2017年09月17日
CDとハイレゾを聴き較べてみた
数年前から音楽業界やオーディオ業界はハイレゾブームである。ハイレゾというのはハイ・レゾリューションの日本語的短縮。ハイは高いでレゾリューションは解像度とか分解能力という意味。一般的にはハイレゾは高解像度と訳される。要は従来より音を細かく記録できて、それが音質向上につながるということ。
その比較となるのはCD。CDの解像度はサンプリング周波数が44.1kHz、量子化ビット数は16bit。これは
1秒間を44,100回(44.1kHz)に分割して
その間の音量変化を65,536段階(16bit=2の16乗)で
記録するという意味。すべてのCDはこの解像度の規格で制作されている。一方のハイレゾはいろいろな規格があるが、一番発売タイトル数が多いと思われるサンプリング周波数96kHz、量子化ビット数24bitだと
1秒間を96,000回(96kHz)に分割して
その間の音量変化を16,777,216段階(24bit=2の24乗)で記録
ということになる。CDに対して1秒間を分割する回数は約2.2倍、音量変化の段階は約260倍の高解像度となる。密度が高いというほうがわかりやすいかな。詳しいことが知りたければ自分で調べてちょうだい。私もそんなに詳しくない。
とりあえず商品のポジション的にCDとハイレゾは、アナログ時代のテレビ放送とハイビジョン放送、あるいはDVDとブルーレイみたいな関係と思っていればよろしいかと。
何年か前に持っているCDはほとんどリッピングした。リッピングとはCDに入っている音楽ファイルをパソコンに取り込むこと。つまりコピーだから解像度もCDと同じ。今でもハイレゾには手を出さずCDを買って、それをリッピングしている。
ハイレゾを敬遠している主な理由は3つあって、
1)発売されているタイトルが少ない
2〜3年前のデータだが、アップルのiTune Storeで販売されている(ハイレゾでない曲)が4000万曲あるのに対して、ハイレゾでは日本で一番メジャーなe-onkyoでも10万曲程度といわれている。なおハイレゾは特殊な例を除いて基本的にはいわゆるダウンロード販売となる。
タイトル数はどんどん増えてくると思うが現状ではまだまだ少ない。私が持っているCDはほとんどがクラシックで、それがどの程度e-onkyoで売られているかを調べてみると
András Schiff 29枚のCDを持っている→1枚もなかった(/o\)
Hilary Hahn 16枚のCDを持っている→1枚だけだった(/o\)
ちなみにAndrás Schiffはピアニスト、Hilary Hahnはバイオリニストでどちらもメジャーなアーティストである。
この29枚+16枚には古いものもあるので、2016年に発売されたCDで探してみると、
Elizabeth Joy RoeのField: Complete Nocturnes→なかった(>_<)
Chiaroscuro QuartetのHaydn: String Quartets→あった!
Khatia BuniatishviliのKaleidoscope→あった!
Alisa WeilersteinのShostakovich: Cello Concertos→あった!
