2017年05月11日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017(2)

最初のコンサートであるB7ホールにはEホールのある地下から入れた。
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あれっ?そうだったけと思い、改めて東京国際フォーラムのレイアウトを確認。
図は施設のホームページから拝借。
東京国際フォーラム

東京国際フォーラムはA、B、C、Dのホールのある建物が1列に並び、それにガラス棟が対面してる。Eホールは広場の下からABCD各ホールの地下にかけて位置している。つまりガラス棟から地下に降りれば、Eホールを挟んでそれぞれのホールに連結しているというレイアウト。ラ・フォル・ジュルネ以外に何度もここに来ているのに、今まで正確に把握していなかったなんてトホホ。


B棟にはB5とB7の2つのホールがある。たぶん5階と7階という意味だと思う。これがB7。この講演会場のようなところで音楽を演奏するのかと始めて来た時はビックリしたが、もう慣れてしまった。東京国際フォーラムで音楽ホールとして設計されているのはCホールのみ。後は多目的ホールで音響的にはイマイチなのが残念。でもこんなにたくさんのホールが1箇所に集まっている施設は他にないからまあ仕方ないか。
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今回は東京国際フォーラムの売り場ではなくネットでチケットを購入した。過去の経験から例え一番端っこの席であろうとも、できるだけ前の席を取るのが音響のよくない東京国際フォーラムでは大切。今まではチケット売り場の係員にあれこれ尋ねて席を決めていた。

ネットでも同じように座席を指定できると思っていたのだが。しかしB7ホールで指定できるのはいくつかのブロックに分けられたエリアのみ。どの席かまでは決められない。ちなみにCホールは自分で座席を指定できた。

それでネットでエリア指定をクリックして、その後に画面に表示されたのがこの最前列!
文字通りカブリツキで、ピアニストが楽譜に書き込んだ注意書きまで見えたほど。かなり左の端の席でも、パイプ椅子が斜めに配置されているので、あまり隅っこで見ている気はしなかった。
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【公演番号:124】

  ヨハン・シュトラウス2世:オペレッタ「こうもり」から(日本語版、抜粋)


  びわ湖ホール声楽アンサンブル
びわ湖ホール声楽アンサンブル

  大川修司 (指揮)
大川修司 (指揮)

  渡辺治子 (ピアノ)
渡辺治子 (ピアノ)

               ※アーティストの写真は公式ページから借用



オペレッタとはオペラをもっと娯楽的にしたもの。だから悲劇の多いオペラに対して、オペレッタは喜劇がほとんど。またオペラでは基本的に歌手は歌うだけなのに対して、オペレッタではセリフも喋るし踊ったりもする。だからオペラにミュージカル的要素を振りかけたようなもの。もっとも歴史的にはミュージカルのほうが後で生まれているが。もちろんミュージカルのようにマイクやスピーカーを使ったりはせず、オペラと同じくナマの声で上演される。


「こうもり」はオペレッタでもっとも有名な演目のひとつ。見るのは初めてだがオペレッタ名曲集のようなCDを持っていて何曲かは馴染みがある。話は変わるが昔クラシックを聴き始めた頃、オペラを含む声楽にはどうしても馴染めなかった。ソプラノの金切り声が脳天を直撃するような気がして、こんな音楽を好む人がいるなんて信じられないと思ってさえいた。それからウン十年、きっかけは忘れてしまったが、いまではその高音を聴くのが快感になっているのだから人生はわからないものだ。


ところで昨年のラ・フォル・ジュルネではハイドンのオラトリオ「天地創造」を聴いた。その時の感動は今でも覚えているほどで、今年も是非声楽をということでこのプログラムを選んだしだい。

音楽はピアノ1台だけの伴奏というシンプルというか経費節減な舞台(^^ゞ 登場するのは男女各6〜7名。びわ湖ホール声楽アンサンブルというのは滋賀県大津市にある県立びわ湖ホール専属の声楽グループとのこと。

ところで上に貼った写真はフォーマルな服装での公式おすまし写真。その写真でこのオペレッタをイメージすることは難しいかもしれない。ラ・フォル・ジュルネの公式face bookにステージの様子があったので借用して張っておく。何となく雰囲気は伝わったかな?
舞台


冒頭の舞台には誰もおらず、ソデから金持ちの主人公とその弁護士の言い争いの声から始まる。そのセリフは「おまえが忖度(そんたく)しないから、こんなことになるんだ!」という内容。今や森友学園ですっかり有名になった忖度という言葉でツカミはOKといったところ。それ以外にもところどころ原作にはないオリジナルの台詞が入る。テノール(男性で一番声の高い歌手)が「消臭リキ〜ッド!」と叫んだりAKB47の曲の一節を唱ったり。元々が喜劇だが、かなり笑いを取ることを意識した演出。

ストーリーは浮気やその他モロモロのことがバレそうになって主人公があたふたするというもの。ところで私の目の前はピアノなので、ついそちらにも目がいってしまう。皆が集まってアハハハハと笑うシーンがあり、それは舞台的には一息つくシーン。しかしピアノ伴奏としてはテンポの速い和音の連打なので、歌手達の満面の笑顔とは対称的にピアニストは必死の形相での演奏だったのが印象的だった。また演奏者が自分で楽譜をめくるのだが、失敗しないように楽譜が山なりに折られていた。それでもたまに上手にめくれないことがあり、その時は目にも見えない早業で手が動く。

なお指揮者がピアノの横でタクトを振っていたが、歌手達は舞台上で一切指揮者を見ることはなかった。ピアニストもしばらく伴奏が途切れてまた再開する時に、そのタイミングを目の隅で確認する程度。いったん伴奏が始まったら目をあわすことはない。ピアノ1台の伴奏で指揮者って必要なのかなというのが正直な感想。指揮者もそれを感じてかどうか、とても寂しげな後ろ姿(^^ゞ


初めて見るオペレッタは演奏がオーケストラではなくピアノだけで、こんなフルスケールのコンサートと較べると舞台も殺風景だったけれど、それでも充分に満足できたし楽しかった。もちろん日本語で上演されて内容がよくわかったこともあるし、びわ湖ホール声楽アンサンブルの芸達者さに負うところも大きい。また本来こうもりは2時間半ほどのステージだが、45分の抜粋での上演だったのも初心者の私にはちょうどよかったと思う。


ーーー続く

wassho at 08:52│Comments(0) 音楽、オーディオ | イベント、旅行

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