2019年05月04日
ラ・フォル・ジュルネTOKYO2019 アレクサンドル・クニャーゼフ ニキータ・ボリソグレブスキー ボリス・ベレゾフスキー
メガネを買うには検眼してレンズを加工してというプロセスがある。つまり時間がかかる。それでもなんとか2つ目の公演開始時刻までに間に合ってよかった。
会場はB7ホール。B5と同じく多目的イベントスペースである。収容人数はB5の約250名に対してB7は約800名と広い。しかし音楽的には天井が低いのが難点。座席は17列中の6列目センター位置を確保。
【公演番号123】
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 op.50 「偉大な芸術家の思い出に」
アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ)
ニキータ・ボリソグレブスキー(バイオリン)
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)
実はこのプログラム、チケットを予約する時点では誰が演奏するか明かされておらず、いわゆるサプライズ公演の企画趣向。それも面白かろうという理由と、ピアノ三重奏を生で聴いたことがなかったので選んだ。ラ・フォル・ジュルネではホールの入り口で曲と演奏家についての簡単な解説が書かれたパンフレットが配られる。それが見当たらなかったので係員に尋ねると、この公演では演奏が終わってから配るとのこと。そこまでシークレットにしなくてもと思ったが。
演奏家がステージに入ってきた。アレクサンドル・クニャーゼフは昨年の公演を聴いたのですぐにわかった。彼は世界のトップのチェリストの1人である。他の二人は初めて見る顔。
ニキータ・ボリソグレブスキーは30歳代半ばくらいのロシア人。準若手といったポジションかな。ボリス・ベレゾフスキーもロシア人でこちらは50歳。タワーレコードで検索するとCDは167件もヒットした。まったく知らないピアニストだったが、バイオリンの諏訪内晶子やワディム・レーピンと共演したCDも出していて、それは持っていることが判明。諏訪内晶子はよく聴いていた時期があったので実はお馴染みさんだったことになる。ちなみにボリス・ベレゾフスキーの胴回りは上の写真からイメージする2倍は太い。背も高くて巨漢である。
では、その写真をドン! これでもまだ3割スリムに写っているかな。自分より腹が出ている人を見るとなぜか安心する(^^ゞ なお写真はKAJIMOTOのホームページから。
ところでチェロのアレクサンドル・クニャーゼフ。今年のラ・フォル・ジュルネの出演者リストには載っていない。どうやら別のコンサートで来日していたらしい。かたくなにシークレットにしていたのは事務所を通していないショクナイだったりして(^^ゞ
「偉大な芸術家の思い出に」というタイトルが付いているこの作品は、チャイコフスキーの友人であったピアニストが亡くなった際に追悼曲として作られたもの。とはいっても泣きの旋律だけじゃなくてリズミカルなところもあったりしてバラエティに富んでいる。特徴的なのは第2楽章が変奏曲となっていること。つまり主題が少しずつアレンジを変えて繰り返される。その数なんと12回。そして第2楽章の最後は第1楽章の変奏。あまり曲の構成なんかを意識して音楽を聴くことはないが、これはサルでも私でも理解できるわかりやすさ。ただ12回の繰り返しはちょっと中ダレして飽きてくるかな。
エルメス弦楽四重奏団の演奏では音の厚みが印象的だったけれど、この演奏では特にチェロで倍音の響きを感じた。倍音が豊かとかよく評論で使われるるフレーズだが、何のことか今ひとつ理解できていなかった。それがわかったような気がしたが、あれが倍音だったと自信があるわけじゃない。
アレクサンドル・クニャーゼフは盤石な印象。演奏の良し悪しがわかるほどの耳と教養はないのだが、ニキータ・ボリソグレブスキーの演奏にも不満はまったくなかった。それはボリス・ベレゾフスキーも同じ。ただし彼の演奏はとてもエネルギッシュだったが、ピアノの響き方に少し違和感。少しビブラートがかかっているというかチェンバロが混ざっているというか。それがネガティブかというとそうでもないのだが。
会場の外に出たのは午後2時半ごろ。例年と較べて少し人出が少ないような気がする。10連休で遠くに行く人が多かったのだろうか。
メガネのレンズ加工を待つ間に有楽町の駅前でランチは食べた。でも、とりあえずビール。そしてビールだけじゃ寂しいのでフランクフルト。ボリス・ベレゾフスキーと較べれば、私なんてスリムなほうなんだから気にしない(^^ゞ
ここはいつも夜にタイルが光っているのを撮る場所。こういう構図だとさすがに換算15mmの広角レンズは迫力がある。
上のタイルがあるのは丸の内側の出入り口。そこから出て向かったのは三菱一号館美術館。徒歩数分の至近距離。
美術館の入り口は中庭にある。入ってみると人だかりが。ラ・フォル・ジュルネは東京国際フォーラムのメイン会場以外に、丸の内や銀座など周辺17ヶ所で無料のミニコンサートも開いている。
バイオリンとクラリネットの電子楽器。この写真を撮った直後に演奏が終わってしまったので、ほとんど聴くことができなくて残念。
相変わらずキレイな中庭。
展覧会はラファエル前派に関するもの。
ラ・フォル・ジュルネとラファエル前派。ちょっと似てるか?
展覧会についてはまた後日。そういえば3月の終わりに上野でサクラ花見と同時に訪れた都立美術館の「奇想の系譜」展のことをまだブログにしていない(>_<)
ーーー続く