2018年05月15日
ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2018 その8 アレクサンドル・クニャーゼフ ウラル・フィルハーモニー管弦楽団 ドミトリー・リス
最後に聴くプログラムはAホール。
ここは5000名収容の巨大ホール。大きな音の出るオーケストラといえどもクラシックには広すぎて不向き。私のラ・フォル・ジュルネのデビューは49列あるシートの46列目だった。遠くから音楽が聞こえてきただけで、今でも座席選びではそれがトラウマになっている。
これは22列目あたりから撮ったもの。
これで半分の座席数だから、いかに広いかわかってもらえるはず。
同じ位置からステージを眺めたところ。
座席はセンターからやや左寄りの9列目。
経験上、Aホールでオーケストラを楽しめるのは15列目まで。(音量重視なら)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団は、これの前に聴いたシンフォニア・ヴァルソヴィアと較べて人数が多い。ステージに置かれているコントラバスはヴァルソヴィアが4台に対してウラルは7台。演奏中にチェロを数えてみると5台に対して8台だった。
右側が指揮台。鉄棒みたいなのは指揮台後方についていて、指揮者がエキサイトしすぎて台から落ちないためのもの。左にあるのがチェリストのための台。バイオリン協奏曲だとバイオリニストにこんな台は用意されない。チェロは坐って弾くからなのかな。それにしても安っぽい造りに見えて仕方ない。
【公演番号:M116】
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
アレクサンドル・クニャーゼフ (チェロ)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団 (オーケストラ)
ドミトリー・リス (指揮者)
※アーティストの写真は公式ページから借用
アレクサンドル・クニャーゼフはトップクラスのチェリストの1人。1961年生まれのロシア人。オルガン奏者としてもCDを出しているというめずらしい人。写真ではわからないが、けっこう腹が出てた。
ところで彼はウエーブがかかったボサボサ髪が特徴的なヘアスタイル。なぜか有名チェリストに同じヘアスタイルが何人かいる。マイスキーは少し年上だが、クニャーゼフとイッサーリスはモロにキャラが被っている気がするけど。チェリストがなぜそのヘアスタイルを好むのか、誰か尋ねてきて欲しい(^^ゞ
ミッシャ・マイスキー
スティーヴン・イッサーリス
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団はロシアのオーケストラで、その常任指揮者であるドミトリー・リスもロシア人。2016年にこの組み合わせで聴いたチャイコフスキーのピアノ協奏曲も、ピアニストはロシア人のルーカス・ゲニューシャスだった。ここはロシア人で固めるのが好きなのかな。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲は最初の3分半ほどオーケストラだけの演奏が続く。そのあいだクニャーゼフは先ほど写真を載せた椅子に座ったまま。大勢の人に対面して、じっと坐っているだけなんて居心地が悪いだろうに。目があったら手でも振ってやろうかと思ったが、その機会は訪れず(^^ゞ
ようやく彼の演奏も始まる。しかし、そのとたんチェロを弾く弓の毛が何本か切れた。演奏に支障はないしクニャーゼフも気にしていない様子。しかし生演奏鑑賞歴の浅い身としては弓を動かすたびに宙を舞う弓毛をどうしても目でおってしまう。もちろん演奏のあいまに、その弓毛は引き抜かれた。
日本でドヴォルザークは♪遠き山に日は落ちて〜にメロディーが引用されているせいか、交響曲9番の「新世界」が圧倒的に有名。でも彼のチェロ協奏曲は協奏曲というジャンルの最高傑作とされている。ブラームスが「人間にこんな曲が書けるはずがない」と言ったとか。私はそんなに突出して素晴らしいとは思わないけれど、もちろん名曲には違いない。ちなみにこの曲を「ドボコン」というと通っぽい。ドヴォルザークのコンチェルト(協奏曲)の省略形。彼の9つある交響曲ならドボ1とかドボ2などともいう。ベートーヴェンの場合はベト1、ベト2ーーー。面白いのはショスタコーヴィチでなんとタコ1、タコ2と略される。
クニャーゼフのチェロは力強く男性的な弾きっぷり。情感もたっぷりめに感じた。オーケストラとのまとまりもよく、ラ・フォル・ジュルネの最後にいいものを聴けたなあと大満足。アンコールはバッハの無伴奏チェロソナタ1番。名前は知らなくても出だしのメロディは誰でも聴いたことがある曲。ただドヴォルザークとの組み合わせを意外に感じる。しかし書き忘れていたが、バルトークの協奏曲を弾いたケフェレックも、アンコールはヘンデルのメヌエットだった。考えてみれば、違うタイプの曲のほうがあれこれ聴けたお得感はある。実際バッハのソナタでは協奏曲の時とは違って、ゆったりとしたチェロの響きを堪能できた。
例年通りいろいろと楽しめたラ・フォル・ジュルネ。1日に5公演を聴いたと人に言うとビックリされることが多いが、聴き過ぎ・聴き飽き感はまったくない。それと生演奏を聴くと身体の音楽細胞が刺激されるのか(もちろんそんな細胞はない)、オーディオや携帯プレーヤーで聴く音楽もしばらくはより活き活きと感じられてうれしい。しばらくはバイクから離れるから、今年こそラ・フォル・ジュルネ以外の演奏会に出かけてみようと思っている。
