2018年09月06日

SNSと台風21号

台風21号の強風による被害の映像をニュースでたくさん見た。屋根が吹き飛ばされる様子にも驚いたが、クルマが倒されて押し流されているのは衝撃的だった。そのような光景は初めて見たように思う。

しかし冷静に考えてみると、大阪全域で断続的にそんなことが起こっていたわけではない。ごく限られたエリアで瞬時の出来事である。つまり撮影しようと狙ってできるものではない。それなのに数多くの映像がテレビで放送されたのは、近隣の住民や、たまたま通りがかった人がスマホで録画してSNSにアップし、それをマスコミ各社が利用したからだろう。(ニュースに使えるものをアップするとマスコミから、そのSNSを通じて利用させて欲しいと連絡が来ると聞いたことがある)

私のTwitterは読む専門で、フォローしているアカウントもごく僅か。それでもリツイートされてくる投稿によって、ほぼ生中継的にいろんな映像を見ることができた。(Twitterの仕組みを知らない人は調べてね)

それで今さらではあるが、改めてSNSによって情報の伝わり方や在り方は変わってきたと実感。最近、プラスチック製のストローの是非が問題になっているが、あれもバリ島の海岸にプラスチックゴミが散乱している写真や動画を、多くの人がSNSにアップしたことが影響したらしい。少し前のハリウッドのセクハラ騒動も、MeTooを表明するSNSがなければ違う展開になっていたはず。

もちろんいいことばかりではなく、巧妙に偽造された動画などで、とんでもないデマに躍らされることも今後は起きるだろう。どんなテクノロジーだって使い方によって毒にも薬にもなる。今回だって台風は関西各地に被害をもたらしたはずだが、人口が多くSNSにアップされた映像も多い大阪が、よりニュースを占めた感は否めない。

ニュースがすべての事実を伝えることは無理だし、話題となるものが選ばれるのは昔からだけれど、これからますます劇場型になるような危惧も感じている。私もクルマが押し倒される映像が流れるたびに見入っていたからエラソーなことは言えないがーーー。

wassho at 06:53│Comments(0) ノンジャンル 

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