2013年03月26日

選挙無効判決

前回の総選挙で1票の価値に2.43倍の格差があったとして、昨日、広島高裁は広島県の2つの選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡した。本日は岡山でも同じく無効判決。

昨日からよく報道されているのでご存じかと。無効判決が出たのは戦後初めてと各社同じように伝えているが、戦前に無効判決が出て、その結果どうなったのかについては各社同じように伝えてくれない(/o\)

日本で選挙が始まったころの格差はどれくらいか興味あるところだが、ざっと調べた程度ではわからなかった。とにかく現在、一票の格差は最大で

    衆議院選挙区:2.43倍
    参議院選挙区:5.07倍

もある。おまえの価値など6割引とか、半分の半分よりさらに少ないといわれているようなものだからひどいものである。

選挙区内の人口が違うから、こういう格差が起きる。だからそれを解消するには、いわゆる選挙区の区割りを変更するしかない。人口の少ない選挙区の選出議員を減らす、あるいは逆に人口の多いところで増やす。単純な算数の問題。小選挙区だから選挙区の合併や分割となる。


それで国会というか政治家がやろうとしているのは

    衆議院選挙区:0増5減
    参議院選挙区:4増4減

それぞれの意味の解説は省略。
だがしかし、衆議院議員は480名、参議院議員は242名もいるのである。直感的にわかると思うが、0増5減や4増4減のチマチマした数字いじりで格差が解消するわけがない。それぞれの定数是正が導入されたとして


    衆議院選挙区:0増5減:2.43倍から1.79倍に
    参議院選挙区:4増4減:5.07倍から4.75倍に

と目くそ鼻くそ程度の効果しかない。

一票の重みは同じが原則のはずなのに、原則はあくまで原則というのが本音と建前を使い分けるこの国のわかりづらいところ。なぜか(衆議院では)格差は2倍以下に収まっていればいいというおかしな基準が幅をきかせており、自民党の石破幹事長は判決を聞いて「広島の選挙区は格差が2倍以下なのになぜ無効判決になったのか?」という始末。


選挙区の区割りがどうなるかは政治家にとって最大の関心事だから、どんなプランを立てたって大反対が起きる。目くそ鼻くその0増5減だって、これからスッタモンダするはず。人口は流動するからぴったり一票の価値を同じにすることはできないが、私の感覚なら許される格差は1.2倍くらいまで。それを実現するような抜本的な改革なんてひっくり返っても無理。もしそれが実現するなら、それはペリーやマッカーサー並の外圧があったときしか考えられないのがこの国の情けないところ。


(以前にも書いたような気もするが)
でも、発想を変えれば一票の格差なんて簡単に解消できる。区割りや議員定数なんかを変更しなくても大丈夫。必要な費用は2000〜3000万くらいかな。


    衆議院も参議院のように押しボタン式の投票装置を導入する。
    そして議員諸君が投じる「一押し」は一票ではなく、その選挙区の
    有権者数をカウントする。

以上。

メッチャ簡単でしょ?

wassho at 22:33│Comments(0) 社会、政治、経済 

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