2014年03月10日

ウクライナあれこれ その4

もうほとんどウクライナとは関係ない話になってしまったが、 
前回、連邦についてあれこれ書いたのは、普段は当たり前と思っている国という形にも、いろいろ違いがあるんだなあと新鮮だったから。


ソ連はロシアが中心になって作った連邦国家。構成国はロシアを含めてのべ17カ国。途中で分割されて新しい国になったり、ロシアに吸収されたりした国もある。それぞれの正式名称には「ソビエト社会主義共和国」が名前の後ろにつく。でもウクライナは「社会主義ソビエト共和国」。なぜ語順を揃えなかったんだろう。

   (アイウエオ順)
   アゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国
   アルメニア・ソビエト社会主義共和国
   ウクライナ社会主義ソビエト共和国
   ウズベク・ソビエト社会主義共和国(ウズベキスタン)
   エストニア・ソビエト社会主義共和国
   カザフ・ソビエト社会主義共和国(カザフスタン)
   カレロ=フィン・ソビエト社会主義共和国※
   キルギス・ソビエト社会主義共和国(キルギスタン)
   グルジア・ソビエト社会主義共和国
   ザカフカース・ソビエト連邦社会主義共和国※
   タジク・ソビエト社会主義共和国(タジキスタン)
   トルクメン・ソビエト社会主義共和国(トルクメニスタン)
   モルダビア・ソビエト社会主義共和国(モルドバ)
   ラトビア・ソビエト社会主義共和国
   リトアニア・ソビエト社会主義共和国
   ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国
   白ロシア・ソビエト社会主義共和国(ベラルーシ)

※印がついているのは途中でなくなっている国。
( )内に書いてあるのは独立後に微妙に国名が変わった国。

ソ連が崩壊してそれぞれ独立して、その時に「ソビエト社会主義共和国」の名前は取れた。ただしウクライナ、グルジア、トルクメニスタン以外の国は、例えばアゼルバイジャン共和国というように後ろに共和国とつく。なおロシアはロシア連邦である。


リストアップして眺めてみると、※印のカレロ=フィンとザカフカースは私が生まれる前になくなっているから知らなくて当然として、その他はだいたい名前くらいは聞いたことがあるかな。なんとなく紛争がらみのニュースの時のような気もするけれど。ただしトルクメニスタンとモルドバという国名は聞いたことがあるようなないような微妙なレベル。「なんとかスタン」という国名が多いから紛らわしい。ちなみにスタンはペルシャ語で国とか地方を意味するらしい。


ところで国というのは、村があって町があって市があって都道府県があって、その最後の集合体、言い換えれば、それより上部組織がないのが国というイメージがある。でも連邦国家はそうではないわけで、ソ連時代にそれぞれの国の人にとって国家とはどんなイメージだったんだろうかと思う。

それと国家というのはオリンピックに参加する単位、国連に加盟する単位というイメージもある。ソ連の頃、オリンピックにソ連邦各国の選手はソ連の選手として参加していた。ウクライナで一番有名なスポーツ選手である棒高跳びのセルゲイ・ブブカも、金メダルを取った頃は「ソ連人」だった。関係ないけど昭和の大横綱である大鵬は、父親がウクライナ人だって知ってたあ?

しかしオリンピックではソ連という1つの単位だったのに、なぜか国連にはソ連とウクライナとベラルーシの3カ国で加盟していた。これには国連創設当時にこんなやりとりがあったらしい。

   ロシア 「ソ連邦の16カ国(当時)で加盟する」
   アメリカ「ふざけんな! だったら我が国は49州(当時)で加盟するゾ」

それで妥協が成立して、結局ウクライナとベラルーシがソ連とは別枠で加盟することになった。なんか子供のケンカみたいでおもしろいね。


ーーーまだ続く。

wassho at 08:27│Comments(0) 社会、政治、経済 

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