2018年05月13日
ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2018 その6 アンヌ・ケフェレック シンフォニア・ヴァルソヴィア 廖國敏(リオ・クォクマン)
この日、4つ目の公演はCホールで。
各ホールではアーティストのサイン会スケジュールが掲示されている。サインは色紙に書いてもらうの、それともCDに?
Cホールの定員は1502席。1階は24列あり写真は17列目あたり。
座席はセンターからやや右寄りの最前列! 音量、音の左右(つまり楽器)バランス、オーケストラ全体がよく見えるということなどを考えると理想はセンターの5列目あたり。そういう席はすぐ売り切れるので、残りの席から音量優先で席を取ることにしている。
コントラバスやチューバなどの大型楽器は、演奏が始まる前からステージに置かれている。それからティンパニーなどの打楽器も。たまに演奏前にステージ裏で最後の調整をしているのが聞こえてくることがある。こういう楽器担当の人は早めに準備を終えないといけないね。
2〜3階席。
この日の午前から昼にかけて聴いた3つのプログラムは、順番にピアノ、ピアノ、ピアノ&チェロ。そして夜はピアノ協奏曲とチェロ協奏曲というのが今回のラインナップ。ちょっとピアノに偏りすぎ。弦楽アンサンブルや声楽なども聴きたかったが、チケットが取れない、内容がピンとこない、他のプログラムと時間帯が被っている、空き時間が中途半端に分断されるなどの理由で断念。ラ・フォル・ジュルネでどのプログラムを選ぶかというのは意外と難しい。まあどれにしようかと悩むのも楽しみのうちではあるが。
【公演番号:M146】
パデレフスキ:序曲
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
アンヌ・ケフェレック (ピアノ)
シンフォニア・ヴァルソヴィア (オーケストラ)
廖國敏(リオ・クォクマン) (指揮者)
※アーティストの写真は公式ページから借用
どちらかというとこのプログラムは消去法で選んだ。このプログラムまでの空き時間は約5時間。美術館に行ったり、東京駅や皇居外苑を見て回ったりしたが、もしこのプログラムを外すと、さすがに時間を持て余す。
躊躇したのはメインの演奏がバルトークだから。堤剛とクレール・デゼールのチェロ・ソナタのところでは“ちょっと苦手な部類。小難しい曲が多く、少し「前衛はいっている」から”と書いた。以前に音楽の「だんだん難しくなる法則」をブログにしたこともある。バルトークはマーラーより20年ほど後に生まれた1881〜1945年の作曲家。音楽が難解になっていった時代の人。聴き込めば色々と発見があるのかもしれないが、そういう趣味はないというか私の感性がその域に達していない。それにしても「だんだん難しくなる法則」を書いたのが2004年。そこから音楽的素養がレベルアップしていないなあ(^^ゞ
シンフォニア・ヴァルソヴィアは過去に3回ほど演奏を聴いているポーランドのオーケストラ。何名かは顔を覚えていてお久しぶりな感じ。ちなみにヴァルソヴィアは首都ワルシャワのポルトガル語読み。ポーランド語ではワルシャワである。なぜにポルトガル語?
廖國敏(リオ・クォクマン)はマカオ出身の指揮者とラ・フォル・ジュルネのホームエージにあり、世界各国のオーケストラで指揮をしている。ネットでは彼に関して、それ以外の情報をほとんど見つけられなかった。自信に溢れた指揮っぷりが印象的。
最初はパデレフスキの序曲。パデレフスキは初めて聞く名前。バルトークと同時代の人。調べてみるとポーランド人で、なんと同国の首相も務めている! ちなみに序曲はコンサートの最初に景気づけに演奏されるような位置づけの曲。
どんな曲だったかはほとんど覚えていない。しかし超絶・最高の時間を過ごした。それは最前列だから音量もさることながら、各楽器の音がとても明瞭に聴き取れたから。私は曲はもちろんだが、同時に楽器の音色を楽しんでいるようなところがある。この日に聴けたのは、かつて経験したことにない素晴らしい音色の集合体。こんな音が聴けるオーディオがあるなら3億円くらい払ってもいい。持ってないけれど(^^ゞ
それが最前列という座席のせいなのか、シンフォニア・ヴァルソヴィアの腕前がよかったのかどうかはわからない。でも本日の教訓その1
Cホールでオーケストラは最前列で聴け
2曲目がバルトークのピアノ協奏曲。ピアニストは午前中にヘンデルやスカルラッティを聴いたアンヌ・ケフェレック。その時のバロックとはずいぶんと違う曲だから、どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみなんて一人前のことを言ってみる。