Valery GergievのStravinsky: The Firebird→なかった(>_<)
初めて調べたが、新譜だと半分程度の確率でハイレゾも売られているみたい。悲観的に考えれば半分しか売られていないということだけれど。
2)ハイレゾは割高
一般にレコーディングではハイレゾよりさらに高い解像度で録音して、最終的にその解像度を落としてCDにする。高い解像度のままだとデータ量が大きすぎてCDに収まらないからである。ちなみに96kHz/24bitのハイレゾならデータ量はCDの約3.3倍になる。
ハイレゾの場合はCDよりは高い解像度に落とすことになる。ハイレゾでもレコーディング時の解像度を維持しないのは同じくデータ量の問題で、ダウンロードに時間が掛かりすぎたりパソコンのハードディスクの容量を圧迫するからである。
いずれにせよCDもハイレゾも元となる音源は同じで、商品に仕上げる手間も同じ。さらにいえばハイレゾはダウンロード販売だから、CD盤やジャケットを作る材料費や流通コストも掛からない。
それなのにハイレゾはCDより値段が高いのである(怒)
先ほどのハイレゾも発売されているCDの購入金額で比較してみると
Chiaroscuro Quartet CDは2471円→ハイレゾだと2500円
Khatia Buniatishvili CDは1357円→ハイレゾだと2600円
Alisa Weilerstein CDは2116円→ハイレゾだと3200円
1357円なんてCDがあるのは輸入盤を買ったからである(送料込みの価格)。こんなに安いことは滅多にないが、たいていは国内盤より2〜3割ほど安いので輸入盤があればそれを買うことが多い。それでこの3つの合計金額はCDは5944円でハイレゾなら8300円になる。比率にしてハイレゾは1.4倍高いという計算。
絶対金額は2356円でたいしたことはないが、けっこうな数のCDを買うのでチリも積もればナントやら。なにせ輸入盤を買っているくらいだからハイレゾはやたら高価に感じる。
3)引き返せなくなったら困る
ほとんどの人はアナログ放送時代のテレビの画質に不満を持っていなかったと思う。しかしハイビジョンが標準になった現在、今さらブラウン管のテレビを見たいとは思わないだろう。
それと同じで、もしハイレゾを聴いて手持ちのCDやリッピングしてあるファイルで音楽を楽しめなくなったら困る。それらのすべてがハイレゾとして売られているわけでもないし、仮に売られていたとしても、それを買い換える金額を考えると気が遠くなる。
もっともCDとハイレゾは「アナログ放送のブラウン管テレビ」と「ハイビジョン放送の液晶テレビ」ほどの差はないことはわかっていた。96kHz/24bitのハイレゾとCDの聴き分けテストで、ミュージシャンやオーディオメーカーの技術者といった耳のプロでも正解率は50%を切るといったデータも見たことがある。逆にいえば1.4倍のコストでハイレゾを購入する価値はないというのが現状での判断。
とはいっても食わず嫌いでハイレゾを聴いたことがないのも淋しい話。
それでついにCDとハイレゾを同一曲で、禁断の比較試聴をしてみた。
ーーー続く
その比較となるのはCD。CDの解像度はサンプリング周波数が44.1kHz、量子化ビット数は16bit。これは
1秒間を44,100回(44.1kHz)に分割して
その間の音量変化を65,536段階(16bit=2の16乗)で
記録するという意味。すべてのCDはこの解像度の規格で制作されている。一方のハイレゾはいろいろな規格があるが、一番発売タイトル数が多いと思われるサンプリング周波数96kHz、量子化ビット数24bitだと
1秒間を96,000回(96kHz)に分割して
その間の音量変化を16,777,216段階(24bit=2の24乗)で記録
ということになる。CDに対して1秒間を分割する回数は約2.2倍、音量変化の段階は約260倍の高解像度となる。密度が高いというほうがわかりやすいかな。詳しいことが知りたければ自分で調べてちょうだい。私もそんなに詳しくない。
とりあえず商品のポジション的にCDとハイレゾは、アナログ時代のテレビ放送とハイビジョン放送、あるいはDVDとブルーレイみたいな関係と思っていればよろしいかと。
何年か前に持っているCDはほとんどリッピングした。リッピングとはCDに入っている音楽ファイルをパソコンに取り込むこと。つまりコピーだから解像度もCDと同じ。今でもハイレゾには手を出さずCDを買って、それをリッピングしている。
ハイレゾを敬遠している主な理由は3つあって、
1)発売されているタイトルが少ない
2〜3年前のデータだが、アップルのiTune Storeで販売されている(ハイレゾでない曲)が4000万曲あるのに対して、ハイレゾでは日本で一番メジャーなe-onkyoでも10万曲程度といわれている。なおハイレゾは特殊な例を除いて基本的にはいわゆるダウンロード販売となる。
タイトル数はどんどん増えてくると思うが現状ではまだまだ少ない。私が持っているCDはほとんどがクラシックで、それがどの程度e-onkyoで売られているかを調べてみると
András Schiff 29枚のCDを持っている→1枚もなかった(/o\)
Hilary Hahn 16枚のCDを持っている→1枚だけだった(/o\)
ちなみにAndrás Schiffはピアニスト、Hilary Hahnはバイオリニストでどちらもメジャーなアーティストである。
この29枚+16枚には古いものもあるので、2016年に発売されたCDで探してみると、
Elizabeth Joy RoeのField: Complete Nocturnes→なかった(>_<)
Chiaroscuro QuartetのHaydn: String Quartets→あった!
