2015年03月14日
谷保天満宮で梅
忙しかったり寒かったり週末に雨が続いたりと、2月1日以来久しぶりの、そして今年に入ってまだ2回目のバイクツーリング。
この季節には毎年出かけているのが観梅ツーリング。どうせ行くなら梅がたくさんあるところがいいと、今年は小田原の曽我梅林に行きたかったのだが、梅まつりは2週間ほど前の3月4日で終了。小田原ほどではないが湯河原にも大きな梅林があって、こちらは3月15日までが梅まつり開催期間。しかし久しぶりのバイクで行くにはチョット遠くて、高速道路を長く走るにはまだ寒いと尻込み。
ちなみに梅林・梅園の規模としては
2012年に行った府中市郷土の森博物館:1100本
2013年に行った水戸の偕楽園:3000本
2014年に行った高尾梅郷(八王子)の木下沢梅林:1400本
小田原の曽我梅林:3万5000本
湯河原の幕山公園:4000本
この週末の天候もパッとしないし、とりあえず今年は規模を追わず、できるだけ近くの場所にしようと決める。東京で有名なのは湯島天神とか亀戸天神。でも何となく都心部にバイクで向かう気がせずパス。650本とそこそこの規模の羽根木公園はバイクというより自転車で行ける距離なのでこれもパス。それでいろいろ調べて出かけたのが東京都国立市にある谷保天満宮。
朝起きたら厚い雲に覆われていたし、降水確率も40%と高かったので出かけるのを躊躇する。お昼頃になって薄日が射してきてようやく出発。気温12度。セーターの上に冬用のバイクジャケットを着てガレージまで歩いて行くとちょっと暑い。しかし走り出して特に高速道路に入ると、タイツをはかずに革パンだけの脚は寒かった。タイツをはくと梅園を歩き回る時に暑い。バイクの場合、季節の変わり目の服装選びがなかなかやっかいなのである。
1時間ほどで到着。
谷保天満宮は「やぼてんまんぐう」と読むが、このあたりの地名の谷保は「やほ」である。
どうやら標識を付ける時に最初はローマ字を間違った形跡が。
参道。
写真じゃわかりづらいが、この神社は道路から下っていく珍しい造り。
参道の脇にある無料の駐車場にBMW F800Rを駐める。
参道の途中を脇にそれたところに梅園があった。梅の木は約350本とされ、今まで訪れてきたところと較べれば小規模。でも天満宮の梅園という意識のせいか、なかなか風情のある趣に感じる。割と小振りの梅が多かった。
特にいい感じを醸し出しているのは、この瓦付きの土塀(どべい)。
天満宮とは菅原道真(すがわらのみちざね 845年〜903年)を祀った神社である。天神ともいわれる。太宰府に飛ばされて不遇の死を遂げ、その後に怨霊となり朝廷に祟った菅原道真を鎮めるために建てられたのがそのルーツ。だから本来は恐ろしい場所なのだが、それも平安時代までの話。江戸時代から生前は学者でもあった道真は学問の神様としての信仰を集めるようになる。そういえば彼をネタにこんなエントリーを以前に書いた。
そして道真は梅が好きだったことから、どこの天満宮にも梅が多く植えられている。道真は平安時代初期の人物。梅が中国から伝来したのは遣隋使が持ち帰った奈良時代で、当時は憧れの中国文化や教養を象徴する花だったようである。ついでにいうと道真の頃を境に和歌などで花という場合、それ以前は梅でそれ以降は桜をさすらしい。894年に遣唐使が廃止されて、中国の影響から抜け出すいわゆる国風文化の始まりと関連があるのかも知れない。
道真と梅で有名なのは飛梅伝説(とびうめ)。彼の自宅には梅がたくさんあったが、太宰府(現在の福岡県)に左遷される時に、
東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅花(うめのはな)
主なしとて 春な忘るな
(春風が吹いたら、僕がいなくても忘れずにいい匂いで咲いてね)
と詠んだ。
そしたら後日、道真を慕って梅が京都から太宰府まで飛んできたというもの(^^ゞ
飛んできたとされる梅は今でも太宰府天満宮(道真の墓の上に建設された)にある。
また伝説によると彼の自宅には桜と松もあって、歌こそ詠まなかったがどちらも道真のお気に入りで別れを惜しんだ。その桜は道真がいなくなったことを嘆き悲しんでいるうちに枯れてしまった。しかし松は梅と一緒に太宰府を目指して飛んだ! しかしなぜか途中で力尽きて墜落(/o\)
何となく梅より松の方がパワーありそうなんだけどね。松が落ちたのは神戸市須磨区板宿という所。板宿の地名の由来が、道真が左遷されて太宰府に行く途中にこの地に宿泊する時、板で囲った急ごしらえの宿を提供したからとされているので、いかにもとってつけたような墜落地点。落ちた場所には板宿八幡神社が造られ、その松も根付いたが大正時代に落雷で枯れたということ。あまり締まらないオチのエピソードのせいか、この飛松伝説は飛梅伝説と較べるとずいぶんマイナーである。
何はともあれ菅原道真も愛した梅。
この神社にあったのは紅梅そして白梅と、わずかにピンクが混ざった白い梅。その淡いピンクを見てサクラ色というのは、少しおかしいかな。