ピアノは最初ステージの隅に置かれていて、序曲の演奏が終わるとまずバイオリンの最前列にいたメンバーが退席した。それは係員がピアノを移動させるのに邪魔になるから。だからバイオリンの前方にピアノが置かれると思っていた。ピアノ協奏曲ではそのケースが多い。つまり指揮者の左隣。しかし運ばれてきたのは指揮者の真後ろ。そっ、そこはアカン位置や(/o\) 私の席から近すぎる。それを考えてピアニストの姿の見える最前列左側の席が空いていても、わざと右側を選んだのに。シンフォニア・ヴァルソヴィアはそれほど大編成のオーケストラではないので、Cホールのステージは少し狭いのかな。
これは公演後に撮ったもの。ステージの端ギリギリにセッティングされている。最前列からだとボディの底が見える。
案の定、ピアノの音は直撃で聞こえてきた。チョット辛い。ピアノの音に気を取られて、あの最高の音で鳴っていたオーケストラまで別のもののように聞こえた。本日の教訓その2
Cホールでピアノ協奏曲なら最前列はやめとけ
それでも、しばらくすると耳が慣れてくるから、それなりに楽しめた。実はバルトークのCDは割とたくさん持っていて(でも先ほど述べた理由であまり聴いていない)、演奏されるピアノ協奏曲3番もラ・フォル・ジュルネに来る前に2〜3回聴いておいた。やっぱり苦手意識は変わらず。しかしコンサートで聴くと案外スッと腑に落ちる。今までに何回か書いたかもしれないが、それは演奏を耳で聴くだけでなく、目でも見ているところが大きい。なぜか視覚的情報があると音楽をより理解できるようなる、あるいはできた気になるのだ。
ところで上の写真をもう一度見て欲しい。私の席からはピアノの椅子が見える。ピアニストが座ると膝の位置である。演奏中にケフェレックの顔は見えなかったが、ピアノのパートがない時に彼女が膝の上に置く手が見えた。ピアノソナタの演奏を聴いた時のエントリーで「小柄でとても上品なおばあさん」と彼女の印象を書いた。でもその手というか指を見てビックリ。ピアニストだから指は長い。しかしそれ以上に、とても太くてゴツゴツしている。首を絞められたらすぐ窒息してしまいそう(^^ゞ もちろん彼女のピアノ演奏は一級品。そこで本日の教訓その3
指は見かけによらない
ーーー続く
各ホールではアーティストのサイン会スケジュールが掲示されている。サインは色紙に書いてもらうの、それともCDに?
Cホールの定員は1502席。1階は24列あり写真は17列目あたり。
座席はセンターからやや右寄りの最前列! 音量、音の左右(つまり楽器)バランス、オーケストラ全体がよく見えるということなどを考えると理想はセンターの5列目あたり。そういう席はすぐ売り切れるので、残りの席から音量優先で席を取ることにしている。
コントラバスやチューバなどの大型楽器は、演奏が始まる前からステージに置かれている。それからティンパニーなどの打楽器も。たまに演奏前にステージ裏で最後の調整をしているのが聞こえてくることがある。こういう楽器担当の人は早めに準備を終えないといけないね。
2〜3階席。
この日の午前から昼にかけて聴いた3つのプログラムは、順番にピアノ、ピアノ、ピアノ&チェロ。そして夜はピアノ協奏曲とチェロ協奏曲というのが今回のラインナップ。ちょっとピアノに偏りすぎ。弦楽アンサンブルや声楽なども聴きたかったが、チケットが取れない、内容がピンとこない、他のプログラムと時間帯が被っている、空き時間が中途半端に分断されるなどの理由で断念。ラ・フォル・ジュルネでどのプログラムを選ぶかというのは意外と難しい。まあどれにしようかと悩むのも楽しみのうちではあるが。
【公演番号:M146】
パデレフスキ:序曲
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
アンヌ・ケフェレック (ピアノ)
シンフォニア・ヴァルソヴィア (オーケストラ)
廖國敏(リオ・クォクマン) (指揮者)
※アーティストの写真は公式ページから借用
どちらかというとこのプログラムは消去法で選んだ。このプログラムまでの空き時間は約5時間。美術館に行ったり、東京駅や皇居外苑を見て回ったりしたが、もしこのプログラムを外すと、さすがに時間を持て余す。
躊躇したのはメインの演奏がバルトークだから。堤剛とクレール・デゼールのチェロ・ソナタのところでは“ちょっと苦手な部類。小難しい曲が多く、少し「前衛はいっている」から”と書いた。以前に音楽の「だんだん難しくなる法則」をブログにしたこともある。バルトークはマーラーより20年ほど後に生まれた1881〜1945年の作曲家。音楽が難解になっていった時代の人。聴き込めば色々と発見があるのかもしれないが、そういう趣味はないというか私の感性がその域に達していない。それにしても「だんだん難しくなる法則」を書いたのが2004年。そこから音楽的素養がレベルアップしていないなあ(^^ゞ
シンフォニア・ヴァルソヴィアは過去に3回ほど演奏を聴いているポーランドのオーケストラ。何名かは顔を覚えていてお久しぶりな感じ。ちなみにヴァルソヴィアは首都ワルシャワのポルトガル語読み。ポーランド語ではワルシャワである。なぜにポルトガル語?
