2019年06月22日
ラファエル前派の軌跡 その2
ラスキン中心のコーナーの次は、いよいよラファエル前派の展示となる。
前回に書いたようにラファエル前派を始めたのは3名。その名前は
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ (16)
ジョン・エヴァレット・ミレー (5)
ウィリアム・ホルマン・ハント (3)
名前の後ろにつけた数字はこの展覧会での作品数。なおミレーは「落ち穂拾い」のミレーとは別人。2人はほぼ同世代の画家。
ロセッティの作品が最も多いが、彼の作品は
コッテリと濃い
ジェイン・モリスという女性をモデルにした絵が多い。
他の女性を描いてもジェイン・モリス顔になる(^^ゞ
という特徴がある。
「ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1863-68年頃
この作品はラスキンに酷評されたらしいが、今回の展覧会のポスターにもなったようにいい絵だと思う。彼はどこが気に入らなかったのだろう。ロセッティは他のラファエル前派の画家たちより独自路線志向が強かったから、そういうことも影響しているのかもしれない。
「シビュラ・パルミフェラ」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1865-70年
これを見るのは2度目。背景に目隠しされたキューピッドやドクロが描かれていたり、色々と読み解かなければいけない絵でもある。絵を眺めただけでそこまで理解することは難しいのだけれど、なんとなく美人を描いただけの絵じゃないことは雰囲気に表れている。
「クリスマス・キャロル」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1867年
「夜が明けて―ファウストの宝石を見つけるグレートヒェン」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1868年
「ラ・ドンナ・デッラ・フィネストラ(窓辺の女性)」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1870年
「ムネーモシューネー(記憶の女神)」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1876-81年
はい、どれも同じ顔ですね。
この中でモデルがわかっているのは
シビュラ・パルミフェラ → アレクサ・ワイルディング
ラ・ドンナ・デッラ・フィネストラ(窓辺の女性) → ジェイン・モリス
ムネーモシューネー(記憶の女神) → ジェイン・モリス
ジェイン・モリスというのはラファエル前派のメンバーであるウィリアム・モリスの奥さんであり、ロセッティの愛人でもあった女性。ラファエル前派というのはグループ内の男女関係が入り乱れていたのも特徴。ワイドショーだったら1ヶ月は放送できるくらいの分量になるので、このブログでそのテーマは省略。
ジェイン・モリスの写真。
撮られたのは1865年だからから26歳頃。
こちらは1898年の撮影で59歳頃。ずいぶんと印象が変わっている。
若い頃は髪が剛毛に見えるが、単にウェーヴをかけていただけだったのかな。
ロセッティの描くジェイン・モリスを決して嫌いではない。ラファエル前派に興味を持ったきっかけは、2014年の展覧会のポスターに使われたロセッティの「プロセルピナ」という作品だったのだから。今回で2度目となる「シビュラ・パルミフェラ」だって、また見ることができてうれしかった。
しかしブログの画像ではわかりにくいかもしれないが、ロセッティのジェイン・モリスあるいはジェイン・モリス似の女性像はコッテリと濃くヘビーなのである。今回それが9作品も並んでいたので胸やけした(^^ゞ
また胸やけするくらい強烈なので、他の作品の印象が少し薄くなってしまったことも否めない。このコーナーの作品数は36点。その中でロセッティは16点で半数近くを占めている。前回のエントリーで全体の中でラスキンの作品が1/4も占めることに不満を述べたが、ロセッティについても同じことがいえる。どうにもバランスの悪い展覧会である。
ーーー続く
前回に書いたようにラファエル前派を始めたのは3名。その名前は
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ (16)
ジョン・エヴァレット・ミレー (5)
ウィリアム・ホルマン・ハント (3)
名前の後ろにつけた数字はこの展覧会での作品数。なおミレーは「落ち穂拾い」のミレーとは別人。2人はほぼ同世代の画家。
ロセッティの作品が最も多いが、彼の作品は
コッテリと濃い
ジェイン・モリスという女性をモデルにした絵が多い。
他の女性を描いてもジェイン・モリス顔になる(^^ゞ
という特徴がある。
「ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1863-68年頃
この作品はラスキンに酷評されたらしいが、今回の展覧会のポスターにもなったようにいい絵だと思う。彼はどこが気に入らなかったのだろう。ロセッティは他のラファエル前派の画家たちより独自路線志向が強かったから、そういうことも影響しているのかもしれない。
「シビュラ・パルミフェラ」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1865-70年
これを見るのは2度目。背景に目隠しされたキューピッドやドクロが描かれていたり、色々と読み解かなければいけない絵でもある。絵を眺めただけでそこまで理解することは難しいのだけれど、なんとなく美人を描いただけの絵じゃないことは雰囲気に表れている。
「クリスマス・キャロル」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1867年
「夜が明けて―ファウストの宝石を見つけるグレートヒェン」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1868年
「ラ・ドンナ・デッラ・フィネストラ(窓辺の女性)」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1870年
「ムネーモシューネー(記憶の女神)」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1876-81年
はい、どれも同じ顔ですね。
この中でモデルがわかっているのは
シビュラ・パルミフェラ → アレクサ・ワイルディング
ラ・ドンナ・デッラ・フィネストラ(窓辺の女性) → ジェイン・モリス
ムネーモシューネー(記憶の女神) → ジェイン・モリス
ジェイン・モリスというのはラファエル前派のメンバーであるウィリアム・モリスの奥さんであり、ロセッティの愛人でもあった女性。ラファエル前派というのはグループ内の男女関係が入り乱れていたのも特徴。ワイドショーだったら1ヶ月は放送できるくらいの分量になるので、このブログでそのテーマは省略。
ジェイン・モリスの写真。
撮られたのは1865年だからから26歳頃。
こちらは1898年の撮影で59歳頃。ずいぶんと印象が変わっている。
若い頃は髪が剛毛に見えるが、単にウェーヴをかけていただけだったのかな。
ロセッティの描くジェイン・モリスを決して嫌いではない。ラファエル前派に興味を持ったきっかけは、2014年の展覧会のポスターに使われたロセッティの「プロセルピナ」という作品だったのだから。今回で2度目となる「シビュラ・パルミフェラ」だって、また見ることができてうれしかった。
しかしブログの画像ではわかりにくいかもしれないが、ロセッティのジェイン・モリスあるいはジェイン・モリス似の女性像はコッテリと濃くヘビーなのである。今回それが9作品も並んでいたので胸やけした(^^ゞ
また胸やけするくらい強烈なので、他の作品の印象が少し薄くなってしまったことも否めない。このコーナーの作品数は36点。その中でロセッティは16点で半数近くを占めている。前回のエントリーで全体の中でラスキンの作品が1/4も占めることに不満を述べたが、ロセッティについても同じことがいえる。どうにもバランスの悪い展覧会である。
ーーー続く
wassho at 23:29│Comments(0)│
│美術展