作」レオナルド・ダ・ヴィンチ
これも数少ないダ・ヴィンチ自身が描いたものだが、こんなもの見せられてもーーー。美大の学生、いや美術部の高校生でも描けるかな。まあ美術品は作家のネームバリューによって価値というか、ありがたみが決まるようなところがあるから、私も「あのダ・ヴィンチが練習書きしたものをこの目で見た」と喜んでおくことにしよう。
●「岩窟の聖母」レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子
宗教的な作品。左の赤ちゃんがイエス・キリストで、右の赤ちゃんがイエスに洗礼を与えるヨハネらしい。そのあたりあまりよくわからないが、彼の代表作モナリザもそうだけれど、ダ・ヴィンチは岩山みたいなものを描くのが好きなのかなあと、どうでもいいような想像をしてしまった。
実はこの絵は3枚あって、フランスのルーブルとロンドンのナショナルギャラリーにあるのがダ・ヴィンチ自身によるもの。展示されていたのは弟子との共作みたいなものか。評判がよくて注文が多かったのかな? ロンドン版は非キリスト教徒には同じ構図にしか見えないが、イエスとヨハネの位置が解釈的には逆になっているらしい。ちなみに今回展示されていた絵は個人の所蔵物。どんな金持ち、あるいは由緒正しい人間なのか気になるね。
●「レダと白鳥」レオナルド周辺の画家
レオナルド周辺の画家って誰よ?という気もするが、これはダ・ヴィンチが下絵を描いた作品らしい。ギリシャ神話がモチーフの絵画で、白鳥に変身したゼウスがレダという女性を誘惑しているというストーリー。ゼウスは一番偉い神様なのに、女たらしでも有名な憎めないヤツ。でも変身の術を使うなんてズルイ(^^ゞ
●「カーネーションの聖母」ラファエロとその工房(帰属)
ダ・ヴィンチにもカーネーションの聖母という絵があるが、展示されていたのは同時代のラファエロの作品。ちなみにダ・ヴィンチとミケランジェロとラファエロの3人がルネサンスの三代巨匠ということになっている。
作者名の「ラファエロとその工房」というのはラファエロがプロデュースしている工房で制作された、ラファエロ自身が描き手に加わっていたかどうかはわからないが、全くの無関係ではなかったという意味。そして「帰属」とは学説上ラファエロ工房で制作されたということになっているという意味。というわけで、いったい誰が描いた絵なのかハッキリしないのだが(^^ゞ
しかしラファエロらしい優しい絵で、ダ・ヴィンチ展なのに今回一番気に入ったのがこの絵。ダ・ヴィンチの絵はゴツゴツしているからね。でもこの手の宗教画を見ていつも思うのは、赤ちゃんの顔が大人なこと。ただの赤ちゃんじゃなくて神様や天使だからだろうか?
ちなみに母の日のカーネーションとの関係はよくわからないが、キリスト教でカーネーションは「イエスの受難」を表す植物らしい。イエスが十字架に貼り付けにされて息を引き取ったとき、聖母マリアの流した涙がカーネーションにかわったとか。
ついでにダ・ヴィンチのカーネーションの聖母も参考に。
あっ、やっぱり岩山を描いている!
ーーー続く
話は変わるが、昨年は心が滅んでいて?満開になるまで気がつかなかった駅に行く途中のアジサイ。今年は咲き始めから眺めている。ところで実家のアジサイのまわりでよくカタツムリを見かけたせいか、私の意識の中でアジサイとカタツムリはセットの存在である。皿に載ったエスカルゴを別にすれば、もう長い間見ていない。不審者に間違われない程度にアジサイのある植え込みの中を探してみたが、残念ながらカタツムリはいなかった。絶滅危惧種?