廖國敏(リオ・クォクマン)はマカオ出身の指揮者とラ・フォル・ジュルネのホームエージにあり、世界各国のオーケストラで指揮をしている。ネットでは彼に関して、それ以外の情報をほとんど見つけられなかった。自信に溢れた指揮っぷりが印象的。
最初はパデレフスキの序曲。パデレフスキは初めて聞く名前。バルトークと同時代の人。調べてみるとポーランド人で、なんと同国の首相も務めている! ちなみに序曲はコンサートの最初に景気づけに演奏されるような位置づけの曲。
どんな曲だったかはほとんど覚えていない。しかし超絶・最高の時間を過ごした。それは最前列だから音量もさることながら、各楽器の音がとても明瞭に聴き取れたから。私は曲はもちろんだが、同時に楽器の音色を楽しんでいるようなところがある。この日に聴けたのは、かつて経験したことにない素晴らしい音色の集合体。こんな音が聴けるオーディオがあるなら3億円くらい払ってもいい。持ってないけれど(^^ゞ
それが最前列という座席のせいなのか、シンフォニア・ヴァルソヴィアの腕前がよかったのかどうかはわからない。でも本日の教訓その1
Cホールでオーケストラは最前列で聴け
2曲目がバルトークのピアノ協奏曲。ピアニストは午前中にヘンデルやスカルラッティを聴いたアンヌ・ケフェレック。その時のバロックとはずいぶんと違う曲だから、どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみなんて一人前のことを言ってみる。
ピアノは最初ステージの隅に置かれていて、序曲の演奏が終わるとまずバイオリンの最前列にいたメンバーが退席した。それは係員がピアノを移動させるのに邪魔になるから。だからバイオリンの前方にピアノが置かれると思っていた。ピアノ協奏曲ではそのケースが多い。つまり指揮者の左隣。しかし運ばれてきたのは指揮者の真後ろ。そっ、そこはアカン位置や(/o\) 私の席から近すぎる。それを考えてピアニストの姿の見える最前列左側の席が空いていても、わざと右側を選んだのに。シンフォニア・ヴァルソヴィアはそれほど大編成のオーケストラではないので、Cホールのステージは少し狭いのかな。
これは公演後に撮ったもの。ステージの端ギリギリにセッティングされている。最前列からだとボディの底が見える。
案の定、ピアノの音は直撃で聞こえてきた。チョット辛い。ピアノの音に気を取られて、あの最高の音で鳴っていたオーケストラまで別のもののように聞こえた。本日の教訓その2
Cホールでピアノ協奏曲なら最前列はやめとけ
それでも、しばらくすると耳が慣れてくるから、それなりに楽しめた。実はバルトークのCDは割とたくさん持っていて(でも先ほど述べた理由であまり聴いていない)、演奏されるピアノ協奏曲3番もラ・フォル・ジュルネに来る前に2〜3回聴いておいた。やっぱり苦手意識は変わらず。しかしコンサートで聴くと案外スッと腑に落ちる。今までに何回か書いたかもしれないが、それは演奏を耳で聴くだけでなく、目でも見ているところが大きい。なぜか視覚的情報があると音楽をより理解できるようなる、あるいはできた気になるのだ。
ところで上の写真をもう一度見て欲しい。私の席からはピアノの椅子が見える。ピアニストが座ると膝の位置である。演奏中にケフェレックの顔は見えなかったが、ピアノのパートがない時に彼女が膝の上に置く手が見えた。ピアノソナタの演奏を聴いた時のエントリーで「小柄でとても上品なおばあさん」と彼女の印象を書いた。でもその手というか指を見てビックリ。ピアニストだから指は長い。しかしそれ以上に、とても太くてゴツゴツしている。首を絞められたらすぐ窒息してしまいそう(^^ゞ もちろん彼女のピアノ演奏は一級品。そこで本日の教訓その3
指は見かけによらない
ーーー続く