2015年05月17日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2015(4)

今年は5月2日〜4日開催のラ・フォル・ジュルネで

  5月2日:4公演
  5月4日:2公演

を聴いてきた。
ずいぶんと間が空いたが5月4日分のエントリー。この日は午後6時30分と午後7時45分の公演だけなので途中のお散歩はなし。


本日の1つめは2日にベルクとシェーンベルクを聴いたB7ホール。

入り口の様子。
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もう見慣れた会場風景。
この会場はパイプ椅子だが、このパイプ椅子は割と座り心地がいい。
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私の席は11列目で、やや右寄り。
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【公演番号325】

  曲名
   C.P.E.バッハ:シンフォニア ト長調
   C.P.E.バッハ:シンフォニア 変ロ長調
   C.P.E.バッハ:チェンバロと2つのヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスの
          ための協奏曲 ニ短調


どの公演のチケットを買おうかプログラムを見ていた時「C.P.E.バッハって誰?」というのが興味を持ったきっかけ。誰でも知っている音楽の父バッハはJ.S.バッハ(ヨハン・セバスチャン・バッハ)である。それでC.P.EなるバッハはJ.S.バッハの息子とのこと。C.P.Eはカール・フィリップ・エマヌエルの略。へえ〜息子も作曲家だったんだと少し調べてみると、生前の父バッハはそれほど評価されておらず、このカール・フィリップ・エマヌエルともう1人の息子であるヨハン・クリスティアンの方が有名だったらしい。

アマゾンのクラシック作曲家別カテゴリーでリストアップされているのは

   父 :J.S.バッハ  7002件
   息子:C.P.E.バッハ  642件
   息子:J.C.バッハ   2449件

え〜私が知らなかっただけでC.P.E.バッハとJ.C.バッハも、たくさんCDが売られているんだとビックリした。しかし息子たちのページにあるCDのほとんどは父J.S.バッハの曲しか入っていないものだったので、この作曲家別カテゴリーというのはあまり信用できない。


それでアマゾンの検索窓にそれぞれの名前を入れて検索してみると

   父 :J.S.バッハ  12165件
   息子:C.P.E.バッハ  1224件
   息子:J.C.バッハ   887件

という結果になった。これでも息子たちの検索ヒット数が相対的に多すぎるように思えるが、それは私が無知なだけかも知れない。


  演奏
   ロベルト・フォレス・ヴェセス (指揮)
ロベルト・フォレス・ヴェセス


   オーヴェルニュ室内管弦楽団
オーヴェルニュ室内管弦楽団


   鈴木優人 (チェンバロ)
鈴木優人

             (写真はラ・フォル・ジュルネのホームページより)

鈴木優人(まさと)のことはほとんど知らなかったけれど、この人は鈴木雅明の息子。父の方は日本クラシック界では割と有名なので何となくは知っている。バッハの息子のC.P.E.バッハの曲を同じく鈴木雅明の息子が弾くというのも面白い。


それでこのプログラムでは面白い体験をした。

まずC.P.E.バッハの曲はどんなだろうと思って聴いていたが、父バッハとはあまり似ていない。バッハとベートーベンを足して割ったようなイメージ。それと低音部の展開が多いのが印象的。

3曲目でオーヴェルニュ室内管弦楽団のチェンバロが退席して鈴木優人と交代。退席した奏者も日本人だったから臨時メンバーかな。チェンバロの楽器自体も入れ替えで、それまでは20名ほどの小規模なオーケストラの中程にあったが、新しいチェンバロは最前列に配置される。登場した鈴木優人はオーラが漂うというのとはまた違うが、才気溢れるという雰囲気の人だった。

それで3曲目はチェンバロ協奏曲。チェンバロとは小型のピアノみたいな楽器。英語ではハープシコード。生で聴くのはたぶん初めて。

でも音が小さい(>_<)
ピアノ協奏曲ならピアノの音はオーケストラに負けていないが、チェンバロは回りの音にかき消されてしまっている。協奏のところはほとんど聴き取れない。それとソロのパートだったり他の楽器の音が小さい場合は、もちろんチェンバロが聞こえてくるのだが、その音がとてもおかしい。一言で言うなら音の帯域が狭い感じ。帯域が狭いとは昔の電話の音声を思い出して欲しい。チェンバロってこんな音だったっけ? まさか楽器が壊れてる? 

チェンバロの音に気を取られながら演奏終了。
とはいうものの初めて聴くC.P.E.バッハはなかなかよかった。


ところでクラシックでは演奏が終了した後は拍手を続けて、

   指揮者やメインの演奏者がステージからソデに消える
     ↓
   ステージに戻ってくる
     ↓
   指揮者やメインの演奏者がステージからソデに消える
     ↓
   ステージに戻ってくる
     ↓
   指揮者やメインの演奏者がステージからソデに消える
     ↓
   ステージに戻ってくる

と3回ステージに呼び戻すことがお約束になっている。普通はアンコール演奏もあるのだろうが、ラ・フォル・ジュルネの場合はプログラムが立て込んでいてハシゴで見る人が多いせいかアンコールはないものだと思っていた。4回目にソデに消えたら場内が明るくなって公演終了の合図。

ところが鈴木優人は3回目にステージに戻ってきた時にアンコール演奏を始めた。曲名は忘れたが、彼が最初に演奏した思い出の曲だと話していた。

    なんていい音色!

さっきまではチェンバロが壊れているのかと疑っていたが、ソロで演奏されたその曲は、ピアノとギターが混ざったようなまさにチェンバロの音色でとても素晴らしかった。短い曲だったが堪能。

じゃあオーケストラと一緒だった時は、どうして帯域の狭いこもったような音に聞こえたのだろう。色だと組み合わせによっては本来とは違う色に見えたりするが、音にもそんなことがあるのか? あるいは私の耳がおかしいのか。手を挙げて質問したいくらいだった。まあチェンバロ協奏曲を生で聴く機会は滅多にないから、この疑問が解決する日が来るかどうかわからないが、とりあえず私の耳にはそう聞こえたというお話。


ーーー続く

wassho at 18:34│Comments(0) 音楽、オーディオ | イベント、旅行

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