2018年07月14日
サッカー・ワールドカップ:なぜイングランド?
準決勝のクロアチアvsイングランド戦を観たことは前回に書いた。
ところで、ごく当たり前にイングランドといわれているけれど、なぜイギリスじゃないのかと思う人は少ないのかな。ラグビーでも同じようなことがあるから、だいたいの想像はついていたが、この機会に調べてみた。
結論から書くと、
ほとんどの国は1国・1チームでしかワールドカップの予選に参加できないが、
例外的な扱いを受けている国もある。
その代表例がイギリス。イギリス本土から4チーム、海外領土から7チームが
エントリーできる。
ワールドカップを主催しているのは国際サッカー連盟(FIFA)で、通常は各国に
1つの下部組織がある。日本なら日本サッカー協会。
しかしイギリスはサッカー発祥の地であり、国際サッカー連盟の設立以前から
イギリス各地域のサッカー協会が存在していた。
それら各地域のサッカー協会が個別に国際サッカー連盟に加入することが認められ
たので、その協会の数だけチームがエントリーすることになる。
100%正確な説明じゃないが、だいたいそんなところ。
その各地域の協会とは、イギリス本土が
イングランド
スコットランド
ウエールズ
北アイルランド
海外領土が
モントセラト(中米)
イギリス領ヴァージン諸島(中米)
ケイマン諸島(中米)
タークス・カイコス諸島(中米)
バミューダ諸島(北大西洋)
アンギラ(中米)
ジブラルタル(イベリア半島=スペイン)
日本で置き換えるなら、ワールドカップに北海道代表、本州代表、四国代表、九州代表それに沖縄代表、淡路島代表、佐渡島代表、伊豆諸島代表、瀬戸内海代表など11チームがワールドカップを目指せるということ。ずるいぞイギリス(^^ゞ
もっともワールドカップ本大会に出場できる力を持っているのはイギリス本土の4チームだけ。中米・北大西洋の海外領土6チームは5次予選まである北中米・カリブ海ブロックの1次予選ですべて敗退している。ジブラルタルも欧州予選で得失点差マイナス44という下から2番目の成績だった。
今回のロシア大会に出場できたのはイングランドだけだが、確率的には準決勝〜決勝のすべてをイギリス勢が占めることもあり得る。イングランドとスコットランドの仲が悪いのは有名。もし決勝戦がその組み合わせで、しかもイギリス国内開催のワールドカップだったりしたらスタジアムは阿鼻叫喚の地獄図になるかも(^^ゞ
他にイギリスのように地域や海外領土のチームがワールドカップに参加できる国は
中国:香港、マカオ
デンマーク:フェロー諸島(北大西洋)
オランダ:キュラソー島(中米)、アルバ(南米)
アメリカ:グアム、プエルトリコ(中米)、アメリカ領ヴァージン諸島(中米)
など。ほかにもサンマリノのような一応は独立国だけれど、イタリアの保護国のようなミニ国家も参加資格を持っている。
ところでプエルトリコが国ではなくてアメリカの属州的な存在だというのは何となく知っていたが、ヴァージン諸島がアメリカ領とイギリス領に分かれているのは知らなかった。そしてグアムがアメリカそのものではなく海外領土だとわかってビックリ!
ワールドカップやオリンピックの時は、少し世界に目を向けるいい機会。それでいろんな発見や気づきがある。そんな話が何回か続くかも。
wassho at 10:48│Comments(0)│
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