Khatia BuniatishviliのKaleidoscope→あった!
Alisa WeilersteinのShostakovich: Cello Concertos→あった!
Valery GergievのStravinsky: The Firebird→なかった(>_<)
初めて調べたが、新譜だと半分程度の確率でハイレゾも売られているみたい。悲観的に考えれば半分しか売られていないということだけれど。
2)ハイレゾは割高
一般にレコーディングではハイレゾよりさらに高い解像度で録音して、最終的にその解像度を落としてCDにする。高い解像度のままだとデータ量が大きすぎてCDに収まらないからである。ちなみに96kHz/24bitのハイレゾならデータ量はCDの約3.3倍になる。
ハイレゾの場合はCDよりは高い解像度に落とすことになる。ハイレゾでもレコーディング時の解像度を維持しないのは同じくデータ量の問題で、ダウンロードに時間が掛かりすぎたりパソコンのハードディスクの容量を圧迫するからである。
いずれにせよCDもハイレゾも元となる音源は同じで、商品に仕上げる手間も同じ。さらにいえばハイレゾはダウンロード販売だから、CD盤やジャケットを作る材料費や流通コストも掛からない。
それなのにハイレゾはCDより値段が高いのである(怒)
先ほどのハイレゾも発売されているCDの購入金額で比較してみると
Chiaroscuro Quartet CDは2471円→ハイレゾだと2500円
Khatia Buniatishvili CDは1357円→ハイレゾだと2600円
Alisa Weilerstein CDは2116円→ハイレゾだと3200円
1357円なんてCDがあるのは輸入盤を買ったからである(送料込みの価格)。こんなに安いことは滅多にないが、たいていは国内盤より2〜3割ほど安いので輸入盤があればそれを買うことが多い。それでこの3つの合計金額はCDは5944円でハイレゾなら8300円になる。比率にしてハイレゾは1.4倍高いという計算。
絶対金額は2356円でたいしたことはないが、けっこうな数のCDを買うのでチリも積もればナントやら。なにせ輸入盤を買っているくらいだからハイレゾはやたら高価に感じる。
3)引き返せなくなったら困る
ほとんどの人はアナログ放送時代のテレビの画質に不満を持っていなかったと思う。しかしハイビジョンが標準になった現在、今さらブラウン管のテレビを見たいとは思わないだろう。
それと同じで、もしハイレゾを聴いて手持ちのCDやリッピングしてあるファイルで音楽を楽しめなくなったら困る。それらのすべてがハイレゾとして売られているわけでもないし、仮に売られていたとしても、それを買い換える金額を考えると気が遠くなる。
もっともCDとハイレゾは「アナログ放送のブラウン管テレビ」と「ハイビジョン放送の液晶テレビ」ほどの差はないことはわかっていた。96kHz/24bitのハイレゾとCDの聴き分けテストで、ミュージシャンやオーディオメーカーの技術者といった耳のプロでも正解率は50%を切るといったデータも見たことがある。逆にいえば1.4倍のコストでハイレゾを購入する価値はないというのが現状での判断。
とはいっても食わず嫌いでハイレゾを聴いたことがないのも淋しい話。
それでついにCDとハイレゾを同一曲で、禁断の比較試聴をしてみた。
ーーー続く
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