2017年05月13日
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017(4)
次に聴くコンサートはCホール。2つ前のエントリーで書いたように東京国際フォーラムで唯一音楽用として設計されたホール。5000人収容の巨大多目的ホールであるAホールのように、15列目までに座席を確保しないと音量的に残念過ぎるということはない。それでも各楽器がバランスよく聞こえるセンター寄りよりも、迫力重視でできるだけ前方が私のポリシー。今回確保できたのは24列あるシートの9列目。ただしほとんど壁際の席。
ホールに入ると楽団員が練習をしていた。そうとわかっていたならもっと早く来たのに。プログラムに、このオーケストラは開演前に練習をする・しないと書いて欲しいと前から思っている。
もっとも練習といってもリハーサルではなく、各人がバラバラにウォーミングアップしているだけ。だから聞こえてくるのは音楽じゃなくて楽器の音のぶつかり合い。でもそんな何の脈絡のない音を聴くのもけっこう楽しいものなのである。
【公演番号:146】
ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」 第2組曲
パスカル・ロフェ (指揮)
フランス国立ロワール管弦楽団
※アーティストの写真は公式ページから借用
「火の鳥」と「ダフニスとクロエ」 はバレエ音楽。今年のラ・フォル・ジュルネのテーマはダンスだから選ばれた曲なのだろう。ストラヴィンスキーとラヴェルに作曲を依頼したのはセルゲイ・ディアギレフというロシア人。今でいったらプロデューサーみたいな人で、そのキャリア後半ではバレエ・リュスというバレエ団を創設し、当時の名だたる作曲家を起用している。また舞台美術をピカソやマティスなどに依頼し、総合芸術としてのバレエを確立した人物らしい。
どちらの曲もたまに聴く。特にダフニスとクロエは昔から好きな曲である。ただ両方ともキレイな曲なんだけれど、構成が複雑で捉えどころのない音楽。ストーリーにあわせた短い曲をつなげたものだから、バレエ音楽は音楽だけ聴くとどうしてもそうなる。
演奏は最高だった。やもすれば間延びしそうになるこれらの作品をノリノリで演奏。目の前に生き物のように音楽が次々と現れては過ぎ去っていく感じ。CDで感じることもある気難しさはまったくなく実に気持ちよく聴くことができた。もちろんそれは目の前で演奏されている効果もある。音楽を楽しむには耳だけでいいが、理解するには目も必要だというのが私の考え。ただし、そんな理屈は抜きにしても素晴らしい演奏だったと思う。それとオーケストラの音数が多いというかカラフルというか響きが豊かでしなやかというか。ウォーミングアップの時からそんな予感はしていたが、オーケストラを聴くって本当に楽しいと思わせてくれた時間だった。
もちろん9列目だから音量的にも充分満足。久しぶりに聴くステージから面で立体的に押し寄せるオーケストラに酔うことができた。オーディオだとスピーカは点音源みたいなものだから、いくらお金をつぎ込んでもこの快感は味わえない。もっとも、つぎ込んではいないから正確なところは不明(^^ゞ
残念だったのは9列目だとステージより低い位置になるので、オーケストラの前のほうで演奏する人たちしか見えなかったこと。つまり管楽器や打楽器は視界に入らない。特に「ダフニスとクロエ」はフルートなどの独奏パートがあるので、その様子は見ておきたかった。でも音量重視で席を取ったのだから仕方がない。
大満足してホールを出る。今までラ・フォル・ジュルネで聴いた中でベスト3に入る演奏だったと思う。1つ前のコンサートはイマイチだったが、それを帳消しにしてお釣りが来るほど。
さっきシンガポール・チキンライスを食べたばかりなのに、それほど分量もなかったので、今度はロティサリー・チキン。串刺しあぶり焼きのチキンのこと。この屋台ではロティスリーと書かれていた。
ビールではなくワインを注文。2杯飲んだのはナイショ(^^ゞ 料理の写真は暗くてピントが合っていなかった。代わりに可愛い店員さん。
