2018年12月06日

ピエール・ボナール展 オルセー美術館特別企画

東山魁夷を見終えて次は楽しみにしていたボナール展。写真に小さく看板が写っているように国立新美術館では日展も開催されていた。見ておきたかったが、この日は2つの展覧会をハシゴなので時間がなく残念。なんだかんだで毎年行きそびれている。

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この美術館に来ると、つい撮ってしまう毎回同じような写真。
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ちょっとお茶でも飲んでからと思ったが、カフェは行列になっていたので、そのまま展覧会へ。ちなみに国立新美術館にはポール・ボキューズのブラッスリーもある。レストラン>ビストロ>ブラッスリー>カフェの順番でカジュアルになるしきたりで、ここのポール・ボキューズのランチは2200円と3800円。
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東山魁夷のエントリー冒頭でも書いたように、ボナールは美術界においては準メジャー級、世間一般ではほとんど知られていない画家だと思う。それと美術史的にはナビ派に属することになっているが、このナビ派というのが今ひとつわからない存在。というわけで少しおさらい。


ボナールは1867年(明治元年が1868年)生まれで1947年(昭和22年:終戦が1945年)まで生きた。これらの写真がいつ頃に撮られたかは不明だが、歳を取ってからはブサイクになっているなあ。身につまされるゼ(/o\)
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ナビ派というのは印象派の後に生まれたグループで、当時の画家を生まれた順番に並べてみると

   セザンヌ    1839年〜1906年 (ポスト印象派)
   モネ      1840年〜1926年 (印象派)
   ルノワール   1841年〜1919年 (印象派)
   ゴーギャン   1848年〜1903年 (ポスト印象派)
   ゴッホ     1853年〜1890年 (ポスト印象派)
  ★ボナール    1867年〜1947年 (ナビ派)
   ピカソ     1881年〜1973年
   モディリアーニ 1884年〜1920年 (エコール・ド・パリ)
   パスキン    1885年〜1930年 (エコール・ド・パリ)
   藤田嗣治    1886年〜1968年 (エコール・ド・パリ)

世代的には印象派とエコール・ド・パリの画家に挟まれているのがわかる。

ナビ派は1888年にポール・セリュジエという画家がゴーギャンから指導・影響を受け、彼がボナールなどの仲間に呼びかけて生まれたとされる。ゴーギャンはポスト印象派だからナビ派は印象派の3rdジェネレーションというような位置づけともいえる。

作品の内容的な違いの説明は私には無理として、背景的に理解しているのは、それまでの形式的で退屈なクラシックに反抗して生まれたポップスが印象派、さらにはじけてロックになったのがポスト印象派かな。クラシック音楽愛好家としてこういう比喩を書くのは不本意であるが。しかしナビ派はもっと過激にパンクロックになったわけでもない。とりあえずクリエーターは前の世代を乗り越えようとするものである。

ちなみにナビ派のナビは、ナビゲーション(道案内)の語源となったヘブライ語で予言者を意味する。そんなところにも新しい絵画を創造するんだという気持ちが込められているように思う。


ボナールのこの規模での展覧会は37年振りとのこと。130点ほどの作品のうち100点ほどがオルセー美術館からの貸し出し。2015年にオルセー美術館で開催されたボナール展では歴代2位の入場者数を記録したそうだが、普段はあまり多くのボナール作品を展示しているわけではないらしい。だから、これだけまとまった数の作品を観られるのは貴重な体験。もし次がまた37年後ならこれが見納めになる?


ーーー続く

wassho at 22:25│Comments(0) 美術展 

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