2016年05月10日
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2016(3)
東御苑からタクシーでAホールの正面玄関に乗り付けるも、
そのまま1階ロビーを素通りして屋台村でビールタイム。
49列ある1階の21列目から見たステージ。
ステージの壁に模様があるのは、開演前はそういう映像を投影しているから。
このプログラムの席は3列目のほぼセンター。今回取れた中で一番いい座席のはずだったのだが、この位置が後でちょっと災いすることになる。
5月5日の最初に聴いたプログラムは
シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 op.38「春」
ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」
シューマンは好きな作曲家だが、彼の交響曲はそうでもない。CDも持っているけれどあまり聴いていないかな。ファリャは名前も知らない作曲家だと思っていたが、チケットを買った後で調べたら三角帽子というバレエ音楽のCDを持っていた。
ファリャはスペインの作曲家。スペインの画家はよく知っているがクラシック音楽ってあったけ?というのが私の知識レベル。ビゼーのオペラ「カルメン」は有名でも彼はフランス人。それよりも??と思ったのが「交響的印象」という言葉。普通の交響曲以外に、交響詩や交響組曲というジャンルがあることは知っている。でも交響的印象というのは初めて聞いた。言葉の組み合わせとしても何か違和感がある。それでホームページを見るとピアニストの名前がある。シューマンの交響曲にもちろんピアノは登場しないから、ピアノはファリャの曲で弾かれることになる。スペインのクラシック、交響的印象ってどんなだろうというのがこのプログラムの関心事。
演奏は指揮がマールトン・ラーツ。ステージに出てくる時も去る時も少し小走りで元気に溢れている。指揮の仕方もダイナミック。2曲目の時は指揮棒を忘れて登場し、ダッシュで取りに戻っていた。
オーケストラはハンガリー・ジュール・フィルハーモニー管弦楽団。
ピアニストがルイス・フェルナンド・ペレス。
この温厚そうな顔からは想像できない熱くてエネルギッシュなピアノを弾く。
シューマンの交響曲が始まる。前日のハイドンの天地創造では歌声に気を取られていたが、改めて生で聴くオーケストラの音はいいなと顔がにやけてくる。音に厚みがあって柔軟。普段は気にならないが、生の音を聴くと録音されたものはどこか音に硬さがあるような気がする。音量はオーディオをフルボリュームにしたときより大きな音で鳴っているはずだが、そうは聞こえないのが生オーケストラの不思議。音が大きいのとうるさいのは違うということなのかもしれない。シューマンの交響曲はまとまりのない曲だしメロディーラインに印象的なところもないが、音に酔いしれて楽しく聴けた。
そしてファリャの「スペインの庭の夜」。ピアノが主役だったからピアノ協奏曲といえるし、構成的には交響詩かな。交響詩は説明が難しいけれど、物語的というか情景を音楽で表現したような曲。うん、やっぱり説明になっていない(^^ゞ というか交響曲だって言葉で説明するのは難しいよね。
それでこの「スペインの庭の夜」。かなりよかった。優雅な部分あり、幻想的な部分あり、謎めいたな部分ありとドラマ性のある内容。今度CDを探そう。でも、これがスペイン的かといわれたら、考えてみるとスペインのことは観光ポスター的にしか知らないので、よくわからないというのが正直なところ。
でもドイツ、オーストリアあたりのクラシック音楽のメインストリームとは違う雰囲気なのは明らか。それと曲全体の雰囲気が近代的。そのまま映画やドラマ音楽に使えそうである。それはファリャが1876年生まれ1946年没(明治9年〜昭和21年)と一般的な意味でのクラシック音楽の最後の時期に活躍したことも影響しているのだろう。
ピアノのペレスはかなりダイナミックな演奏。ちょっと鍵盤を叩きすぎるような気もするが、生演奏ではそれくらいでいいような気もする。問題は演奏ではなくピアノ。響きがなくものすごく固い音だった。
座席は3列目中央で目の前で演奏しているようなものだからなのか? でもピアノの響きというのはピアノのボディの中で生まれるものだから、ピアノに頭を突っ込まない限りそんなことはないはず。しかし次のプログラムでは同じホールの少し離れた席でこのプログラムよりは響きのあるピアノの音に聞こえたから、やはり聴く位置が関係するのか? 理由はよくわからないが、ピアノの音が固かったのは残念だったし、その固い音を3列目の大音量で聴くのはちょっときつかった。
ラ・フォル・ジュルネではあまりアンコール演奏はないのだが、ペレスはソロでアンコールを演奏してくれた。同じくファリャのダンス・オブ・ファイヤという曲。これがまさに火を噴くような熱演! 固いピアノの音が鼓膜を直撃したけれど、そんなことも忘れて聴き入った。このアンコールのインパクトが大きすぎて、それまでの演奏を忘れそうになるくらいの満足度。
ーーー続く
※アーティストの写真はホームページからの借用
