2014年05月05日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2014 その2

次に聴いたのが公演番号 : 126

   シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 op.105
   シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44


名前は誰でも知っているシューマン。小学校の授業で習った時「シューマイみたいな名前」と思ったのは私だけかな。シューマンは知名度の割に発売されるCDが少ないような印象があって、この際だから調べてみた。アマゾンのクラシック音楽ジャンルで「作曲家の名前 クラシック」で検索した結果

     モーツァルト    13430件
     バッハ       12039件
     ベートーベン    10290件
     ブラームス       6505件
     シューベルト      6406件
     チャイコフスキー    5380件
     ショパン        4887件
    ★シューマン       4350件
     メンデルスゾーン    3169件
     リスト         3089件
     マーラー        2636件
     ヴェルディ       2361件
     ラフマニノフ      2128件
     ブルックナー      1868件
     プロコフィエフ     1840件
     ロッシーニ       1449件
     パガニーニ       1271件
     ベルリオーズ      1231件
     エルガー        1212件
     ストラヴィンスキー   1152件
     プーランク       759件
     リゲティ        155件
     ツェムリンスキー    116件


あれっ? そうでもなかった。
比較のため小学校では習わない作曲家や、クラシック界でもマイナーな作曲家も検索してみたが、結果は何となく順当な感じで面目ない。 

シューマンのCDはそれほど持っていないが好きな作曲家である。正確にいうとCDは直感で買っているが、シューマンのは今までハズレがあまりなかったので印象がよい。手持ちのクラシックCDの2/3くらいはiTuneに取り込んでいるので検索してみると、この日のプログラムにあるものは持っていなかったが、シューマンワールドに浸ることを期待して出かけたのである。

曲名にあるソナタというのは、単純にいうと第1楽章、第2楽章〜と複数の楽章で構成された曲のことである。ほかにも文章の起承転結のようなストーリーでの曲の展開も意味するが、よほどマニアを目指すのでなければあまり気にしなくてもいい。また一般的に曲の見分け方としてはピアノ・ソナタと書いてあればピアノの単独演奏である。しかしピアノ・ソナタ以外のバイオリン・ソナタとかチェロ・ソナタなどは、ほとんどの場合ピアノとの二重奏となる。なぜ二重奏なのかの理由は知らないが単独の場合は「バイオリン・ソナタ(無伴奏)」と但し書きがつくくらい二重奏がほとんど。なお伴奏という言葉になっているものの、ソナタの二重奏の場合のピアノは伴奏というような脇役ではなく、どちらの楽器が主役かわからないくらいの掛け合い演奏が多い。
ところで冬のソナタはどんな意味だったんだろうね(^^ゞ

ピアノ五重奏とは小編成のクラシックでもっともポピュラーな弦楽四重奏(バイオリン2台とビオラとチェロ)にピアノを加えたもの。単に五重奏と書くと弦楽四重奏にビオラかチェロをもう1台加えた弦楽五重奏を指す。ビオラはヴァイオリンと同じくヴィオラとも書いて、バイオリンを一回り大きくして、その分低音が出るようにした楽器。もちろんスミレとは関係ないよ。



演奏はピアノがクレール・デゼール。
クレール・デゼール


弦楽はフォル・ジュルネ・カメラータというユニット。カメラータは同志会というような意味らしく、だからこのラ・フォル・ジュルネのために組んだユニットだと思う(クラシックの場合、ユニットとかバンドとはいわずアンサンブルというが)。

この日のメンバーは

正戸里佳。バイオリン・ソナタと五重奏の第1バイオリンを担当。
正戸里佳


クレモンス・ドゥ・フォルスヴィル。五重奏の第2バイオリンを担当。
クレモンス・ドゥ・フォルスヴィル


コランタン・アパレイー(ビオラ) 写真は見つからなかったがなかなかのイケメン。


オーレリアン・パスカル(チェロ) さらにイケメンで弱冠19歳。
オーレリアン・パスカル(チェロ)



会場はAホールの隣のB棟にあるB7というホール。見てわかるように音楽ホールではなくイベント会場。並べられたパイプ椅子は822席。それにしても、あまりに殺風景なステージでガッカリ。花とか絵とか、あるいは飾りで家具とか置いておくとかのアイデアはなかったのだろうか。学芸会の体育館でももう少しなんとかする。
IMG_1074

私の座席は先ほどのプログラムとは真逆の最前列!センターより少し右側でピアノの斜め前当たり。そこか後ろのほうの席しかなかったので迷わず最前列にした。

観察するとステージの天井に3枚の板が吊られている。それと写真ではわかりにくいが舞台奥の壁がパネルのようになっている。そのパネルが「ビニールパイプのような灰色」でますます雰囲気を壊しているが、おそらくこれは音楽会用に設置された音響反射用のパネル。クラシックは楽器から出る音が壁で跳ね返る間接音がかなり重要。でもこの程度で音が響くのだろうか。私は最前列だからあまり関係ないけれど。ちなみにピアノはスタンウエイだった(ピアノメーカーの名前です)。



曲は私がイメージしていたシューマンらしいもので楽しく聴けた。どんなイメージかと説明するのは難しいが(^^ゞ それとクレール・デゼールのピアノは相当レベルが高いと思う。そういうのは何となく直感でわかるものである。ピアノ五重奏では、ごく短いパートだがそれぞれの楽器のソロがある。やっぱりチェロの音色はいいね。

最前列なのでチャイコフスキーの時と違って「音デカっ!」である。弦楽器の演奏者までの距離は4メートルくらいでピアノがその1メートル後方。オーケストラよりバイオリン・ソナタやアンサンブルのほうが迫力があるという珍しい体験ができた。

久しぶりのクラシック生演奏を聴いて思ったのは、普段オーディオやiPhoneで聴いている楽器の音と少し違うなということ。まずバイオリンは高音も低音も線が太い。それとピアノは低音のボリュームに迫力があるし、鍵盤を叩いて楽器から音が広がっていくのを感じることができる。今やどんな安物のオーディオでも音が歪んだりノイズが気になるいうことはないから、音のキレイさでは満足できるが一言で言えばまだまだ人工的かな。もっともそんなことを気にするとオーディオのドロ沼にはまってしまうから忘れることにしよう。


演奏が終わるとすっかり暗くなっていた。
IMG_1081


混雑もますます激しく。屋台で買った料理の皿を持ってウロウロしている人が多いから、歩くのに注意が必要である。
IMG_1076


広場の一角に設けられたお土産コーナー。
美術館のショップにあるようなグッズと
IMG_1078

CDを売っていた。
IMG_1080


1つ前のエントリーで紹介したラ・フォル・ジュルネのイラストが描かれたTシャツを買おうと思ったがXLサイズがなかったので断念。クレール・デゼールのCDもザッと見た限りでは見つからなかったので何も買わず。


来年は丸1日ラ・フォル・ジュルネで過ごそうかなと思う。


おしまい

wassho at 15:50│Comments(0) 音楽、オーディオ | イベント、旅行

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