2013年12月04日
目の検査にご用心
健康とカラ元気くらいしか取り柄がないのだけれど、周りの人にも勧められて先週、健康診断へ行ってきた。なんと15年ぶりである。
血を採ったり検便したりの結果はまだ出ていない。検査結果は送られてくるものだとばかり思っていたが、健康診断を受けた病院に行って説明を受ける必要があるとのこと。そんな仕組みだったっけ? あまりに昔のことでよく覚えていないや。
身体とは別に眼科検診も受けてきた。これは身体を診てもらった病院とは別の眼科医でおこなう。眼科に行くなんて15年ぶりどころか、小学校低学年の頃にモノモライができて以来の出来事!
最初にいくつかの機器を覗いて検査をした。七色の小さなバルーン(気球)のようなものが前後に動くのを見つめたり、何かを見つめていたらいきなり目に向けて風が吹き出してくるものだったり。その後は視力検査。これはやたら丁寧にレンズを何度も交換してやってくれた。その後にまた検査機器を覗いて、全部終了したら先生による診察。
問診をして、目を診られた後に「今から瞳孔を開く目薬を点眼します」といわれ、そして「今日はクルマで来られていますか?」と尋ねられる。この日は自転車に乗ってきた。その旨伝えると「4〜5時間は遠近感がなくなるので、できたら自転車も乗らずに押して帰ることをお勧めします」とのこと。
健康診断の案内はザッと読んだだけ。でも採血するから何も食べずに来るようにとは書いてあったが、目の検診でクルマに乗れないなどという注意事項はなかったと思う。もしクルマで来ていたらどうなっていたんだろう? もっとも、その時は瞳孔が開く?遠近感がなくなる? ナニソレ? 別に針に糸を通すわけじゃないから遠近感なんて関係ないよというような気持ちだった。
目薬を差す。10分ほど待合室で待ってくれといわれる。
1分経過ーーー特に変化なし。
3分経過ーーー気のせいか普段よりハッキリ見えるような。
7〜8分経過した頃、目が少し温かくなってきたような気がしてくる。そして視界が少しぼやけてくるのを感じる。待合室で私の向かいに座っていた人の顔が、さっきまでよく見えたのにボンヤリしてきた。
10分ほどしたら看護婦がやってきてペンライトで私の目を照らして瞳孔の開き度合いを確認。これって、ドラマで死んでいるかどうかを確かめるためにやっているのと同じ(^^ゞ どうも私の瞳孔は頑固で開き度合いが少なかったらしく、また目薬を差される。5分後に見に来ますと看護婦。
ますます視界がボンヤリしてくる。壁に大きなポスターが貼ってあってキレイな女性の顔がアップで大きく載っていたのだが、もはや顔らしきものにしか見えない。遠近感がなくなるというより視力が失われていく感覚。例えるなら普段の視力で見えている光景と、水の中で目を開いた時の光景の中間くらいの感じ。しかし極めて近いところ、例えば自分の身体は普段と同じように見える。遠くがボンヤリしているせいか、いつもよりクッキリ見える気もしないではない。遠くのものが見づらい時に眼を細めるが、瞳孔が開くとはその逆ということなのだろう。
看護婦がまた瞳孔を確認しに来て、合格だったらしく診察室に呼ばれる。目を上下左右に動かして観察された後、目の写真を撮る。先生がそれを確認した後、いろいろ説明してくれる。途中で先生から「目にホコリが写っているように見えることはありませんか?」と尋ねられる。年に何回か、ホコリというより「顕微鏡で見る透明のバイ菌」みたいなものが見えることがあるのを思い出し答える。ではもうひとつ検査ということで、ドロッとした液体が入った容器というかレンズみたいなものを目に押しつけられ、再び先生が観察。
結論を言うと特に異常なし。
透明のバイ菌が見えるのは右目に少しキズがあるらしい。でも視力に支障はないし、今後に病気へつながるようなものではないとのこと。白内障(病名くらいしか知らないのだが)の兆候はあるが、誰でも加齢に従って多少は出てくる範囲に収まっているという説明だった。ちなみに視力は右0.6と左0.4で1〜2年前にメガネを作った時よりよくなっているような?
視界はまだボンヤリしていたが、検診が終わる頃には、それにも慣れてきたので問題はないと思っていた。視力が0.1くらいだったら、こんな感じなのかなあと思ったり。ところが医院の外に出てビックリ。
全然見えない!!!!
正確にいうと、こういうこと。
瞳孔が開く目薬によって、遠くのものがぼやけて見えるようになった。しかし医院の中では遠くのものといったって、それは部屋の壁止まりである。そして壁がぼやけて見えたところでたいして行動に影響はない。部屋の向こうの壁を気にして歩くわけじゃない。
それが外に出ると、ほとんどのものは部屋の壁よりさらに遠くにある。つまり医院の中は広さが限られているので、自分を中心に半径1メートルから壁で視界が遮られる5〜6メートル先までがよく見えない範囲のすべてだった。それが外に出てみれば半径1メートルから普段何気なく視界として意識している2〜300メートル先までもがよく見えなかったということ。建物の外に出ると見えない範囲が圧倒的に広がる。
これはけっこう衝撃的、そしてものすごく不安。空間認識というか自分がどこにいる、どういう状況にあるのかを知る情報が圧倒的に不足している感じ。先生に止められるまでもなくクルマの運転はしないだろうし、バイクなら怖くて乗れないと思う。当然、自転車は押して帰った。
この珍しい体験が文章で伝わったかどうかは自信がない。よかったら眼科医に行って「瞳孔が開く目薬を使う検査を受けたい」とお願いしてみて(^^ゞ それは冗談として、検診か何かで目の検査を受ける時は、そんな目薬を使うかどうかを確かめてから、クルマやバイクで行くかどうかを決めることをお勧めする。
wassho at 00:21│Comments(0)│
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