2013年10月23日
事前に避難する

台風27号&28号接近中。
1週間前の台風26号による土砂崩れで死者29名、行方不明者16名を出した伊豆大島では、高齢者を中心に希望する人に対して昨日から島外への避難を始めたと報じられている。27号が伊豆大島に達するのは25日と予想されているから3日前からの対応である。
3日前からの避難って今まであったっけ?思うと同時に、なぜ今まで事前に避難という発想がなかったのかという思いが強くなった。
どう考えたって事前に避難するほうが合理的なのである。避難なんてした経験はないけれど、暴風雨が吹き荒れている最中に突然避難してくださいといわれたら、とっても大変なことは容易に想像がつく。それは夜かもしれないし、電線が切れて停電して真っ暗かもしれない。ひょっとしたら増水して道が川のようになっているかもしれない。少なくとも雨でぬかるんだり滑りやすいはずだ。しかも危険が迫っているからと急かされるわけである。台風が来る前の昼間に避難するより100倍くらい困難だろう。慌てて避難して怪我をしたり発作などを起こす人もいるかもしれない。
ちょっと調べてみると、ハリケーン被害のあるアメリカでは3日くらい前から避難勧告が出されるみたいである。そういえばインドで100万人がサイクロンで避難したというニュースが最近あったなあと思い出して検索してみると、こちらは5日前から避難を開始していた。(ハリケーンとかサイクロンというのは台風のことで地域によって呼び名が違うだけ)
しかし100万人の避難って想像がつかないね。でも以前にサイクロン被害で1万人が死亡した教訓を元にした対策で、今回は死者15名に収まったとのことだから、その避難によって1万人の命が救われたともいえる。皆で逃げ出しただけの価値はあった。
事前避難がおこなわれていない理由を考えると
1)
そういう風習がない。避難というのは切羽詰まってからおこなうものだと思っている。単純なことのように聞こえるかもしれないが、世の中を変える時に風習は最大の抵抗勢力となる。人間は基本的に保守的なのである。
2)
予報が外れたらという心配がついて回る。
予報通り台風が来たからといって、避難が必要な状況になるとは限らない。
3)
上の2つとも関係するが、日本人は危機管理意識が希薄というか最悪の想定を踏まえて行動するという発想があまりない。
4)
事前避難=避難日数の増加だし、今そこにある危機の避難より広範囲の避難にならざるを得ないから、避難させる方もする方も負担が大きい。
こんなところかな。
事前避難で1万人が助かることもあると頭でわかっていても、事前避難という対応が普及することはない気がする。東日本大震災で津波の恐ろしさを身体で知ったからこそ、あれ以降、人々は津波警報には敏感である。今回、島外への事前避難をしている伊豆大島だって、29名が亡くなった台風26号では避難勧告すら出していない。まあ、世の中そんなものである。
避難所がなければ避難できないから、勝手に事前避難はできない。でも避難が必要な地域に住んでいる人は、イザ避難となった時の準備はしておいた方がいいかもしれない。ひょっとしたら、傘を差して避難するのとカッパを着て避難することが生死を分けるかもしれない。自分の身は自分で守りましょう。
天災は忘れた頃にやってくる。地震に備えて買ったミネラルウォーター、賞味期限が切れているから買い換えなきゃ(^^ゞ
wassho at 11:38│Comments(0)│
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