青空じゃないので写真的には華やかさに欠ける。
それでも紅白に咲き乱れる姿はやはり美しい。
ーーー続く
この季節には毎年出かけているのが観梅ツーリング。どうせ行くなら梅がたくさんあるところがいいと、今年は小田原の曽我梅林に行きたかったのだが、梅まつりは2週間ほど前の3月4日で終了。小田原ほどではないが湯河原にも大きな梅林があって、こちらは3月15日までが梅まつり開催期間。しかし久しぶりのバイクで行くにはチョット遠くて、高速道路を長く走るにはまだ寒いと尻込み。
ちなみに梅林・梅園の規模としては
2012年に行った府中市郷土の森博物館:1100本
2013年に行った水戸の偕楽園:3000本
2014年に行った高尾梅郷(八王子)の木下沢梅林:1400本
小田原の曽我梅林:3万5000本
湯河原の幕山公園:4000本
この週末の天候もパッとしないし、とりあえず今年は規模を追わず、できるだけ近くの場所にしようと決める。東京で有名なのは湯島天神とか亀戸天神。でも何となく都心部にバイクで向かう気がせずパス。650本とそこそこの規模の羽根木公園はバイクというより自転車で行ける距離なのでこれもパス。それでいろいろ調べて出かけたのが東京都国立市にある谷保天満宮。
朝起きたら厚い雲に覆われていたし、降水確率も40%と高かったので出かけるのを躊躇する。お昼頃になって薄日が射してきてようやく出発。気温12度。セーターの上に冬用のバイクジャケットを着てガレージまで歩いて行くとちょっと暑い。しかし走り出して特に高速道路に入ると、タイツをはかずに革パンだけの脚は寒かった。タイツをはくと梅園を歩き回る時に暑い。バイクの場合、季節の変わり目の服装選びがなかなかやっかいなのである。
1時間ほどで到着。
谷保天満宮は「やぼてんまんぐう」と読むが、このあたりの地名の谷保は「やほ」である。
どうやら標識を付ける時に最初はローマ字を間違った形跡が。
参道。
写真じゃわかりづらいが、この神社は道路から下っていく珍しい造り。
参道の脇にある無料の駐車場にBMW F800Rを駐める。
参道の途中を脇にそれたところに梅園があった。梅の木は約350本とされ、今まで訪れてきたところと較べれば小規模。でも天満宮の梅園という意識のせいか、なかなか風情のある趣に感じる。割と小振りの梅が多かった。
特にいい感じを醸し出しているのは、この瓦付きの土塀(どべい)。
天満宮とは菅原道真(すがわらのみちざね 845年〜903年)を祀った神社である。天神ともいわれる。太宰府に飛ばされて不遇の死を遂げ、その後に怨霊となり朝廷に祟った菅原道真を鎮めるために建てられたのがそのルーツ。だから本来は恐ろしい場所なのだが、それも平安時代までの話。江戸時代から生前は学者でもあった道真は学問の神様としての信仰を集めるようになる。そういえば彼をネタにこんなエントリーを以前に書いた。
そして道真は梅が好きだったことから、どこの天満宮にも梅が多く植えられている。道真は平安時代初期の人物。梅が中国から伝来したのは遣隋使が持ち帰った奈良時代で、当時は憧れの中国文化や教養を象徴する花だったようである。ついでにいうと道真の頃を境に和歌などで花という場合、それ以前は梅でそれ以降は桜をさすらしい。894年に遣唐使が廃止されて、中国の影響から抜け出すいわゆる国風文化の始まりと関連があるのかも知れない。
道真と梅で有名なのは飛梅伝説(とびうめ)。彼の自宅には梅がたくさんあったが、太宰府(現在の福岡県)に左遷される時に、
東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅花(うめのはな)
主なしとて 春な忘るな
(春風が吹いたら、僕がいなくても忘れずにいい匂いで咲いてね)
と詠んだ。
そしたら後日、道真を慕って梅が京都から太宰府まで飛んできたというもの(^^ゞ
飛んできたとされる梅は今でも太宰府天満宮(道真の墓の上に建設された)にある。
また伝説によると彼の自宅には桜と松もあって、歌こそ詠まなかったがどちらも道真のお気に入りで別れを惜しんだ。その桜は道真がいなくなったことを嘆き悲しんでいるうちに枯れてしまった。しかし松は梅と一緒に太宰府を目指して飛んだ! しかしなぜか途中で力尽きて墜落(/o\)
何となく梅より松の方がパワーありそうなんだけどね。松が落ちたのは神戸市須磨区板宿という所。板宿の地名の由来が、道真が左遷されて太宰府に行く途中にこの地に宿泊する時、板で囲った急ごしらえの宿を提供したからとされているので、いかにもとってつけたような墜落地点。落ちた場所には板宿八幡神社が造られ、その松も根付いたが大正時代に落雷で枯れたということ。あまり締まらないオチのエピソードのせいか、この飛松伝説は飛梅伝説と較べるとずいぶんマイナーである。
何はともあれ菅原道真も愛した梅。
この神社にあったのは紅梅そして白梅と、わずかにピンクが混ざった白い梅。その淡いピンクを見てサクラ色というのは、少しおかしいかな。
青空じゃないので写真的には華やかさに欠ける。
それでも紅白に咲き乱れる姿はやはり美しい。
ーーー続く