2013年09月22日
バイクで美術館巡り
何となく、あまり遠くまでツーリングする気持ちが起きず、かといって近所をブラブラを走ってもつまらない。さてどうする?と考えて、三浦半島と湘南にある2つの美術館にバイクで出かけてきた。箱根のポーラ美術館以来久しぶりの美術館ツーリングである。
三浦半島・湘南方面に行く時は第三京浜→横浜新道→横浜横須賀道路がいつものルート。でも今回は首都高の湾岸線から横浜横須賀道路に入った。このルートは横浜の中心部をパスできるので渋滞が少ない。ただし首都高湾岸線は私の住んでいるエリアに下り方向の入口がなく、第三京浜に乗るのと較べて3倍くらい遠いアクアラインと共通の入り口まで走らなければならない。
ベイブリッジを渡り、横浜の港を眺めながら首都高湾岸線を快走。ただし現在は白バイやパトカーを「1匹見かけたら30匹いると思え!」の秋の交通安全週間。いつも以上に慎重に周りの状況を伺いながら走る。
横浜横須賀道路を終点で降りれば馬堀海岸。少し走れば観音崎で、岬のすぐ手前に最初の目的地である横須賀美術館がある。
手前に芝生が広がるおしゃれな建物。建物がすべてガラスで覆われているのが特徴。海沿いに建っているので塩害を防ぐためと説明されているが、そんなことをいったら海沿いの建物はすべてそうなっていなくてはならない。まあこういうデザインにしたかったんだろう。ちなみに2007年に開館した新しい美術館である。
観音崎の岬は目と鼻の先。
建物の位置から海側を眺めたところ。なかなかの景色。しかしこのコンクリートのスロープはレンガやタイルにできなかったのか。
入り口を入ってすぐは売店なので、こんな説明がでている。
入り口の奥から外側を眺めたところ。
横須賀美術館で現在開催中の企画展は「たいけん、ぼうけん、びじゅつかん!」。文字変換を忘れたわけじゃない。サブタイトルが「親子で楽しむ現在アート」となっている。つまり子供向けの企画(/o\) しかも私の嫌いなモダンアート(/o\) でも常設展もあるし、モダンアートは食わず嫌いなところもあるから、子供向けから挑戦してみるのもいいかと。
最初の展示室は石ころがいろいろテーブルにおいてあった。
それを触るとテーブルの上に設置されているプロジェクターから、こんな影絵が出てきたりーーーその他いろいろ。(写真はネットから)
次の展示室では、こんな黄色のトンネルの中を歩かされたりーーー
このトンネルは展示室の中に収まりきらないので、館内を歩いていると、あちこちで見ることになる。
かと思えば、こんな巨大なサッカーゲームーーー
選手は黒船来港の時のアメリカ人と幕府の役人かな。
おもしろかったよ、石ころもトンネルも。サッカーゲームは私は参加しなかったけれど子供達は大はしゃぎしていた。でも、これがアートかというと「ハア?」という感想になってしまう。子供向けでも、やっぱりモダンアートは私の趣味に合わないみたい。酔えるかどうかがアートに対する私の価値基準。
常設展(美術館のコレクションの展示)はそこそこよかった。ほとんどが日本人の洋画家の作品。考えてみたら普段見に行くのは海外からやってくる企画展がほとんどだから、日本人の描いた絵を見ることは少ない。唸ったり欲しいという衝動に駆られる絵はなかったが、たまには醤油風味もいいもの。人も少ないのでのんびり鑑賞できた。
入り口を入ってすぐのところが橋のようになっていて、
その上から見えた常設展の一部。
こちらに写っているのは常設のモダンアート。いわゆるインスタレーション(設置芸術)。同じ置物でも彫刻などは彫刻そのものに価値があるが、インスタレーションは作品を置いた空間自体が作品でありアートだという考え方。モノが置かれるだけでなく映像が上映されるインスタレーションもある。最近やたら多いが、置かれているモノにも空間にも興味を引かれたことは一度もない。やっぱりモダンアートは苦手である。頭かたいのかな。
横須賀美術館には谷内六郎の特別コレクションがあって常設されている。谷内六郎とは週刊新潮の表紙を描いていた人。
週刊新潮を買ったこともなければ、待合室かどこかで最後に読んだのがいつだったかの記憶もハッキリしないが、この画風は何となく見覚えがあった。モチーフは戦前戦中あたりかな(谷内六郎は大正10年1921年生まれ)。私の世代だとリアルな懐かしさは感じないが、こういう風景があったんだろうなあということは想像がつく。見ているうちに心がなごんでくる絵である。
谷内六郎のコレクションは常設展とは別の展示室にある。そしてそこには外に出る扉が。扉のところにいる係員に「向こうは出口はありませんから、こちらに戻ってきてください」とヘンなことを言われ外に出ると中庭のようになっている。
