2013年10月03日

神様から信者へ

マーケティングにおいて顧客を、その取引状況に応じて階層的に分類することがよくある。例えば「新規客←→既存客」というのは今まで買ったことがあるかどうかの単純な区別である。既存客の中でも「一度だけ買ってくれた客←→たまに買ってくれる客←→いつも買ってくれる客」などと別けられる。よく買ってくれる客でも「安いものしか買わない客←→高いものを買う客」がいる。分類の視点は目的に応じて様々だが、要は儲けさせてくれる度合いや重要性で顧客をランキングする考えである。


こんなランキングをするようになったのは「顧客の中の上得意客2割が売上の8割を占めている」などといったパレートの法則的な発想がベースにある。そしてそれはロイヤルティマーケティングという考え方につながっていく。ロイヤルティマーケティングというのは、その2割の上得意客を大事にしましょうというマーケティング。

ただし日本人はこのロイヤルティマーケティングが苦手である。2割の上得意客を大事にしましょうということに反論は出ない。ただしこれは、残りの8割を切り捨ててでもという意味なのである。

切り捨てなくてもいいじゃないかと思われるかもしれないが、これは単純にパイの奪い合いの問題。企業の対応能力は一定なので、今まで顧客全員に平等に対応していたものを、2割の上得意客に80%のパワーをさけば、残り8割には20%のパワーしか残らない。平等の価値が尊ばれる日本では、こういうことにものすごく抵抗がある。

それで結局、2割の上得意客にも残り8割への対応に毛の生えた程度のことしかできない(当然、上得意客はその対応では満足しない)。出来の悪い企業なら、挙げ句の果てに「我が社の対応能力を上げて、上得意客に最善を尽くすのはもちろん、その他の客にも今まで以上の対応をしましょう」なんて精神論に置き換わってしまう。



ちょっと話がそれたが、顧客を階層的に分類するという話。どう分類するかはもちろん様々。垂直的に分類されるとは限らないが、例えば

    最重要顧客
      ↑
     得意客
      ↑
     一般客
      ↑
     新規客

と分類したとする。もちろんネーミングも様々で最重要顧客はVIPとかスターゲストなんて呼ばれたりもする。ところで先日、ちょっと衝撃的な最重要顧客のネーミングを目にした。


ーーー続く

wassho at 23:09│Comments(0) マーケティング、ビジネス 

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