2016年05月03日

上野公園で美術三昧(未遂)

上野公園にある

   国立西洋美術館
   東京都美術館
   東京国立博物館

この3つをハシゴして丸1日ドップリと美術の世界に浸りたいとは以前から思っていた。それには暇な時間があって、かつ各施設が同時におもしろそうな展覧会を開催していることが条件になる。それで現在

   国立西洋美術館:カラヴァッジョ
   東京都美術館 :伊藤若冲(じゃくちゅう)
   東京国立博物館:黒田清輝

という期待の持てるラインナップ。ゴールデンウイーク中なので混雑しているのが難点だが、渋滞の高速道路でツーリングに行くよりいいかと思い上野公園に出かけてきた。


JR上野駅公園口から公園を眺めたところ。予想通りの賑わいぶり。
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駅に入ろうとする人もこの混雑。
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上野公園の正面入口。なぜかここに来ると遠足に来た時の高揚した気分をいつも感じる。上野公園に遠足に来たことはないのに不思議。
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案内所のチケット売り場にも行列。各美術館・博物館でチケットを買うのに並ぶのも想定内だが、ここなら1回並ぶだけで済むからと考え、
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並ぶことにした。
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列はそれほど長くないのに窓口は1つだけだからなかなか進まない。それでも7〜8分くらいだったかな。並んで待っている間に暇だったので、振り返って上野グリーンサロンというレストランを撮ってみる。
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このチケット売り場ではなぜかカラヴァッジョ展のチケットは買えない(もちろん並ぶ前に確認済み)。それで若冲(じゃくちゅう)と黒田清輝を買おうとしたら、若冲は70分待ちだけれどいいかと尋ねられる。当初の予定では黒田→若冲→カラヴァッジョの順で見るつもりだった。若冲を最後にして夕方なら多少はマシになっているかとも考えたが、その時はまたその時に考えようということで、結局黒田展のチケットのみ購入。1枚だけ買うなら、ここで買う必要もなかったが、若冲展が恐ろしく混雑していることを最初に知ることができたのはよかった。
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というわけで3つ見るはずが2つに。三昧(ざんまい)とは3つという意味の言葉ではないのだが、タイトルの「上野公園で美術三昧(未遂)」というのはそういうこと。




チケット売り場に一番近いのが国立西洋美術館=カラヴァッジョ展。これはチケットを買うための行列。係員のお姉さんに尋ねるとチケットを買うのに15分くらいかかるが、入場待ちの時間はないとのこと。ただ会場内はかなり混雑しているとも教えてくれた。
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とりあえず東京国立博物館に向かう。それにしてもすごい人の数である。花見のシーズンはもっと混んでいるのかなあ。写真奥が上野動物園。
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公園中央の広場ではテントが多数。ここはよくイベント会場にもなる。
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現在、開催中は「子供ブックフェスティバル」。
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図鑑とか絵本とか。
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売り上げの一部じゃなくて全部寄付するの?
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広場の先に噴水池があって、向こうに見えるのが東京国立博物館。
25年ほど前に訪れたことがあるが、何を見たのか完全に忘れた。
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東京国立博物館のチケット売り場。
奥の方に人が並んでいるけれど、案内所で買うより早かったかも。
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東京国立博物館は敷地が12ヘクタールとても広くて複数の建物が並んでいる。
まず正面にあるのがこの本館。何となく天平寺院的な雰囲気のデザイン。この建物は重要文化財に指定されている。
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右側が東洋館。日本とアジアの文化財を収集するのが東京国立博物館の目的。
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左側が西洋風の表慶館。1909年(明治42年)にオープンした日本でもっとも古い(近代的で本格的な)美術館。この建物も重要文化財。
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ここのツツジは今が盛りという感じ。自宅の周りではほとんどが萎れている。同じ東京なのにこの違いはどこから?
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iPhoneではなくデジカメを持ってきてラッキー。
東京国立博物館にはこの色のツツジしかなかったのが残念。
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黒田清輝展はさらに奥の平成館で開催されている。
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富士宮焼きそばにも長い行列。
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これが平成館。
やっぱり今の建築はシンプルすぎてつまらない。
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森鴎外の執務室は取り壊されたらしい(>_<)
彼が東京国立博物館の総長とは知らなかったが。
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平成館の2階で黒田清輝展を鑑賞。
展覧会については、また別のエントリーで書く予定。
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1階は考古展示室になっていて特別展(企画展)のチケットで見ることができる。

埴輪、鏡(裏面を磨いて鏡になっている。もちろん今は錆びてただの金属円盤)、土器、銅鐸などをみて古代の日本にタイムトリップ。
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土偶。絶対に宇宙人がモデル(^^ゞ
ちなみに土偶は1万5000年前から紀元前4世紀頃までとされる縄文時代で、埴輪は3世紀〜7世紀の古墳時代のもの。
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これは教科書でも見たことがある国宝の挂甲武人(けいこうぶじん) と呼ばれる埴輪。写真だと木製にも見えるがもちろん焼き物。完全装備の兵士だけれど、その後の武士の兜・鎧姿とはずいぶんと違う。
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何となくあどけなく哀愁も感じさせる表情。
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他の展示室であれこれ日本美術を鑑賞。
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日本の美術館はなぜか撮影禁止だが博物館はOK。ただし黒田清輝展は美術館と同様に撮影禁止だった。またそれ以外の展示もすべてが撮影OKなのではなく、展示室ごと、あるいは展示コーナーごと、場合によっては作品ごとに撮影OKと禁止が分けられている。どういう基準で区別しているのかは不明。実は展示品の中に、グッときた仏像があったのに残念ながらそれは撮影禁止だった。


平成館と本館は通路でつながっていて、順路に沿って歩くと本館に誘導されるようになっている。これは本館にあるミュージアムショップ。
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土産物屋と侮る事なかれ。
柿右衛門の香炉は23万7600円!
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また展示を見て歩く。
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テラスに出られる場所があった。池の向こうに見えるのは東京国立博物館に移設保管されているいくつかの茶室や邸宅の1つだと思う。テラスから芝生に降りることはできなかった。
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本館の2階に上がる。
本館は建物内部もクラシックな雰囲気。開館は1938年(昭和13年)。
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金屏風とか水墨画とかを眺める。
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縦に展開する絵巻は初めて見た。
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これはローマにある「嘘つきが手を入れると噛み切られる」という
真実の口」ではなく、
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奈良時代の鬼瓦。奈良時代の鬼はユーモラスな顔をしてた?
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すべての展示を見たわけではないが、それでも膨大な展示品の数である。今回は駆け足だったが、じっくり見たら1日あっても足らない。特別展を見なければ入場料は620円なので内容を考えればベラボーに安い。来年のゴールデンウイークは、これに絞って上野公園に来ようかとも思う。

ただし展示の仕方は少し単調に思える。おそらく学術的に各時代を万遍なく展示してあるのだろうが、もう少しメリハリやダイナミックさも欲しい。来場者の西洋人比率が高かったが、例えば彼らにはサムライの世界を堪能できるようなコンセプトでの展示室があると喜ばれるだろうし、日本文化の紹介としても有意義なはずだ。展示もただ並べるだけじゃなく来場者目線で工夫して欲しい。国立博物館は学術的な施設かもしれないが、もっとエンタテイメント性を加味すれば、収蔵品は第一級の品々なのだから魅力あるワンダーランドになる可能性を持っている。


ーーー続く

wassho at 22:17│Comments(0) 美術展 

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