中庭を見るための出入り口だったのかと思っていたら、反対側の物置のようなものに展示室の文字が。何これ?と近づくと自動ドアになっている扉が開いてビックリ。扉の向こうに谷内六郎の展示室がもうひとつあった。雨の日はどうするのかね。(どこの美術館でも作品保護のために傘は持って入れないようになっている)
扉が開いた時にはビックリしたが、
ワケのわからないインスタレーションよりはよっぽどおもしろい。
建物の横に裏山方向に伸びている小径があった。
少し登ると美術館の屋上に着き、その隣が芝生広場になっていた。
ガラスで覆われた屋根越しに眺める海。
展望室。
外を歩かずとも下からここまでエレベーターで上がってこられる。
美術館の裏山。
ローアングルで撮ったらおもしろい写真になったが、
海が写らない。
屋上の広場の横にさらに上に続く小径が。
気温はたぶん30度以上あって暑かったのだが、
ついフラフラと。
道は整備されているが木の生え方は密林ぽい。
5分ほど登ったところにあった煉瓦造りの建物。
周りは立ち入り禁止になっていて、目にできたのはここだけ。
この周りには砲台跡がたくさんあるので、司令所か弾薬庫だったのかな。
戦争映画で、こんな弾よけの道を見たことがある。
明治27年は1894年。2013年から引けば119年前。1894年は日清戦争が始まった年。その頃から東京湾防衛のために砲台や要塞が作られ始めたらしい。
砲台跡といっても何も残っていない。
砲台やツワモノどもが夢の跡(盗作)
どの砲台跡も同じようなつくり。
砲台の壁は人の背より高く海も見えない。
レンガの建物、砲台跡と同じ並びにあった三軒家園地。
家などなかったはずだが三軒家という地名。園地とは公園というような意味。
ベンチなどがある広場。
ここは見晴らしがよい。
三軒家園地の入り口から見た登ってきた道。
この道沿いに砲台跡がいくつかあって、一番奥にレンガの建物がある。
道はここで90度曲がって続いている。
探検の続きはまた次の機会に。
このあたり一帯はかなり広い公園になっている。
ついでにいうと、この公園の西隣が防衛大学。防衛大学は知っていても場所は知らない人のほうが多いと思う。
駐車場は地下にあってバイク専用の区画もある。
展覧会の入場料を払えば無料になる。駐車場には「入場料を払えば1時間無料」と張り紙がしてあるが、入場料を払う時に押されるスタンプは日付だけなので1日無料になるみたい。
海の眺めはいいし、絵を見たついでに散歩もできるし横須賀美術館はいいところである。へんぴな場所のイメージがあるが、京急の馬堀海岸駅からタクシーで10分くらいだからクルマやバイクがなくても大丈夫。
ーーー続く。
三浦半島・湘南方面に行く時は第三京浜→横浜新道→横浜横須賀道路がいつものルート。でも今回は首都高の湾岸線から横浜横須賀道路に入った。このルートは横浜の中心部をパスできるので渋滞が少ない。ただし首都高湾岸線は私の住んでいるエリアに下り方向の入口がなく、第三京浜に乗るのと較べて3倍くらい遠いアクアラインと共通の入り口まで走らなければならない。
ベイブリッジを渡り、横浜の港を眺めながら首都高湾岸線を快走。ただし現在は白バイやパトカーを「1匹見かけたら30匹いると思え!」の秋の交通安全週間。いつも以上に慎重に周りの状況を伺いながら走る。
横浜横須賀道路を終点で降りれば馬堀海岸。少し走れば観音崎で、岬のすぐ手前に最初の目的地である横須賀美術館がある。
手前に芝生が広がるおしゃれな建物。建物がすべてガラスで覆われているのが特徴。海沿いに建っているので塩害を防ぐためと説明されているが、そんなことをいったら海沿いの建物はすべてそうなっていなくてはならない。まあこういうデザインにしたかったんだろう。ちなみに2007年に開館した新しい美術館である。
観音崎の岬は目と鼻の先。
建物の位置から海側を眺めたところ。なかなかの景色。しかしこのコンクリートのスロープはレンガやタイルにできなかったのか。
入り口を入ってすぐは売店なので、こんな説明がでている。
入り口の奥から外側を眺めたところ。
横須賀美術館で現在開催中の企画展は「たいけん、ぼうけん、びじゅつかん!」。文字変換を忘れたわけじゃない。サブタイトルが「親子で楽しむ現在アート」となっている。つまり子供向けの企画(/o\) しかも私の嫌いなモダンアート(/o\) でも常設展もあるし、モダンアートは食わず嫌いなところもあるから、子供向けから挑戦してみるのもいいかと。
最初の展示室は石ころがいろいろテーブルにおいてあった。
それを触るとテーブルの上に設置されているプロジェクターから、こんな影絵が出てきたりーーーその他いろいろ。(写真はネットから)
次の展示室では、こんな黄色のトンネルの中を歩かされたりーーー
このトンネルは展示室の中に収まりきらないので、館内を歩いていると、あちこちで見ることになる。
かと思えば、こんな巨大なサッカーゲームーーー