展覧会は渋谷の東急文化村でおこなわれている。東急百貨店本店に隣接している施設で渋谷駅から行くには109の右側、つまり道玄坂を上がっていけばいい。でもわざと左側の道を進み途中で右折する。そのあたりは円山町。昔の花街で今はラブホテルやクラブ(音楽のほうね)が密集しているエリア。どこか裏渋谷的なイメージがあって何となく好き。
到着したのは2時頃。特に並ぶこともなく入ることができた。
でも会場内はかなり人が多かった。
ところでアジサイを見ればカタツムリが連想ゲームのように思う浮かぶのだが、私は昔からダ・ヴィンチとミケランジェロ、どっちがどっちだったかどうも混乱する。どちらもイタリアのルネサンス期(14〜16世紀)の巨匠で、ダ・ヴィンチが絵画寄り、ミケランジェロが彫刻や建築寄りである。しかし両者の名前の語感はまったく違っても、日本語の語感とはかけ離れているという点で一致しているからだろうか? でも数年前ダ・ヴィンチ・コードという映画があって、あれはダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が大きく取り上げているから、それでようやくダ・ヴィンチ=ダ・ヴィンチ・コード=絵のほうの巨匠という区別がぱっと思い出せるようになった。
●「ほつれ髪の女」レオナルド・ダ・ヴィンチ
展示会のポスターにもなっている今回のメイン。30センチ四方くらいの小さな作品。よく描けていると思うが、別に「フ〜ン」というのが正直な感想。
ダ・ヴィンチは誰でも知っている有名画家だが、彼自身が描いて残っている作品は10数点と少ないらしい。だからこの展示会も、ダ・ヴィンチが下絵を描いて弟子が仕上げたとか、ダ・ヴィンチが構想して他の画家が描いたというようなものが多い。ルネサンス期はそういう工房システムで制作されていた時代でもある
●「衣紋の習作」レオナルド・ダ・ヴィンチ
これも数少ないダ・ヴィンチ自身が描いたものだが、こんなもの見せられてもーーー。美大の学生、いや美術部の高校生でも描けるかな。まあ美術品は作家のネームバリューによって価値というか、ありがたみが決まるようなところがあるから、私も「あのダ・ヴィンチが練習書きしたものをこの目で見た」と喜んでおくことにしよう。
●「岩窟の聖母」レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子
宗教的な作品。左の赤ちゃんがイエス・キリストで、右の赤ちゃんがイエスに洗礼を与えるヨハネらしい。そのあたりあまりよくわからないが、彼の代表作モナリザもそうだけれど、ダ・ヴィンチは岩山みたいなものを描くのが好きなのかなあと、どうでもいいような想像をしてしまった。
実はこの絵は3枚あって、フランスのルーブルとロンドンのナショナルギャラリーにあるのがダ・ヴィンチ自身によるもの。展示されていたのは弟子との共作みたいなものか。評判がよくて注文が多かったのかな? ロンドン版は非キリスト教徒には同じ構図にしか見えないが、イエスとヨハネの位置が解釈的には逆になっているらしい。ちなみに今回展示されていた絵は個人の所蔵物。どんな金持ち、あるいは由緒正しい人間なのか気になるね。
●「レダと白鳥」レオナルド周辺の画家
レオナルド周辺の画家って誰よ?という気もするが、これはダ・ヴィンチが下絵を描いた作品らしい。ギリシャ神話がモチーフの絵画で、白鳥に変身したゼウスがレダという女性を誘惑しているというストーリー。ゼウスは一番偉い神様なのに、女たらしでも有名な憎めないヤツ。でも変身の術を使うなんてズルイ(^^ゞ
●「カーネーションの聖母」ラファエロとその工房(帰属)
ダ・ヴィンチにもカーネーションの聖母という絵があるが、展示されていたのは同時代のラファエロの作品。ちなみにダ・ヴィンチとミケランジェロとラファエロの3人がルネサンスの三代巨匠ということになっている。
作者名の「ラファエロとその工房」というのはラファエロがプロデュースしている工房で制作された、ラファエロ自身が描き手に加わっていたかどうかはわからないが、全くの無関係ではなかったという意味。そして「帰属」とは学説上ラファエロ工房で制作されたということになっているという意味。というわけで、いったい誰が描いた絵なのかハッキリしないのだが(^^ゞ
しかしラファエロらしい優しい絵で、ダ・ヴィンチ展なのに今回一番気に入ったのがこの絵。ダ・ヴィンチの絵はゴツゴツしているからね。でもこの手の宗教画を見ていつも思うのは、赤ちゃんの顔が大人なこと。ただの赤ちゃんじゃなくて神様や天使だからだろうか?
ちなみに母の日のカーネーションとの関係はよくわからないが、キリスト教でカーネーションは「イエスの受難」を表す植物らしい。イエスが十字架に貼り付けにされて息を引き取ったとき、聖母マリアの流した涙がカーネーションにかわったとか。
ついでにダ・ヴィンチのカーネーションの聖母も参考に。
あっ、やっぱり岩山を描いている!
ーーー続く