2012年08月15日

夏の公園でアーウィン・ショー

夏の休みになると楽しみにしていることがひとつある。
それは公園で本を読むこと。
公園が気に入っているのでも、読書がしたいのでもなく
公園にいるとなぜか涼しいから。


家の中にいると暑い。
たとえエアコンで充分に室温が下がっていても何となく暑い。でも、昔から不思議に思っているのだが公園の木陰にいると、たとえ猛暑日でも涼しくて汗ひとつかかないのである。
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理由はよくわからない。理屈的に涼しいはずがないし、気温を計ればエアコンが効いた部屋より高いはずである。公園は広々としていて風がよく通るからくらいしか思いつかないが、木陰とはいえ炎天下の屋外で汗もかかないのは不思議。でもとりあえず涼しくて気持ちいいから、暇なときはよく公園に出かける。


読書するのは、本でも読まないと間が持たないから。
それで涼みに出かけているわけだから、小難しいものは読まない。


アーウィン・ショー(1913-1984年)は短編が多いアメリカの小説家。何となく昔からファンで十数冊ほど持っている。でも、あまり人気がないのか彼の本は現在すべて絶版。心理的葛藤を描くのがうまいといえるが、基本的に毒にも薬にもならない小説で、読んだ次の日に内容を覚えていることはない(^^ゞ 代表作の「夏服を着た女たち」も、どんな話だったかはさっぱり忘れた。でも私はそんな軽いタッチの小説が好きなのである。

それと彼の作品は1930年代から50年代に書かれたものが多い。ネットや携帯はなくても、自動車や旅客機は日常的で、オフィスには大きなタイプライターが並び、スーツの大人は帽子をかぶっていた、いわゆる古き良きアメリカの文明社会が背景。貴族社会のヨーロッパなら空想の世界でも、この頃の外国ならリアリティを感じながら読むことができる。


春頃に、ふと「アーウィン・ショーの小説で読んでいないものって、どれくらいあるんだろう」と思いつき、調べてみると私が読んだのは彼の作品(邦訳)の半分くらいだとわかった。アマゾンで調べたら、そのうちの1冊で新品の在庫があった(中古はたくさん売られている)ので即注文。

本が届いたときに「待てよ、アーウィン・ショーほど夏の公園で読むのにふさわしいものはない」と気づき、本日までキープしておいたしだい。よく考えたら彼の小説を読むのは20年ぶりくらいかな。楽しかったよ、もう内容はほとんど忘れたけれど(^^ゞ


本日はお盆で終戦記念日。
この2つが同じ日なのは何か意味があるような気がする。
それはともかく、残暑お見舞い申し上げます。
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wassho at 19:53│Comments(0) 映画、ドラマ、文学 

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