選手は黒船来港の時のアメリカ人と幕府の役人かな。
おもしろかったよ、石ころもトンネルも。サッカーゲームは私は参加しなかったけれど子供達は大はしゃぎしていた。でも、これがアートかというと「ハア?」という感想になってしまう。子供向けでも、やっぱりモダンアートは私の趣味に合わないみたい。酔えるかどうかがアートに対する私の価値基準。
常設展(美術館のコレクションの展示)はそこそこよかった。ほとんどが日本人の洋画家の作品。考えてみたら普段見に行くのは海外からやってくる企画展がほとんどだから、日本人の描いた絵を見ることは少ない。唸ったり欲しいという衝動に駆られる絵はなかったが、たまには醤油風味もいいもの。人も少ないのでのんびり鑑賞できた。
入り口を入ってすぐのところが橋のようになっていて、
その上から見えた常設展の一部。
こちらに写っているのは常設のモダンアート。いわゆるインスタレーション(設置芸術)。同じ置物でも彫刻などは彫刻そのものに価値があるが、インスタレーションは作品を置いた空間自体が作品でありアートだという考え方。モノが置かれるだけでなく映像が上映されるインスタレーションもある。最近やたら多いが、置かれているモノにも空間にも興味を引かれたことは一度もない。やっぱりモダンアートは苦手である。頭かたいのかな。
横須賀美術館には谷内六郎の特別コレクションがあって常設されている。谷内六郎とは週刊新潮の表紙を描いていた人。
週刊新潮を買ったこともなければ、待合室かどこかで最後に読んだのがいつだったかの記憶もハッキリしないが、この画風は何となく見覚えがあった。モチーフは戦前戦中あたりかな(谷内六郎は大正10年1921年生まれ)。私の世代だとリアルな懐かしさは感じないが、こういう風景があったんだろうなあということは想像がつく。見ているうちに心がなごんでくる絵である。
谷内六郎のコレクションは常設展とは別の展示室にある。そしてそこには外に出る扉が。扉のところにいる係員に「向こうは出口はありませんから、こちらに戻ってきてください」とヘンなことを言われ外に出ると中庭のようになっている。
中庭を見るための出入り口だったのかと思っていたら、反対側の物置のようなものに展示室の文字が。何これ?と近づくと自動ドアになっている扉が開いてビックリ。扉の向こうに谷内六郎の展示室がもうひとつあった。雨の日はどうするのかね。(どこの美術館でも作品保護のために傘は持って入れないようになっている)
扉が開いた時にはビックリしたが、
ワケのわからないインスタレーションよりはよっぽどおもしろい。
建物の横に裏山方向に伸びている小径があった。
少し登ると美術館の屋上に着き、その隣が芝生広場になっていた。
ガラスで覆われた屋根越しに眺める海。
展望室。
外を歩かずとも下からここまでエレベーターで上がってこられる。
美術館の裏山。
ローアングルで撮ったらおもしろい写真になったが、
海が写らない。
屋上の広場の横にさらに上に続く小径が。
気温はたぶん30度以上あって暑かったのだが、
ついフラフラと。
道は整備されているが木の生え方は密林ぽい。
5分ほど登ったところにあった煉瓦造りの建物。
周りは立ち入り禁止になっていて、目にできたのはここだけ。
この周りには砲台跡がたくさんあるので、司令所か弾薬庫だったのかな。
戦争映画で、こんな弾よけの道を見たことがある。
明治27年は1894年。2013年から引けば119年前。1894年は日清戦争が始まった年。その頃から東京湾防衛のために砲台や要塞が作られ始めたらしい。
砲台跡といっても何も残っていない。
砲台やツワモノどもが夢の跡(盗作)
どの砲台跡も同じようなつくり。
砲台の壁は人の背より高く海も見えない。
レンガの建物、砲台跡と同じ並びにあった三軒家園地。
家などなかったはずだが三軒家という地名。園地とは公園というような意味。
ベンチなどがある広場。
ここは見晴らしがよい。
三軒家園地の入り口から見た登ってきた道。
この道沿いに砲台跡がいくつかあって、一番奥にレンガの建物がある。
道はここで90度曲がって続いている。
探検の続きはまた次の機会に。
このあたり一帯はかなり広い公園になっている。
ついでにいうと、この公園の西隣が防衛大学。防衛大学は知っていても場所は知らない人のほうが多いと思う。
駐車場は地下にあってバイク専用の区画もある。
展覧会の入場料を払えば無料になる。駐車場には「入場料を払えば1時間無料」と張り紙がしてあるが、入場料を払う時に押されるスタンプは日付だけなので1日無料になるみたい。
海の眺めはいいし、絵を見たついでに散歩もできるし横須賀美術館はいいところである。へんぴな場所のイメージがあるが、京急の馬堀海岸駅からタクシーで10分くらいだからクルマやバイクがなくても大丈夫。
ーーー続く。