おしまい
ここは5000名収容の巨大ホール。大きな音の出るオーケストラといえどもクラシックには広すぎて不向き。私のラ・フォル・ジュルネのデビューは49列あるシートの46列目だった。遠くから音楽が聞こえてきただけで、今でも座席選びではそれがトラウマになっている。
これは22列目あたりから撮ったもの。
これで半分の座席数だから、いかに広いかわかってもらえるはず。
同じ位置からステージを眺めたところ。
座席はセンターからやや左寄りの9列目。
経験上、Aホールでオーケストラを楽しめるのは15列目まで。(音量重視なら)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団は、これの前に聴いたシンフォニア・ヴァルソヴィアと較べて人数が多い。ステージに置かれているコントラバスはヴァルソヴィアが4台に対してウラルは7台。演奏中にチェロを数えてみると5台に対して8台だった。
右側が指揮台。鉄棒みたいなのは指揮台後方についていて、指揮者がエキサイトしすぎて台から落ちないためのもの。左にあるのがチェリストのための台。バイオリン協奏曲だとバイオリニストにこんな台は用意されない。チェロは坐って弾くからなのかな。それにしても安っぽい造りに見えて仕方ない。
【公演番号:M116】
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
アレクサンドル・クニャーゼフ (チェロ)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団 (オーケストラ)
ドミトリー・リス (指揮者)
※アーティストの写真は公式ページから借用
アレクサンドル・クニャーゼフはトップクラスのチェリストの1人。1961年生まれのロシア人。オルガン奏者としてもCDを出しているというめずらしい人。写真ではわからないが、けっこう腹が出てた。
ところで彼はウエーブがかかったボサボサ髪が特徴的なヘアスタイル。なぜか有名チェリストに同じヘアスタイルが何人かいる。マイスキーは少し年上だが、クニャーゼフとイッサーリスはモロにキャラが被っている気がするけど。チェリストがなぜそのヘアスタイルを好むのか、誰か尋ねてきて欲しい(^^ゞ
ミッシャ・マイスキー
スティーヴン・イッサーリス
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団はロシアのオーケストラで、その常任指揮者であるドミトリー・リスもロシア人。2016年にこの組み合わせで聴いたチャイコフスキーのピアノ協奏曲も、ピアニストはロシア人のルーカス・ゲニューシャスだった。ここはロシア人で固めるのが好きなのかな。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲は最初の3分半ほどオーケストラだけの演奏が続く。そのあいだクニャーゼフは先ほど写真を載せた椅子に座ったまま。大勢の人に対面して、じっと坐っているだけなんて居心地が悪いだろうに。目があったら手でも振ってやろうかと思ったが、その機会は訪れず(^^ゞ
ようやく彼の演奏も始まる。しかし、そのとたんチェロを弾く弓の毛が何本か切れた。演奏に支障はないしクニャーゼフも気にしていない様子。しかし生演奏鑑賞歴の浅い身としては弓を動かすたびに宙を舞う弓毛をどうしても目でおってしまう。もちろん演奏のあいまに、その弓毛は引き抜かれた。
日本でドヴォルザークは♪遠き山に日は落ちて〜にメロディーが引用されているせいか、交響曲9番の「新世界」が圧倒的に有名。でも彼のチェロ協奏曲は協奏曲というジャンルの最高傑作とされている。ブラームスが「人間にこんな曲が書けるはずがない」と言ったとか。私はそんなに突出して素晴らしいとは思わないけれど、もちろん名曲には違いない。ちなみにこの曲を「ドボコン」というと通っぽい。ドヴォルザークのコンチェルト(協奏曲)の省略形。彼の9つある交響曲ならドボ1とかドボ2などともいう。ベートーヴェンの場合はベト1、ベト2ーーー。面白いのはショスタコーヴィチでなんとタコ1、タコ2と略される。
クニャーゼフのチェロは力強く男性的な弾きっぷり。情感もたっぷりめに感じた。オーケストラとのまとまりもよく、ラ・フォル・ジュルネの最後にいいものを聴けたなあと大満足。アンコールはバッハの無伴奏チェロソナタ1番。名前は知らなくても出だしのメロディは誰でも聴いたことがある曲。ただドヴォルザークとの組み合わせを意外に感じる。しかし書き忘れていたが、バルトークの協奏曲を弾いたケフェレックも、アンコールはヘンデルのメヌエットだった。考えてみれば、違うタイプの曲のほうがあれこれ聴けたお得感はある。実際バッハのソナタでは協奏曲の時とは違って、ゆったりとしたチェロの響きを堪能できた。
例年通りいろいろと楽しめたラ・フォル・ジュルネ。1日に5公演を聴いたと人に言うとビックリされることが多いが、聴き過ぎ・聴き飽き感はまったくない。それと生演奏を聴くと身体の音楽細胞が刺激されるのか(もちろんそんな細胞はない)、オーディオや携帯プレーヤーで聴く音楽もしばらくはより活き活きと感じられてうれしい。しばらくはバイクから離れるから、今年こそラ・フォル・ジュルネ以外の演奏会に出かけてみようと思っている。
おしまい