http://www.lfj.jp/lfj_2016/performance/artist/artist_name.html
そのまま1階ロビーを素通りして屋台村でビールタイム。
49列ある1階の21列目から見たステージ。
ステージの壁に模様があるのは、開演前はそういう映像を投影しているから。
このプログラムの席は3列目のほぼセンター。今回取れた中で一番いい座席のはずだったのだが、この位置が後でちょっと災いすることになる。
5月5日の最初に聴いたプログラムは
シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 op.38「春」
ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」
シューマンは好きな作曲家だが、彼の交響曲はそうでもない。CDも持っているけれどあまり聴いていないかな。ファリャは名前も知らない作曲家だと思っていたが、チケットを買った後で調べたら三角帽子というバレエ音楽のCDを持っていた。
ファリャはスペインの作曲家。スペインの画家はよく知っているがクラシック音楽ってあったけ?というのが私の知識レベル。ビゼーのオペラ「カルメン」は有名でも彼はフランス人。それよりも??と思ったのが「交響的印象」という言葉。普通の交響曲以外に、交響詩や交響組曲というジャンルがあることは知っている。でも交響的印象というのは初めて聞いた。言葉の組み合わせとしても何か違和感がある。それでホームページを見るとピアニストの名前がある。シューマンの交響曲にもちろんピアノは登場しないから、ピアノはファリャの曲で弾かれることになる。スペインのクラシック、交響的印象ってどんなだろうというのがこのプログラムの関心事。
演奏は指揮がマールトン・ラーツ。ステージに出てくる時も去る時も少し小走りで元気に溢れている。指揮の仕方もダイナミック。2曲目の時は指揮棒を忘れて登場し、ダッシュで取りに戻っていた。
オーケストラはハンガリー・ジュール・フィルハーモニー管弦楽団。
ピアニストがルイス・フェルナンド・ペレス。
この温厚そうな顔からは想像できない熱くてエネルギッシュなピアノを弾く。
シューマンの交響曲が始まる。前日のハイドンの天地創造では歌声に気を取られていたが、改めて生で聴くオーケストラの音はいいなと顔がにやけてくる。音に厚みがあって柔軟。普段は気にならないが、生の音を聴くと録音されたものはどこか音に硬さがあるような気がする。音量はオーディオをフルボリュームにしたときより大きな音で鳴っているはずだが、そうは聞こえないのが生オーケストラの不思議。音が大きいのとうるさいのは違うということなのかもしれない。シューマンの交響曲はまとまりのない曲だしメロディーラインに印象的なところもないが、音に酔いしれて楽しく聴けた。
そしてファリャの「スペインの庭の夜」。ピアノが主役だったからピアノ協奏曲といえるし、構成的には交響詩かな。交響詩は説明が難しいけれど、物語的というか情景を音楽で表現したような曲。うん、やっぱり説明になっていない(^^ゞ というか交響曲だって言葉で説明するのは難しいよね。
それでこの「スペインの庭の夜」。かなりよかった。優雅な部分あり、幻想的な部分あり、謎めいたな部分ありとドラマ性のある内容。今度CDを探そう。でも、これがスペイン的かといわれたら、考えてみるとスペインのことは観光ポスター的にしか知らないので、よくわからないというのが正直なところ。
でもドイツ、オーストリアあたりのクラシック音楽のメインストリームとは違う雰囲気なのは明らか。それと曲全体の雰囲気が近代的。そのまま映画やドラマ音楽に使えそうである。それはファリャが1876年生まれ1946年没(明治9年〜昭和21年)と一般的な意味でのクラシック音楽の最後の時期に活躍したことも影響しているのだろう。
ピアノのペレスはかなりダイナミックな演奏。ちょっと鍵盤を叩きすぎるような気もするが、生演奏ではそれくらいでいいような気もする。問題は演奏ではなくピアノ。響きがなくものすごく固い音だった。
座席は3列目中央で目の前で演奏しているようなものだからなのか? でもピアノの響きというのはピアノのボディの中で生まれるものだから、ピアノに頭を突っ込まない限りそんなことはないはず。しかし次のプログラムでは同じホールの少し離れた席でこのプログラムよりは響きのあるピアノの音に聞こえたから、やはり聴く位置が関係するのか? 理由はよくわからないが、ピアノの音が固かったのは残念だったし、その固い音を3列目の大音量で聴くのはちょっときつかった。
ラ・フォル・ジュルネではあまりアンコール演奏はないのだが、ペレスはソロでアンコールを演奏してくれた。同じくファリャのダンス・オブ・ファイヤという曲。これがまさに火を噴くような熱演! 固いピアノの音が鼓膜を直撃したけれど、そんなことも忘れて聴き入った。このアンコールのインパクトが大きすぎて、それまでの演奏を忘れそうになるくらいの満足度。
ーーー続く
※アーティストの写真はホームページからの借用
http://www.lfj.jp/lfj_2016/performance/artist/artist_name.html