この後にはCDを何枚か持っている広瀬悦子やアンヌ・ケフェレックというピアニストのコンサートがある。しかし残念ながらチケットを手配した時には既にどちらも売り切れ。だから私のラ・フォル・ジュルネ2017は先ほどのコンサートで終了。
だったら屋台で食ったり飲んだりせず、とっとと帰ればよさそうなものだがーーー。実はコンサートではなくおもしろいイベントがもうすぐ始まるのである。
ーーー続く
ホールに入ると楽団員が練習をしていた。そうとわかっていたならもっと早く来たのに。プログラムに、このオーケストラは開演前に練習をする・しないと書いて欲しいと前から思っている。
もっとも練習といってもリハーサルではなく、各人がバラバラにウォーミングアップしているだけ。だから聞こえてくるのは音楽じゃなくて楽器の音のぶつかり合い。でもそんな何の脈絡のない音を聴くのもけっこう楽しいものなのである。
【公演番号:146】
ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」 第2組曲
パスカル・ロフェ (指揮)
フランス国立ロワール管弦楽団
※アーティストの写真は公式ページから借用
「火の鳥」と「ダフニスとクロエ」 はバレエ音楽。今年のラ・フォル・ジュルネのテーマはダンスだから選ばれた曲なのだろう。ストラヴィンスキーとラヴェルに作曲を依頼したのはセルゲイ・ディアギレフというロシア人。今でいったらプロデューサーみたいな人で、そのキャリア後半ではバレエ・リュスというバレエ団を創設し、当時の名だたる作曲家を起用している。また舞台美術をピカソやマティスなどに依頼し、総合芸術としてのバレエを確立した人物らしい。
どちらの曲もたまに聴く。特にダフニスとクロエは昔から好きな曲である。ただ両方ともキレイな曲なんだけれど、構成が複雑で捉えどころのない音楽。ストーリーにあわせた短い曲をつなげたものだから、バレエ音楽は音楽だけ聴くとどうしてもそうなる。
演奏は最高だった。やもすれば間延びしそうになるこれらの作品をノリノリで演奏。目の前に生き物のように音楽が次々と現れては過ぎ去っていく感じ。CDで感じることもある気難しさはまったくなく実に気持ちよく聴くことができた。もちろんそれは目の前で演奏されている効果もある。音楽を楽しむには耳だけでいいが、理解するには目も必要だというのが私の考え。ただし、そんな理屈は抜きにしても素晴らしい演奏だったと思う。それとオーケストラの音数が多いというかカラフルというか響きが豊かでしなやかというか。ウォーミングアップの時からそんな予感はしていたが、オーケストラを聴くって本当に楽しいと思わせてくれた時間だった。
もちろん9列目だから音量的にも充分満足。久しぶりに聴くステージから面で立体的に押し寄せるオーケストラに酔うことができた。オーディオだとスピーカは点音源みたいなものだから、いくらお金をつぎ込んでもこの快感は味わえない。もっとも、つぎ込んではいないから正確なところは不明(^^ゞ
残念だったのは9列目だとステージより低い位置になるので、オーケストラの前のほうで演奏する人たちしか見えなかったこと。つまり管楽器や打楽器は視界に入らない。特に「ダフニスとクロエ」はフルートなどの独奏パートがあるので、その様子は見ておきたかった。でも音量重視で席を取ったのだから仕方がない。
大満足してホールを出る。今までラ・フォル・ジュルネで聴いた中でベスト3に入る演奏だったと思う。1つ前のコンサートはイマイチだったが、それを帳消しにしてお釣りが来るほど。
さっきシンガポール・チキンライスを食べたばかりなのに、それほど分量もなかったので、今度はロティサリー・チキン。串刺しあぶり焼きのチキンのこと。この屋台ではロティスリーと書かれていた。
ビールではなくワインを注文。2杯飲んだのはナイショ(^^ゞ 料理の写真は暗くてピントが合っていなかった。代わりに可愛い店員さん。
この後にはCDを何枚か持っている広瀬悦子やアンヌ・ケフェレックというピアニストのコンサートがある。しかし残念ながらチケットを手配した時には既にどちらも売り切れ。だから私のラ・フォル・ジュルネ2017は先ほどのコンサートで終了。
だったら屋台で食ったり飲んだりせず、とっとと帰ればよさそうなものだがーーー。実はコンサートではなくおもしろいイベントがもうすぐ始まるのである。
ーーー続く